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公開番号
2024055430
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-04-18
出願番号
2022162355
出願日
2022-10-07
発明の名称
炭酸カルシウムの製造方法、炭酸カルシウムおよび抄紙用填料
出願人
白石工業株式会社
代理人
弁理士法人グローバル・アイピー東京
主分類
C01F
11/18 20060101AFI20240411BHJP(無機化学)
要約
【課題】大気中に排出されることになる排ガス等に含まれている炭酸ガスを効率的に利用しつつ、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを効率的に製造すること。
【解決手段】以下の工程:水酸化ナトリウム水溶液に炭酸ガスを含むガスを導入して、炭酸ナトリウム水溶液を得る、炭酸ガス吸収工程と、酸化カルシウムと、0-6質量%未満の濃度の水酸化ナトリウム水溶液とを反応させて、水酸化カルシウム水分散体を得る、水化工程と、該水酸化カルシウム水分散体中の水酸化カルシウム1モルに対する炭酸ナトリウムの添加速度が0.25モル/分以下となるように、該水酸化カルシウム水分散体に該炭酸ナトリウム水溶液を添加して炭酸カルシウムを得る、炭酸化工程と、を含む、BET比表面積が2.0~15.0m
2
/gであり、アラゴナイト系炭酸カルシウムを主成分として含む炭酸カルシウムの製造方法を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の工程:
水酸化ナトリウム水溶液に炭酸ガスを含むガスを導入して、炭酸ナトリウム水溶液を得る、炭酸ガス吸収工程と、
酸化カルシウムと、0-6質量%未満の濃度の水酸化ナトリウム水溶液とを反応させて、水酸化カルシウム水分散体を得る、水化工程と、
該水酸化カルシウム水分散体中の水酸化カルシウム1モルに対する炭酸ナトリウムの添加速度が0.25モル/分以下となるように、該水酸化カルシウム水分散体に該炭酸ナトリウム水溶液を添加して炭酸カルシウムを得る、炭酸化工程と、
を含む、BET比表面積が2.0~15.0m
2
/gであり、アラゴナイト系炭酸カルシウムを主成分として含む炭酸カルシウムの製造方法。
続きを表示(約 550 文字)
【請求項2】
該水化工程の後に、該水酸化カルシウム水分散体における水酸化カルシウムの濃度と水酸化ナトリウムの濃度とを調整する調整工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
該調整工程において、該水酸化カルシウム水分散体における水酸化カルシウムの濃度が10質量%-23質量%、水酸化ナトリウムの濃度が4質量%以上になるように各々の濃度を調整する、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
該調整工程において、該水酸化カルシウム水分散体に固体の水酸化ナトリウムを添加する、請求項2または3に記載の製造方法。
【請求項5】
該アラゴナイト系炭酸カルシウムの含有率が99質量%以上の炭酸カルシウムを製造する、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
該アラゴナイト系炭酸カルシウムの含有率が99質量%以上の炭酸カルシウムを製造する、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
BET比表面積が2.0~15.0m
2
/gである、アラゴナイト系炭酸カルシウムを主成分として含む炭酸カルシウム。
【請求項8】
請求項7に記載の炭酸カルシウムを含む、抄紙用填料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸ガス(二酸化炭素)を含む燃焼炉等の煙道排ガス等を利用して炭酸カルシウムを製造する方法に関する。さらに本発明は、炭酸カルシウムおよび炭酸カルシウムを用いた抄紙用填料に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
炭酸カルシウム(CaCO
3
)は、各種工業製品の基材や填料として用いられるほか農業や食品の分野でも広く利用されている。工業的な炭酸カルシウムの合成方法として、石灰乳中に炭酸ガスを吹き込み炭酸化させる炭酸ガス化合法が知られている。炭酸ガス化合法にて使用する炭酸ガスとしては、炭酸カルシウム製造プラントに近接して設置されている石灰焼成炉の煙道排ガスが利用されることが多い。このほか、炭酸ガスの供給源として、ボイラーやごみ焼却炉等の排ガスも利用される。しかしながら、この場合、炭酸カルシウム製造プラントを焼成炉の近くに設置することができないことがあり、炭酸ガスの供給源となる施設から炭酸カルシウム製造プラントまで通じる煙道排ガス配管を敷設する必要が生じる。煙道排ガスを利用する場合も、炭酸ガスの供給量が一定ではない煙道排ガスの炭酸ガス濃度は通常均一ではなく、炭酸化を効率よく行うことができないという問題があった。さらに煙道排ガスの温度制御ができないため、生成する炭酸カルシウムの性状が煙道排ガス温度の影響を受けやすく、所望の形状の炭酸カルシウムを製造することができない、という問題もあった。一方、炭酸ガス化合法による炭酸カルシウムの合成反応では、炭酸ガスが一旦水に溶解する必要があるため、反応時間が長く、反応効率も高くない。炭酸ガスの吸収効率を高めるために低温で反応させることが多く、高温での反応には適していない。炭酸ガスのすべてが反応に使用されることはなく、使われなかった炭酸ガスは大気中に放出されるという問題もあった。
【0003】
一方、合成された炭酸カルシウムは、無機充填剤として、紙、ゴム、シーリング材料、プラスチック等に適用されている。炭酸カルシウムは、たとえば、紙に充填することで、紙の白色度や不透明度を向上させたり、ゴムに添加することで、ゴムの力学的強度や耐摩耗性を改善したりすることができる。また炭酸カルシウムをシーリング材料に添加することで、シーリング材料の粘度やチキソ性(チクソ性)を調整することができ、炭酸カルシウムをプラスチックに添加すると、プラスチックの力学的強度の向上や熱特性の調整を行うことができる。このように、炭酸カルシウムの各種用途に応じた所望の粒子径やBET比表面積、ならびに所望の結晶形を有するものを作り分ける試みが多数行われている。
【0004】
特許文献1には、苛性化反応により、充填材や顔料として有用なアラゴナイト結晶の炭酸カルシウムと、水酸化ナトリウム水溶液を同時に得る方法が開示されている。
特許文献2には、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)水溶液に炭酸ガスを吸収させて炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)とし、炭酸ソーダと石灰乳(水酸化カルシウム水分散体)とを反応させて、紡錘状形や柱状形の炭酸カルシウムを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-199721号公報
特開2002-293537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、炭酸ナトリウム水溶液を得るために天然又は合成ソーダ灰を水に溶解させているため、排ガス等から排出された炭酸ガスを利用するという観点は教示されていない。特許文献1の実施例には、消石灰と1モル/リットル/水酸化ナトリウム水溶液を用い、生石灰濃度として10質量%になる割合で混合して石灰乳をつくり、炭酸ナトリウム源として炭酸ナトリウム水溶液(1.6モル/リットル)を用いて、添加速度0.02g[炭酸ナトリウム]/分/g[酸化カルシウム](0.01モル[炭酸ナトリウム]/分/モル[酸化カルシウム])、温度50℃、攪拌速度400rpmの条件で苛性化反応を行い、アラゴナイト結晶の針状炭酸カルシウムが認められたことが開示されている。
一方、特許文献2の炭酸カルシウムの製造方法には、苛性ソーダ水溶液(水酸化ナトリウム水溶液)に燃焼ガス等を吸収させる工程が含まれているが、この製造方法で得られる炭酸カルシウムの粒子の大きさや結晶形、形状と製造方法との関係は必ずしも明確ではない。
【0007】
そこで本発明は、大気中に排出されることになる排ガス等に含まれている炭酸ガスを効率的に利用しつつ、形態の制御された炭酸カルシウムを製造することを目的とする。具体的には、本発明は、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを効率的に製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の工程:
水酸化ナトリウム水溶液に炭酸ガスを含むガスを導入して、炭酸ナトリウム水溶液を得る、炭酸ガス吸収工程と、
酸化カルシウムと、0-6質量%未満の濃度の水酸化ナトリウム水溶液とを反応させて、水酸化カルシウム水分散体を得る、水化工程と、
該水酸化カルシウム水分散体中の水酸化カルシウム1モルに対する炭酸ナトリウムの添加速度が0.25モル/分以下となるように、該水酸化カルシウム水分散体に該炭酸ナトリウム水溶液を添加して炭酸カルシウムを得る、炭酸化工程と、
を含む、BET比表面積が2.0~15.0m
2
/gであり、アラゴナイト系炭酸カルシウムを主成分として含む炭酸カルシウムの製造方法である。
【0009】
ここで該水化工程の後に、該水酸化カルシウム水分散体における水酸化カルシウムの濃度と水酸化ナトリウムの濃度とを調整する調整工程をさらに含むことが好ましい。
また、該調整工程において、該水酸化カルシウム水分散体における水酸化カルシウムの濃度が10質量%-23質量%、水酸化ナトリウムの濃度が4質量%以上になるように各々の濃度を調整することが好ましい。
該調整工程において、該水酸化カルシウム水分散体に固体の水酸化ナトリウムを添加することが好ましい。
該アラゴナイト系炭酸カルシウムの含有率が99質量%以上の炭酸カルシウムを製造することが好ましい。
【0010】
本発明は、BET比表面積が2.0~15.0m
2
/gである、アラゴナイト系炭酸カルシウムを主成分として含む炭酸カルシウムである。
(【0011】以降は省略されています)
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