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公開番号2024091043
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022207321
出願日2022-12-23
発明の名称アルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法
出願人個人
代理人弁理士法人筒井国際特許事務所
主分類C01B 21/072 20060101AFI20240627BHJP(無機化学)
要約【課題】従来の技術は、製造周期の長時間により、生産コストが上がり、かつ研磨粉砕過程中に異物が入りやすくなるため、窒化アルミニウム粉末の純度に影響する課題等があった。
【解決手段】アルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法は、(A)アルミニウム金属粉体と炭素源とを提供し、前記アルミニウム金属粉体と前記炭素源とを均等に混合して、混合粉末を形成するステップと、(B)前記混合粉末を窒素含有ガス雰囲気で中低温窒化反応させ、炭化アルミニウム中間相を含有する一部窒化した窒化アルミニウム粉体を形成するステップと、(C)炭化アルミニウム中間相を除去するために、前記一部窒化した窒化アルミニウム粉体を窒素含有ガス雰囲気で高温窒化反応させ、完全に窒化した窒化アルミニウム粉体を形成するステップと、(D)前記完全に窒化した窒化アルミニウム粉体に大気で炭素の除去を行い、高純度窒化アルミニウム粉体を形成するステップと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(A)アルミニウム金属粉体と炭素源とを提供し、前記アルミニウム金属粉体と前記炭素源とを均等に混合して、混合粉末を形成するステップと、
(B)前記混合粉末を窒素含有ガス雰囲気で中低温窒化反応させ、炭化アルミニウム中間相を含有する一部窒化した窒化アルミニウム粉体を形成するステップと、
(C)炭化アルミニウム中間相を除去するために、前記一部窒化した窒化アルミニウム粉体を窒素含有ガス雰囲気で高温窒化反応させ、完全に窒化した窒化アルミニウム粉体を形成するステップと、
(D)前記完全に窒化した窒化アルミニウム粉体に対して大気で炭素の除去を行い、高純度窒化アルミニウム粉体を形成するステップと、を含む、
アルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ステップ(A)のアルミニウム金属粉体は、純度が99%以上であり、平均粒径が10~100μmである、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
【請求項3】
前記ステップ(A)の炭素源は、グラファイト、カーボンブラック又は活性炭のいずれか1つから選択され、その純度が99%以上であり、平均粒径が30μm未満であり、BET比表面積が0.1~500m
2
/gである、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
【請求項4】
前記ステップ(A)における均等に混合する方法は、乾式混合又は湿式混合の製造プロセスのいずれか1つである、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
【請求項5】
前記ステップ(A)におけるアルミニウム金属粉体と炭素源との混合重量比例は、1:0.3~1.0である、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
【請求項6】
前記ステップ(B)の中低温窒化反応の温度は、700℃~1200℃であり、反応時間は、1~8時間である、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
【請求項7】
前記ステップ(B)の窒素含有ガスは、アンモニア、窒素ガス、空気、窒素ガスと水素ガスの混合ガスのいずれかの組み合わせのグループの1つから選択される、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
【請求項8】
前記ステップ(C)の高温窒化反応の温度は、1200℃~1800℃であり、反応時間は、2~20時間である、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
【請求項9】
前記ステップ(C)の窒素含有ガスは、アンモニア、窒素、窒素ガスと水素ガスの混合ガスのいずれかの組み合わせのグループの1つから選択される、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。
【請求項10】
前記ステップ(D)の炭素の除去温度は、500℃~900℃であり、炭素の除去時間は、10~50時間である、
請求項1に記載のアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化アルミニウム粉体の製造方法に関するものであり、特にアルミニウム金属による窒化アルミニウム粉体を製造する方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
窒化アルミニウム(AlN)は、新規な電子セラミック材料であり、その優位な熱伝導性特性及び電気絶縁等の特性があるため、現在最も人気のある先端材料の1つとなっており、その特殊な物理性質は、高熱伝導係数、高抵抗率、低誘電率、低熱膨脹係数、優れた耐熱性、優れた機械強度、高い化学安定性及び毒性を有しない等の特性を含んでいることから、電子セラミック基板、電子素子の実装材、抗腐蝕素子、高導熱添加剤等の様々な応用範囲に応用することができる。
【0003】
窒化アルミニウムは、六方晶系のウルツ鉱(Wurtzite)構造に属するものであり、その原子間は、四面体で配置される強い共有結合であるため、融点が高く、かつ熱伝導性が優れた数少ない高熱伝導率を有する非金属固体であり、理論密度値は、3.26g/cm
3
である。
【0004】
窒化アルミニウムは、(1)低原子量であり、(2)原子の結合が強く、(3)結晶構造が簡易であり、(4)格子振盪均質性が高い等の四項の通則を満たすことから、熱伝導係数の理論値は、320W/mKに達することができ、市販の窒化アルミニウム製品の熱伝導係数は、170~230W/mKである。高純度の窒化アルミニウムは、無色で光透過能力を有するが、その性質は、化学純度及び密度の影響を十分容易に受けやすい。
【0005】
窒化アルミニウムは、酸素原子に対して強い親和性があるため、製造工程において、一部の酸素が窒化アルミニウムの格子中に入り込み、異物欠陥が形成されてしまうことにより、熱伝導能力が悪化してまう。これは、格子中の異物存在のような欠陥が音子の散乱を引き起こしてしまうので、熱伝導率が明らかに低下し、また、緻密度が比較的劣る窒化アルミニウムについて、熱伝導係数も低いためである。
【0006】
現在、窒化アルミニウム粉体の製造方法は、主に、直接窒化法と、燃焼合成法と、炭素熱還元法との三種類に分けられる。
【0007】
1.直接窒化法は、アルミニウム粉体を窒素ガスの中で加熱して、アルミニウム粉体を直接窒化反応させて、窒化アルミニウム粉末にする。その反応式は、以下の通りである。
2Al(s)+N
2
(g)→2AlN(s)
【0008】
AlとNとは、500℃で反応が発生し始め、500~600℃のとき、アルミニウム粒子の表面酸化膜は、反応を通じて、揮発性のある低級酸化物が生成されることで、除去される。粒子には、表面上に次第に生成された窒化物膜によって窒素を更に浸透しにくくさせることで、窒化速度が遅くなるため、窒化効率を向上させるように二次窒化を行わなくてはならない。即ち、一次窒化が800℃で一時間温度を維持し、生成物に対してボールミリングを経た後、1200℃で二次窒化を行えば、均等な窒化アルミニウム粉体を生成することができる。
【0009】
2.燃焼合成法は、アルミニウム粉体を高圧で外部熱源により点火させた後、AlとNとの反応が生成した高化学反応熱を利用することで、アルミニウム粉体が窒化アルミニウムに完全に変換されるまで、反応が自発的に継続される。燃焼合成法によって窒化アルミニウム粉末を製造するのは、実質的に依然としてアルミニウムの直接窒化であるため、反応式は、依然として、
2Al(s)+N
2
(g)→2AlN(s)である。
【0010】
この方法が製造する窒化アルミニウム粉末は、直接窒化法のように1000℃より高い温度で長時間窒化する必要がなく、点火以外の外部熱源が必要でないので、エネルギー消費が少なく、コストが低く、生産効率が高い。しかし、燃焼合成の過程において、直接窒化法と同じく、アルミニウムの融点が低いため、燃焼合成反応が高温であるとき、溶融したアルミニウムは凝集が発生しやすく、窒素が粉末内に浸透することを阻害するため、アルミニウム粉体が完全に窒化しにくい。よって、反応生成物は何回も粉砕と窒化処理を行う必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

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