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公開番号2024055139
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022161820
出願日2022-10-06
発明の名称再生補強繊維の製造方法
出願人株式会社ミライ化成
代理人個人,個人
主分類C08J 11/16 20060101AFI20240411BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
比較的温和な条件にて繊維強化樹脂材料から効率的に補強繊維を回収することのできる、再生補強繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】
樹脂と補強繊維とを含む繊維強化樹脂材料を処理液により処理し、前記繊維強化樹脂材料の前記樹脂の少なくとも一部を前記処理液に溶解させる第1の工程と、前記繊維強化樹脂材料を150℃以上の気体雰囲気下で加熱する第2の工程と、を有する、再生補強繊維の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂と補強繊維とを含む繊維強化樹脂材料を処理液により処理し、前記繊維強化樹脂材料の前記樹脂の少なくとも一部を前記処理液に溶解させる第1の工程と、
前記繊維強化樹脂材料を150℃以上の気体雰囲気下で加熱する第2の工程と、を有する、再生補強繊維の製造方法。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記第1の工程は、前記繊維強化樹脂材料を酸化剤を含む酸化処理液により処理し、前記繊維強化樹脂材料の前記樹脂の少なくとも一部を前記酸化処理液に溶解させる処理を含む、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項3】
前記第1の工程は、前記繊維強化樹脂材料を酸を含む酸性溶液により処理する第1の処理と、前記繊維強化樹脂材料を酸化剤を含む酸化処理液により処理し、前記繊維強化樹脂材料の前記樹脂の少なくとも一部を前記酸化処理液に溶解させる第2の処理とを含む、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項4】
前記酸化剤は、酸化力を有する酸を含む、請求項2または3に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項5】
前記酸化力を有する酸は、硝酸、硫酸と硝酸との混酸、硝酸と塩酸との混酸(王水)および過酸化水素と硫酸との混合溶液からなる群から選択される1種以上を含む、請求項4に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項6】
前記酸化処理液は、さらに重合抑制剤を含む、請求項2または3に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項7】
前記重合抑制剤は、亜硝酸塩および亜硝酸エステルからなる群から選択される1種以上を含む、請求項6に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項8】
前記酸は、硫酸、塩酸、リン酸および酢酸からなる群から選択される1種以上を含む、請求項3に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項9】
前記酸性溶液中における前記酸の濃度が、0.5mol/L以上である、請求項3に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項10】
前記第2の工程において、前記繊維強化樹脂材料を150℃以上350℃以下の気体雰囲気下で加熱する、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、再生補強繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス繊維等の繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;FRP)は、軽量、高強度、かつ高弾性の材料であり、小型船舶、自動車、鉄道車両等の部材に幅広く使用されている。また、更なる軽量化、高強度化、及び高弾性化を目的として、炭素繊維を強化材として用いた炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;CFRP)が開発されており、航空機、自動車等の部材に使用されている。
【0003】
近年、使用済みの繊維強化プラスチックの廃棄量が増大傾向にあり、その再生利用技術の開発が検討されている。繊維強化プラスチックの補強繊維を回収する方法としては、主に、熱処理により樹脂成分を熱分解して除去し補強繊維を回収する熱分解法と、溶媒を用いて樹脂成分を溶解させて除去し補強繊維を回収する溶媒法とが挙げられる。このうち、溶媒法は、樹脂成分の回収が容易であり、資源リサイクルの観点から有利である。
【0004】
熱分解法としては、例えば、特許文献1には、積層された複数のチップ状またはシート状の炭素繊維基材およびマトリックス樹脂を含む、炭素繊維強化樹脂から前記炭素繊維基材を再生炭素繊維束として得る方法であり、前記炭素繊維強化樹脂を300~700℃で加熱することによって前記マトリックス樹脂を熱分解して加熱処理物を得て、前記積層された複数のチップ状またはシート状の炭素繊維基材が互いに剥離する方向に、前記加熱処理物を解砕することによって前記複数のチップ状またはシート状の炭素繊維基材を、チップ状またはシート状の形態のまま分離し、チップ状またはシート状の再生炭素繊維束を得る、再生炭素繊維束の製造方法が開示されている。
【0005】
溶媒法としては、例えば、特許文献2、3において提案される方法が挙げられる。特許文献2には、炭素繊維複合材料を、酸性水溶液に浸漬して、炭素繊維複合材料の樹脂分の少なくとも一部を溶出して略繊維状物を得る工程、及び略繊維状物をアルカリ性水溶液に浸漬して、略繊維状物の樹脂分の少なくとも一部を溶出して繊維状物を得る工程を含む、炭素繊維の製造方法が提案されている。また、特許文献3には、リン酸を含有する溶解液を用いて、炭素繊維強化プラスチック材の母材を溶解する工程を備え、前記溶解液のリン酸濃度は、110質量%以上であり、前記溶解する工程は、前記溶解液の温度が200℃以上300℃以下で行われる炭素繊維回収方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第開2018/212016号
特開2019-136932号公報
特開2020-50704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の熱分解法においては、比較的高い温度まで補強繊維樹脂材料の加熱を行うことから、回収すべき補強繊維自体も損傷する可能性がある。
【0008】
また、従来の溶媒法においては、樹脂成分を除去する効率が十分に高くなく、例えば特許文献1、2に記載される方法においては、溶媒を含む処理液の浸透を考慮して繊維強化樹脂材料を数センチ程度のチップ状に細かく裁断した上で樹脂成分を除去している。このように繊維強化樹脂材料を細かく裁断してしまうと、繊維強化樹脂材料から回収される再生補強繊維の長さが必然的に短くなり、回収前の繊維強化樹脂材料中に含まれる補強繊維の性能を維持することが困難となるとともに、回収される補強繊維の用途が、限定されてしまう。一方で、溶媒法により樹脂成分を効率除去するためには、高温等の過酷な条件で長時間処理することが要求される。
【0009】
したがって、本発明の目的は、比較的温和な条件にて繊維強化樹脂材料から効率的に補強繊維を回収することのできる、再生補強繊維の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、繊維強化樹脂材料から補強繊維の回収を検討する中で、溶媒法と熱分解法とを組み合わせることにより、比較的温和な条件で繊維強化樹脂材料から樹脂を効率よく除去できることを見出した。そして、以上の知見に基づき、本発明者らはさらに検討を行い、本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)

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