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公開番号2024050249
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156990
出願日2022-09-29
発明の名称溶媒リサイクル法を用いた酸化チタンゾルの製造方法および酸化チタンゾル
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人個人,個人
主分類C01G 23/053 20060101AFI20240403BHJP(無機化学)
要約【課題】環境負荷の低い酸化チタンゾルの製造方法および保存安定性が高い酸化チタンゾルの提供。
【解決手段】水と酸化チタン粒子とを含む水ゾルを調製する水ゾル調製工程、極性溶媒と有機ケイ素化合物とを混合して得られた表面処理溶液と、前記水ゾルとを混合して前記酸化チタン粒子を表面処理し、表面処理ゾルを得る表面処理工程、前記表面処理ゾルに含まれる前記水および前記極性溶媒を別の溶媒に置換して酸化チタンゾルと回収溶媒とを得る溶媒置換工程、前記回収溶媒を精製して精製溶媒を調製する精製工程、を含み、前記精製溶媒を前記表面処理工程または前記溶媒置換工程に再利用する、酸化チタンゾルの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水と酸化チタン粒子とを含む水ゾルを調製する水ゾル調製工程、
極性溶媒と有機ケイ素化合物とを混合して得られた表面処理溶液と、前記水ゾルとを混合して前記酸化チタン粒子を表面処理し、表面処理ゾルを得る表面処理工程、
前記表面処理ゾルに含まれる前記水および前記極性溶媒を別の溶媒に置換して酸化チタンゾルと回収溶媒とを得る溶媒置換工程、
前記回収溶媒を精製して精製溶媒を調製する精製工程、を含み、
前記精製溶媒を前記表面処理工程または前記溶媒置換工程に再利用する、
酸化チタンゾルの製造方法。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記極性溶媒が、極性有機溶媒である、請求項1に記載の酸化チタンゾルの製造方法。
【請求項3】
前記回収溶媒が、水、Si、Tiおよび極性有機溶媒を含み、水の含有量が10質量%以上であり、Siの含有量が1000ppm以上であり、Tiの含有量が20ppm以上である、請求項2に記載の酸化チタンゾルの製造方法。
【請求項4】
前記回収溶媒を精製して、水の含有量が1~5質量%の範囲にある極性有機溶媒を前記精製溶媒として回収する、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記回収溶媒を精製して、Siの含有量が50ppm以下の極性有機溶媒を前記精製溶媒として回収する、請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記回収溶媒を精製して、Tiの含有量が5ppm以下の極性有機溶媒を前記精製溶媒として回収する、請求項3に記載の製造方法。
【請求項7】
前記精製工程において系内を減圧した状態で前記回収溶媒に含まれる極性有機溶媒を蒸発させる、請求項2~6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
前記回収溶媒を前記極性有機溶媒の沸点未満かつ-20℃以内の温度で蒸留する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
酸化チタン粒子が溶媒に分散したゾルであって、
前記溶媒に溶解している不純物元素の総量が、原子量換算で100ppm以下であり、
前記不純物元素がTi、Si、Na、K、Ca、Co、Al、Cr、Cu、Fe、Ni、Pb、ZrおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である、
酸化チタンゾル。
【請求項10】
前記溶媒が極性有機溶媒である、請求項9に記載の酸化チタンゾル。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒リサイクル法を用いた酸化チタンゾルの製造方法および酸化チタンゾルに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
酸化チタンは、種々の用途、例えば、顔料、紫外線遮蔽剤、触媒、光触媒、触媒担体、吸着剤、イオン交換剤、充填剤、補強剤、セラミックス用原料、ペロブスカイト型複合酸化物等の複合酸化物の前駆体、及び磁気テープの下塗り剤等に使用されている。これらの用途に合わせて、粉末、ペースト、ゾル等の種々の形態で使用されている。
【0003】
特許文献1~3には、酸化チタンゾルおよびその製造方法が開示されている。これらの製造方法が酸化チタン粒子を有機ケイ素化合物で表面処理(表面改質ともいう。)して溶媒への分散性を高める表面処理工程、酸化チタンゾルに含まれる溶媒を別の溶媒に置換する溶媒置換工程を含みうることも開示されている。しかしながら、これらの工程を含む酸化チタンゾルの製造方法では廃液が大量に発生するので、環境負荷が高く、廃棄処理に伴うコストアップが問題視されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-249191号公報
特開2012-56816号公報
国際公開WO2018/181241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、環境負荷の低い製造方法を用いて、保存安定性が高い酸化チタンゾルを得ることを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)~(13)である。
(1)水と酸化チタン粒子とを含む水ゾルを調製する水ゾル調製工程、
極性溶媒と有機ケイ素化合物とを混合して得られた表面処理溶液と、前記水ゾルとを混合して前記酸化チタン粒子を表面処理し、表面処理ゾルを得る表面処理工程、
前記表面処理ゾルに含まれる前記水および前記極性溶媒を別の溶媒に置換して酸化チタンゾルと回収溶媒とを得る溶媒置換工程、
前記回収溶媒を精製して精製溶媒を調製する精製工程、を含み、
前記精製溶媒を前記表面処理工程または前記溶媒置換工程に再利用する、
酸化チタンゾルの製造方法。
(2)前記極性溶媒が、極性有機溶媒である、上記(1)に記載の酸化チタンゾルの製造方法。
(3)前記回収溶媒が、水、Si、Tiおよび極性有機溶媒を含み、水の含有量が10質量%以上であり、Siの含有量が1000ppm以上であり、Tiの含有量が20ppm以上である、上記(1)または(2)に記載の酸化チタンゾルの製造方法。
(4)前記回収溶媒を精製して、水の含有量が1~5質量%の範囲にある極性有機溶媒を前記精製溶媒として回収する、上記(1)~(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)前記回収溶媒を精製して、Siの含有量が50ppm以下の極性有機溶媒を前記精製溶媒として回収する、上記(1)~(3)のいずれかに記載の製造方法。
(6)前記回収溶媒を精製して、Tiの含有量が5ppm以下の極性有機溶媒を前記精製溶媒として回収する、上記(1)~(3)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記精製工程において系内を減圧した状態で前記回収溶媒に含まれる極性有機溶媒を蒸発させる、上記(1)~(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)前記回収溶媒を前記極性有機溶媒の沸点未満かつ-20℃以内の温度で蒸留する、上記(1)~(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)酸化チタン粒子が溶媒に分散したゾルであって、
前記溶媒に溶解している不純物元素の総量が、原子量換算で100ppm以下であり、
前記不純物元素がTi、Si、Na、K、Ca、Co、Al、Cr、Cu、Fe、Ni、Pb、ZrおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である、
酸化チタンゾル。
(10)前記溶媒が極性有機溶媒である、上記(9)に記載の酸化チタンゾル。
(11)前記極性溶媒がアルコール類である、上記(9)または(10)に記載の酸化チタンゾル。
(12)前記溶媒に含まれる有機ケイ素化合物の含有量が20ppm以下である、上記(9)~(11)のいずれかに記載の酸化チタンゾル。
(13)前記溶媒に含まれる水の含有量が、0.2質量%~8質量%の範囲にある、上記(9)~(12)のいずれかに記載の酸化チタンゾル。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、環境負荷の低い酸化チタンゾルの製造方法および保存安定性が高い酸化チタンゾルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の製造方法を用いた酸化チタンゾルの製造フローの一例。
回収溶媒を精製するプロセスフローの一例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、酸化チタンゾルの製造方法であって、溶媒置換工程で発生する廃液を回収し、酸化チタンゾルの製造工程で再利用する製造方法を含む。具体的には、水と酸化チタン粒子とを含む水ゾルを調製する水ゾル調製工程、極性溶媒と有機ケイ素化合物とを混合して得られた表面処理溶液と、前記水ゾルとを混合して前記酸化チタン粒子を表面処理し、表面処理ゾルを得る表面処理工程、前記表面処理ゾルに含まれる前記水および前記極性溶媒を別の溶媒に置換して酸化チタンゾルと回収溶媒とを得る溶媒置換工程、前記回収溶媒を精製して精製溶媒を調製する精製工程、を含み、前記精製溶媒を表面処理工程または溶媒置換工程に再利用する、酸化チタンゾルの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)を含む。本発明の製造方法を用いた酸化チタンゾルの製造フローの一例を図1に示す。以下、本発明の製造方法について詳述する。
【0010】
[本発明の製造方法]
〔水ゾル調製工程〕
本発明の製造方法は、水と酸化チタン粒子とを含む水ゾルを調製する水ゾル調製工程を含む。本発明において、「水ゾル」とは、水に粒子が分散したゾルを指すものとする。この工程では、前記水ゾルを従来公知の方法を用いて調製することができる。例えば、塩化チタンを水溶液中で加水分解して得られる過酸化チタン酸を含む混合液をオートクレーブにて80~250℃の温度で水熱処理する方法、チタンアルコキシドを加水分解する方法、酸化チタン粉末を水に分散させる方法等により、前記水ゾルを調製することができる。また、市販されている酸化チタンゾルを購入し、このゾルに含まれる溶媒が水である場合はそのまま用いてもよく、その溶媒が水以外の溶媒である場合は、水に置換して用いてもよい。更に、前記特許文献1~3の製造方法を参考に前記水ゾルを調製することもできる。
(【0011】以降は省略されています)

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