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公開番号2024081103
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-17
出願番号2023072031
出願日2023-04-26
発明の名称アンモニア合成システム
出願人株式会社豊田中央研究所,トヨタ自動車株式会社,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人
主分類C01C 1/04 20060101AFI20240610BHJP(無機化学)
要約【課題】アンモニアを効率的に合成することができる技術を提供する。
【解決手段】アンモニアを合成するアンモニア合成システムは、水素と窒素とを含む反応ガスからアンモニアを合成する合成反応を促進する触媒を収容する反応器と、反応器に導入される反応ガス中の窒素に対する水素の割合であるH2/N2比を制御する制御部と、を備え、制御部は、触媒が活性化したとみなされる活性化温度まで触媒の温度を昇温させる活性化前運転時のH2/N2比を、触媒の温度が活性化温度に到達した後の活性化後運転時のH2/N2比とは異なる値に制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アンモニアを合成するアンモニア合成システムであって、
水素と窒素とを含む反応ガスからアンモニアを合成する合成反応を促進する触媒を収容する反応器と、
前記反応器に導入される前記反応ガス中の窒素に対する水素の割合であるH
2
/N
2
比を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記触媒が活性化したとみなされる活性化温度まで前記触媒の温度を昇温させる活性化前運転時のH
2
/N
2
比を、前記触媒の温度が前記活性化温度に到達した後の活性化後運転時のH
2
/N
2
比とは異なる値に制御する、アンモニア合成システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載のアンモニア合成システムであって、
前記制御部は、前記活性化前運転時のH
2
/N
2
比を、前記活性化後運転時のH
2
/N
2
比よりも小さくなるよう制御する、アンモニア合成システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアンモニア合成システムであって、
前記制御部は、前記活性化前運転時に、
前記触媒よりも下流側にて検出される下流側アンモニア濃度が、前記触媒の温度から算出される平衡状態でのアンモニア濃度に所定割合を乗じた比較対象濃度よりも高い場合に、H
2
/N
2
比を増加させる増加制御を実行し、

2
/N
2
比を増加させてから設定時間を経過した後の前記下流側アンモニア濃度が、最後の前記増加制御を行う契機となった前記下流側アンモニア濃度よりも高く、且つ、前記比較対象濃度よりも高くなるたびに、前記増加制御を追加で実行し、

2
/N
2
比を増加させてから前記設定時間を経過した後の前記下流側アンモニア濃度が、最後の前記増加制御を行う契機となった前記下流側アンモニア濃度よりも低い場合、H
2
/N
2
比を最後の前記増加制御を行う前のH
2
/N
2
比に戻す減少制御を実行する、アンモニア合成システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のアンモニア合成システムであって、
前記制御部は、前記反応器に導入される前記反応ガスの流量を制御し、
前記制御部は、前記活性化前運転時における前記反応ガスの流量を、前記活性化後運転時における前記流量よりも小さくなるよう制御する、アンモニア合成システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のアンモニア合成システムであって、さらに、
前記反応器から排出される反応後ガスを冷却する冷却器と、
前記冷却器を経ることなく前記反応後ガスを前記反応器の上流側に循環させる第1流路と、前記反応後ガスを前記冷却器に送る第2流路と、のいずれかに前記反応後ガスが流れる流路を切り替える流路切替部と、を備え、
前記制御部は、前記活性化前運転時に、
前記触媒の温度が前記活性化温度よりも低い温度の範囲内で設定された第1設定温度よりも低い場合、前記流路が前記第1流路になるよう前記流路切替部を制御し、
前記触媒の温度が前記第1設定温度以上である場合、前記流路が前記第2流路になるよう前記流路切替部を制御する、アンモニア合成システム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載のアンモニア合成システムであって、
前記制御部は、前記活性化後運転時に、前記触媒の温度が前記活性化温度よりも高い温度の範囲内で設定された第2設定温度よりも高い場合、前記触媒の温度を低下させる温度低下制御を実行する、アンモニア合成システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア合成システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、触媒を収容した反応器に対して、窒素(N
2
)と水素(H
2
)とを含む反応ガスを導入することによりアンモニアを合成するアンモニア合成システムが知られている。そのようなアンモニア合成システムとして、例えば、特許文献1には、パージガスや冷却器を用いて中間生成ガスを冷却するアンモニア合成システムが開示されている。また、特許文献2には、アンモニア合成に用いる循環ガス中のアンモニアガスの濃度を3体積%以上にして、アンモニア合成を実行するアンモニア合成システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-203603号公報
特開2020-66573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
触媒に導入される反応ガス中の窒素に対する水素の割合(H
2
/N
2
比)は、アンモニア合成速度を決定するパラメータの1つである。アンモニア合成速度を促進するために適切なH
2
/N
2
比は、例えば、触媒の温度や反応器内が平衡状態であるか否に応じて変動する。しかし、特許文献1,2におけるアンモニア合成システムでは、H
2
/N
2
比の制御について何ら考慮しておらず、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、アンモニアを効率的に合成することができるアンモニア合成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、アンモニア合成システムが提供される。このアンモニア合成システムは、水素と窒素とを含む反応ガスからアンモニアを合成する合成反応を促進する触媒を収容する反応器と、前記反応器に導入される前記反応ガス中の窒素に対する水素の割合であるH
2
/N
2
比を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記触媒が活性化したとみなされる活性化温度まで前記触媒の温度を昇温させる活性化前運転時のH
2
/N
2
比を、前記触媒の温度が前記活性化温度に到達した後の活性化後運転時のH
2
/N
2
比とは異なる値に制御する。
【0008】
この構成によれば、触媒の活性化前に導入する反応ガス中のH
2
/N
2
比と、触媒の活性化後に導入する反応ガス中のH
2
/N
2
比と、を異なる値に制御することができる。このため、活性化前後の各々の時期に応じて、触媒に導入される反応ガス中のH
2
/N
2
比を適切な値に調整することができる。したがって、活性化前後のいずれの時期においても触媒に導入される反応ガス中のH
2
/N
2
比が一定である形態と比べて、アンモニアを効率的に合成することができる。
【0009】
(2)上記形態のアンモニア合成システムにおいて、前記制御部は、前記活性化前運転時のH
2
/N
2
比を、前記活性化後運転時のH
2
/N
2
比よりも小さくなるよう制御してもよい。
触媒活性化前のアンモニア合成に適切なH
2
/N
2
比が、触媒活性化後のアンモニア合成に適切なH
2
/N
2
比よりも小さい触媒をアンモニア合成システムが備える場合に、この構成によれば、活性化前後のいずれの時期においても、適切なH
2
/N
2
比の反応ガスが触媒に導入できることから、アンモニアを効率的に合成することができる。
【0010】
(3)上記形態のアンモニア合成システムにおいて、前記制御部は、前記活性化前運転時に、前記触媒よりも下流側にて検出される下流側アンモニア濃度が、前記触媒の温度から算出される平衡状態でのアンモニア濃度に所定割合を乗じた比較対象濃度よりも高い場合に、H
2
/N
2
比を増加させる増加制御を実行し、H
2
/N
2
比を増加させてから設定時間を経過した後の前記下流側アンモニア濃度が、最後の前記増加制御を行う契機となった前記下流側アンモニア濃度よりも高く、且つ、前記比較対象濃度よりも高くなるたびに、前記増加制御を追加で実行し、H
2
/N
2
比を増加させてから前記設定時間を経過した後の前記下流側アンモニア濃度が、最後の前記増加制御を行う契機となった前記下流側アンモニア濃度よりも低い場合、H
2
/N
2
比を最後の前記増加制御を行う前のH
2
/N
2
比に戻す減少制御を実行してもよい。
この構成によれば、活性化前運転時において、H
2
/N
2
比を増加させてから設定時間を経過した後の下流側アンモニア濃度が、最後の増加制御を行う契機となった下流側アンモニア濃度よりも高くなったのち比較対象濃度よりも高くなるたびに、追加で増加制御が実行されることから、活性化前運転時の反応ガス中のH
2
/N
2
比を段階的に増加させて最適な値に近付けることができる。したがって、活性化前運転時において、アンモニアをより効率的に合成することができる。一方、活性化前運転時において、H
2
/N
2
比を増加させてから設定時間を経過した後の下流側アンモニア濃度が、最後の増加制御を行う契機となった下流側アンモニア濃度よりも低い場合には減少制御が実行されることから、活性化前運転時の反応ガス中のH
2
/N
2
比が最適な値を超えて増加し続けるのを防止することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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