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公開番号2024075732
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-04
出願番号2024048407,2020553865
出願日2024-03-25,2019-10-25
発明の名称二次電池電極用バインダー及びその利用
出願人東亞合成株式会社
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H01M 4/62 20060101AFI20240528BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】優れた特性の二次電池電極を提供する。
【解決手段】カルボキシル基を有する架橋重合体又はその塩を含有する二次電池電極用バインダーとして、前記架橋重合体又はその塩は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位を30質量%以上100質量%以下含有し、前記架橋重合体又はその塩の多価金属イオン含有量は、100ppm以下である、バインダーを用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カルボキシル基を有する架橋重合体又はその塩を含有する二次電池電極用バインダーであって、
前記架橋重合体又はその塩は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位を30質量%以上100質量%以下含有し、
前記架橋重合体又はその塩の多価金属イオン含有量は、100ppm以下である、バインダー。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
カルボキシル基を有する架橋重合体又はその塩を含有する二次電池電極用バインダーであって、
前記架橋重合体又はその塩は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位を30質量%以上100質量%以下含有し、
前記架橋重合体又はその塩1gあたりの10μm以上100μm以下の金属系粒子含有量が10×10
3
個以下である、バインダー。
【請求項3】
前記架橋重合体又はその塩は、架橋性単量体に由来する構造単位を有する、請求項1又は2に記載のバインダー。
【請求項4】
前記架橋重合体の中和度は50モル%以上100モル%以下である、請求項1~3のいずれかに記載のバインダー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のバインダー、活物質及び水を含む、二次電池電極合剤層用組成物。
【請求項6】
集電体表面に、請求項1~4のいずれかに記載のバインダーを含有する電極層を備える、二次電池電極。
【請求項7】
二次電池電極用バインダーの製造方法であって、
架橋重合体又はその塩を準備する工程と、
固体状態の前記架橋重合体又はその塩から金属系粒子を除去する除去工程、を備える、方法。
【請求項8】
前記除去工程は、磁力を利用して前記架橋重合体又はその塩から前記金属系粒子を除去する工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記除去工程は、ドラム型磁選機又は電磁分離機を用いて前記架橋重合体又はその塩から前記金属系粒子を除去する工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記架橋重合体又はその塩は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位を30質量%以上100質量%含有する、請求項7~9のいずれかに記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池電極用バインダー及びその利用に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年10月29日に出願された日本国特許出願である特願2018-203158の関連出願であり、この日本出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は、引用により、本明細書に組み込まれるものとする。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
二次電池として、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ等の様々な蓄電デバイスが実用化されている。これらの二次電池に使用される電極は、活物質及びバインダー等を含む電極合剤層を形成するための組成物を集電体上に塗布・乾燥等することにより作製される。例えばリチウムイオン二次電池では、負極合剤層組成物に用いられるバインダーとして、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む水系のバインダーが使用されている。
【0003】
ところで、電池内に金属等の異物が混入すると、電池の短絡や発火の原因となるため、これらの混入量の低減および管理が求められている。例えば、蓄電デバイス用バインダー組成物を容器へ充填するに際し、マグネットフィルターによる磁性金属の除去やイオン交換樹脂による金属イオンの除去を行ってもよいことが記載されている(特許文献1)。また、重合体と分散媒とを含む二次電池用バインダー組成物の製造方法であって、重合体と分散媒とを含む混合物から磁力により粒子状金属成分を除去する工程を含む方法が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-15254号公報
国際公開第2010/032784号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、具体的な金属含有量等については記載されていない。また、特許文献2では、実施例においてジエン系重合体及びアクリル酸エステル系重合体の例が示されるのみであり、カルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を有するアクリル酸系重合体について具体的に開示されているわけではない。
【0006】
すなわち、上記特許文献は、いずれも、重合体と分散媒とを含む分散体(スラリー)から金属異物等を除去する方法について記載されているが、分散媒を含まない状態の粉末状などの固形の重合体から金属異物を除去する点及びその効果については何ら言及されていない。また、いずれも、アクリル酸系重合体の金属異物除去に関する具体的な記載は見られない。
【0007】
本発明者らが、粉末状のアクリル酸系重合体に含まれる金属系異物の影響を確認したところ、重合体中に含まれる金属系異物の量が多い場合、当該重合体を用いて電極スラリーを形成した際に高粘度化し、活物質の分散不良や塗工不良を引き起こすほか、塗工乾燥後に硬く脆くなり、耐屈曲性が低下してしまうということがわかった。上記の現象は、金属系異物に由来する金属イオンによりアクリル酸系重合体が架橋構造を形成することによるものと推察される。上記特許文献に記載の方法により金属系異物の除去を行っても、その効果は十分ではなく、分散体(スラリー)から粉末状などの固体状態のアクリル酸系重合体を得る工程において混入する金属系異物の含有量を十分低減することが必要であった。
【0008】
本明細書は、アクリル酸系重合体に含まれる金属系異物を効果的に低減できる技術及びその利用に関し、電極合剤層用組成物における高粘度化及び電極形成時の屈曲特性の低下を抑制できる、アクリル酸系重合体を含む二次電極用バインダー及びその利用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、アクリル酸系重合体から多価金属イオンや金属粒子などの金属種を低減する方法とその効果について種々検討したところ、上記の通り、粉末状などの固体状態のアクリル酸系重合体から金属系粒子を除去することで、かかる固体状態のアクリル酸系重合体を再び分散させた際の粘性増大等の不都合を抑制又は回避でき、耐屈曲性に優れる電極を形成できるという知見を得た。本明細書は、かかる知見に基づき以下の手段を提供する。
【0010】
[1]カルボキシル基を有する架橋重合体又はその塩を含有する二次電池電極用バインダーであって、
前記架橋重合体又はその塩は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位を30質量%以上100質量%以下含有し、
前記架橋重合体又はその塩の多価金属イオン含有量は、100ppm以下である、バインダー。
[2]カルボキシル基を有する架橋重合体又はその塩を含有する二次電池電極用バインダーであって、
前記架橋重合体又はその塩は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位を30質量%以上100質量%以下含有し、
前記架橋重合体又はその塩1gあたりの10μm以上100μm以下の金属系粒子含有量が10×10
3
個以下である、バインダー。
[3]前記架橋重合体又はその塩は、架橋性単量体に由来する構造単位を有する、[1]又は[2]に記載のバインダー。
[4]前記架橋重合体の中和度は50モル%以上100モル%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のバインダー。
[5][1]~[4]のいずれかに記載のバインダー、活物質及び水を含む、二次電池電極合剤層用組成物。
[6]集電体表面に、[1]~[4]のいずれかに記載のバインダーを含有する電極層を備える、二次電池電極。
[7]二次電池電極用バインダーの製造方法であって、
架橋重合体又はその塩を準備する工程と、
固体状態の前記架橋重合体又はその塩から金属系粒子を除去する除去工程、を備える、方法。
[8]前記除去工程は、磁力を利用して前記架橋重合体又はその塩から前記金属系粒子を除去する工程を含む、[7]に記載の方法。
[9]前記除去工程は、ドラム型磁選機又は電磁分離機を用いて前記架橋重合体又はその塩から前記金属系粒子を除去する工程を含む、[8]に記載の方法。
[10]前記架橋重合体又はその塩は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位を30質量%以上100質量%含有する、[7]~[9]のいずれかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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