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公開番号2024080345
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193461
出願日2022-12-02
発明の名称液体口腔用組成物及び液体口腔用組成物におけるビタミンEの容器吸着抑制方法
出願人ライオン株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類A61K 8/67 20060101AFI20240606BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ビタミンEの容器吸着が抑制されて保存安定性に優れ、かつ、すっきりとした香味立ち及びキレの良い使用感を与えるエタノール含有の液体口腔用組成物を提供する。
【解決手段】(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上、(B)エタノール、(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上、(D)ノニオン性界面活性剤を含有し、(B)成分量が1~3質量%、(B)及び(C)成分の合計量が20質量%以下、(C)/(B)が質量比で1以上であり、容器最内層がポリエチレン又はポリプロピレンからなる容器に充填された液体口腔用組成物、並びに(A)成分が配合され、上記容器に充填された液体口腔用組成物に、(B)、(C)及び(D)成分を上記特定量及び特定量比で配合する、前記液体口腔用組成物における(A)成分の容器吸着抑制方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上と、
(B)エタノールと、
(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上と、
(D)ノニオン性界面活性剤と
を含有し、(B)成分の含有量が1~3質量%、(B)及び(C)成分の合計含有量が20質量%以下、かつ(C)/(B)が質量比として1以上であり、容器最内層がポリエチレン又はポリプロピレンからなる容器に充填された液体口腔用組成物。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上と、
(B)エタノールと、
(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上と、
(D)ノニオン性界面活性剤と
を含有し、(B)成分の含有量が1~3質量%、(B)及び(C)成分の合計含有量が12質量%以下、かつ(C)/(B)が質量比として1以上である液体口腔用組成物。
【請求項3】
(B)及び(C)成分の合計含有量が2質量%以上であり、(C)/(B)が質量比として1~19である請求項1又は2記載の液体口腔用組成物。
【請求項4】
(A)成分の含有量が0.01~0.5質量%、(D)成分の含有量が0.2~2質量%である請求項1又は2記載の液体口腔用組成物。
【請求項5】
更に、(E)香料を0.01~1質量%含有する請求項1又は2記載の液体口腔用組成物。
【請求項6】
香料が、ペパーミント油、スペアミント油、和種ハッカ油から選ばれる1種以上を含有するものである請求項5記載の液体口腔用組成物。
【請求項7】
水分含量が50~97質量%である請求項1又は2記載の液体口腔用組成物。
【請求項8】
洗口剤である請求項1又は2記載の液体口腔用組成物。
【請求項9】
(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上が配合され、容器最内層がポリエチレン又はポリプロピレンからなる容器に充填された液体口腔用組成物に、
(B)エタノールと、
(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上と、
(D)ノニオン性界面活性剤と
を、(B)成分の含有量が1~3質量%、(B)及び(C)成分の合計含有量が20質量%以下、かつ(C)/(B)が質量比として1以上となるように配合する、前記液体口腔用組成物における(A)成分の容器吸着抑制方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ビタミンEの容器吸着が抑制されて保存安定性に優れ、使用感も良いエタノール含有の液体口腔用組成物及び前記液体口腔用組成物におけるビタミンEの容器吸着抑制方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
昨今、環境意識の高まりから、口腔用組成物を充填する容器においても、樹脂削減が可能な詰め替え容器等への対応が求められている。多様な容器形状、材質への対応も求められ、特に、パウチ容器は、液体口腔用組成物の詰め替え用としてプラスチック削減にも有効な容器である。パウチ容器としては、最内層の素材がヒートシール性のあるポリエチレン(PE)、例えば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が一般的に用いられている。
【0003】
ところで、ビタミンE(トコフェロール、その有機酸とのエステルやこれらの塩等)は、歯周病の予防又は抑制のために口腔用組成物に活用されている。ビタミンEは、油溶性であるため、口腔用組成物に有効成分等として配合する場合には、界面活性剤を用いて可溶化させることが広く行われているが、充填される容器最内層への吸着による残存率低下など、口腔用組成物中に経時でも安定に配合することに問題がある。
これまでに、ビタミンEの容器吸着を抑制する技術として、ビタミンEと共にアニオン性界面活性剤及び研磨剤が配合された歯磨剤組成物に、特定ポリオキシエチレンアルキルエーテルと特定ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とが混合分散された界面活性剤混合物を配合することで、ビタミンEの容器吸着促進の要因となるアニオン性界面活性剤の存在下でも、容器最内層の直鎖状低密度ポリエチレンへのビタミンE又はその誘導体の吸着を抑制し得ることが提案されている(特許文献1;特開2005-247786号公報)。また、難水溶性非イオン性薬効成分を配合した歯磨剤組成物に、特定ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とアニオン性界面活性剤とを組み合わせて配合すると、高い起泡力と共に、前記薬効成分のプラスチック容器への吸着を抑制して安定配合が可能となることが提案されている(特許文献2;特開2004-250381号公報)。
しかしながら、歯磨剤組成物よりも水分含量が比較的多い液体口腔用組成物、特に洗口剤では、ビタミンEの容器最内層への吸着がより顕著である。また、洗口剤等の液体口腔用組成物では、エタノールを配合することで、すっきりとしたキレも良い使用感を与えることが可能となり、効果実感の向上にも繋がるが、エタノールによってビタミンEの容器最内層への吸着が促進され、ビタミンEの安定配合が一層困難になる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-247786号公報
特開2004-250381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ビタミンEの容器吸着が抑制されて保存安定性に優れ、かつ、すっきりとした香味立ち及びキレの良い使用感を与えるエタノール含有の液体口腔用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ビタミンEとしてトコフェロール、その有機酸とのエステルやこれらの塩が配合された液体口腔用組成物に、エタノールとプロピレングリコール及び/又はグリセリンとを特定量かつ特定量比で併用し、更にノニオン性界面活性剤を組み合わせて配合すると、容器最内層がポリエチレン又はポリプロピレンからなる容器に充填されていても、前記容器最内層へのビタミンEの吸着が抑制されて保存後も安定であり、また、エタノール由来のすっきりとした香味立ち及びキレの良い使用感も確保できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
更に詳述すると、本発明では、液体口腔用組成物において、(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上に、(B)エタノールと共に、(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上と(D)ノニオン性界面活性剤とを組み合わせて配合することによって、(B)成分の配合量が特定範囲、(B)及び(C)成分の合計配合量が特定値以下、かつ(C)/(B)の質量比が特定値以上において、(B)成分由来のすっきりとした爽快かつ独特な香味立ちとキレの良い使用感、具体的には吐き出し後に口内に液剤が残って異味(基剤味、苦味、えぐみ等)を感じることがない感覚とを確保し、充填容器最内層への(A)成分の吸着を抑制して(A)成分の保存安定性を改善することができるものである。
液体口腔用組成物、特に洗口剤では、エタノールが一般的には5質量%以上配合されることで、すっきりとした使用感が得られるが、その半面、充填した容器へのビタミンEの吸着が促進されて保存安定性が低下するという新たな課題が生じることが明らかになった。前記課題を解消するためにエタノールの配合量を減らしたところ、エタノール由来のすっきりとした爽快感かつ独特な香味立ちとキレの良さが低下し、ノニオン性界面活性剤等の基剤味も感じやすくなるという別の課題が生じた。これらの課題に対して、(A)成分と共に、(B)成分を減量して配合し、更に(C)成分を併用し、かつ(D)成分を配合したところ、すっきりとした爽快かつ独特な香味立ちとキレの良さが改善しても、その一方で、エタノールが減量され、更に(C)成分と(D)成分とが配合されているにもかかわらず、(A)成分の容器吸着が促進されて保存安定性が悪くなるという前記組成系に特異かつ新たな課題が生じた。しかしながら、本発明では、(A)成分に、(B)成分を比較的少ない量範囲で配合し、かつ(B)及び(C)成分の合計量を特定量以下とすると共に、両成分を特定量比以上とし、更に(D)成分を組み合わせて配合することで、上記のような課題全てが解消し、エタノール由来のすっきりとした香味立ち及びキレの良い使用感を低下させることなく確保し、かつ(A)成分の保存安定性を顕著に改善することができた。
後述の比較例に示すように、液体口腔用組成物に(A)成分と(B)、(C)及び(D)成分とが配合されていても、(B)成分量が多すぎて不適切である比較例2や、(B)及び(C)成分の合計量が多すぎて不適切である比較例4は、ビタミンEの保存安定性が悪く、(C)/(B)の質量比が小さく不適切である比較例3は、エタノール由来のすっきりとした香味立ち及びキレが劣るものであった。これに対して、実施例に示すように、本発明の(A)、(B)、(C)及び(D)成分が、(B)成分量が特定範囲、(B)及び(C)成分の合計量が特定値以下、かつ(C)/(B)の質量比が特定値以上で配合された液体口腔用組成物は、ビタミンEの保存安定性に優れ、エタノール由来のすっきりとした香味立ち及びキレが良好であった。
【0008】
従って、本発明は、下記の液体口腔用組成物及び液体口腔用組成物における(A)成分の容器吸着抑制方法を提供する。
〔1〕
(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上と、
(B)エタノールと、
(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上と、
(D)ノニオン性界面活性剤と
を含有し、(B)成分の含有量が1~3質量%、(B)及び(C)成分の合計含有量が20質量%以下、かつ(C)/(B)が質量比として1以上であり、容器最内層がポリエチレン又はポリプロピレンからなる容器に充填された液体口腔用組成物。
〔2〕
(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上と、
(B)エタノールと、
(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上と、
(D)ノニオン性界面活性剤と
を含有し、(B)成分の含有量が1~3質量%、(B)及び(C)成分の合計含有量が12質量%以下、かつ(C)/(B)が質量比として1以上である液体口腔用組成物。
〔3〕
(B)及び(C)成分の合計含有量が2質量%以上であり、(C)/(B)が質量比として1~19である〔1〕又は〔2〕記載の液体口腔用組成物。
〔4〕
(A)成分の含有量が0.01~0.5質量%、(D)成分の含有量が0.2~2質量%である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔5〕
更に、(E)香料を0.01~1質量%含有する〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔6〕
香料が、ペパーミント油、スペアミント油、和種ハッカ油から選ばれる1種以上を含有するものである〔5〕記載の液体口腔用組成物。
〔7〕
水分含量が50~97質量%である〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔8〕
洗口剤である〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔9〕
(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上が配合され、容器最内層がポリエチレン又はポリプロピレンからなる容器に充填された液体口腔用組成物に、
(B)エタノールと、
(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上と、
(D)ノニオン性界面活性剤と
を、(B)成分の含有量が1~3質量%、(B)及び(C)成分の合計含有量が20質量%以下、かつ(C)/(B)が質量比として1以上となるように配合する、前記液体口腔用組成物における(A)成分の容器吸着抑制方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、(A)成分の保存安定性に優れ、また、(B)成分由来のすっきりとした香味立ちとキレの良い使用感を有する液体口腔用組成物を提供できる。この液体口腔用組成物は、(A)成分の薬効が効果的に発揮され、歯周疾患の予防又は抑制に有効であり、また、キレの良い使用感を有するという点で、エタノールの刺激を好まない使用者用としても有効である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の液体口腔用組成物は、(A)トコフェロール、その有機酸とのエステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上と、(B)エタノールと、(C)プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上と、(D)ノニオン性界面活性剤とを含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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