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公開番号
2025009138
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023111932
出願日
2023-07-07
発明の名称
二次電池の電解液の製造方法、二次電池の製造方法及び二次電池
出願人
マクセル株式会社
,
国立大学法人山口大学
代理人
個人
,
個人
主分類
H01M
10/54 20060101AFI20250110BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】使用後の二次電池に含まれる使用済みの電解液を効率よく回収し有効利用することで、希少資源の消費量を低減することができる二次電池の電解液の製造方法を提供する。
【解決手段】二次電池の電解液の製造方法は、使用後の二次電池を解体して内容物を取り出す工程(ステップS1)と、前記内容物を抽出用の溶媒に浸漬し、前記内容物に付着又は浸透している使用済みの電解液を抽出又は追い出して、抽出液を得る工程(ステップS2)と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
使用後の二次電池を解体して内容物を取り出す工程と、
前記内容物を抽出用の溶媒に浸漬し、前記内容物に付着又は浸透している使用済みの電解液を抽出又は追い出して、抽出液を得る工程と、を備える、二次電池の電解液の製造方法。
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【請求項2】
請求項1に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出用の溶媒が、二次電池の電解液の溶媒として使用可能な溶媒を主成分として含み、
前記抽出用の溶媒における前記主成分以外の成分の割合が5体積%以下である、二次電池の電解液の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出用の溶媒が、環状カーボネート、鎖状カーボネート及び環状エステルからなる群から選択される一種又は二種以上を主成分として含み、
前記抽出用の溶媒における前記主成分以外の成分の割合が5体積%以下である、二次電池の電解液の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出用の溶媒が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びγ―ブチロラクトンからなる群から選択される一種又は二種以上を主成分として含み、
前記抽出用の溶媒における前記主成分以外の成分の割合が5体積%以下である、二次電池の電解液の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出用の溶媒における、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートからなる群から選択される一種又二種以上の合計の割合が60体積%以上である、二次電池の電解液の製造方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出用の溶媒の粘度が、25℃において1.0cP以下である、二次電池の電解液の製造方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出用の溶媒が、前記使用済みの電解液に含まれている溶媒から選択された溶媒である、二次電池の電解液の製造方法。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出液を濃縮する工程をさらに備える、二次電池の電解液の製造方法。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出液に別の溶媒を添加する工程をさらに備える、二次電池の電解液の製造方法。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池の電解液の製造方法であって、
前記抽出用の溶媒又は前記抽出液に金属リチウム片が投入されている、二次電池の電解液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の電解液の製造方法、二次電池の製造方法及び二次電池に関する。本発明は、より詳しくは、使用後の二次電池に含まれる使用済みの電解液を効率よく回収して再利用可能な電解液を製造する方法、この電解液を用いた二次電池の製造方法、及びこの電解液を備える二次電池に関する。
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【背景技術】
【0002】
EUを中心に、リチウムイオン二次電池等の二次電池のリサイクルに関する法規制の整備が進められている。具体的には、二次電池に使用した材料の規定割合以上を再度二次電池に利用しなければならないという法規制の整備が進められている。
【0003】
特開2010-34021号公報には、電池廃材からの酸化物含有電池材料の回収方法が記載されている。この回収方法は、酸化物を含有する電池材料が付着した基材を、酸化物が実質的に溶解しない溶剤に浸漬して電池材料を基材から剥離する工程と、剥離した電池材料を基材と分別する工程と、を含む。
【0004】
特許第5141970号公報には、リチウム電池の正極から正極活物質を回収する方法が記載されている。この回収方法が対象とするリチウム電池は、水系溶媒で分散された正極活物質と導電材と結着材とを含む材料が正極集電体の表面に付与されて成る正極活物質層を備える。この回収方法は、正極をアルカリ水溶液に浸漬して正極集電体から正極活物質層を剥離する工程、剥離した正極活物質層剥離物に有機溶媒を添加して剥離物から結着材を抽出する工程、及び、抽出工程後の抽出処理物から導電材を含む上澄み部分と正極活物質を含む沈降部分とを分離する工程、を包含する。
【0005】
特開2017-16941号公報には、電池ケースを含む電池構成部材から電解質を除去したうえでリチウムイオン電池を分解し、電池ケースを含む電池構成部材を無駄なく取り出して回収することが記載されている。この、電解液が充填された電池ケースの内部から電解質を除去する方法は、電池ケースに開口部を形成する開口部形成工程と、電解液を、電池ケースの内部から開口部を介して密封減圧された電解液回収トラップへ吸い出す電解液吸出工程と、電解質を含まない溶媒を、溶媒タンクから開口部を介して電池ケースの内部に注入する溶媒注入工程と、溶媒注入工程で電池ケースの内部に注入した溶媒と電池ケースの内部に残留する電解質とを含む混合液を、電池ケースの内部から開口部を介して密封減圧された電解液回収トラップへ吸い出す混合液吸出工程と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-34021号公報
特許第5141970号公報
特開2017-16941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
使用後の二次電池に含まれる材料のうち、電極(活物質や集電箔)や外装材の金属については、従来から水平リサイクル、湿式リサイクル及び乾式リサイクル等の各種の検討が行われている。これらは主に、有価金属や活物質として用いられている金属酸化物の回収を目的にしている。
【0008】
一方、二次電池に含まれる他の材料(電解液やセパレータ)については、特許文献3などに示されるように、一部で回収が検討されているものの、主に焼却処理がなされているのが現状である。しかしながら、電解液にはフッ素やリンといった資源価値の高い元素が含まれている場合がある。フッ素は原料である蛍石の資源枯渇リスクが叫ばれており、また、リンは資源枯渇リスクがプラネタリーバウンダリーを超えており、既に逼迫した状況にある。現状、リン消費の多くは肥料や製鉄によるものであり、これらの分野ではリサイクルの実施が進んでいる。今後、電気自動車の普及に伴い、二次電池によるフッ素及びリンの消費も飛躍的に増大すると考えられるため、二次電池からの資源回収及び再利用は重要な課題である。
【0009】
また、充放電サイクルが進行した二次電池では、電解液の分解などにより液量が減少し、そのまま電解液を取り出せないことが多く、特許文献3に示される工程では効率的な回収につながらないことが懸念される。
【0010】
本発明の課題は、使用後の二次電池に含まれる使用済みの電解液を効率よく回収し有効利用することで、希少資源の消費量を低減することができる二次電池の電解液の製造方法を提供することである。本発明の他の課題は、希少資源の消費量を低減することができる二次電池の製造方法を提供すること、及び希少資源の消費量が低減された二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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