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公開番号2024058503
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165915
出願日2022-10-14
発明の名称フグ科魚類用駆虫剤経口組成物、フグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物、並びにこれらを用いたフグ科魚類からの駆虫方法及びフグ科魚類のやせ病の予防方法
出願人林兼産業株式会社
代理人個人
主分類A61K 31/352 20060101AFI20240418BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】フグ科魚類用駆虫剤経口組成物、フグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物、並びにこれらを用いたフグ科魚類からの駆虫方法及びフグ科魚類のやせ病の予防方法を提供する
【解決手段】サリノマイシン、医薬として許容されるその塩及びそれらの混合物のいずれかのみを有効成分として含み、フグ目フグ科に属する魚類の体内に寄生したEnteromyxum leei及びSphaerospora fuguの一方又は双方を駆除するためのフグ科魚類用駆虫剤経口組成物及びサリノマイシン、医薬として許容されるその塩及びそれらの混合物のいずれかのみを有効成分として含み、フグ目フグ科に属する魚類の体内へのEnteromyxum leei及びSphaerospora fuguの一方又は双方の寄生を予防するためのフグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
サリノマイシン、医薬として許容されるその塩及びそれらの混合物のいずれかのみを有効成分として含み、フグ目フグ科に属する魚類の体内に寄生したEnteromyxum leei及びSphaerospora fuguの一方又は双方を駆除するためのフグ科魚類用駆虫剤経口組成物。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記有効成分の1日あたり投与量が、魚体重1kgあたり0.5~10mgとなるように前記フグ目フグ科に属する魚類に経口投与するための請求項1に記載のフグ科魚類用駆虫剤経口組成物。
【請求項3】
前記有効成分の1回あたり投与量が、魚体重1kgあたり1~10mgとなるように前記フグ目フグ科に属する魚類に経口投与するための請求項2に記載のフグ科魚類用駆虫剤経口組成物。
【請求項4】
12時間以上72日以下の投与間隔で前記フグ目フグ科に属する魚類に経口投与するための請求項2又は3に記載のフグ科魚類用駆虫剤経口組成物。
【請求項5】
1日当たりの投与回数が1回を超えず、且つ1週間あたり4回以上7回以下の投与回数で前記フグ目フグ科に属する魚類に経口投与するための請求項4に記載のフグ科魚類用駆虫剤組成物。
【請求項6】
サリノマイシン、医薬として許容されるその塩及びそれらの混合物のいずれかのみを有効成分として含み、フグ目フグ科に属する魚類の体内へのEnteromyxum leei及びSphaerospora fuguの一方又は双方の寄生を予防するためのフグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物。
【請求項7】
前記有効成分の1日あたり投与量が、魚体重1kgあたり0.5~5mgとなるように前記フグ目フグ科に属する魚類に経口投与するための請求項6にフグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物。
【請求項8】
前記有効成分の1回あたり投与量が、魚体重1kgあたり1~5mgとなるように前記フグ目フグ科に属する魚類に経口投与するための請求項7に記載のフグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物。
【請求項9】
12時間以上72日以下の投与間隔で前記フグ目フグ科に属する魚類に経口投与するための請求項7又は8に記載のフグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物。
【請求項10】
1日当たりの投与回数が1回を超えず、且つ1週間あたり4回以上7回以下の投与回数で前記フグ目フグ科に属する魚類に経口投与するための請求項9に記載のフグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フグ科魚類用駆虫剤経口組成物、フグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物、並びにこれらを用いたフグ科魚類からの駆虫方法及びフグ科魚類のやせ病の予防方法の改良に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
粘液胞子虫は、刺胞動物門粘液胞子虫鋼に属し、水棲無脊椎動物と脊椎動物の2つの宿主間を交替する複雑な生活環を有する顕微鏡サイズの寄生虫である。特に養殖魚等の魚類に対し産業上深刻な影響を与える種が多く知られており、具体例としては、双殻目に属するCeratomyxa属(ミカヅキムシ)、Chloromyxum属(シノウネンエキムシ)、Enteromyxum属(ハチノジホウシムシ)、Henneguya属(ウチワムシ)、Hoferellus属(ズキンネンエキムシ)、Myxidium属(ツムガタムシ)、Myxobolus属(シズクムシ)、Sphaerospora属(タマホウシムシ)、Thelohanellus属(イッキョクホウシムシ)、多殻目に属するKudoa属が挙げられる。
【0003】
わが国における粘液胞子虫を原因寄生虫とする養殖魚の感染症として広く知られているものとしては、1990年代頃から九州地方の養殖トラフグにおいて確認されるようになったやせ病(粘液胞子虫性やせ病)が挙げられる(非特許文献1参照)。やせ病を発症した病魚は、頭骨が浮き出て目が落ちくぼむほどのやせ症状を呈し、最終的に死亡する。原因となる粘液胞子虫は、腸管に寄生し、腸管上皮組織の増生及び剥離を特徴とする病理変化を引き起こす。その結果、栄養吸収及び浸透圧調整に障害が生じ、やせ症状を引き起こすと考えられる。
【0004】
トラフグのやせ病の病原体としては、病魚の腸管上皮組織より新種の粘液胞子虫Leptotheca fugu及び未同定種のMyxidium sp.が発見されたが、その後の18SリボソームRNA遺伝子を対象とする遺伝子解析等の結果に基づき、前者はSphaerospora属に転属され、後者は、Enteromyxum leeiに同定された。Enteromyxum leeiは、キプロスにおけるヨーロッパヘダイ、韓国におけるターボット等、種々の養殖魚及び水族館の飼育魚からも発見され、感染が報告された海産魚は50種を超える。上述のとおり、生活環には交替宿主の介在が推測されるが、胞子形成前の栄養体が魚から魚に直接伝播するために、養殖場内で急速に伝播し、被害が拡大しやすいことも問題となっている。
【0005】
トラフグをはじめとするフグ科に属する魚類のやせ病に対する治療法及び防除法は未だ確立されていないのが現状であり、種苗及び中間魚の導入時にPCR法等による検査を行い、飼育環境への感染魚の混入を避けることが、感染拡大を防止するための事実上唯一の方法となっている。
【0006】
薬剤による粘液胞子虫の駆除に関しては、ヨーロッパヘダイに対するEnteromyxum leeiの駆虫薬として、サリノマイシンナトリウム及びアンプロリウムからなる合剤の使用(それぞれ、魚体重1kgあたり70mg、及び100mg)が報告されている(非特許文献2参照)。この報告によれば、病魚を衛生環境下(21℃)で飼育し、上記用量で投薬を実施したところ、約6週間で正常のシストが消失した。
【0007】
また、米国の水族館で飼育される複数魚種について、サリノマイシンナトリウム及びアンプロリウム(それぞれ、魚体重1kgあたり70mg、及び100mg)からなる合剤の経口投与による治療を行ったところ、死亡率の低下および臨床症状の改善をもたらしたことが報告されている(非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
柳田哲矢、「粘液胞子虫やせ病」、魚病研究(Fish Pathology)、第52巻、第2号、2017年、p.63-67
E. Golomazou et al. The Israeli Journal of Aquaculture - Bamidgeh, 58(3), 2006, 157-169. URI: http://hdl.handle.net/10524/19172
Michael W Hyatt et al. Diseases of Aquatic Organanisms, 2018 Dec 11; 132(1): 37-48. doi: 10.3354/dao03303.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
粘液胞子虫の寄生によりやせ病を発症した魚類は、腸管上皮組織の剥離により栄養の吸収効率が低下するため、発症後の駆虫が成功したとしても、その後の発育が悪化するため、養殖魚の場合、歩留まりの低下や商品価値の低下の問題が生じる。しかしながら、やせ病の原因となる粘液胞子虫の寄生を予防する方法は確立されていないのが現状である。更に、トラフグをはじめとするフグ科に属する魚類のやせ病の原因寄生虫を駆虫する方法、フグ科に属する魚類のやせ病の原因寄生虫の寄生を予防する方法のいずれについても、確立した方法は存在しないのが現状である。非特許文献2及び3に記載のサリノマイシンナトリウム及びアンプロジウムの合剤は、フグ科に属する魚類への適応が未確認であること、単位魚体重あたりの投与量(それぞれ、魚体重1kgあたり70mg、及び100mg)が多いため、養殖槽等の開放水系において餌料に混入して投与した場合、摂餌率の低下及びそれに伴う投与効率の悪化を招くおそれがある。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、フグ科魚類用駆虫剤経口組成物、フグ科魚類用やせ病予防剤経口組成物、並びにこれらを用いたフグ科魚類からの駆虫方法及びフグ科魚類のやせ病の予防方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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