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公開番号2024055325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022162152
出願日2022-10-07
発明の名称リチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法、リチウムバナジウム酸化物結晶体、電極材料及び蓄電デバイス
出願人日本ケミコン株式会社,国立大学法人東京農工大学,有限会社ケー・アンド・ダブル
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01G 31/00 20060101AFI20240411BHJP(無機化学)
要約【課題】省エネルギーで良好なレート特性を有するリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法、良好なレート特性を有するリチウムバナジウム酸化物結晶体、電極材料及び蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】水又は水を含む混合液を用意する工程と、水または水を含む混合液にバナジウム源とリチウム源が溶解され、pH5以上に調整された水溶液を用意する工程と、水溶液から液体を気化させ、リチウムバナジウム酸化物結晶体を析出させる乾燥工程を含む。析出する結晶体は、直径が50nm以下の一次粒子と、細孔分布で10nm以下にピークを有する細孔と、を備える。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
リチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法であって、
水又は水を含む混合液を用意する工程と、
水または水を含む混合液にバナジウム源とリチウム源が溶解され、pH5以上に調整された水溶液を用意する工程と、
前記水溶液から液体を気化させ、リチウムバナジウム酸化物結晶体を析出させる乾燥工程と、
を含むこと、
を特徴とするリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記水溶液を用意する工程が、
前記水又は前記混合液をpH5以上に調整するpH調整工程と、
pH5以上に調整された後、又はpHの5以上に調整される前の前記水又は前記混合液に、バナジウム源を溶解させるバナジウム溶解工程と、
を含むこと、
を特徴とする請求項1記載のリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法。
【請求項3】
前記pH調整工程では、pH10以上に調整すること、
を特徴とする請求項2記載のリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法。
【請求項4】
前記乾燥工程は1.67ml/min以上の気化速度による乾燥を含むこと、
を特徴とする請求項1又は2記載のリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法。
【請求項5】
前記乾燥工程は、噴霧乾燥又は40℃以上60℃以下での減圧乾燥を含むこと、
を特徴とする請求項4記載のリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法。
【請求項6】
前記乾燥工程を経て、液体を気化させた後、直ちに乾燥環境下で管理すること、
を特徴とする請求項5記載のリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法。
【請求項7】
前記減圧乾燥を用い、液体を気化させた後も前記乾燥工程を継続すること、
を特徴とする請求項5記載のリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法。
【請求項8】
前記乾燥工程は、60℃以上80℃以下での減圧乾燥を含むこと、
を特徴とする請求項4記載のリチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法。
【請求項9】
直径の平均が50nm以下の一次粒子と、
細孔分布で10nm以下にピークを有する細孔と、
を備え、
前記一次粒子が凝集し、前記一次粒子間に前記細孔を有する造粒体であること、
を特徴とするリチウムバナジウム酸化物結晶体。
【請求項10】
化学式Li







で表されること、
を特徴とする請求項9記載のリチウムバナジウム酸化物結晶体。
但し、x=0.1~5、y=0.1~5、z=0.1~5、a=0~2であり、Mは、リチウムバナジウム酸化物結晶体にドープされたMo、W、Si、Cr又はTiであること。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムバナジウム酸化物結晶体及びその製造方法、このリチウムバナジウム酸化物結晶体を含む電極材料、及びこの電極材料を正極又は負極に用いた蓄電デバイスに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
化学式Li

VO

のバナジン酸リチウムに代表されるリチウムバナジウム酸化物は、チタン酸リチウム(Li

Ti


12
)及びB型酸化チタン(TiO

(B))よりも低充放電電位(V vs Li/Li+)である。しかも、リチウムバナジウム酸化物は、グラファイトよりも高充放電電位(V vs Li/Li+)である。従って、このリチウムバナジウム酸化物を負極材料に適用した蓄電デバイスには、高エネルギー密度と高い安全性が期待できる。
【0003】
また、リチウムバナジウム酸化物を負極材料として用いたキャパシタの理論容量は、チタン酸リチウムと比べると2倍以上になるとの報告がある。サイクル特性においても、リチウムバナジウム酸化物を負極材料として用いたキャパシタは、高い容量維持率及び高い充放電効率を維持する。
【0004】
そのため、このリチウムバナジウム酸化物の結晶体は、各種蓄電デバイスの用途が想定されて研究されている。蓄電デバイスとしては、正極及び負極にそれぞれ金属化合物粒子を用いたリチウムイオン二次電池、及び正極に活性炭、負極にリチウムイオンを可逆的に吸着/脱着可能な材料を用いたハイブリッドキャパシタが挙げられる。
【0005】
リチウムバナジウム酸化物結晶体の製造方法としては、次の方法が一般的に知られている。即ち、固相法又は液相法によってリチウム源とバナジウム源を混ぜ合わせる。そして、600℃以上の焼成によって結晶化及び結晶成長させる(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
但し、リチウムバナジウム酸化物結晶体は、通常はβ相の結晶構造を有する。β相の結晶構造は、ウルツ鉱型であり、空間群がPnm2

である。β相の結晶構造を有するリチウムバナジウム酸化物結晶体を電極材料として用いた蓄電デバイスには、レート特性に問題を有する。具体的には、Cレートを上げると急激に入力特性及び出力特性が悪化する。または、充放電密度を上げると、充電できる充電容量及び放電できる放電容量が少なくなる。
【0007】
そこで、770℃以上の焼成によって、β相からγ相へリチウムバナジウム酸化物結晶体の構造を相転移させる方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。γ相の結晶構造は、所謂LISICON(Lithium Super Ionic CONductor)型であり、Pnma結晶構造である。γ相の結晶構造を有するリチウムバナジウム酸化物結晶体は、四面体のLiO

配位構造及び四面体のVO

配位構造を基本骨格とし、八面体のLiO

配位構造を有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Zhiyong Liang, et al., Journal of Power Sources, 2014, Volume 252, Pages 244-247.https://doi.org/10.1016/j.jpowsour.2013.12.019
Chaoyi Liao, et al.,ADVANCED ENERGY MATERIALS, 2018, Vol.8, Issue.9, 1701621.https://doi.org/10.1002/aenm.201701621
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
γ相に相転移させたリチウムバナジウム酸化物結晶体が電極材料であると、蓄電デバイスのレート特性は良好になる。即ち、高い充放電密度で大充電容量及び大放電容量を達成できる。しかしながら、γ相に相転移させるには、製造工程中に770℃以上の焼成工程を導入しなければならない。
【0010】
昨今の地球環境保全の高まりに関連し、770℃以上の焼成工程は高エネルギー消費工程である。従って、γ相に相転移させるという、現状のリチウムバナジウム酸化物結晶体のレート特性向上策は、地球環境保全の観点で課題を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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