TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024060811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2022168331
出願日2022-10-20
発明の名称水素製造用触媒の製造方法及び水素製造用触媒
出願人兵庫県公立大学法人,サンアロイ工業株式会社
代理人個人
主分類B01J 27/22 20060101AFI20240425BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】
WC-Co超硬合金の再利用を実現し、資源量の乏しいCo、Wの再利用を可能としながら、高能率で水素含有化合物から水素を発生させる触媒を提供する。
【解決手段】
WC-Co超硬合金を溶融塩浴に浸漬して溶解し、次いで、溶融塩浴を凝固して凝固塩を生成し、凝固塩に加水して凝固塩水溶液を作製する。凝固塩水溶液中から、WC-Co超硬合金由来のタングステン成分が溶解されたタングステン水溶液と、強磁性のコバルト成分を分離回収する。分離回収されたタングステン成分と、コバルト成分を混合した混合水溶液を作製し、この混合水溶液を蒸発乾固して得られた固形物を熱分解して酸化物粉末を生成し、コバルト固溶タングステン合金粉末を生成し、さらに、炭化処理してCo-W-C固溶体相を内包し内部磁場が付与されたタングステン炭化物を作製する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素含有化合物から水素を生成するために用いられる水素製造用触媒であり、WC-Co超硬合金由来のタングステン(W)とコバルト(Co)を用いて製造された前記水素製造用触媒の製造方法であって、
WC-Co超硬合金を溶融塩浴に浸漬し、前記溶融塩浴中に前記WC-Co超硬合金を溶解し、
次いで、前記WC-Co超硬合金が溶解された前記溶融塩浴を凝固して凝固塩を生成し、
前記生成された凝固塩に加水して凝固塩水溶液を作製し、前記凝固塩水溶液を濾過し、上記凝固塩水溶液中から、前記WC-Co超硬合金が溶解されて析出された前記WC-Co超硬合金由来のタングステン成分が溶解されたタングステン水溶液と、前記WC-Co超硬合金由来の強磁性のコバルト成分を分離回収し、
前記分離回収されたタングステン溶解液から抽出したタングステン成分と、前記コバルト成分を混合した混合水溶液を作製し、
次いで、前記混合水溶液を蒸発乾固又は噴霧乾燥し、当該得られた固形物を熱分解して酸化物粉末を生成し、又は、更に水素熱還元したコバルト固溶タングステン合金粉末を生成し、
さらに、前記コバルト固溶タングステン合金粉末を炭化処理し、Co-W-C固溶体相を内包し内部磁場が付与され強磁性とされたタングステン炭化物からなる水素製造用触媒の製造方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記溶融塩浴は、アルカリ塩化物MCl(M=Na,K)の群から選択されるアルカリ塩化物と、アルカリ硝酸塩NNO

(N=Na,K)の群から選択されるアルカリ硝酸塩を溶融して形成されていることを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項3】
前記凝固塩水溶液を濾過して作成した前記WC-Co超硬合金由来のタングステン成分が溶解されたタングステン水溶液に陽イオン交換樹脂を投入し、前記陽イオン交換樹脂にタングステン水溶液中のナトリウムイオン(Na

)及びカリウムイオン(K

)を吸着し、前記タングステン水溶液から前記ナトリウムイオン(Na

)及びカリウムイオン(K

)を除去したタングステン成分含有水溶液を生成し、
前記タングステン成分含有水溶液を蒸発乾固又は噴霧乾燥し、前記タングステン成分からWO

として回収し、
前記WO

に水酸化ナトリウム水溶液を加え、Na

WO

水溶液を生成し、
前記凝固塩水溶液を分離しCO304として回収されたコバルト成分にHCl水溶液を加え、前記HCl水溶液中に前記コバルト成分がCoCl

として溶解した水溶液を生成し、
前記Na

WO

水溶液と前記CoCl

水溶液を混合した混合水溶液を作成し、前記混合水溶液を蒸発乾固し、当該得られた固形物を熱分解して酸化物粉末を生成し、
次いで、前記酸化物粉末を水素還元し、Co強制固溶W合金粉末を作成し、
前記Co強制固溶W合金粉末を炭化処理し、Co-W-C固溶体相を内包し内部磁場が付与され強磁性とされたタングステン炭化物を作製した
ことを特徴とする請求項2記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項4】
前記溶融塩浴は、アルカリ硝酸塩NNO

(N=Na,K)の群から選択されるアルカリ塩化物と、アルカリ硫酸塩N
2
SO
4
(N=Na,K)の群から選択されるアルカリ硫酸塩を溶融して形成されていることを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項5】
前記凝固塩水溶液を濾過して作成した前記WC-Co超硬合金由来のタングステン成分が溶解されたタングステン水溶液に陽イオン交換樹脂を投入し、前記陽イオン交換樹脂にタングステン水溶液中のナトリウムイオン(Na

)を吸着し、前記タングステン水溶液から前記ナトリウムイオン(Na

)を除去したタングステン成分含有水溶液を生成し、
前記タングステン成分含有水溶液を蒸発乾固又は噴霧乾燥し、前記タングステン成分からWO

として回収し、
前記WO

に水酸化ナトリウム水溶液を加え、Na

WO

水溶液を生成し、
前記凝固塩水溶液を分離しCo



として回収されたコバルト成分にH

SO

水溶液を加え、前記H

SO

水溶液中に前記コバルト成分がCoSO

として溶解した水溶液を生成し、
前記Na

WO

水溶液と前記CoSO

水溶液を混合した混合水溶液を作成し、前記混合水溶液を蒸発乾固し、当該得られた固形物を熱分解して酸化物粉末を生成し、
次いで、前記酸化物粉末を水素還元し、Co強制固溶W合金粉末を作成し、
前記Co強制固溶W合金粉末を炭化処理し、Co-W-C固溶体相を内包し内部磁場が付与され強磁性とされたタングステン炭化物を作製した
ことを特徴とする請求項4記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項6】
水素含有化合物から水素を生成するために用いられる水素製造用触媒であって
前記水素製造用触媒は、強磁性の炭化タングステンからなり、
前記炭化タングステンは、焼結結合して作製されたWC-Co超硬合金を溶融塩浴により溶解して生成された前記WC-Co超硬合金由来のタングステン成分と、前記WC-Co超硬合金由来のコバルト成分を用いて製造されたものであって、
前記タングステン成分から精製されたタングステン格子中に強磁性のコバルトが固溶されたコバルト固溶タングステン合金粉末を炭化してなるCo-W-C固溶体相を内包する強磁性のタングステン炭化物からなることを特徴とする水素製造用触媒。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアボラン(NH

BH

)等の水素含有化合物から水素を製造する際に用いる水素製造用触媒の製造方法及びその製造法により製造された水素製造用触媒に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、環境破壊を抑制するエネルギー源として水素が注目され、水素を燃料とする燃料電池が注目され、実用化されている。
【0003】
水素は、常温、常圧の環境下において気相であり、所定の反応量の体積が固相に比較して数百倍~千倍であるばかりか、爆発性を有するため、安全に且つ大量に貯蔵し、運搬することが困難である。このような水素ガスが有する問題点を解消し、安全で容易に取り扱いを可能とするため、燃料電池の燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリンなどを改質して得られる水素ガスが用いられている。
【0004】
この種の燃料は、安全性に問題があるばかりか、燃料電池の燃料として用いたとき起電力が十分でなく、電力の供給源として十分な性能を実現できない。
【0005】
そこで、自動車の駆動源として用いられる燃料電池や民生用の携帯端末装置の電源に用いられる燃料電池にあっては、高濃度に水素を貯蔵する水素含有化合物から、安価に、安定して高能率で水素を生成し、さらには、電池自体の小型化を実現することが望まれている。
【0006】
このような従来用いられている水素含有媒体が有する問題点に鑑み、安全性に優れ、取り扱いが容易で、燃料電池の燃料として用いたとき十分な起電力を実現し得る燃料について鋭意研究され、高濃度に水素を含有する水素含有化合物が提案されている。この種の水素含有化合物として、大量な水素の貯蔵を可能としたホウ素をベースにした化合物が提案されている。その一つとして、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水素化ホウ素化合物ある。他の一つとして、ボラン(BH

)とアンモニア(NH

)の錯体をベースにした化合物であるアンモニアボラン(NH

BH

)が提案されている(特許文献1、2)。
【0007】
この種の水素含有化合物に含有された水素は、例えば、水素含有化合物を溶解した水溶液に触媒として白金(Pt)等の貴金属を加え、この水溶液を加水分解することにより生成される。
【0008】
触媒に用いるPt等の貴金属は、資源量が乏しく高価であるため、アンモニアボラン等の水素含有化合物から安価に安定して水素の生成を行うことが困難となる。
【0009】
本件出願の発明者等は、水素含有化合物から水素を生成するために用いる触媒として、Pt等の貴金属に代わる触媒として、強磁性Coナノ結晶をドープした強磁性のタングステン炭化物を用いることを提案している(特許文献3、4、非特許文献1)。
本件出願の発明者等が提案した水素製造の触媒に用いられるCoは、リチウム電池正極の材料等に用いられ、その需要が急速に拡大し資源量が逼迫している。
【0010】
そのため、水素製造用の触媒として用いることを提案したCoを含む触媒に用いられるCoの使用割合を削減し、Co資源量の節約が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社ダイセル
摩擦試験方法および摩擦試験装置
10日前
東レ株式会社
分離方法
1か月前
個人
トリチウム水濃縮装置
25日前
株式会社タクマ
触媒反応装置
1か月前
株式会社テイエルブイ
フィルター装置
1か月前
有限会社レイノ
嘔吐物の処理剤
2日前
NOK株式会社
除湿装置
23日前
株式会社ビジサー
タンクシステム
1か月前
CYC株式会社
工業炉用煤塵除去装置
4日前
東レ株式会社
再生複合半透膜およびエレメント
1か月前
住友化学株式会社
混合物の製造方法
1か月前
三菱重工業株式会社
脱硫装置
24日前
ヤマシンフィルタ株式会社
カプセルフィルタ
3日前
トヨタ自動車株式会社
二酸化炭素の固定方法
1か月前
株式会社丸山製作所
液体浄化装置
2日前
株式会社日阪製作所
混合器
1か月前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
1か月前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
1か月前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
1か月前
株式会社日阪製作所
混合器
1か月前
株式会社デンソー
二酸化炭素供給装置
23日前
株式会社デンソー
二酸化炭素供給装置
1か月前
JFEスチール株式会社
炭酸ガスの固定化方法
1か月前
日本特殊陶業株式会社
反応装置
1か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
脱気機構
4日前
CKD株式会社
ガス製造装置、及びガス製造方法
11日前
株式会社パウレック
フィルタ及び粉粒体処理装置
23日前
トヨタ自動車株式会社
逆浸透膜
9日前
株式会社デンソー
電気化学セル
4日前
トヨタ自動車株式会社
直接空気回収装置のリサイクル方法
1か月前
日本濾過器株式会社
フィルタエレメント及びフィルタ装置
17日前
徳晃有限公司
大気汚染を防止する排出ガス排出循環濾過装置
16日前
東洋紡エムシー株式会社
濃縮システム
10日前
日本バイリーン株式会社
エアフィルタ及びエアフィルタの製造方法
1か月前
国立大学法人 新潟大学
吸着剤および処理方法
3日前
トヨタ自動車株式会社
組成予測方法
1か月前
続きを見る