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公開番号2024046830
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-05
出願番号2022152145
出願日2022-09-26
発明の名称硫化リチウムの製造方法および製造装置
出願人個人
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 17/22 20060101AFI20240329BHJP(無機化学)
要約【課題】溶媒を用いずに、硫化リチウムを効率よく製造できる。
【解決手段】加熱管2に電流を流して赤熱させ、加熱管2内に挿入されている被加熱物を加熱する方式の加熱炉1を用いる。被加熱物として、原料となる水酸化リチウムが充填されている単数若しくは複数のカーボンケース3を、加熱炉1の加熱管2内に装填する容器装填工程と、容器装填工程の後、加熱炉1内を減圧し、常温~200℃に加熱し、前記原料の脱水を行い、不活性ガスを供給して不活性ガス置換を行う原料脱水工程と、前記原料脱水工程の後、加熱炉1内を減圧し、加熱炉1内に、100%濃度の硫化水素か、または70~100%未満の濃度で硫化水素を含む不活性ガスを供給して、主反応を行い、主反応後、減圧し、不活性ガスを供給して不活性ガス置換を行う主反応工程とを含む。カーボンケース3である容器は、硫化水素と反応しない材料で形成され、加熱炉1の内部と通気可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
加熱管に電流を流して赤熱させ、この加熱管内に挿入されている被加熱物を加熱する方式の加熱炉を用いる硫化リチウムの製造方法であり、
前記被加熱物として、原料となる水酸化リチウムが充填されている単数若しくは複数の容器を、前記加熱炉の加熱管内に装填する容器装填工程と、
前記容器装填工程の後、前記加熱炉内を減圧し、常温~200℃に加熱して、前記原料の脱水を行い、その後、不活性ガスを供給して不活性ガス置換を行う原料脱水工程と、
前記原料脱水工程の後、前記加熱炉内を減圧し、200℃~400℃に加熱して前記加熱炉内に、100%濃度の硫化水素か、または70~100%未満の濃度で硫化水素を含む不活性ガスを供給して、主反応を行い、この主反応後に減圧し、不活性ガスを供給して不活性ガス置換を行う主反応工程とを含み、
前記容器は、硫化水素と反応しない材料で形成され、前記加熱炉の内部と通気可能である、
ことを特徴とする硫化リチウムの製造方法。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記容器は、ガス通気性のある通気構造と持つカーボンケース又はセラミックスケースで、前記通気構造を介して前記加熱炉の内部と通気可能であり、
前記容器に充填される水酸化リチウムは、粉体原料のままである、
請求項1記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項3】
前記カーボンケース又はセラミックスケースは、筒状のケース本体の両端部に開閉蓋がねじ込みにより取り付けられたものであり、
前記開閉蓋に、前記通気構造が設けられている、
請求項2記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項4】
前記主反応工程は、前記加熱管を、前記カーボンケース又はセラミックスケースと一緒に回転させながら行う、
請求項3記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項5】
加熱管に電流を流して赤熱させ、この加熱管内に挿入されている被加熱物を加熱する方式の加熱炉を用いる硫化リチウムの製造装置であり、
前記加熱炉の加熱管は、前記被加熱物として、原料となる水酸化リチウムが充填されている容器が装填されるものであり、
前記加熱炉は、真空排気部と、硫化水素及び/又は不活性ガスを供給する供給部とを備えるものであり、
前記容器は、硫化水素と反応しない材料で形成され、前記加熱炉の内部と通気可能である、
ことを特徴とする硫化リチウムの製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硫化リチウムの製造方法および製造装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年におけるパソコン、ビデオカメラ、及び携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される二次電池の開発が重要視されている。そのような二次電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
【0003】
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付け及び短絡防止を考慮した構造、材料面での改善が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層にかえて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。更に、このような固体電解質層に用いられる固体電解質として、硫化物固体電解質が知られている。
【0004】
硫化物固体電解質の原料として、硫化リチウムが用いられる。乾式法における硫化リチウムの製造方法として、ディスクドライヤーにおいて、溶媒を用いずに、水酸化リチウムと硫化水素とを反応させることを含む、硫化リチウムの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
硫化リチウムを固体電解質の原料として用いる場合、硫化リチウムには、より電池性能に優れる固体電解質を効率的に得る観点から、高純度であること、高比表面積を有することが一般的性状として求められており、その要求性能は近年益々高くなっている。
【0006】
また、硫化リチウムに溶媒が含まれていると、これを原料として硫化物固体電解質を得ようとすると、その電池性能の低下を生じることがあるため、溶媒を含まないことも求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-116114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、乾式法における硫化リチウムの製法で最も大事なポイントは原料中の水分および反応時に生成する水分の除去であり、ディスクドライヤーは常圧での運転制御となるため、基本的に100℃以上の温度制御が必要である。また、反応後の未反応の硫化水素を除去することが困難であるため、安全上のリスクが高い。
【0009】
発明者は、常圧真空連続方式の炉(例えば、黒鉛管に大電流を流し赤熱させ、この黒鉛管に挿入された被熱物を加熱する様な方式の炉)を用いれば、圧力制御が可能なため、圧力制御により低温で反応させることができ、反応率の向上、反応時間の短縮も図れることに着想した。それに加えて、原料として人体に有害な硫化水素を用いるため、反応終了後に窒素(N
2
)などの不活性ガスで炉内雰囲気をガス置換する必要があるが、ディスクドライヤーは圧力制御が困難なため、ガス置換に時間を要するが、前述したような常圧真空連続炉は圧力制御が可能なため、ガス置換などの操作も非常に早く処理可能である。
【0010】
また、乾式での反応は、水分の生成量で反応管理を実施しなければならないが、常圧真空連続炉の場合、圧力管理ができるため、反応中の圧力変化により、反応の進行を確認することも可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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