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公開番号2024088497
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203708
出願日2022-12-20
発明の名称エアロゲル及びエアロゲル複合体の製造方法並びに該製造時における廃液の再生方法
出願人株式会社イノアック技術研究所
代理人個人,個人
主分類C01B 33/158 20060101AFI20240625BHJP(無機化学)
要約【課題】 エアロゲル及びエアロゲル複合体の製造において発生する廃液を該製造に再利用し得る技術を提供することを課題とする。
【解決手段】 エアロゲル又はエアロゲル複合体の製造工程にて使用された処理液の廃液の再生方法であって、該廃液に酸を添加することにより、該廃液中に含まれる塩基と該酸との塩を沈殿させ、前記塩を除去する塩基除去工程を含む。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
エアロゲル又はエアロゲル複合体の製造方法において、
前記製造方法における所定工程にて使用された処理液を廃液として回収する廃液回収工程と、
前記廃液回収工程で回収した前記廃液に酸を添加することにより、前記廃液中に含まれる塩基と前記酸との塩を沈殿させ、前記塩を除去する塩基除去工程と、
前記塩基除去工程後の液を、前記製造方法におけるいずれかの工程での処理液として再利用する再利用工程と
を含むことを特徴とする製造方法。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記製造方法が、
ゾル溶液をゲル化して湿潤ゲルを調製するか、又は、多孔質基材に充填されたゾル溶液をゲル化して湿潤ゲル複合体を調製する、ゲル調製工程と、
前記ゲル調製工程後、前記湿潤ゲル又は前記湿潤ゲル複合体中の水分を除去する水分除去工程と、
前記水分除去工程後、前記湿潤ゲル又は前記湿潤ゲル複合体を疎水化処理液で疎水化する疎水化工程と、
前記疎水化工程後、前記湿潤ゲル又は前記湿潤ゲル複合体を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程後、前記湿潤ゲルを乾燥し、エアロゲル又はエアロゲル複合体を調製する乾燥工程と
を有し、
前記所定工程での前記処理液が、前記洗浄工程での前記洗浄液である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
エアロゲル又はエアロゲル複合体の製造工程にて使用された処理液の廃液の再生方法であって、
前記廃液に酸を添加することにより、前記廃液中に含まれる塩基と前記酸との塩を沈殿させ、前記塩を除去する塩基除去工程を含むことを特徴とする廃液の再生方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゲル及びエアロゲル複合体の製造方法並びに該製造時における廃液の再生方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
エアロゲル及びエアロゲル複合体は、湿潤ゲルを乾燥することで製造される。ここで、エアロゲル及びエアロゲル複合体は、例えば、ゲル化処理、溶媒置換処理、疎水化処理、超臨界乾燥処理と、多段階の処理を経て製造される。これら多段階処理の内、ゲル化処理においては、塩基性触媒が使用されることがある。また、疎水化処理は、ゲルの表面に存在する水酸基同士が乾燥時に脱水縮合し収縮することを抑制する目的で、シリル化剤や機能性シランで該水酸基を疎水化させる工程である。この疎水化処理において、疎水化剤として例えばジシラザンを使用する場合、アンモニアが発生する。このように、これら工程をはじめとして、塩基がエアロゲル及びエアロゲル複合体内に残存し得る状態の場合、エアロゲル及びエアロゲル複合体内の物性低下の要因になるだけでなく、超臨界乾燥時の二酸化炭素と塩を生成し、乾燥時の配管詰まりの原因となる。したがって、乾燥処理に先立ち、塩基を除去するためには溶媒による複数回の洗浄が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-40750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この際、洗浄液(溶媒)による、塩基が存在し得るエアロゲル及びエアロゲル複合体の複数回洗浄の後、溶媒(廃液)は廃棄される。そこで、本発明は、エアロゲル及びエアロゲル複合体の製造において発生する廃液を、例えば該製造に再利用し得る技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、エアロゲル又はエアロゲル複合体の製造方法において、前記製造方法における所定工程にて使用された処理液を廃液として回収する廃液回収工程と、前記廃液回収工程で回収した前記廃液に酸を添加することにより、前記廃液中に含まれる塩基と前記酸との塩を沈殿させ、前記塩を除去する塩基除去工程と、前記塩基除去工程後の液を、前記製造方法におけるいずれかの工程での処理液として再利用する再利用工程とを含むことを特徴とする製造方法である。
【0006】
また、本発明は、エアロゲル又はエアロゲル複合体の製造工程にて使用された処理液の廃液の再生方法であって、前記廃液に酸を添加することにより、前記廃液中に含まれる塩基と前記酸との塩を沈殿させ、前記塩を除去する塩基除去工程を含むことを特徴とする廃液の再生方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エアロゲル及びエアロゲル複合体の製造において発生する廃液を、例えば該製造時のいずれかの工程において再利用する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本形態に係るエアロゲル又はエアロゲル複合体の製造方法は、前記製造方法における所定工程にて使用された処理液を廃液として回収する廃液回収工程と;前記廃液回収工程で回収した前記廃液に酸を添加することにより、前記廃液中に含まれる塩基と前記酸との塩を沈殿させ、前記塩を除去する塩基除去工程と;前記塩基除去工程後の液を、前記製造方法におけるいずれかの工程での処理液として再利用する再利用工程と;を含む。
【0009】
特に、本形態の一例に係るエアロゲル又はエアロゲル複合体の製造方法は、ゾル溶液をゲル化して湿潤ゲルを調製するか、又は多孔質基材に充填されたゾル溶液をゲル化して湿潤ゲル複合体を調製する、ゲル調製工程と;前記ゲル調製工程後、前記湿潤ゲルを疎水化処理液で疎水化する疎水化工程と;前記疎水化工程後、前記湿潤ゲルを洗浄液で洗浄する洗浄工程と;前記洗浄工程後、前記湿潤ゲルを乾燥し、エアロゲルを調製する乾燥工程と;を有する。
【0010】
以下、上述した各工程を詳述する。ここで、本明細書及び本特許請求の範囲における各用語の意義を説明する。「エアロゲル」は、湿潤ゲルを乾燥することにより得られた乾燥ゲルを意味する。例えば、超臨界乾燥法を用いて得られた乾燥ゲル(狭義のエアロゲル)、大気圧下での乾燥により得られた乾燥ゲル(キセロゲル)、凍結乾燥により得られた乾燥ゲル(クライオゲル)を挙げることができる。また、基本骨格も特に限定されず、例えば、シリカエアロゲル、カーボンエアロゲル、アルミナエアロゲル、ポリマーエアロゲルを挙げることができる。「エアロゲル複合体」は、エアロゲルと他の材質(例えば、多孔質樹脂基体)とを含む複合体である。エアロゲル複合体は、一体化されたひとつの物質として取り扱うことができる状態であることが好適である。例えば、他の材質が有する官能基とエアロゲル表面の官能基との化学的相互作用による結合、他の材質とエアロゲルとの分子間相互作用による結合によりエアロゲルが他の材質を包んでいる状態や付着している状態(例えば、エアロゲルが多孔質樹脂基体に充填されている状態)を挙げることができる。以下、エアロゲル及びエアロゲル複合体の製造方法として、シリカエアロゲル及びシリカアエロゲル複合体の製造方法を例に採り、本発明を詳述する。但し、本発明は、以下の例には何ら限定されない。
(【0011】以降は省略されています)

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