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公開番号2024057432
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-24
出願番号2022164169
出願日2022-10-12
発明の名称ベントナイトの改質方法、改質ベントナイト、改質ベントナイトスラリー、及び高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法
出願人クニミネ工業株式会社
代理人弁理士法人イイダアンドパートナーズ,個人,個人
主分類C01B 33/40 20060101AFI20240417BHJP(無機化学)
要約【課題】ベントナイトを、スラリー化したときの粘度が十分に低く、かつ、当該スラリーを、増粘剤等を用いることなく、簡単に、格段に高い粘度へと増粘させることができる特性へと改質することができる、ベントナイトの改質方法、この改質方法により得られる改質ベントナイト、この改質ベントナイトを用いた改質ベントナイトスラリー、ならびに、高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法を提供する。
【解決手段】クリストバライトを主要夾雑鉱物として含み、水への膨潤力が18ml/2g以上であるベントナイト粉末の加水混練物を、せん断処理に付し、次いで乾燥粉砕することを含む、ベントナイトの改質方法。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
クリストバライトを主要夾雑鉱物として含み、水への膨潤力が18ml/2g以上であるベントナイト粉末の加水混練物を、せん断処理に付し、次いで乾燥粉砕することを含む、ベントナイトの改質方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ベントナイト粉末に含まれる夾雑鉱物中、クリストバライトの含有割合が60質量%以上である、請求項1に記載のベントナイトの改質方法。
【請求項3】
前記せん断処理を、三本ロールミルによって行う、請求項2に記載のベントナイトの改質方法。
【請求項4】
前記ベントナイトの改質方法により得られる改質ベントナイト粉末が下記(a)を満たす、請求項3に記載のベントナイトの改質方法。
(a)スラリー中のベントナイト濃度を揃えて比較した場合に、前記ベントナイト粉末を水に分散してなるスラリーよりも、前記改質ベントナイト粉末を水に分散してなるスラリーが低粘度である。
【請求項5】
前記ベントナイトの改質方法により得られる改質ベントナイト粉末が下記(b)を満たす、請求項4に記載のベントナイトの改質方法。
(b)スラリー中のベントナイト濃度を揃えて比較した場合に、改質ベントナイト粉末を水に分散させて加熱処理に付していないスラリーよりも、前記改質ベントナイト粉末を水に分散させて80℃で24時間の加熱処理に付したスラリーが高粘度である。
【請求項6】
前記ベントナイトの改質方法により得られる改質ベントナイト粉末が下記(c)を満たす、請求項5に記載のベントナイトの改質方法。
(c)スラリー中のベントナイト濃度を揃えて比較した場合に、前記ベントナイト粉末を水に分散させて80℃で24時間の加熱処理に付したスラリーよりも、前記改質ベントナイト粉末を水に分散させて80℃で24時間の加熱処理に付したスラリーが高粘度である。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のベントナイトの改質方法により得られる改質ベントナイト。
【請求項8】
請求項7に記載の改質ベントナイトを水系媒体に分散してなる、改質ベントナイトスラリー。
【請求項9】
請求項7に記載の改質ベントナイトを水系媒体に分散して低粘度の改質ベントナイトスラリーを得る工程と、該改質ベントナイトスラリーを加熱して高粘度化する工程とを含む、高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法。
【請求項10】
前記加熱の温度が80℃以上である、請求項9に記載の高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ベントナイトの改質方法、改質ベントナイト、改質ベントナイトスラリー、及び高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
ベントナイトはモンモリロナイトを主成分とする粘土であり、非常に高い膨潤性(無限膨潤性)を有し、優れた増粘作用を示す。ベントナイトは天然物であり、鉱山から採掘され、これを乾燥粉砕して粉末状の製品とされる。ベントナイトは水中で膨潤し増粘するため、その特性を利用して掘削工事の潤滑剤や、孔壁安定性のための掘削安定液としても利用されている。
【0003】
ベントナイトを水に分散してなるスラリーは、その用途に応じて、適切な粘度となるように調整される。一般的なベントナイトスラリーの増粘方法としては、スラリー中のベントナイト濃度を上げることや、カルボキシメチルセルロースなどの増粘剤を添加することが知られている。
また、例えば特許文献1には、炭化水素溶剤系に対して高極性有機化合物の併用を必要とせず、易分散性でかつ高い増粘性を有する親有機性の変性ベントナイトが記載されている。特許文献1には、この変性ベントナイトが、ベントナイトに対し特定構造のアルキルトリアルコキシランの1種または2種以上を、生成物が水中分散性を消失しない範囲の量で添加し、無水雰囲気下で攪拌、粉砕して、ベントナイトの表面に部分的にアルキルシリコ基を付加させて得られること、この変性ベントナイトが水に分散して水系流体のレオロジーを調整する機能を有することなどが記載されている。
また特許文献2には、ベントナイトをアミノ化アルキルトリエトキシシラン溶液で処理し、改質したことを特徴とする改質ベントナイトが記載され、この改質ベントナイトが水系分散液に対して優れた増粘性を有することが記載されている。
また特許文献3には、特定のカルシウム化合物及び/又はマグネシウム化合物を添加し、強力な機械的せん断力を作用させてベントナイト中のモンモリロナイトに乱れた基本面周期を付与した改質ベントナイトが記載され、当該せん断力を作用させることにより、この改質ベントナイトのスラリーを4%食塩水に分散させたときの粘度が改善することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平5-254823号公報
特開平8-198617号公報
特開昭56-140062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ベントナイトスラリーをトンネル掘削シールドマシンの裏込め用途として用いる場合、ベントナイトスラリーは通常、地上で調製され、圧送によりシールドマシン先端に送られる。粘性が高いと圧送が困難となるため、圧送時のベントナイトスラリーは低粘度であることが望ましい。一方で、裏込めの際にはベントナイトスラリーには高粘度が求められるため、シールドマシン先端では、ベントナイトスラリーをより高粘度化することが求められる。上述のように、ベントナイトスラリーに増粘剤等を添加することにより増粘させることができるが、採掘現場での煩雑な作業を軽減させる観点から、増粘剤等を添加することなく、簡単に増粘(高粘度化)できる方法の開発が求められていた。
【0006】
本発明は、ベントナイトを、スラリー化したとき(水分散液にしたとき)の粘度が十分に低く、かつ、当該スラリーを、増粘剤等を用いることなく、簡単に、格段に高い粘度へと増粘させることができる特性へと改質することができる、ベントナイトの改質方法、この改質方法により得られる改質ベントナイト、この改質ベントナイトを用いた改質ベントナイトスラリー、ならびに、高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、クリストバライトを主要な夾雑鉱物として含み、水への膨潤力が特定値以上のベントナイト粉末の加水混練物に所定の強いせん断力を与えた後、乾燥粉砕することにより、この乾燥粉砕物をスラリー化した場合に、得られるスラリーが十分に低粘度となること、また、当該スラリーを加熱すると、当該スラリーの粘度が著しく高められることを見出した。すなわち、スラリーの調製時には低粘度で、圧送などをスムーズに行える性状でありながら、使用時には加熱するだけで、十分に増粘させて裏込めなどに適した性状へと、物性を変化させられることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づき、更に検討を重ねて完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
〔1〕
クリストバライトを主要夾雑鉱物として含み、水への膨潤力が18ml/2g以上であるベントナイト粉末の加水混練物を、せん断処理に付し、次いで乾燥粉砕することを含む、ベントナイトの改質方法。
〔2〕
前記ベントナイト粉末に含まれる夾雑鉱物中、クリストバライトの含有割合が60質量%以上である、前記〔1〕に記載のベントナイトの改質方法。
〔3〕
前記せん断処理を、三本ロールミルによって行う、前記〔1〕又は〔2〕に記載のベントナイトの改質方法。
〔4〕
前記ベントナイトの改質方法により得られる改質ベントナイト粉末が下記(a)を満たす、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のベントナイトの改質方法。
(a)スラリー中のベントナイト濃度を揃えて比較した場合に、前記ベントナイト粉末を水に分散してなるスラリーよりも、前記改質ベントナイト粉末を水に分散してなるスラリーが低粘度である。
〔5〕
前記ベントナイトの改質方法により得られる改質ベントナイト粉末が下記(b)を満たす、前記〔4〕に記載のベントナイトの改質方法。
(b)スラリー中のベントナイト濃度を揃えて比較した場合に、改質ベントナイト粉末を水に分散させて加熱処理に付していないスラリーよりも、前記改質ベントナイト粉末を水に分散させて80℃で24時間の加熱処理に付したスラリーが高粘度である。
〔6〕
前記ベントナイトの改質方法により得られる改質ベントナイト粉末が下記(c)を満たす、前記〔5〕に記載のベントナイトの改質方法。
(c)スラリー中のベントナイト濃度を揃えて比較した場合に、前記ベントナイト粉末を水に分散させて80℃で24時間の加熱処理に付したスラリーよりも、前記改質ベントナイト粉末を水に分散させて80℃で24時間の加熱処理に付したスラリーが高粘度である。
〔7〕
前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のベントナイトの改質方法により得られる改質ベントナイト。
〔8〕
前記〔7〕に記載の改質ベントナイトを水系媒体に分散してなる、改質ベントナイトスラリー。
〔9〕
前記〔7〕に記載の改質ベントナイトを水系媒体に分散して低粘度の改質ベントナイトスラリーを得る工程と、該改質ベントナイトスラリーを加熱して高粘度化する工程とを含む、高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法。
〔10〕
前記加熱の温度が80℃以上である、前記〔9〕に記載の高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のベントナイトの改質方法によれば、ベントナイトを、スラリー化したときの粘度が十分に低く、かつ、当該スラリーを、増粘剤等を用いることなく、簡単に、格段に高い粘度へと増粘させることができる特性へと改質することができる。
本発明の改質ベントナイトは、スラリー化したときの粘度が十分に低く、かつ、当該スラリーを、増粘剤等を用いることなく簡単に、格段に高い粘度へと増粘させることができる。
本発明の改質ベントナイトスラリーは、一実施形態において、粘度が十分に低く、かつ、増粘剤等を用いることなく、簡単に、格段に高い粘度へと増粘させることができる。また、別の実施形態において、本発明の改質ベントナイトスラリーは、通常のベントナイトスラリーに比べて格段に高い粘度を示す。
本発明の高粘度改質ベントナイトスラリーの製造方法によれば、低粘度のベントナイトスラリーから、増粘剤等を用いることなく、簡単に、格段に高い粘度のベントナイトスラリーを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明するが、本発明は、本発明で規定すること以外はこれらの形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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