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公開番号2024073735
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022184598
出願日2022-11-18
発明の名称乱巻き検出方法
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人弁理士法人上野特許事務所
主分類B65H 63/00 20060101AFI20240523BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】線状体を芯部材に巻き取る際の乱巻きの発生を、正確に、かつ簡便に検出することができる乱巻き検出方法を提供する。
【解決手段】芯部材3の軸方向に沿った巻き取り体1の高さ分布を示すラインプロファイルに対して勾配をとった勾配プロファイルにおいて、ピークの箇所を検出する勾配ピーク検出工程と、ラインプロファイルにおいて、ピーク位置の両側の領域を直線近似した2本の近似直線を求める演算を、ピークのそれぞれに対して順次行う近似工程と、ラインプロファイルにおいて、2本の近似直線の間で、ピーク位置における高さの差が、段差閾値以上である場合に、該ピーク位置を、線状体2の巻き取り層が切り替わる層境界であると判定する層境界決定工程と、ラインプロファイルにおいて、層境界の両側の2本の近似直線からの距離が、ピーク閾値以上となっている箇所に、乱巻きが生じていると判定する乱巻き検出工程と、の各工程をこの順で実施する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
線状体を芯部材に巻き取った巻き取り体において、前記線状体の巻き取りが乱れた乱巻きを検出する方法であって、
前記芯部材の軸方向に沿って、前記巻き取り体を構成する前記線状体の表面の高さ位置の分布を検出し、高さ分布データを得る高さ検出工程と、
前記高さ分布データ、または前記高さ分布データを平滑化したものをラインプロファイルとして取得するラインプロファイル準備工程と、
前記ラインプロファイルの勾配をとった勾配プロファイルにおいて、勾配の値が勾配閾値範囲に入っていないピークの箇所を検出する勾配ピーク検出工程と、
前記勾配ピーク検出工程で検出された前記ピークのうちの1つの位置を、ピーク位置として、前記ラインプロファイルにおいて、前記ピーク位置の両側の領域を直線近似した2本の近似直線を求める演算を、前記ピークのそれぞれに対して順次行う近似工程と、
前記ラインプロファイルにおいて、前記近似工程で前記ピークのそれぞれに対して得られた前記2本の近似直線の間で、前記ピーク位置における高さの差が、段差閾値以上である場合に、該ピーク位置を、線状体の巻き取り層が切り替わる層境界であると判定する層境界決定工程と、
前記ラインプロファイルにおいて、前記層境界の両側の前記2本の近似直線からの距離が、ピーク閾値以上となっている箇所に、乱巻きが生じていると判定する乱巻き検出工程と、
の各工程をこの順で実施する、乱巻き検出方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記高さ検出工程において、
前記巻き取り体に、前記芯部材の軸方向に沿って長いラインレーザー光を照射しながら、前記巻き取り体の表面をカメラで撮影して撮影像を取得し、
前記撮影像において、前記レーザー光の照射範囲における高さの分布を三角測量法にて取得することで、前記高さ分布データを得る、請求項1に記載の乱巻き検出方法。
【請求項3】
前記線状体を前記芯部材に巻き取りながら、前記各工程を繰り返し実施する、請求項1または請求項2に記載の乱巻き検出方法。
【請求項4】
前記線状体は、金属ワイヤである、請求項1または請求項2に記載の乱巻き検出方法。
【請求項5】
前記勾配ピーク検出工程において検出された前記ピークの数が、基準ピーク数以下である場合には、続けて、前記近似工程以降の工程を実施し、
前記勾配ピーク検出工程において検出された前記ピークの数が、前記基準ピーク数を超えている場合には、前記近似工程以降の工程を実施することなく、乱巻きが生じていると判定する、請求項1または請求項2に記載の乱巻き検出方法。
【請求項6】
乱巻きが生じていない前記巻き取り体に対して、前記高さ検出工程および前記ラインプロファイル準備工程を実施して得られたラインプロファイルの勾配をとったものを、正常勾配プロファイルとし、
前記正常勾配プロファイルの少なくとも一部の領域について、勾配の平均値をμ、標準偏差をσとして、
前記勾配ピーク検出工程に用いる前記勾配閾値範囲を、μ±3σと設定する、請求項1または請求項2に記載の乱巻き検出方法。
【請求項7】
前記層境界決定工程に用いる前記段差閾値を、前記線状体の外径の50%以上、100%以下とする、請求項1または請求項2に記載の乱巻き検出方法。
【請求項8】
前記乱巻き検出工程に用いる前記ピーク閾値を、前記線状体の外径の50%以上、100%未満とする、請求項2に記載の乱巻き検出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乱巻き検出方法に関し、さらに詳しくは、金属ワイヤ等の線状体を芯部材に巻き取った巻き取り体において、巻き取りの乱れを検出するための方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
金属ワイヤ等の線状体を、ボビン等の芯部材に巻き取る場合に、乱巻き、つまり線状体の巻き取りの乱れが発生する場合がある。正常に巻き取りが行われた場合には、図1(a),(b)に示すように、線状体2が芯部材3の軸方向に沿って、整然と列をなして、層状に配置されるのに対して、乱巻きが生じると、例えば、図1(c)に示すように、芯部材3の軸方向に沿って、線状体2の列が配置されない箇所が生じる場合がある(矢印にて表示)。あるいはさらに乱巻きが進行すると、図1(d)のように、線状体2が整然とした列をなさずに、雑然と積み上がった状態で芯部材3に巻き付けられた箇所が生じうる。こうした乱巻きが生じると、巻き取り体を構成する線状体の機能や品質に影響が生じる場合がある。例えば、巻き取り体に乱巻きが生じていると、巻き取り体の使用時に巻き取り体から線状体を円滑に繰り出せなくなる、線状体に不要な曲げ癖が生じてしまう等の問題が生じる可能性がある。
【0003】
線状体の乱巻きを検出する方法として、複数の手法が提案されている。例えば、特許文献1には、移動式クレーンにおいて、ウインチドラムの乱巻状態を監視するために監視カメラを設け、ウインチドラムの回転が検出されている間、ウインチドラムの状態を運転室のモニターに表示する監視カメラの表示制御装置が開示されている。ここでは、移動式クレーンを運転する運転者が、監視カメラの映像により、乱巻きの有無を監視することになる。また、特許文献2には、スプ-ルに整列巻き取りされるワイヤの移動速度に基づく乱巻き検出装置が開示されている。ここでは、ワイヤ移動速度が定常値に安定しかつスプ-ル上においてワイヤ巻き取位置が層切換わり位置を外れた位置にあるときにワイヤ移動速度を記憶し、その後、その記憶速度に対するワイヤ移動速度の偏差が設定値を越えると、乱巻きが発生したと検出する。特許文献3には、ウインチドラム乱巻検出装置として、画像に基づいて乱巻きを検出する方法が開示されている。特許文献3のウインチドラム乱巻検出装置は、ドラムに巻かれたワイヤーロープを撮影して画像データを生成する撮像装置と、それら画像データを分析するニューラルネットワークの学習済モデルを含み、ワイヤーロープがドラムに整列して巻かれている正常巻状態であるか、ドラムに巻かれたワイヤーロープが整列していない乱巻状態であるかを判定する乱巻判定部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-137035号公報
特開平4-292380号公報
特開2021-128352号公報
特開2021-139821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、線状体の乱巻きを検出するための方法として、複数のものが考案されているが、特許文献1の手法のように、目視による映像の監視によって乱巻きを検出する場合には、乱巻きの見落としが発生しやすく、また監視を行う者の負荷も大きくなる。特許文献2のように、ワイヤ移動速度に基づいて乱巻きを検出する場合には、乱巻きの検出を自動化することができ、目視を利用する場合のような、見落としや作業負荷等の問題は生じないが、ワイヤの巻き取りが定常状態に達してからしか、乱巻きの検出を行えず、定常状態に達する前に乱巻きが発生しても、その乱巻きを早期に発見することは難しい。また、ワイヤ移動速度の変動は、乱巻き以外の現象によっても起こる可能性があり、乱巻きを選択的に検出できるとは限らない。
【0006】
これらに対し、特許文献3のように、撮影画像の分析によって乱巻きを検出する場合には、人間による目視を介在させることなく、連続的に乱巻きの監視を行い、他の現象と区別して乱巻きを検出することが可能となる。しかし、特許文献3の方法では、二次元情報としての画像を解析することで乱巻きの検出を行うため、情報処理速度が遅くなりやすく、また、照明の明るさ等、画像の取得環境が、検出結果の正確性に影響を及ぼす可能性がある。さらに、判定にニューラルネットワークの学習済モデルを用いていることから、学習済モデルを構築するのに、多量の情報が必要となる。例えば、特許文献4では、丸棒材の超音波探傷にニューラルネットワークを用いる形態について、具体例が示されているが、そこでは、学習済モデルの構築のために、約500枚の学習データと、約1200枚のテストデータが用いられている。この例から類推すると、乱巻きの検出に機械学習を利用する場合にも、同様に、多量のデータを要し、またその多量のデータからの学習済モデルの構築に、大きなコストを要すると考えられる。乱巻きの監視対象となる線状体の種類や径が変化する場合には、さらに多くの情報が必要となる可能性がある。
【0007】
以上のように、特許文献1,2に開示された方法では、各種の状況で、乱巻きの検出を正確に行うことが難しい。また、特許文献3の方法では、周囲の環境や情報処理速度によっては、乱巻きの検出を正確に行えない場合が生じる可能性があるうえ、検出システムの導入に多くの情報が必要となり、簡便に乱巻きの検出を実施できるものではない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、線状体を芯部材に巻き取る際の乱巻きの発生を、正確に、かつ簡便に検出することができる乱巻き検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明にかかる乱巻き検出方法は、以下の構成を有する。
[1]本発明にかかる乱巻き検出方法は、線状体を芯部材に巻き取った巻き取り体において、前記線状体の巻き取りが乱れた乱巻きを検出する方法であって、前記芯部材の軸方向に沿って、前記巻き取り体を構成する前記線状体の表面の高さ位置の分布を検出し、高さ分布データを得る高さ検出工程と、前記高さ分布データ、または前記高さ分布データを平滑化したものをラインプロファイルとして取得するラインプロファイル準備工程と、前記ラインプロファイルの勾配をとった勾配プロファイルにおいて、勾配の値が勾配閾値範囲に入っていないピークの箇所を検出する勾配ピーク検出工程と、前記勾配ピーク検出工程で検出された前記ピークのうちの1つの位置を、ピーク位置として、前記ラインプロファイルにおいて、前記ピーク位置の両側の領域を直線近似した2本の近似直線を求める演算を、前記ピークのそれぞれに対して順次行う近似工程と、前記ラインプロファイルにおいて、前記近似工程で前記ピークのそれぞれに対して得られた前記2本の近似直線の間で、前記ピーク位置における高さの差が、段差閾値以上である場合に、該ピーク位置を、線状体の巻き取り層が切り替わる層境界であると判定する層境界決定工程と、前記ラインプロファイルにおいて、前記層境界の両側の前記2本の近似直線からの距離が、ピーク閾値以上となっている箇所に、乱巻きが生じていると判定する乱巻き検出工程と、の各工程をこの順で実施する。
【0010】
[2]前記[1]の態様において、前記高さ検出工程で、前記巻き取り体に、前記芯部材の軸方向に沿って長いラインレーザー光を照射しながら、前記巻き取り体の表面をカメラで撮影して撮影像を取得し、前記撮影像において、前記レーザー光の照射範囲における高さの分布を三角測量法にて取得することで、前記高さ分布データを得るとよい。
(【0011】以降は省略されています)

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