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公開番号2024070419
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022180896
出願日2022-11-11
発明の名称全固体電池の製造方法
出願人国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類H01M 10/0585 20100101AFI20240516BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 全固体電池の製造において、ガーネット型固体電解質を良好な特性を示す界面を通じて、他の電池部材と接合する。
【解決手段】 正負極層と固体電解質層を備える全固体電池において、固体電解質の少なくとも一種類がガーネット型構造を有する固体電解質であり、全固体電池を製造する過程において、ガーネット型構造を有する固体電解質を他の電池部材と接合する以前の段階において、水酸化リチウム水溶液に浸漬する。さらに好ましくは、水酸化リチウムへの浸漬過程以前の段階において、乾燥雰囲気下において600℃以上の温度で加熱する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
正負極層と固体電解質層を備える全固体電池において、固体電解質の少なくとも一種類がガーネット型構造を有する固体電解質であり、全固体電池を製造する過程において、ガーネット型構造を有する固体電解質を他の電池部材と接合する以前の段階において、水酸化リチウム水溶液に浸漬することを特徴とする全固体電池の製造方法。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
請求項1記載の水酸化リチウムへの浸漬過程以前の段階において、乾燥雰囲気下において600℃以上の温度で加熱することを特徴とする請求項1記載の全固体電池の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の他の電池部材が、金属リチウム負極であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の全固体電池の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載のガーネット型構造を有する固体電解質が、リチウム、ランタン、ジルコニウムを含み、さらにアルミニウム、ニオブ、タンタル、ビスマスより選ばれる少なくとも一種の元素を含む酸化物であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の全固体電池の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の正極層あるいは負極層に含まれる電極活物質がリチウムを含有する遷移金属酸化物であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の全固体電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質に固体電解質、特にガーネット型固体電解質を使用した全固体電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
固体電解質を使用する電池の全固体化は、固体電解質中に副反応を引き起こす反応種の拡散が起こらないために、電池を長寿命化することができるのみならず、リチウムイオン電池の全固体化は、可燃性物質である有機溶媒電解質が不燃性物質となることから、電池の安全性を大幅に向上させることができるものと期待されている。
【0003】
リチウムイオン電池を全固体化する固体電解質としては、硫化物系材料の検討が精力的に続けられ、硫化物系固体電解質を採用する全固体電池は、車載用電池としての実用化を目指す性能を達成している。しかしながら、硫化物系固体電解質は大気中の水分とも反応する物質であり、湿度等を厳密に管理した特殊な環境下でしか扱うことができない。それに対して、酸化物系固体電解質は硫化物系材料に比べてはるかに安定であり、酸化物系固体電解質を採用することで全固体電池の汎用性を高めることができるものと期待されている。特に、Li

La

Zr


12
などの組成を有するガーネット型構造の固体電解質は、10
-3
Scm
-1
前後の高いイオン伝導度を示すのに加え、NASICON型LiTi

(PO



やペロブスカイト型Li
3x
La
1-x
TiO

が耐還元性に乏しく、定電位負極と組み合わせることができないのに対して、金属リチウムに対しても安定であり、全固体電池用の電解質として好適なものと目されている。
【0004】
このようにガーネット型固体電解質は、高いイオン伝導性と広い電位窓を有するものの、電極活物質などの固体電池構成材料との接合界面で大きな抵抗成分を示し、この固体電解質を採用する全固体電池は内部抵抗の高いものとなってしまうという課題を有していた。この界面抵抗は、大気中の水分や二酸化炭素によりガーネット型固体電解質表面に形成する炭酸リチウムを主成分とする表面層によるものであると考えられており、界面抵抗を低減し、内部抵抗の低い全固体電池を作製するためには、この炭酸リチウムを除去する必要があるとされている。
【0005】
固体電解質表面に生成する炭酸リチウムを除去する方法としては、機械的な研磨を施すことに加え、非特許文献1に開示されるようなガーネット型固体電解質を炭素材料と接触させ、700℃で加熱する方法、非特許文献2に開示されるようなガーネット型固体電解質を塩酸に浸漬する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Yutao Liら,J.Am.Chem.Soc.,140,6448-6455(2018)
Yixuan Guoら,Appl.Energy Mater.,5,2853-2861(2022)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の先行技術によると、ガーネット型固体電解質と電極活物質との電池材料との接合界面に大きな抵抗成分をもたらす炭酸リチウム層を除去することができるが、その効果は十分ではないという課題が残されている。
【0008】
物理研磨により炭酸リチウム層を除去した場合には、電解質表面に物理研磨による残留応力や加工変質が生じ、固体電解質の結晶性の低下から、電極抵抗の増加、ひいては電極性能の低下を引き起こす。また、ガーネット型固体電解質を炭素材料と接触させ、700℃で加熱する方法においては熱処理過程が必要となるうえ、熱処理後の固体電解質表面に炭素材料が残留する懸念が残される。さらに、塩酸に浸漬することで炭酸リチウム層を除去する方法においては、ガーネット型固体電解質と塩酸の間でリチウムイオンとプロトンのイオン交換が生じ、固体電解質がプロトン化することで接合した電極が良好な特性を示さないという課題が生じる。
【0009】
本発明はこれらの課題を解決し、ガーネット型固体電解質を電極材料等の電池材料と低抵抗界面を通じて接合させ、良好な電極特性を示す全固体電池を提供するとともに、ガーネット型固体電解質を使用する全固体電池において金属リチウム負極を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
正負極層と固体電解質層を備える全固体電池において、固体電解質の少なくとも一種類がガーネット型構造を有する固体電解質であり、全固体電池を製造する過程において、ガーネット型構造を有する固体電解質を他の電池部材と接合する以前の段階において、水酸化リチウム水溶液に浸漬する。
さらに、水酸化リチウムへの浸漬過程以前の段階において、乾燥雰囲気下において600℃以上の温度で加熱する。
また、前記負極層として金属リチウムを用いる。
また、ガーネット型構造を有する固体電解質として、リチウム、ランタン、ジルコニウムを含み、さらにアルミニウム、ニオブ、タンタル、ビスマスより選ばれる少なくとも一種の元素を含む酸化物を用いる。
また、前記正極層に含まれる正極活物質としては、リチウムを含有する遷移金属酸化物を用いる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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