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公開番号2024046965
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-05
出願番号2022152356
出願日2022-09-26
発明の名称金属化合物の微粒子の製造方法、金属化合物の微粒子
出願人月島機械株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01G 53/00 20060101AFI20240329BHJP(無機化学)
要約【課題】球形度が高く、ニッケル含有量が物質量比で90%以上と高く、かつ平均粒子径d50が3μm以下の金属化合物の微小粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】径方向に貫通する複数の孔を備えるとともに中心軸回りに回転可能な撹拌翼と、前記撹拌翼を同心状に内部に収容可能な有底円筒状の反応槽と、前記反応槽に設けられるとともに前記反応槽の内部に第1の反応液を供給可能な第1給液部と、前記撹拌翼に設けられるとともに前記反応槽の内部に第2の反応液を供給可能な第2給液部と、を備える晶析装置を使用し、前記第1給液部から前記第1の反応液を供給するとともに前記第2給液部から前記第2の反応液を供給し、前記撹拌翼を25m/s以上の周速で回転させることにより前記第1の反応液と前記第2の反応液を反応させ、金属化合物の微粒子を析出させることを特徴とする金属化合物の微粒子の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
径方向に貫通する複数の孔を備えるとともに中心軸の回りに回転可能な撹拌翼と、
前記撹拌翼を同心状に内部に収容可能な有底円筒状の反応槽と、
前記反応槽に設けられるとともに前記反応槽の内部に第1の反応液を供給可能な第1給液部と、
前記撹拌翼に設けられるとともに前記反応槽の内部に第2の反応液を供給可能な第2給液部と、
を備える晶析装置を使用し、
前記第1給液部から前記第1の反応液を供給するとともに前記第2給液部から前記第2の反応液を供給し、
前記撹拌翼を略25m/s以上の周速で回転させることにより前記第1の反応液と前記第2の反応液を反応させ、金属化合物の微粒子を析出させることを特徴とする金属化合物の微粒子の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記晶析装置の前記撹拌翼は、
円筒状の円筒部と、
前記円筒部の内周面に外縁部が固定される円盤状の円盤部と、
前記円盤部の平面視の中心から前記中心軸に沿って上方に延びる回転軸と、を備え、
前記円盤部と前記回転軸との内部を前記第2の反応液が流通可能であり、前記円盤部の前記外縁部に前記第2給液部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記晶析装置の前記第2給液部は下方に向けて開口していることを特徴とする請求項2に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
【請求項4】
前記晶析装置の前記円盤部より上側の前記円筒部において、前記径方向に貫通する複数の孔が閉塞されているとともに、前記円筒部の内周面に外縁部が固定される円盤状の第2円盤部が前記円筒部の上端部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
【請求項5】
前記晶析装置の前記円盤部が前記円筒部の上端部に設けられることを特徴とする請求項3に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
【請求項6】
前記晶析装置の前記円筒部の外周面と前記反応槽の内周面との間のクリアランスをL3とし、前記円筒部の高さをHeとした場合に、He/L3が10以上であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
【請求項7】
前記晶析装置の前記第2給液部は複数設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
【請求項8】
前記晶析装置と、
前記晶析装置の排出口から排出される前記微粒子を含むスラリを流動させ前記晶析装置の前記第1給液部から前記晶析装置内に前記スラリを循環させる循環管路と、
前記スラリを前記晶析装置と前記循環管路との間で循環させる循環ポンプと、を備え、
前記循環管路は、蛇行形状をなす屈曲部を有する晶析システムを用いるとともに、前記晶析システムに投入される金属系原料のうちニッケルが物質量比で90%以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
【請求項9】
前記第1の反応液と前記第2の反応液との混合液のpHと、前記微粒子の前記晶析システムにおける滞留時間とを一定に維持することを特徴とする請求項8に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
【請求項10】
前記撹拌翼の前記周速を調節することで、前記微粒子の平均粒子径d50を調整することを特徴とする請求項8に記載の金属化合物の微粒子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属化合物の微粒子の製造方法、金属化合物の微粒子に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
二次電池の高機能化や全固体電池などの次世代電池向けの正極材において、高容量、高出力化が求められている。
【0003】
高容量、高出力の達成のために、正極材料中のニッケル含有量の増加と粒子径(二次粒子径)の微粒子化の研究が進められている。
【0004】
正極材の原料である金属水酸化物の製造方法として共沈法が一般的に用いられている。正極材の高容量化のために金属水酸化物中のニッケル含有量を増加させるほど、共沈法で得られる金属水酸化物の粒子径は増大し易くなり、高出力を得るための微粒子化と相反する。高容量と高出力の両立のために、ニッケル含有量が高く、且つ微粒子化する技術の検討が進められている。
【0005】
ニッケル含有量が高く、且つ微粒子化する方法として、反応槽内における結晶の滞留時間を短くしたり、pHを高くしたりするなどの方法がある。これにより、二次粒子径を小さくすることは可能であるが、過度の滞留時間の短縮や高いpHは、一次粒子の微細化や二次粒子の形状悪化(球形度の低下)など結晶品質の低下につながるため、結晶品質の維持の限界が上記のような方法での調整の限界となる。ここで、球形度は、(粒子投影像の面積円相当径)/(粒子投影像の外接最小円の直径)により定義される。
【0006】
反応装置における撹拌力や剪断力を上昇させることで粒子径の成長を抑制することが研究されているが、非常に反応時間が短い金属水酸化物の微小反応場へ高効率にて高い撹拌力や剪断力を伝達することが求められる。特にニッケル含有量が高い金属水酸化物で、平均粒子径d50=3μm以下の超微粒子を製造する場合、球形度を高くするには、高い撹拌力と剪断力とを高効率に微小反応場へ伝達することが課題である。
【0007】
特許文献1には、平均粒子径が1.00μm~3.0μmであり、ニッケルの含有率が最大で80%となる非水系電解質二次電池用正極活物質を、ポンプと、プロペラ型の回転翼を撹拌機として用いて製造することが開示されている。
特許文献2には、平均粒子径が3~15μmであり、ニッケルの物質量比が最大で30%である、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体が開示されている。
特許文献3には、平均粒子径d50が1.0~5.0μmである全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質を、タービン翼を撹拌翼として使用して製造することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
再公表WO2019/117027号公報
特開2021-136096号公報
国際公開第2020/202602号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような背景の下になされ、次世代電池向けの正極材に使用可能な程度に高容量及び高出力化を実現可能な、ニッケル含有量が高く、かつ微粒子化を実現した、金属化合物の微粒子の製造方法と金属化合物の微粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1の態様は、径方向に貫通する複数の孔を備えるとともに中心軸の回りに回転可能な撹拌翼と、前記撹拌翼を同心状に内部に収容可能な有底円筒状の反応槽と、前記反応槽に設けられるとともに前記反応槽の内部に第1の反応液を供給可能な第1給液部と、前記撹拌翼に設けられるとともに前記反応槽の内部に第2の反応液を供給可能な第2給液部と、を備える晶析装置を使用し、前記第1給液部から前記第1の反応液を供給するとともに前記第2給液部から前記第2の反応液を供給し、前記撹拌翼を略25m/s以上の周速で回転させることにより前記第1の反応液と前記第2の反応液を反応させ、金属化合物の微粒子を析出させることを特徴とする金属化合物の微粒子の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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