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公開番号2024043888
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149118
出願日2022-09-20
発明の名称鉱石または石炭用水系分散体
出願人株式会社日本触媒
代理人
主分類C09K 23/52 20220101AFI20240326BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】本発明は、含水量の多い鉱石または石炭の運搬工程における搬送性に優れ、かつ燃焼時のCO2排出量低減に寄与し、幅広いpHの鉱石に対しても凝集力を発揮可能な鉱石または石炭用水系分散体を提供することを目的とする。
【解決手段】
アニオン性基含有単量体由来の構造単位を有する水溶性重合体と水を含む 鉱石または石炭用水系分散体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アニオン性基含有単量体由来の構造単位を有する水溶性重合体と水を含む、鉱石または石炭用水系分散体。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
更に無機塩を含む請求項1に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
【請求項3】
前記アニオン性基含有単量体由来の構造単位が、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位を含む請求項1に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
【請求項4】
前記アニオン性基含有単量体由来の構造単位が、更に下記一般式(1)の構造単位を含む請求項3に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
TIFF
2024043888000007.tif
31
63
(式中R1はH、メチル基又はカルボキシメチル基、AはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、R2はH又はCOOY2、Y1或いはY2はH又は陽イオンをそれぞれ表わす。)
【請求項5】
前記水溶性重合体がアクリルアミド系単量体由来の構造単位を含む請求項1に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
【請求項6】
前記水溶性重合体100質量部あたりのアクリルアミド系単量体由来の構造単位の含有量が20質量部以上90質量部以下である請求項1に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
【請求項7】
前記水溶性重合体100質量部あたりのアニオン性基含有単量体由来の構造単位の含有量が5質量部以上50質量部以下である請求項1に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
【請求項8】
更に分散剤を含む請求項1に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
【請求項9】
前記分散剤がポリアルキレンイミン、ポリアルキレングリコール由来の構造単位のいずれかを含む請求項1に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
【請求項10】
前記水系分散体100質量部あたりの前記分散剤の含有量が1質量部以上10質量部以下である請求項1に記載の鉱石または石炭用水系分散体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱石または石炭用水系分散体に関する。ならびに当該鉱石または石炭用水系分散体と鉱石または石炭を含む組成物に関する。本発明の鉱石または石炭用水系分散体は、例えば、鉄鉱石などの製鉄原料を採掘場から製鉄炉へ運搬する際の製鉄原料用高分子凝集剤として好適に使用することができる。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、鉄鋼の製造は、鉄鉱石から銑鉄を生産する高炉、転炉によるもの、鉄くずなどのスクラップを利用する電気炉による方法があるが、このうち、高炉、転炉による生産量が全体の多くを占めている。近年では、経済的な急成長などに伴って、世界における鉄鋼の生産量が増加し、鉄鉱石の採掘または収集は世界各国で進められてきた。
各国で採掘された製鉄原料は、貨物船等を用いて各地の港へ運ばれ、港から各製鉄所へ搬送された後に、各種処理をされて銑鉄へと変化する。製鉄原料は、バラ積み貨物船で製鉄所に輸送される際、船倉の床に溜まった水により、集積物の下部の製鉄原料がスラリー状態となったり、原料ヤードに野積みされた状態で保管される際も、雨や粉塵防止のための散水等の水により、スラリー状態となる場合がある。このようなスラリー状態となった製鉄原料等の鉱物原料スラリーは、水分が多い泥状の流動物であるため、船倉や原料ヤードからの搬出が困難であるなどの課題があり種々改善方法が検討されてきた。例えば特許文献1には、石炭及び/又は鉄鉱石スラリーに、水溶性高分子化合物を添加し、混合することを特徴とする、石炭及び/又は鉄鉱石スラリーの改質方法が記載され、具体的にはアニオン性W/O型(油中水滴型)エマルジョンポリマーを添加することにより、スラリーの流動性を低下させることができ、得られた改質物は安定的に取り扱えることが記載されている。
また特許文献2には、湿潤な鉱物原料に高吸水性樹脂を接触させた原料混合物を移送設備にて移送し、前記鉱物原料の前記移送設備での付着及び詰まりを防止する、鉱物原料の付着及び詰まり防止方法が記載され、湿潤な鉱物原料が移送設備の接触面に付着することが抑制され、該移送設備での付着及び詰まりを簡便に防止することができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-214292
特開2018-058017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1記載のW/O型のエマルジョンポリマーは、高炉で燃焼する際にCO2を多く排出するため、環境保護の観点から課題を有している。また、特許文献2記載の高吸水性樹脂は粉体であることから添加方法に工夫が必要であった。
また、製鉄原料は鉄鉱石の成分によって含水時のpHに幅があり、幅広いpHの製鉄原料に使用可能な高分子凝集剤の必要性が判明した。
本発明の目的は、含水量の多い鉱石または石炭の運搬工程における搬送性に優れ、かつ燃焼時のCO2排出量低減に寄与し、幅広いpHの鉄鉱石などの鉱石に対しても凝集力を発揮可能な鉱石または石炭用高分子凝集剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、上記のような問題点に鑑み検討を行い、アニオン性基含有単量体由来の構造単位を有する水溶性重合体と水を含む鉱石または石炭用水系分散体が、含水量の多い鉱石または石炭の運搬工程における搬送性に優れ、かつ燃焼時のCO2排出量低減に寄与し、幅広いpHの鉱石に対しても凝集力を発揮可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、含水量の多い鉱石または石炭の運搬工程における搬送性に優れ、かつ燃焼時のCO2排出量低減に寄与し、幅広いpHの鉱石に対しても凝集力を発揮可能な鉱石または石炭用水系分散体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の鉱石または石炭用高分子凝集剤は、アニオン性基含有単量体由来の構造単位を有する水溶性重合体と水を含む高分子凝集剤用水系分散体である。
【0008】
<水溶性重合体>
本開示の水溶性重合体は、アニオン性基含有単量体由来の構造単位を有する。
本明細書における単量体由来の構造単位とは、不飽和二重結合部分を有する単量体由来の構造単位を意図し、単量体が有する不飽和二重結合部分(C=C)が、単結合(-C-C-)となった構造を意味する。当該構造は、各不飽和二重結合部分を有する単量体を重合してなる重合体だけでなく、他の単量体を重合してなる重合体の後変性によって、当該単量体由来の構造単位を形成しても良い。
本開示のアニオン性基含有単量体としては、アニオン性基を有する単量体である。単量体
中に含有するアニオン基は、カルボキシル基でもスルホン基でもさしつかえなく、両方を併用しても良い。
また、本開示の水溶性重合体としてはアニオン性基含有単量体由来の構造単位を有していれば特に制限はないが、本開示の水溶性重合体100質量部におけるポリアルキレングリコール由来の構造を有する単量体由来の構造単位の含有量は10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、0質量部である(含まない)ことが特にアニオン性基含有単量体であることがより好ましい。
【0009】
本開示のアニオン性基がカルボキシル基を含む場合、アニオン性基含有単量体としては(メタ)アクリル酸(塩)、イタコン酸、マレイン酸、p-カルボキシスチレンなどが挙げられる。
本明細書において、「~酸(塩)」は「~酸及び/又はその塩」を意味する。「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。
本開示の(メタ)アクリル酸(塩)としては、具体的にはアクリル酸、アクリル酸の塩、メタクリル酸、メタクリル酸の塩が挙げられる。(メタ)アクリル酸塩とは、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基が中和された中和塩である。中和塩としては一価のカチオンとの塩であることが好ましく、アルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、アルカリ金属塩であることがさらに好ましく、ナトリウム塩、リチウム塩及びカリウム塩から選ばれる少なくとも1種であることがよりさらに好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
本開示のアニオン性基がスルホン酸基を含む場合、アニオン性基含有単量体としては、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、高分子凝集剤として使用する観点から2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸を用いることが好ましい。
本開示のアニオン性基がスルホン酸基を含む場合、本開示の水溶性重合体においてアニオン性基含有単量体由来の構造単位100質量部におけるポリアルキレングリコール由来の構造を有する単量体由来の構造単位は10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、0質量部である(含まない)ことが特にアニオン性基含有単量体であることがより好ましい。
本開示のアニオン性基がスルホン酸基である場合、アニオン性基含有単量体由来の構造単位としては、下記一般式(1)の構造単位であってもよい。
【0010】
TIFF
2024043888000001.tif
37
70
(【0011】以降は省略されています)

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