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公開番号2024082719
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022196760
出願日2022-12-09
発明の名称全芳香族ポリアミド溶液の製造方法及びそれを用いた全芳香族ポリアミド繊維の製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08J 3/09 20060101AFI20240613BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】無機塩を使用することなく、廃棄したアラミド繊維や産業繊維屑などのアラミド繊維を溶解可能な高い溶解性を示し、工程の安定化に優れた全芳香族アミド溶液の製造法を提供する。
【解決手段】単糸繊度が10dtex以下のパラ型全芳香族ポリアミド繊維又はメタ型全芳香族ポリアミド繊維を、イオン液体と、植物由来の有機溶媒とを、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の場合は50:50~60:40の質量比率で、またメタ型全芳香族ポリアミド繊維の場合は20:80~80:20の質量比率で混合した電解質溶媒と接触させて混合物とした後、該混合物を70℃以上に加温しながら剪断応力下にて混錬する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
単糸繊度が10dtex以下のパラ型全芳香族ポリアミド繊維又はメタ型全芳香族ポリアミド繊維を、イオン液体と、植物由来の有機溶媒とを、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の場合は50:50~60:40の質量比率で、またメタ型全芳香族ポリアミド繊維の場合は20:80~80:20の質量比率で混合した電解質溶媒と接触させて混合物とした後、該混合物を70℃以上に加温しながら剪断応力下にて混錬することを特徴とする全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
パラ型全芳香族ポリアミド繊維又はメタ型全芳香族ポリアミド繊維が、酸成分とジアミン成分から構成されるパラ型又はメタ型全芳香族コポリアミドであって、酸成分としてテレフタル酸ジクロライド(以下第一成分という)を含み、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン又はメタフェニレンジアミン(以下第二成分という)、及び3,3’オキシジフェニレンジアミン、又は3,4’オキシジフェニレンジアミン、又は4,4’オキシジフェニレンジアミンのうちのいずれか一つ、もしくはそれらの混合物(以下第三成分という)を含んでなり、該ジアミン成分における第二成分と第三成分とのモル比率が20:80~80:20である請求項1に記載の全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
【請求項3】
イオン液体が、分子内のアルキル鎖に7以下の炭素原子を含むイミダゾリウム系イオン液体である請求項1又は2に記載の全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
【請求項4】
イオン液体が1-エチル-3-メチルイミダゾリウム クロライド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム クロライド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム クロライド、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム クロライド、及び1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム クロライドからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオン液体である請求項1又は2に記載の全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
【請求項5】
植物由来の有機溶媒がジヒドロレボグルコセノン、γ-バレルラクトンである請求項1又は2に記載の全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の製造方法により得られた全芳香族ポリアミド溶液を湿式紡糸用ド-プとして用いることを特徴とする全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全芳香族ポリアミド(以下、アラミドと称する場合がある)溶液の製造方法に関するものであり、さらに詳しくはメタ型及びパラ型アラミド繊維を有効に再利用するために、メタ型及びパラ型アラミド繊維屑を溶媒に再溶解し、アラミド溶液を製造する方法に関するものである。さらには、それを用いた全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
アラミド繊維はその高強度、高弾性率、耐薬品性の特性を生かし、産業資材用途や機能性衣料などに活用されている。一方、これらのアラミド繊維製品を廃棄する際は、化学的安定性及び難燃性の観点から焼却処分等の行うことが非常に難しいため、埋め立てによる処分が一般的であり、産業用繊維として利用されている状況から多量のアラミド繊維廃棄物が大きな環境負荷を与えることが問題となっている。
【0003】
さらに、近年では高機能繊維製品の需要が持続的成長を求められ、繊維産業においてもリサイクルを求める声が高まってきている。このような背景のもと、アラミド繊維を有効活用する目的で、廃棄したアラミド繊維または産業繊維屑を溶剤に再溶解してポリマ-溶液(ド-プ)とし、リサイクルする方法が検討されてきた。
【0004】
上記のような問題に対し、アラミド繊維を再溶解する方法がいくつか報告されている。例えば、特開2009-40871号公報(特許文献1)では、溶解性の乏しい、パラ型アラミドを4級アンモニウム塩と非プロトン性の極性溶媒を用いて、溶解したアラミド溶液について記載されている。このように全芳香族ポリアミド繊維を再溶解し、アラミド溶液にすることは、環境負荷低減に加え、全芳香族ポリアミド繊維のリサイクル・再利用可能性を示した。しかしながら、上記の方法は全芳香族ポリアミドを溶解することが可能な濃度が極めて低く、フッ化水素等の発生も考えられ、工業的な使用には適さない。
【0005】
さらに、代替溶剤として検討されたものとして、WO2015/158866号(特許文献2)では部分的に溶解する溶媒として、イオン液体の使用が提案されている。しかしこれらの溶剤を用いても溶解度は低く、廃棄したアラミド繊維から作成したド-プの粘性が極めて高く、再度凝固して繊維やフィルム等の固形物を得ることは困難であった。
【0006】
一方、Green Chem.,2020,22,6127-6136(非特許文献1)ではイオン液体と有機溶媒を混合した溶媒系の使用が提案されている。しかし、ポリマ-を溶解する場合は、イオン液体のみを使用した場合より高い溶解性を示すものの、高い配向性を有するアラミド繊維に対して、溶解性が低い。
【0007】
したがって、上記のようなアラミド繊維の再溶解方法として、廃棄したアラミド繊維または産業繊維屑等のアラミド繊維を高い溶解度で溶解できる溶媒が開発できれば工業的に非常に有用なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2009-40871号公報
WO2015/158866号
【非特許文献】
【0009】
Green Chem.,2020,22,6127-6136
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的としては、かかる従来技術における問題点を解消し、無機塩を使用することなく、廃棄したアラミド繊維や産業繊維屑などのアラミド繊維を溶解可能な高い溶解性を示し、工程の安定化に優れた全芳香族ポリアミド溶液の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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