TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024058415
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165759
出願日2022-10-14
発明の名称子牛の症状又は状態を改善するための哺乳期子牛用サプリメント及び離乳期子牛用サプリメント
出願人全国農業協同組合連合会
代理人弁理士法人谷川国際特許事務所
主分類A23K 20/142 20160101AFI20240418BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】哺乳期間中の子牛に発生しやすい症状や、離乳ストレスによる症状、健康状態への悪影響の軽減に有用な新規な手段を提供すること。
【解決手段】リジンを含む、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善するための哺乳期子牛用サプリメント、バイパス加工されたリジンを含む、離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善するための離乳期子牛用サプリメント、並びに、これらを組み合わせた子牛用サプリメントセットを提供した。本発明によれば、哺乳期~離乳期の子牛の健康状態を改善ないし向上することができる。
【選択図】図2-3
特許請求の範囲【請求項1】
リジンを含む、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善するための哺乳期子牛用サプリメントであって、1日当り0.75 g~6 gのリジンを前記子牛に補給するために用いられる、サプリメント。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記症状又は状態の改善が、増体量の向上、及び粗飼料摂取量の向上から選択される少なくとも1種である、請求項1記載のサプリメント。
【請求項3】
バイパス加工されたリジンを含む、離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善するための離乳期子牛用サプリメントであって、リジン換算で1日当り0.35 g~4 gの量のバイパス加工されたリジンを前記子牛に補給するために用いられる、離乳期子牛用サプリメント。
【請求項4】
前記症状又は状態の改善が、増体量の向上、粗飼料摂取量の向上、糖新生の改善、白血球数変化の軽減及びN:L比上昇の抑制、並びに治療日数の低減から選択される少なくとも1種である、請求項3記載のサプリメント。
【請求項5】
請求項1又は2記載の哺乳期子牛用サプリメントと、請求項3又は4記載の離乳期子牛用サプリメントとを含む、子牛用サプリメントセット。
【請求項6】
1日当り0.75 g~6 gのリジンを哺乳期の子牛に補給することにより、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善するための、リジンを含む哺乳期子牛用サプリメントの使用。
【請求項7】
前記症状又は状態の改善が、増体量の向上、及び粗飼料摂取量の向上から選択される少なくとも1種である、請求項6記載の使用。
【請求項8】
リジン換算で1日当り0.35 g~4 gの量のバイパス加工されたリジンを離乳期の子牛に補給することにより、離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善するための、バイパス加工されたリジンを含む離乳期子牛用サプリメントの使用。
【請求項9】
前記症状又は状態の改善が、増体量の向上、粗飼料摂取量の向上、糖新生の改善、白血球数変化の軽減及びN:L比上昇の抑制、並びに治療日数の低減から選択される少なくとも1種である、請求項8記載の使用。
【請求項10】
請求項1又は2記載のサプリメントを哺乳期の子牛に給与することを含む、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善するための哺乳期子牛用サプリメント、離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善するための離乳期子牛用サプリメント、並びにこれらを組み合わせた子牛用サプリメントセットに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
家畜における過度のストレスはアニマルウェルフェア上の問題となるだけでなく、生産性の低下や畜産物の品質の悪化を引き起こす。子牛の場合には、母牛からの分離、離乳、飼料の変化、飼育環境の変化など、様々な社会的・環境的ストレスの負荷を強いられ、体重の減耗や免疫力低下など健康上の問題を生じることが知られている。離乳に伴う生理的反応として、血漿中コルチゾール濃度の増加(非特許文献1)、好中球とリンパ球の比率(N/L比)の増加(非特許文献2)などが知られている。
【0003】
一方、反すう動物のルーメン内微生物に分解されないように、ルーメンをバイパスする加工(バイパス加工)を施した飼料添加物が種々利用されており(例えば特許文献1)、リジンをバイパス加工したもの(以下、バイパスリジンということがある)も公知である(特許文献2~4)。バイパスリジンは、乳牛において不足しやすいリジンを補給し、泌乳成績を改善する飼料添加剤として利用されている(非特許文献3)。また、乳量、乳蛋白生産の向上のほか繁殖成績の改善、脂肪肝やケトーシスに対する効果も得られる牛用の飼料添加剤として、リジン及びメチオニンを併用した製品が知られている(非特許文献4)。
【0004】
リジンと動物のストレスに関しては、例えば、ラットにおいてリジン欠乏により扁桃体内のセロトニン放出が増大し、ストレスによる不安症状が増大すること(非特許文献5)、ヒトにおいてリジン及びアルギニンの経口補給が不安症状を低減すること(非特許文献6)が知られている。
【0005】
哺乳期~離乳期の子牛に対するリジン給与に関する報告としては、例えば非特許文献7には、粗タンパク質18%のスターター(人工乳、濃厚飼料とも呼ばれる)にリジンを添加して子牛に1日当り6.640 gのリジンを摂取させることにより、リジン添加しないスターターを給与した場合と比べて離乳前の一日増体量が有意に増加したが、離乳後の一日増体量には影響がなかったことが記載されている。非特許文献8には、リジンやメチオニンの補給が早期離乳後の子牛の窒素バランス及び血中遊離アミノ酸に及ぼす影響を調べる目的で、離乳後の子牛に対しリジン及びメチオニンを併用投与する試験、及びリジン単独で投与する試験を行なったことが記載されている。一日増体量のデータも示されているが、有意な増体促進効果が認められているのはリジン及びメチオニンを併用した場合であり、リジン単独では増体を促進する効果が全く認められていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-145962号公報
特許第3728738号公報
特許第5040919号公報
国際公開第2019/189605号
【非特許文献】
【0007】
Lay et al. Applied Animal Behaviour Science, 56 (1998), pp. 109-119
Hickey et al., J Anim Sci, 81: 2847-2855 (2003).
味の素ヘルシーサプライ株式会社、“AjiPro(登録商標)-L 乳牛用リジン製剤”、[2022年8月26日検索]、インターネット<URL: https://www.ahs.ajinomoto.com/products/feed/feed_4.html>
バイオ科学株式会社、“バイパスサプリ「乳肝プラスリジン」”、[2022年8月26日検索]、インターネット<URL: https://www.bioscience.co.jp/products/livestock/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3-%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%B3/>
Smriga et al., The Journal of Nutrition, December 2002, Volume 132, Issue 12, Pages 3744-3746
Smriga et al., Biomedical Research, 2007, Volume 28, Issue 2, Pages 85-90
Niroumand et al., South African Journal of Animal Science 2020, 50 (No. 3), pp.442-451
Abe et al., Anim. Sci. Technol. (Jpn.) 67 (12): 1058-1067, 1996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、哺乳期間中の子牛に発生しやすい症状や、離乳ストレスによる症状、健康状態への悪影響の軽減に有用な新規な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、哺乳期間中の子牛へのリジン補給や、離乳期間中の子牛へのバイパスリジン補給により、哺乳期~離乳期の子牛における上記の課題を解決できることを見出し、本願発明を完成した。すなわち、本発明は、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善するための哺乳期子牛用サプリメントとしてのリジンの使用、及び離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善するための離乳期子牛用サプリメントとしてのバイパスリジンの使用に関する発明であり、以下の態様を包含する。
【0010】
[1] リジンを含む、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善するための哺乳期子牛用サプリメントであって、1日当り0.75 g~6 gのリジンを前記子牛に補給するために用いられる、サプリメント。
[2] 前記症状又は状態の改善が、増体量の向上、及び粗飼料摂取量の向上から選択される少なくとも1種である、[1]記載のサプリメント。
[3] バイパス加工されたリジンを含む、離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善するための離乳期子牛用サプリメントであって、リジン換算で1日当り0.35 g~4 gの量のバイパス加工されたリジンを前記子牛に補給するために用いられる、離乳期子牛用サプリメント。
[4] 前記症状又は状態の改善が、増体量の向上、粗飼料摂取量の向上、糖新生の改善、白血球数変化の軽減及びN:L比上昇の抑制、並びに治療日数の低減から選択される少なくとも1種である、[3]記載のサプリメント。
[5] [1]又は[2]記載の哺乳期子牛用サプリメントと、[3]又は[4]記載の離乳期子牛用サプリメントとを含む、子牛用サプリメントセット。
[6] 1日当り0.75 g~6 gのリジンを哺乳期の子牛に補給することにより、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善するための、リジンを含む哺乳期子牛用サプリメントの使用。
[7] 前記症状又は状態の改善が、増体量の向上、及び粗飼料摂取量の向上から選択される少なくとも1種である、[6]記載の使用。
[8] リジン換算で1日当り0.35 g~4 gの量のバイパス加工されたリジンを離乳期の子牛に補給することにより、離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善するための、バイパス加工されたリジンを含む離乳期子牛用サプリメントの使用。
[9] 前記症状又は状態の改善が、増体量の向上、粗飼料摂取量の向上、糖新生の改善、白血球数変化の軽減及びN:L比上昇の抑制、並びに治療日数の低減から選択される少なくとも1種である、[8]記載の使用。
[10] [1]又は[2]記載のサプリメントを哺乳期の子牛に給与することを含む、哺乳期間中の子牛の症状又は状態を改善する方法。
[11] [3]又は[4]記載のサプリメントを離乳期の子牛に給与することを含む、離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善する方法。
[12] 哺乳期間中の又は離乳に伴う子牛の症状又は状態を改善する方法であって、哺乳期の前記子牛に対し、[1]又は[2]記載のサプリメントをリジン換算で1日当り0.75 g~6 gの量で給与すること、及び、離乳期の前記子牛に対し、[3]又は[4]記載のサプリメントをリジン換算で1日当り0.35 g~4 gの量で給与することを含む、方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
無塩美味しょうゆ
1か月前
個人
ドッグフード
2か月前
池田食研株式会社
風味付与剤
21日前
個人
甘草抽出物
21日前
株式会社金虎
燻製装置
27日前
個人
発酵食品の製造方法
2か月前
曽田香料株式会社
果実感増強剤
今日
昭和産業株式会社
小麦粉
26日前
北勝商事株式会社
ヘルスビタミン
27日前
個人
柿・桃の葉、抹茶十薬飲料。
21日前
不二製油株式会社
チョコレート類
21日前
池田食研株式会社
風味付与増強剤
7日前
森永製菓株式会社
油脂性菓子
26日前
オリザ油化株式会社
感冒症状抑制剤
2か月前
長谷川香料株式会社
香味付与組成物
29日前
森永製菓株式会社
ゼリー食品
1か月前
森永製菓株式会社
ゼリー食品
1か月前
池田食研株式会社
甘草臭の低減方法
1か月前
株式会社オーツボ
海苔製造装置
26日前
個人
グミキャンディの製造方法
1か月前
株式会社和田機械
ペースト絞り出し機
1か月前
北勝商事株式会社
北勝ハーブミックス
1か月前
個人
体内を還元させる味噌の製造方法
2か月前
長谷川香料株式会社
アルコール感改善剤
29日前
理研ビタミン株式会社
麺類用品質改良剤
2か月前
アサヒ飲料株式会社
コーヒー飲料
6日前
長谷川香料株式会社
不快香味改善組成物
2か月前
理研ビタミン株式会社
米菓用品質改良剤
1か月前
長谷川香料株式会社
アルコール感改善剤
29日前
森永乳業株式会社
冷菓
1か月前
アサヒ飲料株式会社
ぶどう風味飲料
19日前
長谷川香料株式会社
揚げたて感付与組成物
2か月前
株式会社田定工作所
豆腐類の連続製造装置
2か月前
松谷化学工業株式会社
肉類のカード抑制方法
12日前
個人
犬用ガムの製造方法
2か月前
株式会社東洋新薬
pIgR発現促進用組成物
26日前
続きを見る