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公開番号2024085461
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022199930
出願日2022-12-15
発明の名称放射線治療支援装置及び放射線治療システム
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
主分類A61N 5/10 20060101AFI20240620BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】治療計画情報の健全性を精度よく、より効率的に確認することが可能な放射線治療支援装置を提供する。
【解決手段】予測部120は、予測モデルを用いて、対象の治療計画情報に従って照射された放射線の患者A内での線量分布を解析した分布解析結果を予測する第1の患者QAを行う。判定部123は、分布解析結果が予め定められた判定条件を満たすか否かを判定する。線量計算部122は、分布解析結果が判定条件を満たさない場合、第1の患者QAとは異なる第2の患者QAを行う。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
照射対象に対して放射線を照射するための照射パラメータの値を規定する治療計画情報の健全性を確認するための品質保証処理を行う放射線治療支援装置であって、
前記品質保証処理として、過去の前記治療計画情報と当該過去の治療計画情報に従って照射された放射線の前記照射対象内での線量分布を解析した解析結果とに基づいて生成された、前記治療計画情報から前記解析結果を予測するための予測モデルを用いて、対象の前記治療計画情報である対象計画情報の解析結果を予測する第1の品質保証処理を行う第1の処理部と、
前記解析結果が予め定められた判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記解析結果が前記判定条件を満たさない場合、前記品質保証処理として、前記第1の品質保証処理とは異なる第2の品質保証処理を行う第2の処理部と、を有する放射線治療支援装置。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記予測モデルは、機械学習により生成された機械学習モデルである、請求項1に記載の放射線治療支援装置。
【請求項3】
前記治療計画情報は、前記照射パラメータから所定の計算アルゴリズムを用いて算出された前記照射対象内での線量分布である計画分布を含み、
前記判定部は、前記計画分布と前記解析結果に応じた線量分布との一致度を評価したパス率が閾値以上か否かを判断することで、前記解析結果が前記判定条件を満たすか否かを判断する、請求項1に記載の放射線治療支援装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記計画分布と前記解析結果に応じた線量分布との一致度とを複数の解析手法のそれぞれにて評価した複数のパス率のそれぞれが閾値以上か否かを判断する、請求項3に記載の放射線治療支援装置。
【請求項5】
前記対象計画情報は、前記照射対象に対して放射線を照射する治療時に前記照射対象を撮像した画像に基づいて生成された治療計画情報である、請求項1に記載の放射線治療支援装置。
【請求項6】
請求項1の放射線治療支援装置と、
前記放射線治療支援装置にて前記品質保証処理が行われた治療計画情報に従って、照射対象に対して放射線を照射する放射線照射システムと、を有する放射線治療システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線治療支援装置及び放射線治療システムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
放射線治療は、がん病巣に放射線を照射し、がん細胞のDNAに損傷を与えることで、がん細胞を死滅させる局所療法である。放射線治療法の一種である強度変調放射線治療(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)及び強度変調回転照射(VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy)などの高精度照射法では、複数の照射方向から放射線を照射することで、がん細胞に対する線量の集中性を向上させることが可能である。
【0003】
放射線治療では、患者を撮像したCT(Computed Tomography)画像と医師が設定した処方線量とに基づいて、治療計画ソフトウエアを用いて患者体内の線量分布をシミュレートすることで、放射線を照射するための照射パラメータの値が決定される。照射パラメータは、例えば、治療装置の機器パラメータ(コリメータの開口形状など)、照射角度、照射角度ごとの照射量、及び、照射エネルギーなどを含む。決定された照射パラメータは治療計画と呼ばれ、その照射パラメータに、照射パラメータを決定するためのCT画像、及び、そのCT画像を取得する際に患者に照射した放射線の線量分布又はフルエンス分布を合わせたものが治療計画情報と呼ばれる。照射装置が治療計画に従って放射線を患部に照射することで、所望の線量分布を患部に形成することができる。
【0004】
また、放射線治療では、通常、治療計画の健全性を保障するため、つまり品質保証(QA:Quality Assurance)を行うために、実際に放射線を患者に照射する前に、治療計画に応じた所望の線量分布を形成できるか否かを確認する品質保証処理である患者QAが行われる。患者QAとしては、治療計画に従って、固体ファントムなどの均質ファントムに対して放射線を実際に照射して線量分布を実測する方法が最も一般的である。この場合、医師などの臨床スタッフは、治療計画ソフトウエアにおける線量計算アルゴリズムの計算精度の検証と、均質ファントム内での照射装置の照射誤差による線量分布への影響の検証とを行う。これらは、実測結果と治療計画ソフトウエアの計算結果との比較により行われる。治療施設では、施設ごとに患者QAの評価項目及び判定基準が設定されており、各評価項目が判定基準を満足していることが確認されると、患者に対する放射線治療が実施される。各評価項目が判定基準を満足していない場合、患者QAの再実施又は治療計画の再作成が行われる。
【0005】
また、患者QAにおいて、治療計画システムとは異なる線量計算アルゴリズムの一種であるモンテカルロ線量計算アルゴリズムを用いた独立線量検証を行う方法が提案されている。これに関しては、非特許文献1において、モンテカルロ線量計算アルゴリズムを用いて、治療計画システムの線量計算アルゴリズムの線量計算精度を検証できることが報告されている。
【0006】
また、患者QAの実施にかかる労力を低減する方法として、機械学習(ML:Machine Learning)などによる機械学習モデルを用いて、患者QAの結果を予測する方法が提案されている。これに関して、特許文献1では、治療計画情報と評価項目が基準をパスする割合であるパス率に基づく予測モデルを用いて、実際の患者のために作成された治療計画のパス率を予測する技術が開示されている。また、非特許文献2では、IMRT及びVMATにおける患者QAの結果の予測のために開発された種々の学習モデルについて、アルゴリズム、データセットサイズ、入力パラメータ、QA結果予測アプローチ、検証、性能、臨床適用性、及び、潜在的な臨床インパクトなど項目に焦点を当てたレビューが開示されている。非特許文献2によれば、学習モデルを用いた患者QAの結果予測手法は、時間的効率が良く、自動化された仮想的な患者QAの方法として有用である可能性を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許出願公開第2018/0085168号明細書
【非特許文献】
【0008】
J Yang et al., Phys. Med. Biol. 2005;50(5): 869
Osman AFI, Maalej NM. J Appl Clin Med Phys 2021;22(9): 20-36
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般的に放射線治療では、1日に1回の患部への放射線の照射が数日から数週間に渡って繰り返される。そのため、治療期間中に腫瘍の拡大又は縮小、あるいは、腫瘍周辺の体内構造の変化などが起きることがある。このような変化が起きた場合、治療計画を再作成し、その再作成した治療計画を用いて治療を行うアダプティブ治療のニーズが高まっている。アダプティブ治療の中でも、特に治療直前に患者が寝台に寝た状態で治療計画を再作成するものは、オンラインアダプティブ治療と呼ばれる。オンラインアダプティブ治療では、日ごとに異なる患者体内の臓器の位置及び形状、並びに、経時的に変化する患者の体形などに応じて照射量を最適化することができる。このため、マージンとして照射される標的外の領域を小さくすることができ、正常組織への線量を低減することが可能となる。
【0010】
しかしながら、オンラインアダプティブ治療では、治療計画の再作成など、治療中に実施するプロセスが大幅に増えるため、治療時間が増大するなどの課題がある。治療時間が増大すると、患者の負担が増大してしまう。また、オンラインアダプティブ治療時に実施されるプロセスの一つとして、患者QAが挙げられるが、オンラインアダプティブ治療では、患者が寝台に寝た状態で再作成された治療計画に対する患者QAを実施する必要があるため、従来の線量分布の実測による患者QAの実施は難しい。したがって、オンラインアダプティブ治療では、実現可能かつ効率的な患者QAを実施する必要がある。なお、オンラインアダプティブ治療に限らず、他の治療法においても、治療開始前又は治療実施後の患者QAに関しても、患者QAを行うユーザに負担が大きく、効率的な患者QAが望まれている。
(【0011】以降は省略されています)

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