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公開番号2024088346
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203462
出願日2022-12-20
発明の名称ロッカーボギー車
出願人株式会社明電舎
代理人園田・小林弁理士法人
主分類B60G 17/00 20060101AFI20240625BHJP(車両一般)
要約【課題】不整地や段差を走行する場合においても、荷台に載荷された物品の荷崩れを抑制する。
【解決手段】ロッカーボギー車1は、前輪11と中輪12の各々を軸支し、これらを連結するボギーリンク20と、ボギーリンク20の前輪11と中輪12の間の中間部21cと、後輪13と、を軸支し、これらを連結するロッカーリンク32を有するロッカーリンク体30と、ロッカーリンク体30と荷台41を連結して荷台41を支持する荷台支持機構42と、制御部と、を備え、荷台支持機構42は、ロッカーリンク体30の前側と後側の各々に設けられた前側支持機構42Aと後側支持機構42Bを備え、前側支持機構42Aと後側支持機構42Bのいずれか一方または双方は、ロッカーリンク体30と荷台41との間の距離を調整可能となるように設けられた直動型アクチュエータ43を備え、制御部は、直動型アクチュエータ43を伸縮させて、荷台41が水平となるように制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
前輪、中輪、及び後輪の各々が、左右に一対設けられ、荷台に載荷された物品を搬送するロッカーボギー車であって、
前記前輪と前記中輪の各々を軸支し、これらを連結するボギーリンクと、
前記ボギーリンクの前記前輪と前記中輪の間の中間部と、前記後輪と、を軸支し、これらを連結するロッカーリンクを有するロッカーリンク体と、
前記ロッカーリンク体と前記荷台を連結して前記荷台を支持する荷台支持機構と、
制御部と、
を備え、
前記荷台支持機構は、前記ロッカーリンク体の前側と後側の各々に設けられた前側支持機構と後側支持機構を備え、前記前側支持機構と前記後側支持機構のいずれか一方または双方は、前記ロッカーリンク体と前記荷台との間の距離を調整可能となるように設けられた直動型アクチュエータを備え、
前記制御部は、前記直動型アクチュエータを伸縮させて、前記荷台が水平となるように制御する、ロッカーボギー車。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記直動型アクチュエータは、前記前側支持機構と前記後側支持機構の双方に、それぞれ設けられ、
前記前側支持機構と前記後側支持機構の各々は、前記ロッカーリンク体に対して前後方向に回転可能となるように、回転支持部を介して前記ロッカーリンク体に接続され、
前記制御部は、前記直動型アクチュエータを伸縮させつつ前記回転支持部を前記ロッカーリンク体に対して回転制御して、前記荷台が水平となるように制御する、請求項1に記載のロッカーボギー車。
【請求項3】
前記前側支持機構と前記後側支持機構の各々は、前記荷台に対する角度が、少なくとも前後方向に調整可能な、角度調整機構を介して、前記荷台に接続されている、請求項2に記載のロッカーボギー車。
【請求項4】
前記制御部は、前記前輪を上昇または下降させる際に、前記前側支持機構と前記後側支持機構の双方の前記回転支持部を、前記ロッカーリンク体に対して後方に向けて回転させて、前記荷台が後方へと移動するように制御する、請求項2または3に記載のロッカーボギー車。
【請求項5】
前記制御部は、前記後輪を上昇させる際に、前記前側支持機構と前記後側支持機構の双方の前記回転支持部を、前記ロッカーリンク体に対して前方に向けて回転させて、前記荷台が前方へと移動するように制御する、請求項4に記載のロッカーボギー車。
【請求項6】
前記前側支持機構と前記後側支持機構の各々は、左右に一対設けられている、請求項2または3に記載のロッカーボギー車。
【請求項7】
前記荷台の姿勢を計測可能な姿勢センサを更に備え、
前記制御部は、前記姿勢センサの計測結果を基に、前記直動型アクチュエータを伸縮させつつ前記回転支持部を回転制御して、前記荷台が水平となるように制御する、請求項2または3に記載のロッカーボギー車。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカーボギー車に関する。
続きを表示(約 5,200 文字)【背景技術】
【0002】
車輪により走行する移動装置においては、不整地を走行させたり、段差を踏破させたりするような場合における走行性能が、一般的には高くはない。このような移動装置に関し、不整地や段差の走行性能を高めるための技術開発が行われている。
特に、このような移動装置を用いて物品を運搬する場合においては、移動装置が不整地や段差を走行すると、荷台が傾き、運搬物が荷崩れし、転倒、落下してしまう可能性がある。
これに対し、特許文献1には、荷台と、荷台を支える少なくとも4つの脚と、荷台の水平状態を保持する水平保持機構と、段差上または斜面上を上り下り可能に自己の重心位置を制御し、脚の姿勢を制御する制御機構とを備える構成が開示されている。
ところで、車輪により走行する移動装置としては、ロッカーリンクとボギーリンクにより3対の動輪を有する構造で、高い不整地走行性能を有する、ロッカーボギー車が挙げられる。このようなロッカーボギー車によって、不整地や段差を走行させる場合においても、運搬物の荷崩れを抑制し、走行性能をより高めることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-109294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、不整地や段差を走行する場合においても、荷台に載荷された物品の荷崩れを抑制し、走行性能を高めることができる、ロッカーボギー車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のロッカーボギー車は、前輪、中輪、及び後輪の各々が、左右に一対設けられ、荷台に載荷された物品を搬送するロッカーボギー車であって、前記前輪と前記中輪の各々を軸支し、これらを連結するボギーリンクと、前記ボギーリンクの前記前輪と前記中輪の間の中間部と、前記後輪と、を軸支し、これらを連結するロッカーリンクを有するロッカーリンク体と、前記ロッカーリンク体と前記荷台を連結して前記荷台を支持する荷台支持機構と、制御部と、を備え、前記荷台支持機構は、前記ロッカーリンク体の前側と後側の各々に設けられた前側支持機構と後側支持機構を備え、前記前側支持機構と前記後側支持機構のいずれか一方または双方は、前記ロッカーリンク体と前記荷台との間の距離を調整可能となるように設けられた直動型アクチュエータを備え、前記制御部は、前記直動型アクチュエータを伸縮させて、前記荷台が水平となるように制御する。
このような構成によれば、ロッカーボギー車は、前輪と中輪の各々を軸支し、これらを連結するボギーリンクと、ボギーリンクの前輪と中輪の間の中間部と、後輪と、を軸支し、これらを連結するロッカーリンクを備えることで、不整地を走行させることができる。特に段差を、例えばロッカーボギー車が第1地表面に位置し、第1地表面から垂直面により連続して第1地表面よりも高く段差の先に位置する第2地表面へと上るように、走行する際には、まず、中輪及び後輪を第1地表面に接地させつつ、ボギーリンクをロッカーリンクに軸支される中間部を中心として回転させて、前輪を中輪及び後輪よりも上昇させ、その状態で前進することで、前輪を第2地表面に接地させる。続いて、ボギーリンクを逆方向に回転させ、中輪を前輪と同じ高さまで持ち上げ、その状態で更に前進させて、前輪に加えて中輪も第2地表面に接地させる。そして、前輪と中輪で車体を支持し前進させつつ、後輪で垂直面を蹴上がるようにすることで、後輪を第2地表面に持ち上げる。これにより、ロッカーボギー車は、段差を上ることができる。同様な手順で段差を下ることも可能であり、このようにしてロッカーボギー車は、段差を踏破し、走行することができる。
このようにしてロッカーボギー車が不整地や段差を走行するに際し、前輪、中輪、及び後輪のいずれかを、他に比べて高さが異なる位置へと変位させる必要がある。すると、ボギーリンク及びロッカーリンクは双方とも、水平面に対する角度が変わるため、ロッカーリンクを有するロッカーリンク体に対して荷台支持機構によって支持された荷台もこれに伴って、水平面に対して傾斜しようとする。ここで、荷台支持機構は、ロッカーリンク体の前側と後側の各々に設けられた前側支持機構と後側支持機構を備え、前側支持機構と後側支持機構のいずれか一方または双方は、ロッカーリンク体と荷台との間の距離を調整可能となるように設けられた直動型アクチュエータを備え、制御部は、直動型アクチュエータを伸縮させて、荷台が水平となるように制御する。このため、直動型アクチュエータが前側支持機構に設けられた場合には、前側が後側に対して持ち上がるようにロッカーリンク体が傾斜した際には直動型アクチュエータを収縮させ、前側が後側に対して下がるようにロッカーリンク体が傾斜した際には直動型アクチュエータを伸長させることで、荷台が水平となるように制御することができる。また、直動型アクチュエータが後側支持機構に設けられた場合には、前側が後側に対して持ち上がるようにロッカーリンク体が傾斜した際には直動型アクチュエータを伸長させ、前側が後側に対して下がるようにロッカーリンク体が傾斜した際には直動型アクチュエータを収縮させることで、荷台が水平となるように制御することができる。あるいは、直動型アクチュエータが前側支持機構と後側支持機構の双方に設けられた場合には、上記のいずれかの動作で、あるいは上記の動作を組み合わせることで、荷台が水平となるように制御することができる。
また、上記のように、荷台が水平となるように制御されるため、不整地や段差を走行する場合においても走行が安定し、走行性能を高めることができる。
このようにして、不整地や段差を走行した場合においても、荷台が水平となるように制御され、結果として、荷台に載荷された物品の荷崩れを抑制し、走行性能を高めることが可能となる。
【0006】
本発明の一態様においては、前記直動型アクチュエータが、前記前側支持機構と前記後側支持機構の双方に、それぞれ設けられ、前記前側支持機構と前記後側支持機構の各々は、前記ロッカーリンク体に対して前後方向に回転可能となるように、回転支持部を介して前記ロッカーリンク体に接続され、前記制御部は、前記直動型アクチュエータを伸縮させつつ前記回転支持部を前記ロッカーリンク体に対して回転制御して、前記荷台が水平となるように制御する。
このような構成によれば、直動型アクチュエータは、前側支持機構と後側支持機構の双方に、それぞれ設けられ、前側支持機構と後側支持機構の各々は、ロッカーリンク体に対して前後方向に回転可能となるように、回転支持部を介してロッカーリンク体に接続されているため、各直動型アクチュエータを、それぞれ個別に、伸長、収縮させつつ回転させることができる。このため、より大きな段差や上下動を伴う不整地を走行する場合においても、これに対応して、制御部により、荷台が水平となるような制御を柔軟に行うことができる。
また、ロッカーボギー車のロッカーリンク体が大きく傾斜し、直動型アクチュエータを大きく伸長または収縮させる場合においては、単純に直動型アクチュエータを伸縮させるのみだと、前側支持機構と後側支持機構との、荷台側に接続される端部間の距離が変わるため、伸縮が荷台の剛性により阻まれることがある。ここで、前側支持機構と後側支持機構は、ロッカーリンク体に対して前後方向に回転可能となるように、回転支持部を介してロッカーリンク体に接続され、制御部は、直動型アクチュエータを伸縮させつつ回転支持部をロッカーリンク体に対して回転制御して、荷台が水平となるように制御する構成となっている。したがって、例えば直動型アクチュエータを伸長または収縮させつつ、荷台側における前側支持機構と後側支持機構の端部間の距離が一定となるように、回転支持部を回転制御して前側支持機構や後側支持機構を回転させることが可能となり、直動型アクチュエータの伸長、収縮動作が制限されることが抑制される。
【0007】
本発明の一態様においては、前記前側支持機構と前記後側支持機構の各々は、前記荷台に対する角度が、少なくとも前後方向に調整可能な、角度調整機構を介して、前記荷台に接続されている。
このような構成によれば、ロッカーボギー車のロッカーリンク体が傾斜し、荷台が水平となるように前側支持機構と後側支持機構の直動型アクチュエータを伸長または収縮させると、前側支持機構及び後側支持機構の、荷台に対する角度が変わることがある。ここで、上記のような構成においては、前側支持機構と後側支持機構の各々は、荷台に対する角度が、少なくとも前後方向に調整可能な、角度調整機構を介して、荷台に接続されているため、前側支持機構及び後側支持機構の、荷台に対する角度の変化に追従することができる。
【0008】
本発明の一態様においては、前記制御部は、前記前輪を上昇または下降させる際に、前記前側支持機構と前記後側支持機構の双方の前記回転支持部を、前記ロッカーリンク体に対して後方に向けて回転させて、前記荷台が後方へと移動するように制御する。
このような構成によれば、例えば段差を上る際に、前輪を上昇させる場合においては、前側支持機構と後側支持機構の双方の回転支持部を、ロッカーリンク体に対して後方に向けて回転させて、荷台が後方へと移動するように制御することで、荷台の重心が後方へ移動するため、前輪に作用する荷重が低減し、前輪を上昇させやすくなる。
また、段差を下る際に、前輪を下降させる場合においては、前側支持機構と後側支持機構の双方の回転支持部を、ロッカーリンク体に対して後方に向けて回転させて、荷台が後方へと移動するように制御することで、荷台の重心が後方へ移動するため、前輪を下降させて段差の先に位置する地表面に接触するまでの、前輪が地表面により支持されておらず中に浮いている間に、荷重によりロッカーボギー車が前方へ転倒し、段差の下に転落することが抑制される。
【0009】
本発明の一態様においては、前記制御部は、前記後輪を上昇させる際に、前記前側支持機構と前記後側支持機構の双方の前記回転支持部を、前記ロッカーリンク体に対して前方に向けて回転させて、前記荷台が前方へと移動するように制御する。
このような構成によれば、例えば段差を上る際においては、前輪と中輪をまず段差(上段)の先に位置する地表面へと接触させ、前輪と中輪により車体を支持した状態で、後輪を、前輪、中輪と同じ高さ位置に上昇させる。ここで、後輪を上昇させる際に、前側支持機構と後側支持機構の双方の回転支持部を、ロッカーリンク体に対して前方に向けて回転させて、荷台が前方へと移動するように制御することで、荷台の重心が前方へと移動するため、後輪に作用する荷重が低減し、後輪を上昇させやすくなるとともに、荷重によりロッカーボギー車が後方へ転倒し、段差の下に転落することが抑制される。
【0010】
本発明の一態様においては、前記前側支持機構と前記後側支持機構の各々は、左右に一対設けられている。
このような構成によれば、荷台が横方向に傾くのを抑制し、安定して荷台を支持することができる。
また、例えばロッカーリンク体の右側が左側に対して上昇するように、ロッカーリンク体が横方向に傾くような場合においても、例えば右側に設けられた前側支持機構と後側支持機構をそれぞれ収縮させ、あるいは左側に設けられた前側支持機構と後側支持機構をそれぞれ伸長させることで、荷台が水平となるように制御することができる。また、ロッカーリンク体の右側が左側に対して下降するような場合においても、例えば右側に設けられた前側支持機構と後側支持機構をそれぞれ伸長させ、あるいは左側に設けられた前側支持機構と後側支持機構をそれぞれ収縮させることで、荷台が水平となるように制御することができる。このようにして、前後方向のみならず、横方向にロッカーリンク体が傾くような場合であっても、荷台を水平となるように制御することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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