TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024054483
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160719
出願日2022-10-05
発明の名称水性白色インク
出願人株式会社日本触媒
代理人
主分類C09D 11/322 20140101AFI20240410BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】本発明は、沈降安定性に優れ、印刷後の塗膜強度が良好である水性白色インクを提供することを目的とする。
【解決手段】白色顔料(A)、水不溶性重合体(B)及び水溶性重合体(C)を含む水性白色インクであって、白色顔料(A)と水不溶性重合体(B)の質量比(白色顔料(A)の質量/水不溶性重合体(B)の質量)が1.0未満であり、水溶性重合体(C)と白色顔料(A)の質量比(水溶性重合体(C)の質量/白色顔料(A)の質量)が0.015超1.0未満であり、水溶性重合体(C)の酸価が150mgKOH/g以下である水性白色インクである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
白色顔料(A)、水不溶性重合体(B)及び水溶性重合体(C)を含む水性白色インクであって、
白色顔料(A)と水不溶性重合体(B)の質量比(白色顔料(A)の質量/水不溶性重合体(B)の質量)が1.0未満であり、
水溶性重合体(C)と白色顔料(A)の質量比(水溶性重合体(C)の質量/白色顔料(A)の質量)が0.015超0.1未満であり、
水溶性重合体(C)の酸価が150mgKOH/g以下である水性白色インク。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記水溶性重合体(C)が分散剤である請求項1に記載の水性白色インク。
【請求項3】
前記白色顔料(A)がルチル型酸化チタンである請求項1に記載の水性白色インク。
【請求項4】
水性白色インク100質量部あたりの白色顔料(A)の含有量が2質量部以上25質量部以下である請求項1に記載の水性白色インク。
【請求項5】
水不溶性重合体(B)が環状脂肪族基含有単量体由来の構造単位を有する請求項1に記載の水性白色インク。
【請求項6】
更に架橋剤を含む請求項1に記載の水性白色インク。
【請求項7】
更にワックス成分を含む請求項1に記載の水性白色インク。
【請求項8】
請求項1に記載の水性白色インクを用いて得られる印刷物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水性白色インクに関する。本発明の水性白色インクは、特にインクジェット用インクとして好適に使用することができる。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
インクは、溶媒の主成分として有機溶媒が用いられている有機溶媒系インクと溶媒の主成分として水が用いられている水性インクとの2種類のインクに大別される。
有機溶媒系インクは、人体に対する安全性に劣るとともに有機溶媒に基づく臭気が発生するため、近年、水性溶媒を用いた水性インクが着目されている。
さらに近年、多品種小ロットの印刷に対応するために製版不要なデジタル印刷方式である、インクジェット記録装置が使用されるようになってきている。
水性インクジェット用白色インクに用いる着色剤には無機顔料であるルチル型酸化チタンが多く用いられ、ルチル型酸化チタンを高濃度で含有する酸化チタン分散体(酸化チタンペースト、酸化チタンスラリーともいう)を調製し、当該酸化チタン分散体に水溶性有機溶剤、樹脂分散液、添加剤、水などを混合して白色インクを製造する方法が採用されている。
例えば特許文献1にはルチル型酸化チタンとポリマー分散剤を含有する水性インクにおいて、アニオン性基含有モノマー由来の構成成分を72質量%以上含む高酸価分散剤を使用することで再分散時の起泡が起こりにくい抑泡性に優れた水性白色インクを得ることができると示されている。
また、特許文献2には少なくとも水、酸化チタン、顔料分散剤、有機溶剤を含有する水性インクジェットインキにおいて、前記酸化チタンが有機化合物により顔料表面が処理されたものであり、さらに前記酸化チタンの顔料表面の塩基量が28μmol/g以上であり、さらに前記顔料分散剤が、酸価が5mgKOH/g以上150mgKOH/g以下である酸性分散剤であり、さらに前記有機溶剤として沸点が200℃以上265℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤を少なくとも1種以上含有することを特徴とする、水性インクジェットインキが、吸収性の低い基材上での印刷適性や吐出安定性に優れ、保存安定性、沈降性、隠蔽性などのインキ物性に優れることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許6881836号
特開2015-124348号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の水性白色インク及びその原料である酸化チタン分散体は、起泡性の少ない分散剤に関する発明であるが、高酸価の分散剤を用いた際には、印刷後の塗膜強度に課題があることがわかった。
また、特許文献2記載の水性白色インクの白色顔料の沈降安定性と塗膜強度をより向上させることが求められていた。
本発明の目的は、沈降安定性に優れ、印刷後の塗膜強度が良好である水性白色インクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、上記のような問題点に鑑み検討を行い、白色顔料(A)、水不溶性重合体(B)及び水溶性重合体(C)を含む水性白色インクであって、白色顔料(A)と水不溶性重合体(B)の質量比(白色顔料(A)の質量/水不溶性重合体(B)の質量)が1.0未満であり、水溶性重合体(C)と白色顔料(A)の質量比(水溶性重合体(C)の質量/白色顔料(A)の質量)が0.015超1.0未満であり、水溶性重合体(C)の酸価が150mgKOH/g以下である水性白色インクが、沈降安定性に優れ、印刷後の塗膜強度が良好であることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、沈降安定性に優れ、印刷後の塗膜強度が良好である水性白色インクが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の水性白色インクは、白色顔料(A)、水不溶性重合体(B)及び水溶性重合体(C)を含む。
【0008】
<白色顔料(A)>
本開示の白色顔料(A)としては、特に限定はなく公知の無機白色顔料を使用できる。例えば、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。また、前記無機白色顔料が各種表面処理方法で表面処理されていてもよい。中でも、表面処理された酸化チタンが、水性媒体中において比較的良好な分散性を示すことから好ましい。例えば光触媒性による影響を避けるために、無機物で表面処理された酸化チタンが好ましく、シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンが好ましい。更に、該シリカとアルミナで表面処理後、更にシランカップリング剤によって表面処理した酸化チタンを使用することもできなお好ましい。シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンにおいて、酸化チタンとしては、公知のルチル型・アナターゼ型の二酸化チタンが使用でき、より好ましくはルチル型二酸化チタンである。
ルチル型二酸化チタンとしては、例えば、タイペークR-820、タイペークR-830、タイペークR-930、タイペークR-550、タイペークR-630、タイペークR-680、タイペークR-670、タイペークR-680、タイペークR-670、タイペークR-780、タイペークR-850、タイペークCR-50、タイペークCR-57、タイペークCR-Super70、タイペークCR-80、タイペークCR-90、タイペークCR-93、タイペークCR-95、タイペークCR-97、タイペークCR-60、タイペークCR-63、タイペークCR-67、タイペークCR-58、タイペークCR-85、タイペークUT771(石原産業株式会社製)、タイピュアR-100、タイピュアR-101、タイピュアR-102、タイピュアR-103、タイピュアR-104、タイピュアR-105、タイピュアR-108、タイピュアR-900、タイピュアR-902、タイピュアR-960、タイピュアR-706、タイピュアR-931(デュポン株式会社製)、R-25、R-21、R-32、R-7E、R-5N、R-61N、R-62N、R-42、R-45M、R-44、R-49S、GTR-100、GTR-300、D-918、TCR-29、TCR-52、FTR-700(堺化学工業株式会社製)、JR-403、JR-605、JR-806、JR-701、JR-805、JR-701、JR-800、JR-405、MT600B、MT150W(テイカ社製)等が挙げられる。
【0009】
本開示の白色顔料(A)100質量部におけるルチル型酸化チタンの含有量は80質量部以上が好ましく、90質量部以上がより好ましく、95質量部以上がさらに好ましく、100質量部が特に好ましい。
本開示の白色顔料(A)の平均粒径としては、100nm以上が好ましく、150nm以上がより好ましく、200nm以上がさらに好ましく、500nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、300nm以下がさらに好ましい。平均粒径が100nm以下であると水性媒体中の非沈降性や分散安定性はより実現し易くなるものの、白色度や隠蔽性が劣ってしまい本来の白色インキとしての実用性が低下するおそれがあり、一方平均粒径が500nm以上になると白色度や隠蔽性の点では問題ないが、吐出安定性が不十分となる傾向にある。なお原料としての酸化チタンの平均粒子径は、電子顕微鏡写真により20個の粒径測定を行って平均をとったものとする。
【0010】
<水不溶性重合体(B)>
本開示の水不溶性重合体(B)は、水性白色インクにおいてバインダー樹脂として使用することを目的に添加してもよい。
本開示の水不溶性重合体(B)としては、塗膜の耐擦過性や基材への密着性を向上させる観点から、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。中でもプラスチックなどの難吸収性基材への密着性向上の観点からアクリル樹脂が好ましく、特に二軸延伸ポリプロピレン(OPP)などの難密着性オレフィン系基材へプライマー印刷等無しでも良好な密着性を得る観点から、環状脂肪族基含有単量体由来の構造単位を有する重合体を含む水不溶性重合体であることがより好ましい。
本開示の環状脂肪族基含有単量体由来の構造単位は、環状脂肪族基含有単量体の少なくとも1つの炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造と同じ構造であればよく、環状脂肪族基含有単量体が重合することにより形成された構造単位に限定されず、例えば重合後の後反応により形成された構造単位であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
塗料組成物
2か月前
ベック株式会社
被覆材
1か月前
東レ株式会社
粘着テープ
3か月前
日本化薬株式会社
着色液
1か月前
ベック株式会社
水性被覆材
3か月前
日榮新化株式会社
粘着シート
1日前
ぺんてる株式会社
焼成鉛筆芯
22日前
株式会社日本触媒
水性白色インク
16日前
関西ペイント株式会社
塗料組成物
1日前
株式会社日本触媒
酸化チタン分散体
16日前
シャープ株式会社
蓄冷材
1か月前
株式会社ナノジャパン
塗料及び塗布方法
16日前
株式会社ナノジャパン
塗料及び塗布方法
16日前
田岡化学工業株式会社
段ボール用接着剤
1か月前
株式会社ナノジャパン
塗料及び塗布方法
16日前
ベック株式会社
硬化剤、及び水性被覆材
1か月前
アイカ工業株式会社
光硬化性樹脂組成物
1日前
大日本塗料株式会社
水性塗料組成物
1か月前
日東電工株式会社
粘着シート
25日前
東ソー株式会社
岩盤固結用注入薬液組成物
2か月前
ニチバン株式会社
粘着テープ
25日前
アイカ工業株式会社
光硬化性粘着剤組成物
2か月前
大王製紙株式会社
粘着シート
8日前
デンカ株式会社
蛍光体
1か月前
リンテック株式会社
粘着シート
22日前
辻製油株式会社
加熱変色抑制用組成物
2か月前
ユニマテック株式会社
コーティング剤
2か月前
株式会社エフコンサルタント
コーティング方法
3か月前
ダイキン工業株式会社
撥水撥油剤
9日前
東邦化学工業株式会社
農業用フィルム用防曇剤
1か月前
ダイキン工業株式会社
撥水撥油剤
9日前
デンカ株式会社
地盤改質材
1か月前
株式会社日本触媒
鉱石または石炭用水系分散体
1か月前
日榮新化株式会社
粘着シート及びその使用方法
1か月前
ダイキン工業株式会社
表面処理剤
2か月前
日東電工株式会社
粘着シート
1か月前
続きを見る