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公開番号2024056278
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163055
出願日2022-10-11
発明の名称小麦粉
出願人日清製粉株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A23L 7/10 20160101AFI20240416BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】食品原料として優れた性質を有する高アミロース小麦粉。
【解決手段】コンカナバリンA法で分析された総澱粉中のアミロース含有量が40質量%以上であり、AACC法76-31によって測定される損傷澱粉量が4.0~5.5質量%である、小麦粉。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
コンカナバリンA法で分析された総澱粉中のアミロース含有量が40質量%以上であり、AACC法76-31によって測定される損傷澱粉量が4.0~5.5質量%である、小麦粉。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
SBEIIaの活性が低い改変小麦由来の小麦粉である、請求項1記載の小麦粉。
【請求項3】
平均粒径が20~110μmである、請求項1記載の小麦粉。
【請求項4】
ベーカリー用小麦粉である、請求項1~3のいずれか1項記載の小麦粉。
【請求項5】
麺類用小麦粉である、請求項1~3のいずれか1項記載の小麦粉。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項記載の小麦粉を含有するベーカリー。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項記載の小麦粉を含有する麺類。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項記載の小麦粉を用いるベーカリーの製造方法。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項記載の小麦粉を用いる麺類の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された性質を有する高アミロース小麦粉に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
穀粉の代わりに食物繊維素材を配合した麺類が提供されている。特許文献1~4には、穀粉とは別に難消化性澱粉や難消化性デキストリンを配合した低糖質な麺類が開示されている。特許文献5には、水不溶性食物繊維(IDF)と水溶性高分子食物繊維(HSDF)の総量が5質量%以下であり、水溶性低分子食物繊維(LSDF)の量が25質量%以上である加工澱粉からなる水溶性食物繊維強化剤、これをベーカリー食品や麺に使用すること、及び該食物繊維強化剤を添加した食品の食感が良好であることが記載されている。しかし、穀粉の代わりに難消化性澱粉や難消化性デキストリンを配合した麺類は、生地の作業性や保形性が悪く、食感も低下しがちである。
【0003】
穀物に含まれる澱粉にはアミロースとアミロペクチンが含まれる。アミロースは、消化酵素による消化性が悪く、そのため、ヒトの消化酵素で消化されない難消化性成分、すなわち食物繊維として機能し得、難消化性澱粉に分類される。高アミロース澱粉としては、高アミロース型トウモロコシ由来の高アミロースコーンスターチがよく知られている。また近年、澱粉合成に関連する酵素に変異を有することでアミロース含有量を増加させた高アミロース小麦が開発されている(非特許文献1、2)。特許文献6~9には、澱粉分枝酵素SBEIIaの遺伝子の点変異を有し、SBEIIaの活性が低下しており、穀粒に含まれる澱粉のアミロース含有量が高い高アミロース小麦が開示されている。しかし一方で、アミロースは食品がパサついたり硬くなったりする原因でもある。例えば、前述の非特許文献2には、高アミロース小麦から製造したパンが、通常の小麦を使用したものと比べて膨らみが悪く品質に劣っていたこと、一方で、高アミロース小麦粉の配合によりパスタのようなテクスチャーの中華麺が得られたことが記載されている。そのため、ベーカリーや麺類では、食品の食感をソフトで口当たりのよいものにしたい場合、アミロース含有量の低い穀粉が利用されることがある。
【0004】
特許文献10には、小麦粉中の損傷澱粉の割合が多いと、その小麦粉を用いて得られる麺類の食感(モチモチ感)が低下する傾向があること、小麦粉の粒径が小さくなるほど損傷澱粉の割合は多くなる傾向があることが記載され、また、アメリカ産のウエスタンホワイト、ソフトホワイト、ホワイトクラブ又はソフトレッドウインターなどの軟質小麦を原料とし、平均粒径35μm以下且つ損傷澱粉量5質量%以下である麺類用小麦粉により、良好なモチモチ感を有するうどんを製造することができることが記載されている。特許文献11には、オーストラリア産硬質小麦から得られた小麦粉を25質量%以下含有し、中位径が45~90μmであり、損傷澱粉量が4.0~9.0質量%であり、灰分が0.35~0.50質量%であるベーカリー製品用の小麦粉、及び小麦粉のグルテン形成には吸水が重要であり、吸水率が変化する要因の一つに損傷澱粉量があることが記載されている。非特許文献3には、ヨウ素比色法によるアミロース含有量が約71~84%であるSBEIIaの活性が低い改変小麦由来の高アミロース小麦粉における損傷澱粉量が3.6~2.0%であり、野生型小麦の小麦粉における損傷澱粉量が4.7%であったことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-2000号公報
特開2017-23050号公報
特開平10-313804号公報
国際公開公報第2018/216706号
特開2009-95316号公報
特表2007-504803号公報
特表2008-526690号公報
特表2015-504301号公報
特表2019-527054号公報
特開2015-159759号公報
特許第6831947号公報
【非特許文献】
【0006】
J Jpn Assoc Dietary Fiber Res, 2003, 7(1):20-25
Trends in Food Science and Technology, 2006, 17:448-456
Carbohydrate Polymers, 2020, 245:116557
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高アミロース小麦粉は有望な食物繊維素材の1つである。本発明は、食品原料として優れた性質を有するように改良された高アミロース小麦粉に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態として、以下を提供する。
〔1〕コンカナバリンA法で分析された総澱粉中のアミロース含有量が40質量%以上であり、AACC法76-31によって測定される損傷澱粉量が4.0~5.5質量%である、小麦粉。
〔2〕SBEIIaの活性が低い改変小麦由来の小麦粉である、〔1〕記載の小麦粉。
〔3〕平均粒径が20~110μmである、〔1〕又は〔2〕記載の小麦粉。
〔4〕ベーカリー用小麦粉である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の小麦粉。
〔5〕麺類用小麦粉である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の小麦粉。
〔6〕〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の小麦粉を含有するベーカリー。
〔7〕〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の小麦粉を含有する麺類。
〔8〕〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の小麦粉を用いるベーカリーの製造方法。
〔9〕〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の小麦粉を用いる麺類の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明で提供される高アミロース小麦粉を用いることで、従来の高アミロース小麦粉と比べて、より良好な食感を有する食品を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、高アミロース小麦粉とは、アミロース含有量が、好ましくは40質量%以上、より好ましくは43質量%以上、さらに好ましくは48質量%以上の小麦粉をいう。小麦粉のアミロース含有量とは、該小麦粉に含まれる総澱粉中のアミロース含有量をいう。本明細書における小麦粉のアミロース含有量は、コンカナバリンA(ConA)法により分析された値として定義され、例えば、該小麦粉をMegazyme社のアミロース/アミロペクチン分析キット(AMYLOSE/AMYLOPECTIN ASSAY KIT)で分析することで測定することができる。従来一般的なアミロース含有量の分析方法としては、(1) アミロースのヨウ素に対する結合能の高さを利用した方法(ヨウ素親和力測定法;例えば電流滴定法、比色定量法、AACC61-03法など)、(2) アミロペクチンとConAが特異的に結合することを利用した方法(ConA法)が知られている。しかし(1)を利用した方法ではアミロース量がより高く算出される傾向がある。例えば、非特許文献1や非特許文献2に記載されるSGP-1遺伝子の機能欠失型変異(null変異)を有する高アミロース小麦粉のアミロース含有量は、ヨウ素親和力測定法では37質量%程度であるが、ConA法では31質量%程度である。なお、従来一般的な小麦粉のアミロース含有量は、ヨウ素親和力測定法では32質量%未満、ConA法では28質量%未満である。
(【0011】以降は省略されています)

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