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公開番号2024089859
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022205352
出願日2022-12-22
発明の名称吸放熱システム
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類H01M 10/659 20140101AFI20240627BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】加圧に伴って相転移する相転移物質の特性を有効に活用して効率よく熱を吸収・放出する。
【解決手段】本開示の吸放熱システムは、加圧に伴って相転移する相転移物質に圧力を印加して高温相から低温相への相転移を生じさせると共に、相転移物質に印加された圧力を解放して低温相から高温相への相転移を生じさせるものであり、相転移物質を含む固体熱媒体と、固体熱媒体に接触すると共に、固体熱媒体から互いに異なる方向に突出する第1突出部および第2突出部を有する伝熱部材と、固体熱媒体を一方向に加圧する加圧装置と、加圧装置により固体熱媒体が加圧されるときに伝熱部材の第1突出部に当接しながら一方向に移動する放熱部材と、固体熱媒体に印加された圧力が解放されるときに伝熱部材の第2突出部に当接しながら当該一方向とは逆方向に移動する吸熱部材とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
加圧に伴って相転移する相転移物質に圧力を印加して高温相から低温相への相転移を生じさせると共に、前記相転移物質に印加された圧力を解放して前記低温相から前記高温相への相転移を生じさせる吸放熱システムであって、
前記相転移物質を含む固体熱媒体と、
前記固体熱媒体に接触すると共に、前記固体熱媒体から互いに異なる方向に突出する第1突出部および第2突出部を有する伝熱部材と、
前記固体熱媒体を一方向に加圧する加圧装置と、
前記加圧装置により前記固体熱媒体が加圧されるときに前記伝熱部材の前記第1突出部に当接しながら前記一方向に移動する放熱部材と、
前記固体熱媒体に印加された圧力が解放されるときに前記伝熱部材の前記第2突出部に当接しながら前記一方向とは逆方向に移動する吸熱部材と、
を備える吸放熱システム。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
請求項1に記載の吸放熱システムにおいて、
前記放熱部材を前記伝熱部材の前記第1突出部に当接するように前記一方向とは逆方向に移動させると共に、前記吸熱部材を前記伝熱部材の前記第2突出部に当接するように前記一方向に移動させる移動装置を更に備える吸放熱システム。
【請求項3】
請求項2に記載の吸放熱システムにおいて、
複数の前記固体熱媒体と、
対応する前記固体熱媒体の端面に当接するように間隔をおいて配設される複数の前記伝熱部材と、
前記加圧装置により前記固体熱媒体が加圧されるときに対応する前記伝熱部材の前記第1突出部に継続して当接するように複数の前記放熱部材を支持すると共に、前記固体熱媒体に印加された圧力が解放されるときに対応する前記伝熱部材の前記第2突出部に継続して当接するように複数の前記吸熱部材を支持する支持部材とを更に備え、
前記移動装置は、前記支持部材を前記一方向および前記一方向とは逆方向に移動させる吸放熱システム。
【請求項4】
請求項3に記載の吸放熱システムにおいて、
前記放熱部材と加熱媒体とを熱交換させる第1ダクトと、
前記吸熱部材と冷却媒体とを熱交換させる第2ダクトとを更に備え、
前記伝熱部材の前記第1および第2突出部は、前記固体熱媒体から互いに逆向きに突出する吸放熱システム。
【請求項5】
請求項4に記載の吸放熱システムにおいて、
前記支持部材は、筒状に形成されると共に、前記第1ダクトと前記第2ダクトとの間に配置され、
複数の前記固体熱媒体および複数の前記伝熱部材は、前記第1および第2突出部が対応する前記放熱部材または前記吸熱部材と当接可能になるように前記支持部材の内部に配置される吸放熱システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、加圧に伴って相転移する相転移物質を含む固体熱媒体を用いた吸放熱システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、双安定性を有する相転移物質として、ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体(Rb
x
Mn[Fe(CN)
6
]
y
)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。かかるルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体は、マンガンおよび鉄の価数がMn(II)-Fe(III)となる高温相と、マンガンおよび鉄の価数がMn(III)-Fe(II)となる低温相との2つの状態で双安定性を示すものであり、第1温度以上に加熱されると低温相から高温相へと相転移して熱を吸収すると共に、第1温度よりも低い第2温度以下になると高温相から低温相へと相転移して熱を放出する。更に、非特許文献1は、ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体を加圧すると、高温相から低温相への相転移温度および低温相から高温相への相転移温度が高くなることを開示している。
【0003】
また、従来、上記ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体を含む蓄熱体を用いた蓄熱放熱システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この蓄熱放熱システムは、蓄熱体を収容する断熱ケースと、断熱ケースの開口部を開閉する開閉装置と、発熱体と蓄熱体とを熱伝導可能に接続すると共に伝熱状態と非伝熱状態とに切替自在な第1伝熱部と、加熱対象体と蓄熱体とを熱伝導可能に接続すると共に伝熱状態と非伝熱状態とに切替自在な第2伝熱部と、制御部とを含む。制御部は、発熱体の温度が第1温度以上である場合に開口部を閉塞状態にすると共に第1伝熱部を伝熱状態とする。また、制御部は、断熱ケースの周囲の外気温が第2温度以下であり、かつ加熱対象体に関する規定の開始条件を満足する場合に開口部を開放状態にすると共に第2伝熱部を伝熱状態とする。これにより、発熱体の温度が第1温度以上である場合に、発熱体の熱を蓄熱体に伝達し、蓄熱体(ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体)を高温相に相転移させて蓄熱させることができる。また、外気温が第2温度以下であり、かつ開始条件を満足する場合には、開口部から断熱ケース内に流入してくる外気で蓄熱体を第2温度以下に冷却して蓄熱体(ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体)を低温相に相転移させ、蓄熱体から放出される熱により加熱対象体を加熱することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 109, 013520 (2011)
特開2020-200799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された蓄熱放熱システムによれば、比較的簡素な構成で効率よく発熱体から熱を吸収して蓄熱体に蓄え、蓄えられた熱を必要に応じて蓄熱体から放熱させて加熱対象体を加熱することができる。ただし、上記蓄熱放熱システムにおいて、ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体は、発熱体から吸収した熱を蓄えて、蓄えた熱を放熱して加熱対象体を加熱するためだけに用いられる。すなわち、特許文献1に記載の蓄熱放熱システムでは、熱を吸収する高温相と熱を放出する低温相との2つの状態で双安定性を示し、かつ加圧されることで高温相から低温相への相転移温度および低温相から高温相への相転移温度が高くなる、といったルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体の特性が十分に活用されてはいない。
【0006】
そこで、本開示は、加圧に伴って相転移する相転移物質の特性を有効に活用して効率よく熱を吸収・放出することができる吸放熱システムの提供を主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の吸放熱システムは、加圧に伴って相転移する相転移物質に圧力を印加して高温相から低温相への相転移を生じさせると共に、前記相転移物質に印加された圧力を解放して前記低温相から前記高温相への相転移を生じさせる吸放熱システムであって、前記相転移物質を含む固体熱媒体と、前記固体熱媒体に接触すると共に、前記固体熱媒体から互いに異なる方向に突出する第1突出部および第2突出部を有する伝熱部材と、前記固体熱媒体を一方向に加圧する加圧装置と、前記加圧装置により前記固体熱媒体が加圧されるときに前記伝熱部材の第1突出部に当接しながら前記一方向に移動する放熱部材と、前記固体熱媒体に印加された圧力が解放されるときに前記伝熱部材の第2突出部に当接しながら前記一方向とは逆方向に移動する吸熱部材とを含むものである。
【0008】
本開示の吸放熱システムでは、加圧装置により固体熱媒体が一方向に加圧されるときに、放熱部材が、当該固体熱媒体に接触する伝熱部材の第1突出部に当接しながら当該一方向に移動する。加圧装置により固体熱媒体が加圧されると、相転移物質の高温相から低温相への相転移温度が高くなる。従って、加圧装置により固体熱媒体が一方向に加圧されたときには、固体熱媒体の温度を大幅に低下させることなく、相転移物質の高温相から低温相への相転移を生じさせ、固体熱媒体から伝熱部材を介して放熱部材に熱を放出することが可能になる。また、固体熱媒体に印加された圧力が解放されるときには、吸熱部材が伝熱部材の第2突出部に当接しながら上記一方向とは逆方向に移動する。固体熱媒体に印加された圧力が解放されると、相転移物質の低温相から高温相への相転移温度が低下する。従って、固体熱媒体に印加された圧力が解放されたときには、固体熱媒体の温度を大幅に高くすることなく、相転移物質の低温相から高温相への相転移を生じさせ、吸熱部材および伝熱部材を介して熱を固体熱媒体に吸収させることができる。この結果、本開示の吸放熱システムでは、加圧装置による固体熱媒体の加圧および圧力の解放を繰り返し実行することで、相転移物質の特性を有効に活用して効率よく熱を吸収・放出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の吸放熱システムを示す概略構成図である。
図1のII-II線に沿った断面図である。
本開示の吸放熱システムの動作を説明するための概略構成図である。
本開示の吸放熱システムの動作を説明するための概略構成図である。
本開示の吸放熱システムの動作を説明するための概略構成図である。
本開示の吸放熱システムの動作を説明するための概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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