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公開番号2024059655
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2024015116,2020169251
出願日2024-02-02,2020-10-06
発明の名称アンモニア水の製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C01C 1/12 20060101AFI20240423BHJP(無機化学)
要約【課題】製品アンモニア及びアンモニア水を少ないエネルギーで効率的に生成できるアンモニアの製造方法及びアンモニア水の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】原料に水素と窒素を用いて、アンモニアを製造する方法であって、アンモニア合成触媒とアンモニア分離膜とを用いた膜型反応器により、前記原料からアンモニアを合成する反応分離工程と、前記アンモニア分離膜を透過した透過ガス中に含まれるアンモニアを冷却し、凝縮した液化アンモニアを回収する回収工程と、未反応の原料ガスを含むガスをリサイクルするリサイクル工程と、を備える、アンモニアの製造方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
原料に水素と窒素を用いて、アンモニア水を製造する方法であって、
アンモニア合成触媒と、水素/窒素/アンモニアの混合ガスからアンモニアを選択的に分離するアンモニア分離膜と、を用いた膜型反応器により、前記原料からアンモニアを合成する反応分離工程と、
前記アンモニア分離膜を透過した透過ガスに水を供給してアンモニア水とし、該アンモニア水を回収するアンモニア吸収工程と、
未反応の原料ガスをリサイクルするリサイクル工程と、
を備える、アンモニア水の製造方法。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
原料に水素と窒素を用いて、アンモニア水を製造する方法であって、
アンモニア合成触媒と、水素/窒素/アンモニアの混合ガスからアンモニアを選択的に分離するアンモニア分離膜と、を備えた膜型反応器により、前記原料からアンモニアを合成する反応分離工程と、
前記アンモニア分離膜を透過した透過ガスに水を供給してアンモニア水とし、該アンモニア水を回収するアンモニア吸収工程と、
未反応の原料ガスを系外にパージするパージ工程と、
を備えるアンモニア水の製造方法。
【請求項3】
前記反応分離工程において、前記アンモニア分離膜を透過した透過ガス中のアンモニア濃度が30vol%以上である、請求項1または2に記載のアンモニア水の製造方法。
【請求項4】
前記反応分離工程において、前記アンモニア分離膜におけるガス供給側の圧力が0.1MPa以上、10MPa以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアンモニア水の製造方法。
【請求項5】
前記反応分離工程において、膜型反応器のアンモニア分離膜におけるガス供給側と透過側の圧力差が0.1MPa以上、10MPa以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のアンモニア水の製造方法。
【請求項6】
前記反応分離工程において、前記アンモニア分離膜のアンモニア/水素の透過係数比が10以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアンモニア水の製造方法。
【請求項7】
前記反応分離工程において、前記アンモニア分離膜のアンモニア/窒素の透過係数比が10以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載のアンモニア水の製造方法。
【請求項8】
前記反応分離工程において、前記アンモニア分離膜がゼオライト膜である、請求項1~7のいずれか1項に記載のアンモニア水の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア合成触媒と、水素/窒素/アンモニアの混合ガスからアンモニアガスを選択的に分離するアンモニア分離膜と、を反応器内に設置し、触媒により生成したアンモニアガスをアンモニア分離膜にて分離することでアンモニアの逆反応を抑制し、平衡反応よりも高い転化率でアンモニアを生成することが可能な膜型反応器、を含むアンモニアの製造方法、及びアンモニア水の製造方法、に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
工業的に重要なプロセスの一つとして知られているハーバー・ボッシュ法によるアンモニア製造は、アンモニア生成反応が平衡反応であり、熱力学的には高圧、低温条件下での反応が好ましいとされる。しかし実際は触媒の反応速度を確保する必要があり、一般に400~600℃の高温、かつ10~20MPaの高圧条件を必要とされている。
【0003】
従来、ハーバー・ボッシュ法は、鉄を主成分とする触媒が使用されてきたが、上述のような過酷な反応条件を緩和するために、高活性な触媒を開発する研究が報告されており、近年ではRu系の触媒開発が盛んにおこなわれている(非特許文献1)。
【0004】
従来のアンモニア合成プロセスを図1に示す。
アンモニアの原料ガスである水素と窒素の混合ガスを、触媒反応工程のアンモニア合成反応器において反応させて、得られた生成ガスに含まれるアンモニアガスをアンモニア回収工程において液化し、液化アンモニアとして回収している。生成ガス中には、製品となるアンモニア以外にも、未反応の原料である水素と窒素が含まれ、これらを分離するためには、高圧かつ低温下においてアンモニアを液化して分離する必要がある。そのため、通常は生成ガスを-20℃~-5℃程度に冷却し、アンモニアを凝縮分離している(非特許文献2)。
特に、触媒反応工程でアンモニアを生成した生成ガスは、アンモニア生成反応の平衡制約により未反応の水素や窒素ガスを多く含むことから、アンモニア回収工程では冷却効率が悪く、大量のエネルギーを消費する特徴がある。また本プロセスでは、原料ロスを抑える観点から、生成ガスから水素ガスと窒素ガスとを分離し、原料ガスとしてアンモニア合成反応器にリサイクルする必要があり、冷却によりアンモニアと分離した未反応の水素と窒素を含むリサイクルガスは、再度反応温度まで昇温するため、更にエネルギーを消費しているのが実情である。
従って、アンモニアの製造プロセスは加圧や冷却に伴うエネルギーを大量に消費することから、省エネルギーかつ環境に優しいプロセスの構築が求められていた。
【0005】
このようなエネルギー多消費型のプロセスを回避するために、生成ガスからアンモニアを冷却凝縮分離により回収する方法を、無機分離膜を用いた分離方法に代替して、効率的に高濃度のアンモニアガスを回収するプロセスが提案されている(特許文献1)。
【0006】
水素ガス、窒素ガスおよびアンモニアガスの混合ガスから高濃度のアンモニアガスを含有する混合ガスを分離する方法としては、1)分離膜を用いて、該混合ガスから水素ガス及び/又は窒素ガスを選択的に透過させる方法、2)分離膜を用いて、該混合ガスからアンモニアガスを選択的に透過させる方法、が挙げられる。
前者の水素ガス及び/又は窒素ガスを選択的に透過させる方法を用いた場合、アンモニアを分離回収するには多段階のシステムでアンモニアを生成している。一方、後者の分離膜を用いる方法では、例えばゼオライト膜を用いることで水素ガス、窒素ガス及びアンモニアガスの混合ガスからアンモニアガスを選択的に透過させる方法を開発している(特許
文献2、3)。ゼオライトの持つ酸性点とアンモニアの塩基性による吸着を用いることで、アンモニアの選択的な分離を可能としており、更に高温条件下でも安定してアンモニアを選択的に分離できることを見出している。
【0007】
特許文献4では、電気分解法と、膜分離又はPSAのアンモニア濃縮技術と、を組み合わせたプロセスにより設備やエネルギーに負荷を下げたアンモニア製造方法について報告されている。分離膜又はPSA単独でアンモニア側への窒素等のイナート成分のリークが20%程度あるような場合でも動力削減効果が得られることを特徴としている。
【0008】
特許文献5では、アンモニアを選択的に吸着する吸着剤を反応器に用いることで、アンモニア合成触媒により生成したアンモニアを吸着剤に吸着させることで平衡反応を生成側に反応させて、より効率的にアンモニアを生成する反応システムについて提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2008-247654号公報
特開2014-58433号公報
国際公開第2018/230737号
国際公開第2017/149718
米国特許出願公開第2006/0039847号明細書
【非特許文献】
【0010】
Nat. Chem. 2012, 4(11): 934-940.
日本化学会編、第7版 化学便覧 応用化学編I、丸善株式会社(2014)、p641
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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