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公開番号2024071413
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2024037848,2019235962
出願日2024-03-12,2019-12-26
発明の名称ポリオレフィン系樹脂フィルム、これを用いた粘着シート
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類H01L 21/301 20060101AFI20240517BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】粘着剤層などの塗工工程における加熱処理に対応が可能で、異物などの発生が少なく、エキスパンド性に優れたポリオレフィン系樹脂フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂粒子及び前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂を含み、前記ポリエチレン系樹脂粒子以外の有機系スリップ剤を実質的に含まない層を少なくとも一方の表面層とするポリオレフィン系樹脂フィルムであって、前記の少なくとも一方の表面層の最大突起高さが2μm以上、15μm以下であるポリオレフィン系樹脂フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエチレン系樹脂粒子及び前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂を含み、前記ポリエチレン系樹脂粒子以外の有機系スリップ剤を実質的に含まない層を少なくとも一方の表面層とするポリオレフィン系樹脂フィルムであって、前記の少なくとも一方の表面層の最大突起高さが2μm以上、15μm以下であり、
前記表面層の厚さは、前記ポリエチレン系樹脂粒子の平均粒子径の半分以上である、
半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記ポリエチレン系樹脂粒子を形成するポリエチレン系樹脂の粘度平均分子量が150万以上であり、かつ、JIS K 7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法」による融点が150℃以下である請求項1に記載の半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム。
【請求項3】
最大突起高さが2μm以上、15μm以下である表面層同士の静摩擦係数が0.9以下である請求項1、又は、請求項2に記載の半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム。
【請求項4】
前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂が、エチレン単量体の単独重合体、直鎖状低密度ポリエチレンを80質量%以上と1種以上のα-オレフィンをコモノマーとする共重合体、及び、これらを含む混合物である請求項1~3のいずれかに記載の半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム。
【請求項5】
前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン単独重合体、プロピレン70質量%以上と1種以上のα-オレフィンをコモノマーとする共重合体、及び、これらを含む混合物である請求項1~3のいずれかに記載の半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム。
【請求項6】
前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂が、更に、エチレン-アクリル酸エステル共重合体を少なくとも5質量%以上含む請求項4、又は、請求項5に記載の半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム。
【請求項7】
前記ポリオレフィン系樹脂フィルムの少なくとも一方の表面層において、15μm以上の突起数が1個/0.2mm2以下である請求項1に記載の半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム。
【請求項8】
前記ポリエチレン系樹脂粒子を含有した少なくとも一方の表面層の表面における静摩擦係数は0.10以上0.5以下である請求項1に記載の半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の半導体製造工程に用いるポリオレフィン系樹脂フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を有する半導体製造工程に用いる粘着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、主には、半導体などを切断、分離してチップを得る際に、これらを固定する粘着シートの基材フィルムに供するに好適であり、また、プラスチック製品、ガラス製品、セラミック製品などにおける導電、加飾などを施した表面状態を保護する表面保護フィルムの基材フィルムにも適用が可能なポリオレフィン系樹脂フィルムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
半導体製造工程にはシリコンやガリウム砒素などの半導体ウエハや半導体ウエハのチップをプラスチック製品、ガラス製品、セラミック製品などに積層するダイボンディング工程を得た基盤などを切断、分離するダイシング工程がある。そのダイシング工程で半導体ウエハや基盤などを固定し、ブレードなどによるダイシングでのズレ、チップなどの飛散を防止するために、樹脂フィルムを基材として、少なくとも片面に粘着剤層が設けてなる粘着シートをダイシングテープとして使用する。
【0003】
ダイシングテープは、更に、吸引治具などで個片化したチップなどをピックアップし易いように各々の間隔を広げるエキスパンド工程に対するエキスパンド(拡張)性、また、チップを採取するピックアップ工程を経るが、その際の負荷を低減するため、柔軟性が求められる。
【0004】
例えば、ビニル芳香族炭化水素、あるいは、共役ジエン炭化水素共重合体水素添加物とポリプロピレン系樹脂とからなる樹脂組成物を積層した多層フィルムが知られている(例えば、特許文献1など)。しかし、前記のような多層フィルムは一般的に前記多層はエキスパンド性は満足できるものの、ウエハの重量によるたわみなどの点で、必ずしも満足できるものではない。
【0005】
また、エチレン-エチルアクリレート(EEA)、エチレンビニルアルコール(EVA)などのエチレン系樹脂の基材にシリコンオイル、シリコン樹脂粉末や四フッ化エチレン樹脂粉末などの摩擦低減剤を含有する樹脂層を設ける基材用フィルムが知られている(例えば、特許文献2など)。前記のような基材用フィルムは一般的にエキスパンド性と柔軟性は満足できるが、シリコンオイルによるチップの汚染、四フッ化エチレン樹脂粉末による焼却時のフッ化水素ガスが発生による環境に対する影響が懸念される。
【0006】
更に、エチレン系樹脂のフィルムにおいて、粘着剤層などを付与する反対面にシリカ粒子を添加する層を設けることで摩擦を低減し、エキスパンド性を確保する基材用のフィルムが開示されている(例えば、特許文献3など)。しかし、一般的にシリカ粒子は、比重が重い上、凝集しやすい性質があり、フィッシュアイなどの異物管理の点に困難が生じることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2009-94418号公報
特開平7-221052号公報
特開平11-189755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、主には、半導体などを切断、分離してチップを得る際に、これらを固定する粘着シートの基材フィルムとして好適であり、また、プラスチック製品、ガラス製品、セラミック製品などにおける導電、加飾などを施した表面状態を保護する表面保護フィルムの基材フィルムにも適用が可能なポリオレフィン系樹脂フィルムにおいて、粘着剤層などの塗工工程における加熱処理に対応が可能で、異物などの発生が少なく、エキスパンド性に優れたポリオレフィン系樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエチレン系樹脂粒子を少なくとも片側の表面層に配し、特定の表面凹凸を形成することで、エキスパンド性を有し、ウエハなどの重量でたわみが低減し、粘着剤層などの塗工工程における加熱処理で基材フィルムに欠陥が生じることのないポリオレフィン系樹脂フィルムを得ることを見出し、本発明の完成に到った。
【0010】
即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. ポリエチレン系樹脂粒子及び前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂を含み、前記ポリエチレン系樹脂粒子以外の有機系スリップ剤を実質的に含まない層を少なくとも一方の表面層とするポリオレフィン系樹脂フィルムであって、前記の少なくとも一方の表面層の最大突起高さが2μm以上、15μm以下であるポリオレフィン系樹脂フィルム。
2. 前記ポリエチレン系樹脂粒子を形成するポリエチレン系樹脂の粘度平均分子量が150万以上であり、かつ、JIS K 7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法」による融点が150℃以下である上記第1に記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。
3. 最大突起高さが2μm以上、15μm以下である表面層同士の静摩擦係数が0.9以下である上記第1、又は、第2に記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。
4. 前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂が、エチレン単量体の単独重合体、直鎖状低密度ポリエチレンを80質量%以上と1種以上のα-オレフィンをコモノマーとする共重合体、及び、これらを含む混合物である上記第1~第3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。
5. 前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン単独重合体、プロピレン70質量%以上と1種以上のα-オレフィンをコモノマーとする共重合体、及び、これらを含む混合物である上記第1~第3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。
6. 前記ポリエチレン系樹脂粒子以外のポリオレフィン系樹脂が、更に、エチレン-アクリル酸エステル共重合体を少なくとも5質量%以上含む上記第4、又は、第5に記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。
7. 上記第1~第6のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着シート。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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