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公開番号2024093556
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210017
出願日2022-12-27
発明の名称口唇の角層メラニン量の推定方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A61B 5/00 20060101AFI20240702BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】口唇の角層メラニン量を推定する方法の提供。
【解決手段】被験者の口唇のL*値を算出し、その算出値から当該口唇の角層メラニン量を推定することを含む、口唇の角層メラニン量の推定方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
被験者の口唇のL
*
値を算出し、その算出値から当該口唇の角層メラニン量を推定することを含む、口唇の角層メラニン量の推定方法。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
口唇が赤唇である請求項1記載の推定方法。
【請求項3】
以下の(1)~(3)の工程を含む、口唇の明るさ改善剤の評価又は選択方法。
(1)口唇又は口唇由来の被験試料に被験物質を適用する工程
(2)当該口唇又は口唇由来の被験試料におけるメラニン量を測定する工程
(3)(2)で測定された結果に基づいて、メラニン量を減少させる被験物質を口唇の明るさ改善剤として評価又は選択する工程
【請求項4】
口唇由来の被験試料が赤唇部上皮組織又は赤唇部上皮組織由来の培養細胞である請求項3記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、口唇の角層メラニン量の推定方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
口唇(赤唇)は、皮膚と粘膜の中間に位置する特殊な部位であり、その基本構造は顔や体の皮膚とは異なる(非特許文献1)。頬部の皮膚と下唇赤唇部(下赤唇)の組織像(HE染色像)を比べると、表皮厚、角層、真皮乳頭、血管サイズ等に多くの構造的な違いが認められる。また、皮膚表皮の最下層には皮膚メラノサイトが存在し、紫外線に応答してメラニン色素を産生するが、口唇に存在するメラノサイトは極めて少ないか又は存在しないと云われている。特に、乳幼児の上赤唇や成人の口唇粘膜でメラノサイトの存在が確認され(非特許文献2及び3)、また、下赤唇の角層でフォンタナ・マッソン法による黒褐色の染色が検出されている(非特許文献4)ものの、下赤唇や成人赤唇のメラノサイトの存在は報告されていない。そのため、例えば、皮膚においてメラニンはくすみの要因の一つと考えられているが、口唇のくすみはメラニンではなく、乾燥、摩擦及び荒れ等が主な要因として考えられている。
【0003】
口唇は顔の見た目の印象にも影響を与える重要な部位である。例えば、口唇の色が暗いと顔色が悪く不健康に見える要因となりうる。しかし、個人差がある口唇の明るさに関連する事項は明らかにされていない。
これまでに、下赤唇では加齢に伴いL
*
値は低下し、Melanin index(MI)値は上昇するとの報告がある(非特許文献5)。尚、MIは、皮膚内色素のうち、メラニン量に相関するインデックス値である。しかしながら、組織的学に下赤唇では特徴的に走行する血管が豊富で(非特許文献6)、当該MI値にはヘモグロビン等の要素を含めていることが考えられるため、下赤唇のメラニンを特異的に検出しているとは限らない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
池田敏秀 フレグランスジャーナル 1992, 20(4)14-21
Ikkei Takashimizu,and Shunsuke Yuzuriha, J Plast Reconstr & Aesthet Surg. 2018, 71(12): 1816-1834
三橋由利子ら, 日本口腔科学会雑誌 1991, 40(49): 766-771
永瀬憲一ら, 日本化粧品技術者会誌 1991, 25(1): 21-26
Eiko Tamura, et al. Skin Res Technol. 2018, 24(3):472-478
釘宮理友ら, 日本化粧品技術者会誌 2010, 44(1):41-47
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、口唇の角層メラニン量を推定する方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、口唇組織を用いてメラニン及びメラノサイトの局在を解析したところ、下赤唇においてメラニン及びメラノサイトの存在が確認された。また、下赤唇角層中のメラニン量を定量すると、下赤唇の暗いヒトは明るいヒトと比較して、角層中で多くのメラニンが検出され、下赤唇の角層メラニン量は下赤唇のL
*
値(明るさ)と負に相関することを見出した。これらの知見から、メラニンは下赤唇のL
*
値(明るさ)の決定因子の一つであり、下赤唇のL
*
値(明るさ)から口唇の角層メラニン量の推定が可能であることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の1)~2)に係るものである。
1)被験者の口唇のL
*
値を算出し、その算出値から当該口唇の角層メラニン量を推定することを含む、口唇の角層メラニン量の推定方法。
2)以下の(1)~(3)の工程を含む、口唇の明るさ改善剤の評価又は選択方法。
(1)口唇又は口唇由来の被験試料に被験物質を適用する工程
(2)当該口唇又は口唇由来の被験試料におけるメラニン量を測定する工程
(3)(2)で測定された結果に基づいて、メラニン量を減少させる被験物質を口唇の明るさ改善剤として評価又は選択する工程
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、口唇の角層メラニン量の推定が可能である。また、口唇の明るさを改善する新しい機序の改善剤を探索又は評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
口唇組織のメラニン及びメラノサイトの局在解析結果を示す。
下赤唇明度、メラニン画像及びメラニン染色像の比較を示す。
角層メラニン染色画像の解析方法を示す。
下赤唇のL
*
値(明るさ)と角層メラニン量との関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の口唇の角層メラニン量の推定方法は、被験者の口唇のL
*
値を算出し、その算出値から当該口唇の角層メラニン量を推定することを含む。
本明細書において、口唇は、ヒトの口腔口裂周辺の器官であり、皮膚と酷似した外観の白唇、赤みを帯びた外観の赤唇、口腔側の口唇粘膜で構成される。赤唇は、下唇赤唇部(下赤唇)と上唇赤唇部(上赤唇)を含む。本発明において、口唇は、好ましくは赤唇であり、より好ましくは下赤唇である。
(【0011】以降は省略されています)

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