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公開番号2024053428
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159711
出願日2022-10-03
発明の名称リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01G 53/00 20060101AFI20240408BHJP(無機化学)
要約【課題】リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池の提供。
【解決手段】少なくともLiとNiを含み、(1)及び(2)を満たす、リチウム金属複合酸化物。(1)窒素ガスの吸着等温線及び脱離等温線測定とBarrett-Joyner-Halenda法により求められる吸着等温線における細孔径分布において、細孔径が2-10nmの範囲における細孔容積が0.4×10-3cm3/gを超え1.0×10-3cm3/gである。(2)A/D50は、0.9×10-3-3.4×10-3である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくともLiとNiを含み、下記(1)及び下記(2)を満たす、リチウム金属複合酸化物。
(1)窒素ガスの吸着等温線及び脱離等温線測定とBarrett-Joyner-Halenda法により求められる吸着等温線における細孔径分布において、細孔径が2nm以上10nm以下の範囲における細孔容積が0.4×10
-3
cm

/gを超え1.0×10
-3
cm

/g以下である。
(2)A/D
50
は、0.9×10
-3
以上3.4×10
-3
以下である。
(Aは、窒素ガスの吸着等温線及び脱離等温線測定とBarrett-Joyner-Halenda法により求められる脱離等温線における細孔径分布に基づく平均細孔径(nm)であり、D
50
は、前記リチウム金属複合酸化物の粒度分布測定により得られる累積粒度分布曲線において微小粒子側から50%累積時の粒子径の値(μm)である。)
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記AとD
10
が下記(3)を満たす、請求項1に記載のリチウム金属複合酸化物。
(3)A/D
10
は6.5×10
-3
以下である。
(D
10
は、前記累積粒度分布曲線において微小粒子側から10%累積時の粒子径の値(μm)である。)
【請求項3】
前記AとD
90
が下記(4)を満たす、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
(4)A/D
90
は1.9×10
-3
以下である。
(D
90
は、前記累積粒度分布曲線において微小粒子側から90%累積時の粒子径の値(μm)である。)
【請求項4】
下記(5)を満たす、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
(5)前記吸着等温線における細孔径分布において、細孔径が10nmを超え200nm以下の範囲における細孔容積が8.0×10
-3
cm

/g以下である。
【請求項5】
BET比表面積は0.5m

/g以上1.5m

/g以下である、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
【請求項6】
前記Aは10nm以上40nm以下である、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
【請求項7】
タップ密度は2.5g/cm

以上3.1g/cm

以下である、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
【請求項8】
前記D
50
は5μm以上20μm以下である、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
【請求項9】
下記組成式(I)で表される、請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物。
Li[Li

(Ni
(1-y-z)
M1

M2


1-x
]O

・・・(I)
(組成式(I)中、M1は、Co、Mn、及びAlからなる群より選択される1種以上の元素であり、M2は、Fe、Cu、Ti、Mg、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、B、Si、S及びPからなる群より選択される1種以上の元素であり、組成式(I)は、-0.1≦x≦0.2、0<y≦0.7、及び0≦z≦0.2を満たす。)
【請求項10】
前記組成式(I)は0<y+z≦0.3を満たす、請求項9に記載のリチウム金属複合酸化物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池が備えるリチウム二次電池用正極は、正極活物質、導電材及びバインダーを含むペースト状の正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体に塗工することで製造できる。正極合剤を正極集電体に塗工する方法としては、スリットダイ塗工法やスクリーン塗工法等により、ペースト状の正極合剤を正極集電体へ塗布する方法が用いられる。
【0003】
リチウム二次電池を効率的に生産する観点から、正極合剤の塗工性を向上させる検討がされている。ここで、「塗工性」は正極合剤層と正極集電体層との密着性(正極合剤層が正極集電体層から剥離するか否か)や、正極合剤を正極集電体に塗工した際に、正極集電体の露出が発生するか否か(かすれが発生するか否か)等によって評価される。
【0004】
例えば特許文献1は、粒径、比表面積、炭酸リチウムの含有量及び二次粒子の平均圧壊強度を所定の範囲に制御した、塗工性が良好な正極活物質を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6587044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
正極合剤の塗工性は、正極合剤の粘度の影響を強く受ける。正極合剤の粘度は、正極活物質を構成するリチウム金属複合酸化物の粒子の状態によって変化する。例えば、リチウム金属複合酸化物の粒子の表面積が大きいと、粘度は高くなりやすいことが知られている。また、細孔が多いリチウム金属複合酸化物は、細孔内でバインダーの分解反応が生じやすく、粘度が高くなりやすいことが知られている。
【0007】
正極合剤を塗工する際に効率的な作業を可能とし、製造されるリチウム二次電池の品質を一定とするため、正極合剤は、調整時に初期粘度が低く、連続塗工時に初期粘度から変化しにくいことが求められる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、調整時に初期粘度が低く、連続塗工時に初期粘度から変化しにくい正極合剤が得られるリチウム金属複合酸化物、及びこれを用いたリチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の[1]~[13]を包含する。
[1]少なくともLiとNiを含み、下記(1)及び下記(2)を満たす、リチウム金属複合酸化物。
(1)窒素ガスの吸着等温線及び脱離等温線測定とBarrett-Joyner-Halenda法により求められる吸着等温線における細孔径分布において、細孔径が2nm以上10nm以下の範囲における細孔容積が0.4×10
-3
cm

/gを超え1.0×10
-3
cm

/g以下である。
(2)A/D
50
は、0.9×10
-3
以上3.4×10
-3
以下である。
(Aは、窒素ガスの吸着等温線及び脱離等温線測定とBarrett-Joyner-Halenda法により求められる脱離等温線における細孔径分布に基づく平均細孔径(nm)であり、D
50
は、前記リチウム金属複合酸化物の粒度分布測定により得られる累積粒度分布曲線において微小粒子側から50%累積時の粒子径の値(μm)である。)
[2]前記AとD
10
が下記(3)を満たす、[1]に記載のリチウム金属複合酸化物。
(3)A/D
10
は6.5×10
-3
以下である。
(D
10
は、前記累積粒度分布曲線において微小粒子側から10%累積時の粒子径の値(μm)である。)
[3]前記AとD
90
が下記(4)を満たす、[1]又は[2]に記載のリチウム金属複合酸化物。
(4)A/D
90
は1.9×10
-3
以下である。
(D
90
は、前記累積粒度分布曲線において微小粒子側から90%累積時の粒子径の値(μm)である。)
[4]下記(5)を満たす、[1]~[3]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
(5)前記吸着等温線における細孔径分布において、細孔径が10nmを超え200nm以下の範囲における細孔容積が8.0×10
-3
cm

/g以下である。
[5]BET比表面積は0.5m

/g以上1.5m

/g以下である、[1]~[4]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
[6]前記Aは10nm以上40nm以下である、[1]~[5]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
[7]タップ密度は2.5g/cm

以上3.1g/cm

以下である、[1]~[6]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
[8]前記D
50
は5μm以上20μm以下である、[1]~[7]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
[9]下記組成式(I)で表される、[1]~[8]のいずれか1つに記載のリチウム金属複合酸化物。
Li[Li

(Ni
(1-y-z)
M1

M2


1-x
]O

・・・(I)
(組成式(I)中、M1は、Co、Mn、及びAlからなる群より選択される1種以上の元素であり、M2は、Fe、Cu、Ti、Mg、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、B、Si、S及びPからなる群より選択される1種以上の元素であり、組成式(I)は、-0.1≦x≦0.2、0<y≦0.7、及び0≦z≦0.2を満たす。)
[10]前記組成式(I)は0<y+z≦0.3を満たす、[9]に記載のリチウム金属複合酸化物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、調整時に初期粘度が低く、連続塗工時に初期粘度から変化しにくい正極合剤が得られるリチウム金属複合酸化物、及びこれを用いたリチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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