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公開番号2024085861
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200640
出願日2022-12-15
発明の名称炭化珪素半導体基板、炭化珪素半導体基板の製造方法、炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所,富士電機株式会社
代理人個人
主分類H01L 29/78 20060101AFI20240620BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】n-型炭化珪素エピタキシャル層のキャリア濃度分布のばらつきを5%以下に抑制した炭化珪素半導体基板、炭化珪素半導体基板の製造方法、炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素半導体基板は、第1導電型の炭化珪素半導体基板1と、炭化珪素半導体基板1のおもて面に設けられた、炭化珪素半導体基板1より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層2と、を備える。第1半導体層2の一部に、第2導電型の不純物を含み、第2導電型の不純物は、結晶軸方向を示すオリエンテーションフラットと平行な方向または垂直な方向のいずれかで、不純物濃度差を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1導電型の炭化珪素半導体基板と、
前記炭化珪素半導体基板のおもて面に設けられた、前記炭化珪素半導体基板より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層と、
を備え、
前記第1半導体層の一部に、第2導電型の不純物を含み、
前記第2導電型の不純物は、結晶軸方向を示すオリエンテーションフラットと平行な方向または垂直な方向のいずれかで、不純物濃度差を有することを特徴とする炭化珪素半導体基板。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
第1導電型の炭化珪素半導体基板のおもて面に、前記炭化珪素半導体基板より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層を形成する第1工程と、
前記第1半導体層の不純物濃度分布を測定する第2工程と、
前記第1半導体層に第2導電型の不純物を注入する第3工程と、
を含み、
前記第3工程では、前記第1半導体層の不純物濃度が低い領域に対して、前記第2導電型の不純物の注入量を低くして、前記第1半導体層の不純物濃度が高い領域に対して、前記第2導電型の不純物の注入量を高くすることを特徴とする炭化珪素半導体基板の製造方法。
【請求項3】
前記第3工程では、前記炭化珪素半導体基板と前記第1半導体層との界面から所定の領域に対して、前記第2導電型の不純物を注入することを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
【請求項4】
前記第3工程では、前記第1半導体層の、前記炭化珪素半導体基板と反対側の表面から所定の領域に対して、前記第2導電型の不純物を注入することを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
【請求項5】
第1導電型の炭化珪素半導体基板と、
前記炭化珪素半導体基板のおもて面に設けられた、前記炭化珪素半導体基板より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層の前記炭化珪素半導体基板に対して反対側の表面に設けられた、第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層の表面に、選択的に設けられた第1導電型の第1半導体領域と、
前記第2半導体層および前記第1半導体領域を貫通して前記第1半導体層に達するトレンチと、
前記トレンチ内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記第1半導体領域および前記第2半導体層に接触する第1電極と、
前記炭化珪素半導体基板の裏面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記第1半導体層の一部に、第2導電型の不純物を含み、
前記第2導電型の不純物は、結晶軸方向を示すオリエンテーションフラットと平行な方向または垂直な方向のいずれかで、不純物濃度差を有することを特徴とする炭化珪素半導体装置。
【請求項6】
第1導電型の炭化珪素半導体基板のおもて面に、前記炭化珪素半導体基板より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層を形成する第1工程と、
前記第1半導体層の不純物濃度分布を測定する第2工程と、
前記第1半導体層に第2導電型の不純物を注入する第3工程と、
前記第1半導体層の前記炭化珪素半導体基板に対して反対側の表面に、第2導電型の第2半導体層を形成する第4工程と、
前記第2半導体層の表面に、選択的に第1導電型の第1半導体領域を形成する第5工程と、
前記第2半導体層および前記第1半導体領域を貫通して前記第1半導体層に達するトレンチを形成する第6工程と、
前記トレンチ内部にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する第7工程と、
前記第1半導体領域および前記第2半導体層に接触する第1電極を形成する第8工程と、
前記炭化珪素半導体基板の裏面に第2電極を形成する第9工程と、
を含み、
前記第3工程では、前記第1半導体層の不純物濃度が低い領域に対して、前記第2導電型の不純物の注入量を低くして、前記第1半導体層の不純物濃度が高い領域に対して、前記第2導電型の不純物の注入量を高くすることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化珪素半導体基板、炭化珪素半導体基板の製造方法、炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
高耐圧、大電流を制御するパワー半導体素子の材料としては、従来シリコン(Si)単結晶が用いられている。シリコンパワー半導体素子にはいくつかの種類があり、用途に合わせてそれらが使い分けられているのが現状である。例えば、PiNダイオード(P-intrinsic-N diode)やバイポーラトランジスタ、さらに、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)は、いわゆるバイポーラ型デバイスである。これらの素子は、電流密度は多く取れるものの高速でのスイッチングができず、例えば、バイポーラトランジスタは数kHzが、IGBTでは20kHz程度の周波数がその使用限界である。一方、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)は、大電流は取れないものの、数MHzまでの高速で使用できる。しかしながら、市場では大電流と高速性を兼ね備えたパワーデバイスへの要求は強く、シリコンIGBTやパワーMOSFETなどの改良に力が注がれ、現在ではほぼシリコン材料物性限界に近いところまで開発が進んできた。
【0003】
また、パワー半導体素子の観点からの材料検討も行われ、炭化珪素(SiC)が次世代のパワー半導体素子として、低オン電圧、高速・高温特性に優れた素子であることから、最近特に注目を集めている。というのも、SiCは化学的に非常に安定な材料であり、結晶構造が4H-SiCの場合はバンドギャップが3.26eVと広く、高温でも半導体として極めて安定的に使用でき、また、最大電界強度もシリコンより1桁以上大きいからである。SiCはシリコンにおける材料限界を超える可能性大であることから、パワー半導体用途で今後の伸長が大きく期待される。
【0004】
炭化珪素半導体装置としては、現在までに、ショットキーバリアダイオード(SBD:Schottky Barrier Diode)、プレーナゲート構造やトレンチゲート構造の縦型MOSFETが製品化されている。
【0005】
このような、炭化珪素半導体装置では、n
+
型炭化珪素基板のおもて面にドリフト層として、n
-
型炭化珪素エピタキシャル層が堆積される。例えば、5×10
18
/cm
3
程度にN(窒素)がドープされたn
+
型炭化珪素基板上に、ドープ濃度1×10
16
/cm
3
、厚み10μm程度のn
-
型炭化珪素エピタキシャル層が熱CVD装置を用いて成膜されている。このn
-
型炭化珪素エピタキシャル層のn
+
型炭化珪素基板に対して反対側の表面に、MOS構造等の炭化珪素半導体装置の表面構造が形成されている。
【0006】
また、第1導電型の半導体エピタキシャル層の厚さ分布と半導体エピタキシャル層の不純物の濃度分布とが正の相関を有することで、半導体ウェハの主面に平行な面内における素子特性のばらつきを抑える技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-155687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のn
-
型炭化珪素エピタキシャル層の膜厚分布は通常5%以下と良好であるが、不純物濃度分布は10%以下程度と悪くなっている。ここで、図14は、従来の炭化珪素半導体基板を示す上面図である。図15は、従来の炭化珪素半導体基板のx軸方向の不純物濃度分布を示すグラフである。図16は、従来の炭化珪素半導体基板のy軸方向の不純物濃度分布を示すグラフである。
【0009】
図14では、結晶軸方向を示すオリエンテーションフラット(OF)と平行な方向をx軸、OFと垂直な方向をy軸としている。図15および図16において、横軸は、n
+
型炭化珪素基板中心からの移動量を示し、単位はmmである。縦軸は、不純物濃度を示し、単位は、/cm
3
である。
【0010】
図15に示すように、x軸方向では、不純物濃度分布はほぼ一定であるが、図16に示すように、y軸方向では、不純物濃度分布は中心から離れるに従い大きくなり、移動量により大きく変化している。このように、n
-
型炭化珪素エピタキシャル層では、エピタキシャル成長炉の温度分布やガス濃度の分布により、片一方方向に不純物濃度分布にばらつきが生じることがある。
(【0011】以降は省略されています)

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