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公開番号2024060387
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2022167720
出願日2022-10-19
発明の名称計測システム、食肉切断システム、計測方法及びプログラム
出願人株式会社前川製作所
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 21/17 20060101AFI20240424BHJP(測定;試験)
要約【課題】脂肪厚みの計測精度を向上できる計測システム、食肉切断システム、計測方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】計測システムは、光源と、光源からの第1光を食肉の脂肪層部分に照射する投光用ファイバーと、投光用ファイバーから離間して設けられ、食肉の脂肪層部分に第1光を照射した場合に食肉の脂肪層部分から出力した第2光を受光する受光用ファイバーと、検量モデルと、第2光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とに基づいて食肉の脂肪層部分の厚さを導出する脂肪層厚導出部とを備え、検量モデルは、食肉の脂肪層部分の厚さと、食肉の脂肪層部分に光源が発生した光を照射した場合に食肉の脂肪層部分から出力した光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とを関連付けた情報である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光源と、
前記光源からの第1光を食肉の脂肪層部分に照射する投光用ファイバーと、
前記投光用ファイバーから離間して設けられ、前記食肉の前記脂肪層部分に前記第1光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光する受光用ファイバーと、
検量モデルと、前記第2光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とに基づいて前記食肉の前記脂肪層部分の厚さを導出する脂肪層厚導出部と
を備え、
前記検量モデルは、食肉の脂肪層部分の厚さと、前記食肉の前記脂肪層部分に前記光源が発生した光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とを関連付けた情報である、計測システム。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記第2光の分光スペクトルを生成する分光器と、
前記分光器が生成した前記第2光の前記分光スペクトルに基づいて脂肪の吸収波長近傍での吸光度を導出する吸光度導出部と
をさらに備え、
前記脂肪層厚導出部は前記吸光度導出部が導出した前記吸光度と、前記検量モデルとに基づいて前記食肉の前記脂肪層部分の厚さを導出する、請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記吸光度導出部は、前記第2光の前記分光スペクトルにベースライン補正と平滑化処理とのいずれか一方又は両方を行い、ベースライン補正と平滑化処理とのいずれか一方又は両方を行った前記第2光の前記分光スペクトルに基づいて脂肪の吸収波長近傍での吸光度を導出する、請求項2に記載の計測システム。
【請求項4】
前記検量モデルを作成する作成部
をさらに備える、請求項2に記載の計測システム。
【請求項5】
前記分光器は、脂肪層の厚さが異なる複数の食肉の脂肪層部分の各々に前記光を照射した場合での前記食肉の前記脂肪層部分から出力した光の分光スペクトルを生成し、
前記吸光度導出部は、前記分光器が生成した前記光の前記分光スペクトルに基づいて脂肪の吸収波長近傍での吸光度を取得し、
前記作成部は、前記吸光度と前記吸光度を取得する際に使用した前記光の前記分光スペクトルに対応する前記食肉の前記脂肪層部分の厚さとの関係を導出することで前記検量モデルを作成する、請求項4に記載の計測システム。
【請求項6】
前記吸光度導出部は、前記光の前記分光スペクトルにベースライン補正と平滑化処理とのいずれか一方又は両方を行い、前記ベースライン補正と前記平滑化処理とのいずれか一方又は両方が行われた前記光の前記分光スペクトルに基づいて、脂肪の吸収波長近傍での吸光度を取得する、請求項5に記載の計測システム。
【請求項7】
前記第2光の脂肪の吸収波長近傍は、800nmから1100nmである、請求項1に記載の計測システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の計測システムによって導出された食肉の脂肪層の厚さを示す情報を取得する取得部と、
前記食肉を脂肪層と赤肉とに分離する制御を行う制御部と
を備え、
前記制御部は、前記取得部が取得した前記食肉の前記脂肪層の厚さを示す情報に基づいて、前記食肉から分離する前記脂肪層の厚さを変更する、食肉切断システム。
【請求項9】
光源と、
前記光源からの第1光を食肉の脂肪層部分に照射する投光用ファイバーと、
前記投光用ファイバーから離間して設けられ、前記食肉の前記脂肪層部分に前記第1光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光する受光用ファイバーとを備える、計測システムが実行する計測方法であって、
前記光源から第1光を食肉の脂肪層部分に照射するステップと、
前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光するステップと、
食肉の脂肪層部分の厚さと、前記食肉の前記脂肪層部分に前記光源が発生した光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とを関連付けた情報である検量モデルと、前記第2光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とに基づいて前記食肉の前記脂肪層部分の厚さを導出するステップと
を有する、計測方法。
【請求項10】
光源と、
前記光源からの第1光を食肉の脂肪層部分に照射する投光用ファイバーと、
前記投光用ファイバーから離間して設けられ、前記食肉の前記脂肪層部分に前記第1光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光する受光用ファイバーとを備える、計測システムのコンピュータに、
前記光源から第1光を食肉の脂肪層部分に照射するステップと、
前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光するステップと、
食肉の脂肪層部分の厚さと、前記食肉の前記脂肪層部分に前記光源が発生した光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とを関連付けた情報である検量モデルと、前記第2光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とに基づいて前記食肉の前記脂肪層部分の厚さを導出するステップと
を実行させる、プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、計測システム、食肉切断システム、計測方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
豚肉表層の余分な脂肪層は食肉処理工程中に除去する必要がある。通常、豚肉表層の余分な脂肪層は、刃物を使用し人手によって除去されている。例えば、オペレーターがスキンナーを使用して、台の上で豚肉を把持して動かしながら台に固定された刃物で脂肪を除去する。オペレーターは刃物を持つ必要がないため安全で作業自体を簡略化できる。この作業を簡略化または自動化するため各社で様々な装置が開発されている。例えば、脂肪厚みを認識する方法について、近赤外光やインピーダンスを利用した手法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-151619号公報
特開2010-82070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スキンナーでは、脂肪部位の認識や肉のハンドリングは自動化できない。
豚のロースばら肉を対象に脂肪厚みの認識から除去までを自動処理できる装置がある。この装置では、脂肪の厚みは、肉の断面に露出している脂肪を側面からカメラで撮影し、撮影することで得られた画像を画像処理することによって算出される。この装置は、断面に露出している脂肪の厚みデータを基に固定値で切断(カット)するため、途中で脂肪の厚さが変化していても変化した脂肪の厚さに対応してカットできない。
カットする深さを処理の途中で変更するためには、肉内部の脂肪の厚みをリアルタイムで連続的に非破壊計測する必要がある。特許文献1に記載されている脂肪厚みの非破壊計測方法は、インピーダンス計測によって、食品の内部情報を取得することができる。しかし、電極を対象に対して確実に接着させる必要があり、食品工場においてインラインで運用するのは難しい。
【0005】
一方で、近赤外光は透過性に優れインラインで食品の成分分析にも既に利用されている。特許文献2では、近赤外光を生体内に照射し、体内を透過するときの吸収や散乱の影響で減衰する光の透過量をモニタし、脂肪の厚みに換算している。しかし、光の透過現象は非常に複雑で、筋肉と脂肪の存在以外にも透過光量が変動する要因は存在し、脂肪厚みの測定精度を低下させる原因となる。
本発明は、脂肪厚みの計測精度を向上させることができる計測システム、食肉切断システム、計測方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一実施形態は、光源と、前記光源からの第1光を食肉の脂肪層部分に照射する投光用ファイバーと、前記投光用ファイバーから離間して設けられ、前記食肉の前記脂肪層部分に前記第1光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光する受光用ファイバーと、検量モデルと、前記第2光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とに基づいて前記食肉の前記脂肪層部分の厚さを導出する脂肪層厚導出部とを備え、前記検量モデルは、食肉の脂肪層部分の厚さと、前記食肉の前記脂肪層部分に前記光源が発生した光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とを関連付けた情報である、計測システムである。
(2)本発明の一実施形態は、前述の計測システムにおいて、前記第2光の分光スペクトルを生成する分光器と、前記分光器が生成した前記第2光の前記分光スペクトルに基づいて脂肪の吸収波長近傍での吸光度を導出する吸光度導出部とをさらに備え、前記脂肪層厚導出部は前記吸光度導出部が導出した前記吸光度と、前記検量モデルとに基づいて前記食肉の前記脂肪層部分の厚さを導出する。
(3)本発明の一実施形態は、前述の計測システムにおいて、前記吸光度導出部は、前記第2光の前記分光スペクトルにベースライン補正と平滑化処理とのいずれか一方又は両方を行い、ベースライン補正と平滑化処理とのいずれか一方又は両方を行った前記第2光の前記分光スペクトルに基づいて脂肪の吸収波長近傍での吸光度を導出する。
(4)本発明の一実施形態は、前述の計測システムにおいて、前記検量モデルを作成する作成部をさらに備える。
(5)本発明の一実施形態は、前述の計測システムにおいて、前記分光器は、脂肪層の厚さが異なる複数の食肉の脂肪層部分の各々に前記光を照射した場合での前記食肉の前記脂肪層部分から出力した光の分光スペクトルを生成し、前記吸光度導出部は、前記分光器が生成した前記光の前記分光スペクトルに基づいて脂肪の吸収波長近傍での吸光度を取得し、前記作成部は、前記吸光度と前記吸光度を取得する際に使用した前記光の前記分光スペクトルに対応する前記食肉の前記脂肪層部分の厚さとの関係を導出することで前記検量モデルを作成する。
(6)本発明の一実施形態は、前述の計測システムにおいて、前記吸光度導出部は、前記光の前記分光スペクトルにベースライン補正と平滑化処理とのいずれか一方又は両方を行い、前記ベースライン補正と前記平滑化処理とのいずれか一方又は両方が行われた前記光の前記分光スペクトルに基づいて、脂肪の吸収波長近傍での吸光度を取得する。
(7)本発明の一実施形態は、前述の計測システムにおいて、前記第2光の脂肪の吸収波長近傍は、800nmから1100nmである。
(8)本発明の一実施形態は、前述の計測システムにおいて、上記(1)から上記(7)のいずれか一項に記載の計測システムによって導出された食肉の脂肪層の厚さを示す情報を取得する取得部と、前記食肉を脂肪層と赤肉とに分離する制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記取得部が取得した前記食肉の前記脂肪層の厚さを示す情報に基づいて、前記食肉から分離する前記脂肪層の厚さを変更する、食肉切断システムである。
【0007】
(9)本発明の一実施形態は、光源と、前記光源からの第1光を食肉の脂肪層部分に照射する投光用ファイバーと、前記投光用ファイバーから離間して設けられ、前記食肉の前記脂肪層部分に前記第1光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光する受光用ファイバーとを備える、計測システムが実行する計測方法であって、前記光源から第1光を食肉の脂肪層部分に照射するステップと、前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光するステップと、食肉の脂肪層部分の厚さと、前記食肉の前記脂肪層部分に前記光源が発生した光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とを関連付けた情報である検量モデルと、前記第2光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とに基づいて前記食肉の前記脂肪層部分の厚さを導出するステップとを有する、計測方法である。
【0008】
(10)本発明の一実施形態は、光源と、前記光源からの第1光を食肉の脂肪層部分に照射する投光用ファイバーと、前記投光用ファイバーから離間して設けられ、前記食肉の前記脂肪層部分に前記第1光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光する受光用ファイバーとを備える、計測システムのコンピュータに、前記光源から第1光を食肉の脂肪層部分に照射するステップと、前記食肉の前記脂肪層部分から出力した第2光を受光するステップと、食肉の脂肪層部分の厚さと、前記食肉の前記脂肪層部分に前記光源が発生した光を照射した場合に前記食肉の前記脂肪層部分から出力した光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とを関連付けた情報である検量モデルと、前記第2光の脂肪の吸収波長近傍での吸光度とに基づいて前記食肉の前記脂肪層部分の厚さを導出するステップとを実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、脂肪厚みの計測精度を向上させることができる計測システム、食肉切断システム、計測方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態に係る計測システム100の一例を示す図である。
本実施形態に係る計測システム100の動作の一例を示す図である。
本実施形態に係る計測システム100の効果の一例を示す図である。
実施形態の変形例1に係る計測システム100aの一例を示す図である。
実施形態の変形例1に係る計測システム100aの処理の一例を示す図である。
実施形態の変形例1に係る計測システム100aの処理の一例を示す図である。
分光スペクトルの一例を示す図である。
実施形態の変形例1に係る計測システム100aの動作の一例を示す図である。
実施形態の変形例2に係る食肉切断システム200の一例を示す図である。
実施形態の変形例2に係る食肉切断システム200の一例を示す模式図である。
本実施形態の変形例2に係る情報処理装置110bの一例を示す図である。
実施形態の変形例2に係る食肉切断システム200の動作の一例を示すフロー図である。
実施形態の変形例3に係る食肉切断システム200の他の例を示す図である。
従来の食肉切断システムによる脂肪層FLの除去の一例を示す。
実施形態の変形例3に係る食肉切断システム200による脂肪層FLの除去の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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