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公開番号2024062659
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-10
出願番号2022170647
出願日2022-10-25
発明の名称電子写真部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G03G 15/08 20060101AFI20240501BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低硬度であっても、高温高湿下において変形からの回復が速く、かつトナーの固着を抑制する電子写真部材を提供する。
【解決手段】電子写真部材であって、該電子写真部材が、ウレタンエラストマーを含む弾性層を有し、該弾性層の外表面が、該電子写真部材の外表面を構成し、該ウレタンエラストマーが、マトリックスと、該マトリックス中に分散された複数のドメインと、を有し、該弾性層の所定の粘弾性像において測定される、該ドメインの粘弾性項を示すパラメータAと、該マトリックスの粘弾性項を示すパラメータBと、の関係がA<Bであり、該弾性層の所定のマイクロゴム硬度が、30~50度であり、所定の断面画像における該ドメインの総個数に対して、所定の円形度のドメインの個数の割合が、70個数%以上であり、所定のマトリックスの温度23℃における弾性率が、9.0~35.0MPaである、ことを特徴とする電子写真部材。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
電子写真部材であって、該電子写真部材が、弾性層を有し、
該弾性層の外表面が、該電子写真部材の外表面を構成し、
該弾性層が、ウレタンエラストマーを含み、
該ウレタンエラストマーが、マトリックスと、該マトリックス中に分散された複数のドメインと、を有し、
該弾性層の、該ドメインと該マトリックスとが露出してなる断面の、走査型プローブ顕微鏡による粘弾性像において測定される、該ドメインの粘弾性項を示すパラメータAと、該マトリックスの粘弾性項を示すパラメータBと、の関係がA<Bであり、
温度23℃における該弾性層のマイクロゴム硬度が、30~50度であり、
該弾性層の長手方向の長さをLとしたとき、該弾性層の該長手方向の中央、及び該弾性層の両端から中央に向かってL/4の2カ所の合計3カ所における、該弾性層の厚さ方向の、該ドメインと該マトリックスとが露出してなる断面のそれぞれについて、該弾性層の外表面から深さ100μmの位置までの厚み領域に、一辺が50μmの正方形の観察領域を置いたとき、得られた断面画像において観察される該ドメインの総個数に対して、円形度が0.60~0.95であるドメインの個数の割合が、70個数%以上であり、
該観察領域内に存在するマトリックスの温度23℃における弾性率が、9.0~35.0MPaである、ことを特徴とする電子写真部材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
温度23℃において、前記弾性層の外表面の前記マトリックスにビッカース圧子を当接させ、該ビッカース圧子を荷重速度10mN/30秒で前記弾性層に押し込み、荷重10mNで60秒間維持した後、除荷したとき、除荷5秒後の歪みが0.40μm以下である、請求項1に記載の電子写真部材。
【請求項3】
前記観察領域において、観察領域の各々が、下記要件(1)及び要件(2)を満たす、請求項1に記載の電子写真部材。
要件(1):前記観察領域内に存在するドメインの断面積の合計の割合が、前記観察領域の面積の25~45面積%である。
要件(2):前記観察領域内に存在するドメイン中の、前記観察領域の面積に対して0.10~13.00面積%の断面積を有するドメインの個数の割合が、70個数%以上である。
【請求項4】
前記マトリックスが、式(1)で表されるポリカーボネート構造を含み、かつ、
前記ドメインが、式(2)で表されるポリエーテル構造を含む、請求項1に記載の電子写真部材。
TIFF
2024062659000013.tif
26
170
(式(1)中、R

は、炭素数3~9のアルキレン基を示す。)
TIFF
2024062659000014.tif
16
170
(式(2)中、R

は、炭素数3~5のアルキレン基を示す。)
【請求項5】
前記R

が、炭素数3~9の分岐構造を有するアルキレン基である、請求項4に記載の
電子写真部材。
【請求項6】
前記R

が、炭素数3~5の分岐構造を有するアルキレン基である、請求項4に記載の電子写真部材。
【請求項7】
前記パラメータAの前記パラメータBに対する比の値(A/B)が、0.65以下である請求項1に記載の電子写真部材。
【請求項8】
電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子写真部材を具備する、プロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の電子写真部材を具備する、電子写真画像形成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真方式の複写機、プリンタ等の電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」とも称す)において使用される電子写真部材に向けたものである。また、本開示は、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に向けたものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用した画像形成装置(電子写真方式を用いた複写機やファクシミリやプリンタ等)は、主に電子写真感光体(以下、「感光体」とも称す)、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置及び定着装置からなる。
画像形成装置においては、感光体がまず帯電部材(以下、「帯電ローラ」とも称す)により帯電され、続いて露光されることで感光体上に静電潜像が形成される。また、トナー容器内のトナーはトナー規制部材によりトナー担持体(以下、「現像ローラ」とも称す)上に塗布され、現像ローラによって現像領域に搬送される。そして、現像領域に搬送されたトナーによって、感光体と現像ローラの当接部で感光体上の静電潜像の現像が行われる。その後、感光体上のトナーは転写手段により記録紙に転写され、熱と圧力によって定着される。感光体上に残留したトナーは、クリーニング部材によって除かれる。
【0003】
従来、このような帯電ローラや現像ローラの弾性層の材料としては、柔軟性が高い(すなわち、低硬度である)という観点から、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、及びウレタンエラストマーが使用されてきている。これらの材料の中でも、ウレタンエラストマーは良好な耐摩耗性を有するため、弾性層の材料として好んで用いられている。
しかしながら、ウレタンエラストマーは一般的に圧縮永久歪みが生じやすい。そのため、ウレタンエラストマーを含む弾性層を備えた現像ローラにおいては、特定の部位が、トナー規制部材と長時間にわたって当接し、弾性層中のトナー規制部材と当接した部位が変形した場合、当該変形は、容易には回復しない。特定の部位が変形した現像ローラを画像形成に供した場合、得られる電子写真画像には、当該変形した部位に対応した位置にスジ状の欠陥が生じることがある。ウレタンエラストマーを含む弾性層を備えた帯電ローラについても同様に、帯電ローラの特定の部位に発生した変形に起因する帯電不良が発生し、電子写真画像に欠陥が生じることがある。圧縮永久歪みは、ウレタンエラストマーのマイクロゴム硬度が低いほど、そして高温高湿であるほど大きくなりやすく、上記の欠陥がより生じやすい。
【0004】
また、ウレタンエラストマーのマイクロゴム硬度が低くなるほど、ウレタンエラストマーの粘着性も高くなりやすい。ウレタンエラストマーを含む弾性層が現像ローラや帯電ローラの外表面を構成している場合、ウレタンエラストマーの粘着性が高くなるとトナーがローラ表面に固着する。その結果、トナーの固着部でトナーの規制不良や帯電不良が発生し、電子写真画像に欠陥が生じることがある。特に高温高湿になるほどマイクロゴム硬度が低くなるため、たとえ常温常湿ではトナー固着が発生しなくても、高温高湿下では電子写真画像に欠陥が生じることがある。
【0005】
特許文献1は、導電性の第1ポリマー相、非導電性の第2ポリマー相、第1ポリマー相と第2ポリマー相との間に存在する界面相からなる導電性弾性層を有する導電性部材を開示している。特許文献1は、上記導電性弾性層によって導電性部材のへたりが小さくなり、他部材との圧接によって生じる変形に対して優れた復元性を有する導電性部材が得られることを開示している。また、トナー固着を引き起こす相溶化剤を界面相に偏在させることで表面に浮き出る相溶化剤を減らし、トナー固着を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-116685号公報
【非特許文献】
【0007】
IEEE Transactions on SYSTEMS, MAN, AND CYBERNETICS, Vol. SMC-9, No. 1, January 1979, pp. 62-66
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、特許文献1に係る導電性ローラについて検討した。その結果、特許文献1に係るウレタンエラストマーは、速度の速い画像形成装置に用いる現像ローラや帯電ローラの弾性層の構成材料としては、未だ改善の余地があるとの知見を得た。
特許文献1に係る導電性弾性層は、本発明者らの検討によれば、変形からの回復速度は未だ十分ではなかった。特許文献1では、特許文献1に係る導電性弾性層の弾性回復率の測定を、微小硬度計を用いて測定したことが記載されている。すなわち、特許文献1においては、特許文献1に係る導電性弾性層の弾性回復率の測定は、押し込み最大荷重20mNで5秒間保持し、次いで押し込み状態から解放することによって弾性回復率を測定している。しかしながら、このような最大荷重保持時間が短い試験の結果においては、高い弾性回復率を示される導電性弾性層であっても、高温高湿下で高速の画像形成装置用の現像ローラや帯電ローラの弾性層として用いるには、未だ変形からの回復速度が遅かった。
【0009】
また、特にトナーが柔らかくなる高温高湿下においては、プリントスピードの高速化やトナーの低温定着に伴い、現像ローラや帯電ローラに付着したトナーがローラ表面に固着し、かぶりなどの画像弊害が発生しやすくなっている。特許文献1では、トナー固着を引き起こす相溶化剤を界面相に偏在させることで表面に浮き出る相溶化剤を減らし、トナー固着を抑制している。しかしながら、本発明者らの検討によれば、導電性の第1ポリマー相、非導電性の第2ポリマー相、そして界面相は摩耗に弱い合成ゴムで構成されているため、特に高温高湿下で高速の画像形成装置ではローラ端部が削れやすく、内部の相溶化剤を含む界面相が表面に露出してトナーが固着することがあった。
そのため、本発明者らは、柔軟性を維持しつつ、高温高湿下でも速い変形回復性を示し、かつトナーが固着しない弾性層の開発が必要であるとの認識を得た。
【0010】
ここで、弾性層は、一般にそのマイクロゴム硬度を低くすると圧縮永久歪みが大きくなり、変形からの回復速度も遅くなる。一方、圧縮永久歪みを小さく、変形からの回復が速い弾性層を得るためには、弾性層の弾性率を大きくすることが有効である。しかしながら、弾性層の弾性率を大きくするに伴って、そのマイクロゴム硬度も高くなる。すなわち、弾性層のマイクロゴム硬度を低く保ちつつ、変形からの回復速度の速い弾性層を得ることは極めて困難であることに想到した。
(【0011】以降は省略されています)

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