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公開番号2024052629
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023169813
出願日2023-09-29
発明の名称ルチル型の結晶構造を有する粒子およびその製造方法、並びに粒子の分散液、塗布液、膜付基材の製造方法
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C01G 23/00 20060101AFI20240404BHJP(無機化学)
要約【課題】結晶構造がルチル型で、Ti含有率が高い粒子を提供することにある。
【解決手段】本発明の粒子は、酸化スズと酸化チタンを含むコアが酸化チタンを含むシェルで覆われている粒子とし、シェルに含まれるスズとチタンの比(Sn/Ti)は0.005以下である。コアに含まれるスズとチタンの比(Sn/Ti)は0.01~0.2であり、コアとシェルの結晶構造はルチル型である。この粒子をXRDにより測定した際の結晶子径は7nm以上である。粒子は酸化チタンをTiO2換算で90重量%以上含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸化スズと酸化チタンを含むコアが酸化チタンを含むシェルで覆われている粒子であり、
前記コアと前記シェルの結晶構造がルチル型であり、
前記シェルに含まれるスズとチタンの重量比(Sn/Ti)が0.005以下であり、
前記コアに含まれるスズとチタンの重量比(Sn/Ti)が0.01~0.2であり、
酸化チタンをTiO

換算で90重量%以上含み、
X線構造解析により測定した結晶子径が7nm以上である粒子。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
コアの結晶子径が5nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記シェルの厚さが1.0~40nmであることを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項4】
請求項1に記載の粒子と、溶媒と、を含む分散液。
【請求項5】
平均粒子径が20~50nmであるチタン含有化合物の水分散液を準備する工程と、
ルチル型の結晶構造を有し、酸化チタンと酸化スズとを含むコアの水分散液と、を準備する工程と、
前記チタン含有化合物の水分散液と、前記コアの水分散液と、を混合することにより、混合液を調製する混合工程と、
前記混合液を80℃以上にする工程と、を備える粒子の製造方法。
【請求項6】
前記コアに含まれる酸化スズの重量(SnO

換算)と酸化チタンの重量(TiO

換算)の比(酸化スズの重量/酸化チタンの重量)が0.05~0.15であり、
前記チタン含有化合物のスズとチタンの重量比(Sn/Ti)が0.005以下であることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記チタン含有化合物の水分散液の電導度を0.2~0.6mS/cmにすることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の粒子と、表面処理剤と、バインダと、溶媒と、を含む塗布液。
【請求項9】
請求項8に記載の塗布液を用いて基材上に膜を形成することを特徴とする膜付基材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ルチル型の結晶構造を有する粒子に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、屈折率の高い粒子は高屈折率膜、LED用封止材、化粧料等に利用されている。粒子の屈折率は、粒子中に存在する元素やその含有率に依る。例えば、屈折率の高い酸化チタン粒子を用いて、高屈折率膜が形成されている。さらに、粒子の屈折率は、粒子の結晶構造にも依り、ルチル型の結晶構造の酸化チタン粒子が高い屈折率を有することが知られている。ルチル型の結晶構造を持つ酸化チタン含有粒子を得るために、チタン酸とスズ化合物およびシリカ微粒子を含む水分散液を用いることが知られている(例えば、特許文献1の実施例7を参照)。
【0003】
また、チタン酸の水溶液にスズ化合物を加えてルチル型酸化チタン粒子を形成する際、アナターゼ型結晶の発生を抑制するために、TiO

の質量とSnO

の質量の比(TiO

/SnO

)を6~16の範囲にすることが知られている(例えば、特許文献2を参照)。さらに、特許文献2には、シリカゾルを添加することにより、分散安定性が向上し、粒子径および粒度分布を制御できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-42947号公報
国際公開第2018/181241号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に開示されているように、結晶構造をルチル型に維持するために、粒子には酸化スズが含まれている。また、粒子を溶媒に分散させるために、粒子にはシリカが添加されている。このように、ルチル型の酸化チタン粒子では、チタン含有率を高くすること(TiO

換算で90重量%以上)に限界があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、結晶構造がルチル型の酸化チタン粒子のTi含有率を大きくし、粒子の屈折率をさらに高くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ルチル型の結晶構造を持つ酸化チタン粒子(コア)の表面に主に酸化チタンからなるシェルを形成する場合、シェルがスズを含んでいなくてもルチル型の結晶構造となることを見出した。すなわち、本発明の粒子は、酸化スズと酸化チタンを含みルチル型の結晶構造を持つコアが、酸化チタンを含みルチル型の結晶構造を持つシェルで覆われている。コアの結晶構造をルチル型にするために、コアに含まれるスズとチタンの比(Sn/Ti)を0.01~0.2とした。一方、シェルに含まれるスズとチタンの比(Sn/Ti)が0.005以下であってもシェルはルチル型の結晶構造を持つ。このような構成の粒子によれば、チタンの含有率を高くすること(TiO

換算で90重量%以上)ができ、屈折率が向上する。XRDにより測定した粒子の結晶子径は7nm以上である。
【0008】
このような粒子の製造方法は、チタン含有化合物の分散液を準備する工程と、ルチル型の結晶構造を有し、酸化チタンと酸化スズとを含むコアの分散液を準備する工程と、チタン含有化合物の分散液とコアの分散液とを混合することにより、混合液を調製する工程と、混合液を80℃以上にする工程と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の粒子は、酸化スズと酸化チタンを含むコアが、主に酸化チタンからなるシェルで覆われている。ルチル型の結晶構造を維持するためには、酸化チタンにスズ(元素)を含有させる必要がある。しかし、ルチル型の結晶構造の酸化チタンをコアとして用いた場合、コアの表面に設けられるシェルはスズが含まれていなくてもルチル型の結晶構造となる。コアの結晶構造をルチル型にするために、コアに含まれるスズとチタンの重量比(Sn/Ti)を0.01とした。一方、シェルに含まれるスズとチタンの重量比(Sn/Ti)が0.005以下であっても、ルチル型の結晶構造が得られる。シェルにスズを添加する必要がないので、粒子のチタン含有率を高くすることができる。そのため、従来のルチル型酸化チタン粒子より屈折率を高くすることができる。ここで、コアに含まれるスズとチタンの重量比(Sn/Ti)が高いほど、粒子の結晶構造がルチル型になり易い。そのため、コアの重量比は0.015以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上がさらに好ましい。
【0010】
また、重量比(Sn/Ti)が高いほど、粒子は小さくなる傾向にある。小さい粒子は、比表面積が大きい。また、粒子表面における結晶性は低い。そのため、小さい粒子の屈折率は低い。屈折率の低下を防ぐためには、コアを大きくする必要がある。そこで、コアの重量比を0.2以下とした。この重量比は0.15以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。一般に、粒子の大きさの指標として、結晶子径や粒子径が用いられている。コアの結晶子径は5nm以上が好ましい。また、コアの平均粒子径は12nm以上が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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