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公開番号2024051614
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157878
出願日2022-09-30
発明の名称多結晶シリコンの製造方法
出願人高純度シリコン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 33/035 20060101AFI20240404BHJP(無機化学)
要約【課題】簡易な手順で、シリコン多結晶製造用の反応炉内に持ち込まれる水分の総量を抑制し、これにより、不純物の少ない多結晶シリコンの製造を可能にする多結晶シリコンの製造方法を提供する。
【解決手段】反応炉内でクロロシランを還元して、種棒に多結晶シリコンを析出させる多結晶シリコンの製造方法であって、前記反応炉内において使用されるカーボン部材によって前記反応炉内に持ち込まれる水分を低減させたことを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
反応炉内でクロロシランを還元して、種棒に多結晶シリコンを析出させる多結晶シリコンの製造方法であって、
前記反応炉内において使用されるカーボン部材によって前記反応炉内に持ち込まれる水分を低減させたことを特徴とする多結晶シリコンの製造方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記カーボン部材の室温環境における24時間あたりの水分放出量は、0.020mg/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンの製造方法。
【請求項3】
前記種棒に析出させた前記多結晶シリコンに含まれるリン濃度が0.030ppb(原子)以下、かつ鉄の濃度が0.015ppb(質量)以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の多結晶シリコンの製造方法。
【請求項4】
前記カーボン部材は、使用時まで樹脂層と、金属層またはシリカ蒸着層を有する保管容器に収納することで、前記カーボン部材によって前記反応炉内に持ち込まれる水分を低減させることを特徴とする請求項1または2に記載の多結晶シリコンの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶シリコンの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
半導体ウェハの材料として用いられる単結晶シリコンは、高純度の多結晶シリコンを石英ルツボで溶融し、このシリコン融液に種結晶を接触させて引き上げながら成長させるチョクラルスキー法によって一般的に製造されている。
【0003】
こうした単結晶シリコンの製造原料である多結晶シリコンは、反応炉内に設置したシリコン芯棒(以下、種棒と称することがある)に通電して赤熱させ、この炉内に原料ガスであるトリクロロシランと水素の混合ガスを供給する。そして、種棒の表面にシリコンを還元または熱分解により析出させて棒状に成長させるシーメンス法によって一般的に製造されている。シーメンス法では、反応炉内で種棒を保持する保持材料として、成長させる多結晶シリコンを汚染させずに種棒に通電させるために、一般的にカーボン材料が用いられることが多い。
【0004】
近年の半導体技術の高度化に伴い、単結晶シリコンの製造原料となる多結晶シリコンへの品質の要求も高度化し、金属不純物については濃度がppt(10
-12
)レベルまで低減することが求められ、徹底した汚染源の排除が必要とされている。例えば、2004年に改正し発行されたJEITA EM-3601A(電子情報技術産業規格・高純度多結晶シリコン標準品規格)においては、バルクリン濃度が0.30ppba以下、表面のFe濃度が3.0ppbw以下という不純物濃度の品質が規定されているが、近年の高品質の多結晶シリコン製品に対しては、バルク、表面問わず、リン濃度であれば0.030ppba以下、Fe濃度は0.015ppbw以下といったレベルの不純物濃度が要求されるようになってきている。
【0005】
シーメンス法による多結晶シリコンの合成では、合成容器として、実験的には石英ガラスが用いられることもあるが、工業的には脆性材料である石英ガラス容器に、反応性の高いクロロシランや水素ガスを導入することにより起こる可能性のある容器破損等のリスクを避けるために、一般的にはステンレス系の材料によって反応容器が構成されている。
【0006】
しかしながら、ステンレス系の材料によって反応容器を構成する場合、金属汚染の可能性が高くなることが課題とされている。ステンレス系の金属材料を用いることで引き起こされる金属汚染の要因として、水分の存在が知られている。一例として、反応炉内の水分とクロロシランガスとが反応して塩化水素を発生する。こうした塩化水素と水分とが共存する状況においては、ステンレス系の材料からなる反応炉は著しい腐食を受ける。多結晶シリコン析出反応の初期段階でこのような腐食が発生すると、析出する多結晶シリコンの品質が大きく低下する虞がある。
【0007】
反応炉内への水分の持ち込み経路としては、反応炉内壁の吸着水が考えられる。これについては、反応開始前に反応炉内にクロロシランガスを導入し、吸着水とクロロシランガスとを反応させて除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、種棒を組み立てて反応炉内を密閉して減圧し、また不活性ガスを導入することによって反応炉内の水分を除去する方法も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2020-164348号公報
国際公開第2011/158404号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された発明のように、反応炉の内壁に吸着された水分を除去しても、なおも水分とクロロシランガスとの反応による塩化水素ガスの発生や、水分とステンレス材料との反応による金属パーティクルの発生を抑制することが困難であった。即ち、反応炉内への水分の持ち込み経路として、反応炉内壁の吸着水以外にも水分を持ち込む要因があると考えられる。
【0010】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、簡易な手順で、シリコン多結晶製造用の反応炉内に持ち込まれる水分の総量を抑制し、これにより、不純物の少ない多結晶シリコンの製造を可能にする多結晶シリコンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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