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公開番号2024068456
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-20
出願番号2022178923
出願日2022-11-08
発明の名称(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位を含むポリマーの製造方法
出願人国立大学法人東京工業大学,帝人株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12P 7/62 20220101AFI20240513BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を構成単位とするPHAを提供すること。
【解決手段】炭素源と、前駆物質としての(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸との存在下に、微生物にポリヒドロキシアルカン酸重合酵素遺伝子が導入された形質転換体を培養し、得られた培養物から(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位を含むポリマーを採取する工程を含む、(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位を含むポリマーの製造方法;(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位と3-ヒドロキシブタン酸単位とからなるコポリマー、又は(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位と3-ヒドロキシブタン酸単位とからなるコポリマー;及び、(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位のホモポリマー。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
炭素源と、前駆物質としての(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸との存在下に、微生物にポリヒドロキシアルカン酸重合酵素遺伝子が導入された形質転換体を培養し、得られた培養物から(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を構成単位として含むポリマーを採取する工程を含む、(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を構成単位として含むポリマーの製造方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を構成単位として含むポリマーが、(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位のホモポリマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を構成単位として含むポリマーが、(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位と3-ヒドロキシブタン酸単位とのコポリマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記前駆物質としての(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を培養液1Lあたり0.1~0.8gの範囲で添加して、それぞれ、(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位と3-ヒドロキシブタン酸単位とからなるコポリマー、又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位と3-ヒドロキシブタン酸単位とからなるコポリマーを光学純度100%eeで製造する、請求項3に記載の方法であって、前記コポリマー中の、前記(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位の分率又は前記(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位の分率が8モル%以下である、方法。
【請求項5】
前記前駆物質としての(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を培養液1Lあたり0.9~2.0gの範囲で添加して、(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位と3-ヒドロキシブタン酸単位とからなるコポリマーを光学純度100%eeで製造する、請求項3に記載の方法であって、前記コポリマー中の、前記(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位の分率が35~65モル%の範囲である、方法。
【請求項6】
前記前駆物質としての(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を培養液1Lあたり0.9~2.0gの範囲で添加する、請求項3に記載の方法であって、前記コポリマー中の3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位が(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位と(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位とが混合した形態にあり、前記前駆物質の添加量の増加に伴い、前記混合形態中の(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位の割合が増加する、方法。
【請求項7】
前記前駆物質としての(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を培養液1Lあたり2.1~7.0gの範囲で添加して、(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位のホモポリマーを光学純度99%ee以上で製造する、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記前駆物質としての(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸を培養液1Lあたり2.1~7.0gの範囲で添加する、請求項2に記載の方法であって、前記ホモポリマー中の3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位が(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位と(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位とが混合した形態にあり、前記前駆物質の添加量の増加に伴い、前記混合形態中の(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位の割合が増加する、方法。
【請求項9】
前記ポリヒドロキシアルカン酸重合酵素遺伝子が、アエロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)由来のポリヒドロキシアルカン酸重合酵素遺伝子であって、前記アエロモナス・キャビエ由来のポリヒドロキシアルカン酸重合酵素がN末端から149番目のアスパラギンのセリンへの置換、及び/又は171番目のアスパラギン酸のグリシンへの置換を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記微生物が、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、ラルストニア(Ralstonia)属菌、及びシュードモナス(Pseuomonas)属菌からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、(R)-(-)又は(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸単位を含むポリマーの製造方法、(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸と3-ヒドロキシブタン酸とからなるコポリマー、又は(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸と3-ヒドロキシブタン酸とからなるコポリマー、(S)-(+)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸のホモポリマー、及び、(R)-(-)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸のホモポリマーに関する。本発明はまた、前記ホモポリマー又はコポリマーを含む組成物、及び前記ホモポリマー又はコポリマーを含むプラスチック材料に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は微生物が細胞内に蓄積するバイオポリエステルである。近年では、生分解性プラスチック素材としてのみならず、バイオマス由来のプラスチック素材として注目されている。
【0003】
ポリエステルの加工工程において、ポリエステルの結晶化速度の高さは加工時間の短縮につながるため、非常に重要である。最も一般的なPHAである、3-ヒドロキシブタン酸(3HB)を構成単位とするホモポリマー(P(3HB))は、高結晶性であるために硬くて脆く、実用性に乏しい。また、溶融時にポリマーが低分子量化してしまうなど成型加工時の劣化が問題となり、工業生産には向いていない。この物性を改善する手段の一つとして、3HBと他のモノマーとの共重合体が種々開発されてきた(非特許文献1~4)。
【0004】
ところで、α炭素に側鎖を有するヒドロキシアルカン酸は、低温での溶融性など優れた加工特性を付与できる点から、非常に魅力的なポリマー単位である。
3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸(3H2MP)は、そのα炭素にメチル基を有するため、α炭素上にキラル中心が存在する。したがって、PHA材料として、(R)-3H2MP又は(S)-3H2MPのうちの一方のエナンチオマーを含むPHA(すなわち、キラルPHA)も製造可能である。
【0005】
これまで、3H2MPを構成単位とするPHAとして、炭素源として3H2MPを用い、アルカリゲネス属細菌を培養することにより3H2MP単位を含むポリマーの製造が試みられたが、得られたポリマーは約10モル%の3H2MP単位を含むターポリマー又はテトラポリマーであった(非特許文献5)。最近になって、コマモナス・エスピー(Comamonas sp.)を用いて、3H2MPから3H2MPホモポリマー(P(3H2MP))が乾燥菌体の最大37重量%で製造できることが報告されたが(非特許文献6)、P(3H2MP)のキラリティーについては不明であった。
【0006】
また、乳酸は3H2MPと同じα炭素にキラル中心を有するが、そのポリマーであるポリL-乳酸(PLLA)とポリD-乳酸(PDLA)は、PLLAとPDLAとの存在比に依って、結晶性、熱安定性、機械的強度などの材料特性が変化することが知られている(非特許文献7)。
【0007】
このように、(R)-3H2MP単位又は(S)-3H2MP単位は、新たな材料特性を有するPHA材料としての可能性を有することが期待されるところ、これまでそのような報告は存在しない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Tsuge T, Yano K, Imazu SI et al., Macromol Biosci 2005; 5: 112-7. DOI: 10.1002/mabi.200400152
Mizuno K, Ohta A, Hyakutake M et al., Polym Degrad Stab 2010; 95: 1335-9. DOI: 10.1016/j.polymdegradstab.2010.01.033
Furutate S, Kamoi J, Nomura CT et al., NPG Asia Mater 2021; 13: 1-11. DOI: 10.1038/s41427-021-00296-x
Mierzati M, Mizuno S, Tsuge T., Polym Degrad Stab 2020; 178: 109193. DOI: 10.1016/j.polymdegradstab.2020.109193.
D. O. I. YOSHIHARU and K. SHIRO, 1995 [Online]. Available: https://lens.org/183-171-147-994-58
C. M. Vermeer, L. J. Bons, and R. Kleerebezem, Appl. Microbiol. Biotechnol., vol. 106, no. 2, pp. 605-618, 2022
L. Han, Q. Xie, J. Bao, G. Shan, Y. Bao, and P. Pan, Polym. Chem., vol. 8, no. 6, pp. 1006-1016, 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、(R)-3H2MP又は(S)-3H2MPを構成単位として含むPHAを製造することを目的とする。また、当該PHAを構成する3H2MPのエナンチオマーの種類又はその存在比によってポリマーの材料特性がどのように変化するかを探索し、優れた材料特性を有するポリマーを製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、斯かる実状に鑑み鋭意検討した結果、前駆物質としてのエナンチオマーである(R)-又は(S)-3H2MP、及び炭素源の存在下に、微生物にポリヒドロキシアルカン酸重合酵素遺伝子が導入された形質転換体を培養することにより、(R)-又は(S)-3H2MPを構成単位として含むポリマーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。特に、添加する前駆物質の濃度によって、得られるポリマーのキラリティーが制御可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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