TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024051855
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158224
出願日2022-09-30
発明の名称焼成鉛筆芯
出願人ぺんてる株式会社
代理人
主分類C09D 13/00 20060101AFI20240404BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】曲げ強さの向上と筆記線の濃度の維持を両立可能であるとともに、滑らかな書き味を有する焼成鉛筆芯、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】焼成鉛筆芯は、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を含む混合物を焼成して得られる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を含む混合物を焼成して得られる焼成鉛筆芯。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
前記有機変性シリコーンがポリグリセリン変性シリコーンであることを特徴とする請求項1に記載の焼成鉛筆芯。
【請求項3】
前記珪素酸化物ナノ粒子が疎水性シリカナノ粒子であることを特徴とする請求項1および2に記載の焼成鉛筆芯。
【請求項4】
少なくとも、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を混合して混合物を得るステップと、
前記混合物を成形して成形体を得るステップと、
前記成形体を焼成して焼成鉛筆芯を得るステップと、
を備える焼成鉛筆芯の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、体質材と、有機結合材とを少なくとも含有する焼成鉛筆芯に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、焼成鉛筆芯としては、黒鉛や窒化ホウ素などの体質材、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリビニルアルコール、アクリルアミド樹脂、塩素化パラフィン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、ブチルゴムなどの有機結合材、ベントナイト、カオリンクレーなどの粘土質結合材、フタル酸エステルなどの可塑剤、メチルエチルケトン、水などの溶剤、ステアリン酸塩などの安定剤、ステアリン酸などの滑剤、カーボンブラックなどの充填剤などの材料を混合、分散、混練して、細線状に押出成形したものを焼成温度まで熱処理を施して得られた熱処理後の芯体に、シリコーンオイル、流動パラフィン、スピンドル油、スクワラン、α―オレフィンオリゴマーなどの油状物やワックス類を含浸させた焼成鉛筆芯が知られている。
【0003】
一般に、焼成鉛筆芯の曲げ強さと筆記線の濃度には逆相関関係があり、曲げ強さを向上させようとすると焼成鉛筆芯が摩耗し難くなり、その結果として筆記線の濃度が低下してしまう。逆に、筆記線の濃度を向上させようと摩耗し易い焼成鉛筆芯とすると、曲げ強さが低下してしまう関係がある。そこで、この逆相関関係を改善するための様々な発明が開示されている。焼成鉛筆芯の特性を向上する材料の一例として、下記の特許文献に示されるように体質材と有機結合材に珪素化合物を加えて焼成温度で熱処理することで、筆記線の濃度を維持した上での曲げ強さの向上や外観不良の抑制といった効果を示す焼成鉛筆芯やその製造方法が開示されている。また焼成鉛筆芯の性能として滑らかな書き味を得るために、熱処理後の芯体の気孔内に潤滑成分を含浸する技術が開示されている。
【0004】
特許文献1には、焼成鉛筆芯の配合材料として珪素の酸化物及び/または珪素の有機化合物を用いて特定の温度と雰囲気下で焼成処理することで、曲げ強さが高い焼成鉛筆芯の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、焼成鉛筆芯の配合材料として疎水性無定形シリカを用いることで、外観不良を生じることなく、曲げ強さと筆記線の濃度のバランスに優れた焼成鉛筆芯の製造方法が開示されている。
特許文献3には、焼成鉛筆芯の配合材料としてシルセスキオキサンを用いることで、焼成鉛筆芯に外観不良を生じることなく、特許文献2よりも曲げ強さが高く濃い筆跡を示す焼成鉛筆芯の製造方法が開示されている。
特許文献4には、焼成鉛筆芯の配合材料としてではなく熱処理後の芯体に含浸する油状物中に分散させたカーボンナノ粒子や珪素の酸化物セラミックナノ粒子が、筆記時にベアリングの効果を果たすことで、滑らかな書き味を示す焼成鉛筆芯の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭63-35672号公報
特開2004-175900号公報
特開2011-68796号公報
国際公開WO2010/123070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、焼成鉛筆芯は曲げ強さを向上すると引っ掛かりのある書き味になってしまうものである。これは、樹脂炭化物により体質材と体質材とを接着することが曲げ強さを向上させる要因の一つであり、この樹脂炭化物は、有機結合材を焼成温度で熱処理することにより形成されるが、熱処理時に膨張と収縮の過程を経るため、有機物の分解・揮発による膨張や縮合が不規則に起こり、芯体全体が複雑に体積収縮する。その結果、樹脂炭化物の表面は凹凸形状となり、凹凸形状の樹脂炭化物と体質材の接着が緻密で凝集している部分と、空隙の大きい不均一な部分が発生してしまう。そのため、この樹脂炭化物の凹凸や凝集部が筆記時に引っ掛かりを生じ、滑らかな書き味を損なう要因となっていた。珪素化合物を添加することにより、曲げ強さと筆記線の濃度を両立させる発明は開示されてきたが、従来知られていた珪素化合物の効果は、珪素化合物自体を、曲げ強さの補強剤としての効果を得るためのものであり、樹脂炭化物に作用するものではないため、曲げ強さと筆記線の濃度が向上すると書き味が低下してしまう課題は解決されていなかった。
【0007】
特許文献1に示されている珪素酸化物は、有機結合材との親和性が無く、樹脂炭化物とは独立して体質材と体質材とを結び付ける役割を果たしているものであるが、焼成温度で熱処理すると芯体の強度は向上するものの、分散が均一になり難く、体質材との接着部分が粗密であるため曲げ強さ向上も不十分であり、また、引っ掛かりのある書き味であった。
特許文献2、特許文献3は有機結合材に対して分散均一性を向上することができる表面処理や分子構造を持つ珪素化合物を使用することにより、筆記線の濃度を維持し、曲げ強さを向上させることが開示されているが、曲げ強さが向上するにつれ筆記感は悪化し、引っ掛かりのない滑らかな書き味を得ることはできなかった。
特許文献4に示された、ナノ粒子を分散させた油状物を含浸させる方法では、熱処理後の芯体に存在する含浸に有効な気孔がナノ粒子によって気孔の開口部が塞がり、含浸に有効な気孔の数が減少してしまう。そのため、含浸した油状物が焼成鉛筆芯に保持される量が減少し、潤滑剤としての効果を充分に発揮できず、滑らかな書き味を損なっていた。
【0008】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、曲げ強さの向上と筆記線の濃度の維持を両立可能であるとともに、滑らかな書き味を有する焼成鉛筆芯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の少なくとも一実施形態にかかる焼成鉛筆芯は、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を含む混合物を焼成して得られる。いくつかの実施形態では、前記有機変性シリコーンがポリグリセリン変性シリコーンである。いくつかの実施形態では、前記珪素酸化物ナノ粒子が、疎水性シリカナノ粒子である。
【0010】
本発明の少なくとも一実施形態に係る焼成鉛筆芯の製造方法は、
少なくとも、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を混合して混合物を得るステップと、
前記混合物を成形して成形体を得るステップと、
前記成形体を焼成して焼成鉛筆芯を得るステップと、
を備える。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
塗料組成物
2か月前
ベック株式会社
被覆材
1か月前
日本化薬株式会社
着色液
1か月前
ぺんてる株式会社
焼成鉛筆芯
22日前
日榮新化株式会社
粘着シート
1日前
株式会社日本触媒
水性白色インク
16日前
関西ペイント株式会社
塗料組成物
1日前
株式会社日本触媒
酸化チタン分散体
16日前
シャープ株式会社
蓄冷材
1か月前
ベック株式会社
硬化剤、及び水性被覆材
1か月前
株式会社ナノジャパン
塗料及び塗布方法
16日前
株式会社ナノジャパン
塗料及び塗布方法
16日前
株式会社ナノジャパン
塗料及び塗布方法
16日前
田岡化学工業株式会社
段ボール用接着剤
1か月前
アイカ工業株式会社
光硬化性樹脂組成物
1日前
デンカ株式会社
蛍光体
1か月前
アイカ工業株式会社
光硬化性粘着剤組成物
2か月前
大日本塗料株式会社
水性塗料組成物
1か月前
東ソー株式会社
岩盤固結用注入薬液組成物
2か月前
ニチバン株式会社
粘着テープ
25日前
日東電工株式会社
粘着シート
25日前
大王製紙株式会社
粘着シート
8日前
リンテック株式会社
粘着シート
22日前
ユニマテック株式会社
コーティング剤
2か月前
ダイキン工業株式会社
表面処理剤
2か月前
株式会社日本触媒
鉱石または石炭用水系分散体
1か月前
デンカ株式会社
地盤改質材
1か月前
東邦化学工業株式会社
農業用フィルム用防曇剤
1か月前
ダイキン工業株式会社
撥水撥油剤
9日前
ダイキン工業株式会社
撥水撥油剤
9日前
日榮新化株式会社
粘着シート及びその使用方法
1か月前
日東電工株式会社
粘着シート
24日前
株式会社日本触媒
発光材料および、その製造方法
1か月前
株式会社日本触媒
無機粒子分散組成物の製造方法
8日前
artience株式会社
抗菌性を有する積層体
1か月前
ぺんてる株式会社
ボールペン用水性インキ組成物
1か月前
続きを見る