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公開番号2024083368
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-21
出願番号2024048326,2021175639
出願日2024-03-25,2021-10-27
発明の名称二酸化塩素吸着による亜塩素酸水製造法
出願人三慶株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01B 11/08 20060101AFI20240614BHJP(無機化学)
要約【課題】長時間にわたって水中で亜塩素酸を安定して維持できる亜塩素酸水の新規製造方法の提供。
【解決手段】二酸化塩素ガス(ClO2)を無機酸、無機酸塩、有機酸又は有機酸塩をいずれか単体、または2種類以上の単体もしくはこれらを併用したものにトラップ(trap、捕捉ないし吸着)させることによって、遷移状態を作り出し、分解反応を遅らせることで長時間にわたって亜塩素酸(HClO2)を水に安定して維持する方法。例えば、ガス洗浄装置2にガス洗浄液としてH2O、NaOH、H2O2が充填され、二酸化塩素ガス貯蔵タンク3に二酸化塩素ガスが準備され、亜塩素酸水製造タンク1に、炭酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、4ホウ酸ナトリウムが充填され、エアーポンプ4を稼働させて亜塩素酸水製造タンク1に二塩化塩素を流入させ、亜塩素酸水を製造する方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
図面に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化塩素吸着による亜塩素酸水製造法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
亜塩素酸水は、食品添加物として注目されている。しかしながら、亜塩素酸水は製造が難しく、製造できても通常の状態では保存が利かないという問題がある。
【0003】
他方本発明者は、亜塩素酸水の製法を見出し、大腸菌に対する殺菌効果も確認した上で出願している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2008/026607号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、亜塩素酸水の新規製法に関する技術を見出し、これを提供する。
【0006】
1つの局面では、本発明は、二酸化塩素ガス(ClO

)を無機酸、無機酸塩、有機酸または有機酸塩をいずれか単体、または2種類以上の単体もしくはこれらを併用したものにトラップ(trap、捕捉ないし吸着)させることによって、遷移状態を作り出し、分解反応を遅らせることで長時間にわたって亜塩素酸(HClO

)を水に安定して維持することができる方法を提供する。これらの方法は好ましい実施形態では、上記水溶液に、さらに、無機酸、無機酸塩、有機酸または有機酸塩を単体または2種類以上の単体もしくは、これらを併用したものを加えることを利用することができる。
【0007】
上記無機酸としては、炭酸、リン酸、ホウ酸または硫酸が挙げられる。また、無機酸塩としては、炭酸塩、水酸化塩のほか、リン酸塩またはホウ酸塩が挙げられ、更に具体的にいえば、炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等、水酸化塩は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等、リン酸塩は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等、ホウ酸塩は、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等を用いるとよい。さらに、上記有機酸としては、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸または乳酸等が挙げられる。また、有機酸塩では、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムまたは乳酸カルシウム等が適している。
【0008】
本発明は以下をも提供する。
(1)二酸化塩素(ClO

)を、無機酸、無機酸塩、有機酸もしくは有機酸塩のうちのいずれか単体もしくは2種類以上の単体、またはこれらを併用したものを含む水溶液Aに吸着(Trap)させる工程を包含する、亜塩素酸水の製造方法。
(2)前記二酸化塩素を過酸化水素の共存下で加える工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(3)前記水溶液AのpHは11.0以下6.0以上である、項目1または2に記載の方法。
(4)前記水溶液AのpHは10.8以下10.2以上である、項目1~3のいずれかに
記載の方法。
(5)前記水溶液AのTALは、20~2000であり、ここでTALは、pH11.0以下の初発のpHからpH4までの0.1N-HClの滴定量で求められる、項目1~4のいずれかに記載の方法。ここのTALは二酸化塩素ガスを吹き込む前の水溶液のTALであり、吹き込んだ後に出来上がった水溶液は、亜塩素酸水である。このときの水溶液は、水溶液Aと比較してTALが減少してしまう。この水溶液に、本発明で指定されるような特定の緩衝剤(水溶液B)を入れることで、亜塩素酸と亜塩素酸イオンが安定する。な
お、水溶液Aの初発のpHを低く抑え、かつ、TALの範囲を制限する理由は、水酸化ナトリウム特有の強アルカリ性の緩衝力を排除し、その上で弱酸性域~弱アルカリ性域にかけて緩衝力を持たせた水溶液に限定するためである。
(6)前記二酸化塩素(ClO

)は気体として提供される、項目1~5のいずれかに記載の方法。
(7)前記加える工程の後、無機酸、無機酸塩、有機酸もしくは有機酸塩のうちのいずれか単体もしくは2種類以上の単体、またはこれらを併用したものを含む水溶液Bをさらに加える工程を包含する、項目1~6のいずれかに記載の方法。
(8)前記無機酸は、炭酸、リン酸、ホウ酸または硫酸である、項目1~7のいずれかに記載の方法。
(9)前記無機酸塩は、炭酸塩、水酸化塩、リン酸塩またはホウ酸塩である、項目1~8のいずれかに記載の方法。
(10)前記炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムである、項目9に記載の方法。
(11)前記水酸化塩は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムまたは水酸化バリウムである、項目9に記載の方法
(12)前記リン酸塩は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウムまたはリン酸二水素カリウムである、項目9に記載の方法。
(13)前記ホウ酸塩は、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸カリウムである、項目9に記載の方法。
(14)前記有機酸塩は、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸または乳酸である、項目1~13のいずれかに記載の方法。
(15)前記有機酸塩は、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムまたは乳酸カルシウムである、項目1~14のいずれかに記載の方法。
(16)前記水溶液Bを加えた後の液のpHは3.2以上7.0未満である、項目4~15のいずれかに記載の方法。
(17)前記水溶液Bを加えた後の液のpHは4.0以上7.0未満である、項目4~16のいずれかに記載の方法。
(18)前記水溶液Bを加えた後の液のpHは5.0以上7.0未満である、項目4~17のいずれかに記載の方法。
(19)前記二酸化塩素ガスは、0.8~1.0%で存在する、項目1~18のいずれかに記載の方法。
(20)二酸化塩素(ClO

)を、無機酸、無機酸塩、有機酸もしくは有機酸塩のうちいずれか単体もしくは2種類以上の単体、またはこれらを併用したものを含む水溶液Aにトラップ(Trap)させる工程を包含する方法によって製造される、亜塩素酸水。
(21)前記方法が、前記二酸化塩素を過酸化水素の共存下で加える工程をさらに包含する、項目20に記載の亜塩素酸水
(22)前記水溶液AのpHは11.0以下6.0以上である、項目20または21に記載の亜
塩素酸水。
(23)前記水溶液AのpHは10.8以下10.2以上である、項目20~22のいずれかに記
載の亜塩素酸水。
(24)前記二酸化塩素(ClO

)は気体として提供される、項目20~23のいずれかに記載の亜塩素酸水。
【0009】
本発明のさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解していただければ、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、有用な物質である亜塩素酸を長期間水溶液中に安定させる技術が提供され、取り扱いに便利な亜塩素酸水として、食品産業に留まらず、福祉や介護施設、更には、医療施設等、多くの現場で幅広く活用できる可能性が高まった。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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