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公開番号
2024076614
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-06
出願番号
2022188248
出願日
2022-11-25
発明の名称
環状分子と軸状分子とが一体となった化合物、挿し違い型ロタキサン及び挿し違い型ロタキサンを含むポリマー、並びにその製造方法
出願人
国立大学法人山口大学
代理人
個人
,
個人
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個人
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個人
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個人
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個人
,
個人
,
個人
主分類
C07D
323/00 20060101AFI20240530BHJP(有機化学)
要約
【課題】耐圧縮性に優れた挿し違い型ロタキサンを含むポリマー、そのための新規環状分子と軸状分子とが一体となった化合物、及び挿し違い型ロタキサンを提供する。
【解決手段】軸状分子の末端に二重結合を導入した環状分子と軸状分子とが一体となった化合物を含む挿し違い型ロタキサンと、末端にチオール基を有する架橋剤とのチオール-エン反応により、挿し違い型ロタキサンを含むポリマーを合成し、耐圧縮性を備える網目状ポリマーのゲル状固体を形成する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
下記化学式(1)で表される環状分子と軸状分子とが一体となった化合物。
JPEG
2024076614000007.jpg
43
170
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
請求項1記載の化合物を含む、下記化学式(2)で表される挿し違い型ロタキサン。
JPEG
2024076614000008.jpg
68
142
【請求項3】
請求項2記載の挿し違い型ロタキサンを含むポリマー。
【請求項4】
ポリマーが線状ポリマーである、請求項3記載のポリマー。
【請求項5】
ポリマーが網目状ポリマーである、請求項3記載のポリマー。
【請求項6】
請求項1記載の環状分子と軸状分子とが一体となった化合物を含む挿し違い型ロタキサンと、末端にチオール基を有する架橋剤とを反応させることを特徴とする挿し違い型ロタキサンを含むポリマーの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状分子と軸状分子とが一体となった化合物、挿し違い型ロタキサン及び挿し違い型ロタキサンを含むポリマー、並びにその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ロタキサンは、環状分子に軸状分子が貫通し、その両末端を環状分子の内径よりも大きな分子(ストッパー分子)で封止した分子複合体である。その環状分子と軸状分子とが、疎水性相互作用や酸/塩基などの分子間相互作用によって形成されており、その特殊な構造からロタキサンは「インターロック化合物」とも呼ばれている。分子間相互作用は可逆的であるため、刺激を加えることで相互作用が一時的に切断され、環状分子が軸状分子上をスライド運動することが可能となっている。
【0003】
また、特異的なロタキサンとして、挿し違い型ロタキサン([c2]daisy-chain rotaxane)があり、挿し違い型ロタキサンは、環状分子と軸状分子とが一体となった化合物同士が分子間相互作用によって、互いに挿し違いあうことで形成される。挿し違い型ロタキサンに熱や光などの刺激を加えると可逆的に解離することから、研究が進んでいる。特許文献1には、挿し違い型ロタキサンモノマーを金属触媒として銅触媒を用いて重合(ヒュスゲン環化付加, Huisgen Cycloaddition)することが開示されている。
【0004】
ロタキサンを連続的に結合することで得られるロタキサンポリマーには、インターロック型(インターロック化合物)と挿し違い型とがあり、挿し違い型ロタキサンポリマーを用いた、収縮運動を可能とする高分子材料の開発が行われている。高分子化した挿し違い型ロタキサンに刺激を与えると、分子全体が筋繊維のように収縮運動することが可能であり、人工筋肉などへの応用が期待されている。特許文献2には、環状分子がヒドロシリル基を有するポリロタキサンと二重結合を有するポリマーとを白金触媒を用いて架橋させてなる架橋高分子組成物が開示されている。
【0005】
また、非特許文献1及び2には、環状分子に24員環のクラウンエーテルを使用し、銅触媒を用いた挿し違い型ロタキサンポリマーの合成が開示されているが、得られるロタキサンポリマーの耐圧縮性などの特性については記載がない。さらに、非特許文献3には、環状分子に24員環のクラウンエーテルを使用し、ルテニウム触媒を用いて合成した挿し違い型ロタキサンモノマーを銅触媒を用いてポリマーに合成することが開示されているが、得られるロタキサンポリマーはフィルムではなく、耐圧縮性などの特性についての記載もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-121933号公報
特開2021-127362号公報
【非特許文献】
【0007】
Bistable [c2]Daisy Chain Rotaxanes as Reversible Muscle-like Actuators in Mechanically Active Gels, J. AM. Chem. Soc., 139, 14825-14828 (2017)
Muscle-like Supramolecular Polymer: Integrated motion from Thousands of Molecular Machines, Angew. Chem. Int. Ed., 51, 12504-12508 (2012)
Switching and Extension of a [c2]daisy-chain Dimer Polymer, J. AM. Chem. Soc., 131, 13631-13633 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のとおり、挿し違い型ロタキサンポリマーについては、耐圧縮性など所望の特性が得られておらず、多様な用途に適用することが困難となっていた。そこで、本発明の目的は、耐圧縮性材料等の多様な用途に適用することができる挿し違い型ロタキサンを含むポリマー、そのための環状分子と軸状分子とが一体となった化合物、及び挿し違い型ロタキサンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、軸状分子の末端に二重結合を導入した環状分子と軸状分子とが一体となった化合物を含む挿し違い型ロタキサンと、末端にチオール基を有する架橋剤とのチオール-エン反応により、挿し違い型ロタキサンを含む線状及び網目状ポリマーを合成し、かかる網目状ポリマーがゲル状固体を形成し、耐圧縮性を備えることを見出し、本発明に至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の事項により特定されるとおりのものである。
[1] 下記化学式(1)で表される環状分子と軸状分子とが一体となった化合物。
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2024076614000002.jpg
38
170
[2] [1]記載の化合物を含む、下記化学式(2)で表される挿し違い型ロタキサン。
JPEG
2024076614000003.jpg
69
149
[3] [2]記載の挿し違い型ロタキサンを含むポリマー。
[4] ポリマーが線状ポリマーである、[3]記載のポリマー。
[5] ポリマーが網目状ポリマーである、[3]記載のポリマー。
[6] [1]記載の環状分子と軸状分子とが一体となった化合物を含む挿し違い型ロタキサンと、末端にチオール基を有する架橋剤とを反応させることを特徴とする挿し違い型ロタキサンを含むポリマーの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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