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公開番号2024056050
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-19
出願番号2024034890,2020560066
出願日2024-03-07,2019-12-06
発明の名称免疫抑制剤
出願人小野薬品工業株式会社,国立大学法人徳島大学
代理人個人,個人
主分類A61K 39/395 20060101AFI20240412BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本願の課題は、新たな免疫抑制剤を提供することである。
【解決手段】抗CD80抗体および抗PD-L1抗体から選択されるPD-L1とPD-1との結合を促進させる物質を含む免疫抑制剤を提供する。
【選択図】図47
特許請求の範囲【請求項1】
抗CD80抗体および抗PD-L1抗体から選択されるPD-L1とPD-1との結合を促進させる物質を含む免疫抑制剤。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
該物質が、CD80と同一細胞上に存在するPD-L1と、PD-1との結合を促進させる、請求項1に記載の免疫抑制剤。
【請求項3】
該物質が抗CD80抗体である、請求項1または2に記載の免疫抑制剤。
【請求項4】
該抗CD80抗体がCD80とPD-L1とのシス結合を阻害する、請求項3に記載の免疫抑制剤。
【請求項5】
該抗CD80抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を有するヒトCD80の第92位のイソロイシンおよび/または第104位のロイシンに相当するアミノ酸を含む領域、または、配列番号2のアミノ酸配列を有するマウスCD80の第96位のロイシンおよび/または第107位のロイシンに相当するアミノ酸を含む領域に結合する、請求項3または4に記載の免疫抑制剤。
【請求項6】
該抗CD80抗体がCD80とCTLA-4の結合を実質的に阻害しない、請求項3~5のいずれかに記載の免疫抑制剤。
【請求項7】
該抗CD80抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2および配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む重鎖可変領域;および、
配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2および配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む軽鎖可変領域
を含む、請求項3~6のいずれかに記載の免疫抑制剤。
【請求項8】
該抗CD80抗体が、配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む重鎖可変領域;および、
配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、請求項3~6のいずれかに記載の免疫抑制剤。
【請求項9】
該抗CD80抗体が、配列番号7のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号8のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項7に記載の免疫抑制剤。
【請求項10】
該抗CD80抗体が、配列番号15のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号16のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項8に記載の免疫抑制剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本特許出願は、日本国特許出願第2018-229774号について優先権を主張するものであり、ここに参照することによって、その全体が本明細書中へ組み込まれるものとする。
本願は、抗CD80抗体および抗PD-L1抗体から選択されるPD-L1とPD-1との結合を促進させる物質を含む免疫抑制剤に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
免疫系は、生体内で病原体などの非自己物質やがん細胞などの異常な細胞を認識して殺滅することにより、生体を疾患から保護する。免疫系は病原体や異常な細胞を攻撃し、正常な自己物質を攻撃しないように緻密に制御されているが、その制御機構が破綻すると、自己免疫疾患や慢性炎症性疾患など、種々の難治性疾患を引き起こす。
【0003】
免疫系の制御に関わる様々な分子が知られている。プログラム細胞死-1(Programmed death-1、PD-1)は、T細胞の表面にある免疫チェックポイント受容体の一種であり、プログラム細胞死リガンド-1(Programmed death ligand-1、PD-L1)とプログラム細胞死リガンド-2(Programmed death ligand-2、PD-L2)の2種類のリガンドに結合する。CD80は、CD86とともに、T細胞に発現する構造的によく似た2つの分子、CD28およびCTLA-4のリガンドとして機能する。CD28はT細胞を活性化し、一方、CTLA-4は抑制する。PD-1、PD-L1およびCTLA-4の標的化阻害は、腫瘍特異的T細胞を活性化でき、ヒト患者における腫瘍の処置に有効であることが知られている。また、CD80とCD28の結合を阻害する抗CD80抗体は、T細胞活性化を抑制すると報告された(特許文献1)。
【0004】
興味深いことに、CD80/PD-L1相互作用を阻害する抗PD-L1抗体が、腫瘍免疫を活性化し、癌治療に有用であるとの報告がある(非特許文献1、特許文献2)。その一方で、CD80とPD-L1が同一細胞上で発現し、結合するとの報告や、CD80によるT細胞活性維持にはCD28を介した作用に加え、PD-1/PD-L1系による免疫抑制の阻害が関与するとの報告もある(非特許文献2、3)。このように、CD80/PD-L1相互作用の生理的機能は解明されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開1998/019706号公報
米国特許出願公開第2011/0280877号明細書
【非特許文献】
【0006】
The Journal of Immunology, 2011, 187: 1113-1119
Cancer Immunol Res. 2014 July ; 2(7): 610-615
Cancer Immunology Research, 2018 June 5, 6(8), 921-929
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の1つの目的は、免疫抑制剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある態様において、本開示は、抗CD80抗体および抗PD-L1抗体から選択されるPD-L1とPD-1との結合を促進させる物質を含む免疫抑制剤を提供する。
ある態様において、本開示は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2および配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む重鎖可変領域;および、配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2および配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、抗CD80抗体を提供する。
ある態様において、本開示は、配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む重鎖可変領域;および、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む軽鎖可変領域を含む、抗CD80抗体を提供する。
ある態様において、本開示は、CD80への結合に対して上記の抗体のいずれかと競合する抗CD80抗体を提供する。
ある態様において、本開示は、上記の抗体のいずれかを有効成分として含む免疫抑制剤を提供する。
ある態様において、本開示は、上記の抗体のいずれかを有効成分として含む、自己免疫疾患、アレルギー疾患または移植片対宿主病の予防および/または治療剤を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、免疫抑制剤、または自己免疫疾患、アレルギー疾患もしくは移植片対宿主病の予防および/または治療剤、またはこれらに利用可能な抗体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
PD-1-EC(左)および図中に示す標識抗体(右)の、PD-L1(上段)またはPD-L2(下段)とCD80またはCD86を発現するIIAdL1細胞との結合強度を示す。
IIAdL1-mock細胞またはIIAdL1-CD80細胞と共培養した場合としない場合の、PD-1-ECおよび抗PD-L1抗体のIIAdL1-PD-L1細胞との結合強度を示す。
IIAdL1細胞におけるCD80とPD-L1の共免疫沈降を示す。WCL:架橋していない細胞溶解物全体。
図中に示す量の抗原ペプチドをパルスした抗原提示細胞と、PD-1発現DO11.10 T細胞(PD-1(+))(左)またはPD-1欠損DO11.10 T細胞(PD-1KO)(右)を共培養した際の、T細胞からのIL-2産生を示す。PD-1を介するIL-2産生の阻害の割合を図中に示す。
種々のレベルでPD-L1およびCD80を発現する各IIAdL1細胞に対する、PD-L1抗体(左)およびCD80抗体(右)の結合強度を示す。
最も高いレベルでPD-L1を発現し、種々のレベルでCD80を発現する各IIAdL1細胞に対する、PD-1-ECの結合強度を示す。
25種の異なる発現レベルでPD-L1およびCD80を発現する各IIAdL1細胞に対するPD-1-ECの相対的な結合強度を示す。
DO11.10 T細胞からのIL-2産生を、25種の異なる発現レベルでPD-L1およびCD80を発現する各IIAdL1細胞により誘発した際の、PD-1を介するIL-2産生の阻害割合を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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