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公開番号2024091438
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2023185819
出願日2023-10-30
発明の名称イオン発生装置、質量分析装置及びイオン発生方法
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類H01J 49/16 20060101AFI20240627BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】比較的低コストでイオン発生装置の解離の効率をさらに向上させることができる、レーザ光を利用して試料粒子を二次解離するイオン発生装置を提供する。
【解決手段】所定の領域に試料粒子を脱離させる脱離装置と、光ビームを出射し、所定の領域に光ビームを集束することにより、所定の領域内の試料粒子をイオン化、断片化又は原子化する光源と、光源が出射した所定の領域内を通過した光ビームを反射し所定の領域に集束させることにより、所定の領域における前記試料粒子のイオン化、断片化又は原子化を少なくとも1回繰り返す反射集束装置とを含み、光ビームが前記反射集束装置の表面で反射する度に所定の領域への集束が対応して一回発生するイオン発生装置とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
所定の領域に試料粒子を脱離させる脱離装置と、
光ビームを発射し、前記所定の領域に前記光ビームを集束することにより、前記所定の領域内の前記試料粒子をイオン化、断片化又は原子化する光源と、
前記光源から発せられ、前記所定の領域内を通過した前記光ビームを反射し前記所定の領域に集束させることにより、前記所定の領域における前記試料粒子のイオン化、断片化又は原子化を少なくとも1回繰り返す反射集束装置とを含み、
前記光ビームが前記反射集束装置の表面で反射する度に前記所定の領域への集束が対応して一回発生することを特徴とするイオン発生装置。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記反射集束装置は、第一凹面鏡を含み、
前記第一凹面鏡と前記光源とは前記所定の領域を挟んで対向して設置され、前記第一凹面鏡の球心は前記所定の領域内に位置することを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記反射集束装置は、第二凹面鏡をさらに含み、
前記第一凹面鏡と前記第二凹面鏡とは前記所定の領域を挟んで対向して設置され、前記第二凹面鏡の球心は前記所定の領域内に位置することを特徴とする請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記光ビームは、前記第一凹面鏡と前記第二凹面鏡との間で前記所定の領域に複数回反射および集束されることを特徴とする請求項3に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
前記光ビームは、前記第二凹面鏡の縁に沿って前記第一凹面鏡の表面まで入射することを特徴とする請求項4に記載のイオン発生装置。
【請求項6】
前記第二凹面鏡は貫通孔を有し、前記光ビームは前記貫通孔を通過して前記第一凹面鏡の表面まで入射することを特徴とする請求項4に記載のイオン発生装置。
【請求項7】
前記光源は凸レンズを含み、前記凸レンズの焦点は前記所定の領域内に位置することを特徴とする請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項8】
前記光源は凸レンズを含み、前記凸レンズの焦点は前記所定の領域内に位置することを特徴とする請求項3に記載のイオン発生装置。
【請求項9】
前記光源は凸レンズを含み、前記凸レンズの焦点は前記所定の領域内に位置することを特徴とする請求項4に記載のイオン発生装置。
【請求項10】
前記光源は凸レンズを含み、前記凸レンズの焦点は前記所定の領域内に位置することを特徴とする請求項5に記載のイオン発生装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析技術分野に関し、より詳しくは、イオン発生装置、質量分析装置及びイオン発生方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来の物質分析機器の一部では、物質を分析する場合、まず物質の試料粒子をイオン化、断片化又は原子化し、次に試料分子が解離した試料粒子を検出して物質の元素組成又は分子情報を同定するする必要がある。それに応じて、イオン発生装置は、このような物質分析機器の重要な構成要素である。
【0003】
研究により下記の知見を得た。一次解離後の試料は、多量の完全に解離しなかった粒子を含むことが多い。これはイオン発生装置の解離効率を大きく制限し、さらに分析機器の感度も制限するため、従来技術におけるイオン発生装置は、試料粒子に対して複数回の解離を行うのが一般的である。マトリックス支援レーザ脱離イオン化(MALDI、Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization)を例として、2015年Soltwischらによって発表された「Mass spectrometry imaging with laser-induced postionization」という文献には、MALDI-TOF(time of flight)質量分析装置が開示されており、260-280nmの範囲内の波長可変のレーザ光源を用いて一次イオン化により得られた粒子プルームを後段イオン化(ポストイオン化)し、該質量分析装置は、一部の脂質及び小分子物質のイオン収率を3桁程度向上させることができ、該後段イオン化技術は現在MALDI-2技術とも呼ばれる。
【0004】
しかしながら、MALDI-2のような後段イオン化技術のイオン化効率はさらに改善する必要がある。
【0005】
特許文献1には、対向して配置された一対の反射鏡を利用してイオン化効率を向上させるMALDI-IM(ion mobility)-TOF質量分析装置が開示されているが、この技術案において、反射鏡の焦点を粒子プルームが位置する領域に位置合わせるため、レーザ光が粒子プルームで一回集束するには複数回の反射が必要であり、これは、後段イオン化のイオン化効率の大幅な低下に繋がる。また、反射する度にレーザエネルギーが減衰し、後段イオン化効果はレーザエネルギーと正の相関があるため、反射後のイオン化効果を保証するために、レーザエネルギーの更なる増強が求められている。また、反射されたが集束しない光線は焦点から外れるため、ずれた光線と合わせるために一次イオン化の装置サイズや位置を変更する必要があり、装置内部の光路がより複雑になり、取り扱いが困難になる。
【0006】
特許文献2には、粒子の質量分析に用いられる装置及び方法が提案されており、具体的には、光共振器の原理を利用してレーザ光を共振器内で試料粒子の近傍まで繰り返し反射して、試料粒子を複数回イオン化するイオン発生装置が開示されている。しかしながら、レーザ脱離イオン化の解離効率は、レーザ光と試料の作用時間と空間だけでなく、レーザ光の強度にも影響され、特許文献2における共振器は、半透過反射鏡と全反射鏡との組み合わせによってレーザ光を複数回反射する必要があり、レーザ光は、当該半透過反射鏡を透過して共振器内に入射するため、レーザパワーの大幅な損失を招く。一般的に、共振器における凹面鏡の反射率R>99.99%であり、レーザ光が第一凹面鏡の中心から入射し、10
-4
程度のパワーしか共振器内に入ることができないため、入射したレーザ光が試料を解離できる強度に達するには、より高いエネルギーの入射レーザ光を提供する必要がある。ところが、レーザエネルギーの増強は、イオン発生装置の体積の増大や高コスト化に繋がる。
【0007】
したがって、従来のイオン発生装置の上記問題を解決するために、改良案が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
US8558168B2
CN101592628A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術の上記問題に鑑み、本発明の技術案は、比較的低コストでイオン発生装置の解離(即ち、イオン化、断片化又は原子化)の効率をさらに向上させることができるイオン発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、所定の領域に試料粒子を脱離させる脱離装置と、光ビームを発射し、前記所定の領域に前記光ビームを集束することにより、前記所定の領域内の前記試料粒子をイオン化、断片化又は原子化する光源と、前記光源から発せられ、前記所定の領域内を通過した前記光ビームを反射し前記所定の領域に集束させることにより、前記所定の領域における前記試料粒子のイオン化、断片化又は原子化を少なくとも1回繰り返す反射集束装置とを含むイオン発生装置を提供し、前記光ビームが前記反射集束装置の表面で反射する度に前記所定の領域への集束が対応して一回発生する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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