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公開番号2024060622
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2024023293,2020562517
出願日2024-02-19,2019-12-27
発明の名称細胞膜透過型抗ヒトノロウイルス剤
出願人個人,学校法人北里研究所
代理人個人
主分類A01N 43/16 20060101AFI20240423BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】ヒトノロウイルスの感染と増殖を抑制することが可能な、抗ヒトノロウイルス剤を提供すること。
【解決手段】例えば下記式(V)のフコースアナログを有効成分とする、抗ヒトノロウイルス剤である。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024060622000006.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">63</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">161</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フコーストランスフェラーゼ(FUT)による糖鎖修飾を阻害するフコースアナログ又はそれらの塩を有効成分とする、抗ヒトノロウイルス剤。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
フコースアナログにより糖鎖修飾を阻害されるフコーストランスフェラーゼは、FUT2を含んでいる、請求項1に記載の抗ヒトノロウイルス剤。
【請求項3】
下記式(III)又は(IV)のフコースアナログあるいはそれらの塩を有効成分とする、抗ヒトノロウイルス剤。
TIFF
2024060622000005.tif
75
170
[式中、式(III)又は(IV)のそれぞれは、α若しくはβアノマーであり、


、R

及びR

のそれぞれは、-OH、又は-OAcであり、


は、F(フッ素原子)若しくはCl(塩素原子)であるハロゲン原子、-OH、又は-OAcであり、


は、-CH

、-C≡CH、-C≡CCH

、又は-CH

C≡CHである。]
【請求項4】
前記抗ヒトノロウイルス剤において、R

が前記ハロゲン原子の場合、R

、R

及びR

のうち少なくとも1つが-OAcであり;


が-C≡CH、-C≡CCH

、又は-CH

C≡CHの場合、R

、R

、R

及びR

のうち少なくとも1つが-OAcである、請求項3に記載の抗ヒトノロウイルス剤。
【請求項5】
前記抗ヒトノロウイルス剤において、R

が前記ハロゲン原子の場合、R

は-CH

であり;R

が、-C≡CH、-C≡CCH

、又は-CH

C≡CHの場合、R

は、-OH、若しくは-OAcである、請求項3又は4に記載の抗ヒトノロウイルス剤。
【請求項6】
前記抗ヒトノロウイルス剤において、R

が前記ハロゲン原子の場合、R

、R

及びR

の全てが-OAcであり;


が-C≡CH、-C≡CCH

、又は-CH

C≡CHの場合、R

、R

、R

及びR

の全てが-OAcである、請求項3-5のいずれか1項に記載の抗ヒトノロウイルス剤。
【請求項7】
前記抗ヒトノロウイルス剤において、R

はF(フッ素原子)である、請求項3-6のいずれか1項に記載の抗ヒトノロウイルス剤。
【請求項8】
前記抗ヒトノロウイルス剤において、R

は-C≡CHである、請求項3-7いずれか1項に記載の抗ヒトノロウイルス剤。
【請求項9】
有効成分であるフコースアナログあるいはそれらの塩は、式(III)のフコースアナログあるいはその塩である、請求項3-8のいずれか1項に記載の抗ヒトノロウイルス剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症治療薬、さらに具体的には抗ヒトノロウイルス剤に関する発明である。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ノロウイルス(Norovirus)は、カリシウイルス科にある4つのウイルス属の1つであり、現時点でウイルス種としてはノーウォークウイルス(Norwalk virus)が唯一である。
【0003】
ヒトノロウイルスは、主に食品(魚介類や水)を介してヒトに感染し、食品中100-1000個程度の僅かなウイルス粒子であっても感染可能であり、非常に感染力が強い。ヒトノロウイルスによる食中毒は、ウイルス性食中毒の90%以上を占めている。
【0004】
ヒトノロウイルス感染症の主症状は、嘔気、嘔吐、下痢であり、発熱も認められる。嘔吐や下痢は、一日数回から酷いときには10回以上であり、吐物には胆汁や腸内物が混じることがあり、激しい苦痛に見舞われる。
【0005】
北米のデータでは,年間約2000万人がヒトノロウイルス感染症を罹患し、約200万人が病院を受診、40万人が救急に運ばれ、7万人が入院、7000人が死亡している。
【0006】
日本国におけるヒトノロウイルス感染による嘔吐下痢症は、国立感染症研究所の推計によると、数十年にわたり年間100-300万人に上っており、これによる深刻な社会・経済的影響が認められる。このようなことから、日本国国民からのヒトノロウイルスに対する抗ウイルス薬、ワクチンなどに対する要望は高く、行政上も開発優先順位は第4位に位置づけられている。日本国では、ヒトノロウイルス感染症が直接の死因となった死亡例はほとんど無いが、他の病気の罹患者や高齢者の場合は、長期化や重篤化の高いリスクがある。また、上記の症状が治まっても、感染力が非常に強いヒトノロウイルスの便中への排泄は7-14日間、長い場合は2ヶ月以上続き、その間の学校や職場に復帰をすることができない。さらに、全人口の数パーセントの割合で常にヒトノロウイルスの不顕性感染者が検出される。ヒトノロウイルスの不顕性感染者は、感染者自身ウイルス感染に気づかないため、例えば、当該不顕性感染者が食品従事者として働くことで、大規模食中毒を引き起こすことが報告されている。
【0007】
このようにヒトノロウイルスは、罹患頻度が高く、患者の苦痛を伴う食中毒性のウイルスで、かつ、感染力が強く、不顕性感染が認められるウイルスであるが、特効薬は現状では存在しない。経口又は点滴等による水分補給により、脱水症を防ぎつつ、経過観察が基本であり、その他は制吐剤や整腸剤投与等の対処療法が行われる。止瀉剤の使用は、ウイルスを腸管内に溜めてしまい回復を遅らせることになるので、少なくとも発症当初においては消極的な指導がなされている。
【0008】
2002年にフランスのグループが、ヒトの組織血液型抗原(HBGA)にヒトノロウイルスのウイルス様中空粒子(VLP)が結合することを報告し、この分子がヒトノロウイルスのレセプターである可能性が提唱された(非特許文献1)。
【0009】
その後、ヒトボランティアによる検証が進み、HBGA非分泌型個体(non-secretor individual)は、ヒトノロウイルスが感染しにくく、HBGA分泌型個体(secretor individual)は、ヒトノロウイルスに感染しやすいことが明らかにされた(非特許文献2)。
【0010】
しかしながら現在は、HBGA自体はヒトノロウイルスの細胞内への侵入を司るレセプターではない。これは以下の理由に依っている。
(【0011】以降は省略されています)

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