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公開番号2024053336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159535
出願日2022-10-03
発明の名称筋収縮能回復促進材料
出願人国立大学法人広島大学,三洋化成工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類A61K 38/16 20060101AFI20240408BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】筋収縮能回復能が高い筋収縮能回復促進材料を提供する。
【解決手段】タンパク質(A)を含む、筋組織損傷部位における筋収縮能回復促進材料であって、前記タンパク質(A)は、ポリペプチド鎖(Y)及び前記ポリペプチド鎖(S)が、交互にそれぞれ4本以上直接化学結合したポリペプチド鎖(YS)と、前記タンパク質(A)の両末端に形成された末端アミノ酸配列(T)とを有し、前記ポリペプチド鎖(Y)は、ポリペプチド鎖(y)及び/又はポリペプチド鎖(y’)を含み、前記タンパク質(A)中の前記ポリペプチド鎖(y)と前記ポリペプチド鎖(y’)との合計個数は4~100個である、筋収縮能回復促進材料とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
タンパク質(A)を含む、筋組織損傷部位における筋収縮能回復促進材料であって、
前記タンパク質(A)は、ポリペプチド鎖(Y)及び前記ポリペプチド鎖(S)が、交互にそれぞれ4本以上直接化学結合したポリペプチド鎖(YS)と、前記タンパク質(A)の両末端に形成された末端アミノ酸配列(T)とを有し、
前記ポリペプチド鎖(Y)は、ポリペプチド鎖(y)及び/又はポリペプチド鎖(y’)を含み、
前記タンパク質(A)中の前記ポリペプチド鎖(y)と前記ポリペプチド鎖(y’)との合計個数は4~100個であり、
前記ポリペプチド鎖(y)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列であるVPGVG配列(1)、配列番号4に示されるアミノ酸配列であるGVGVP配列(4)、GPP配列、GAP配列及び配列番号3に示されるアミノ酸配列であるGAHGPAGPK配列(3)のうち少なくとも1つのアミノ酸配列(X)が2~200個連続したポリペプチド鎖であり、
前記ポリペプチド鎖(y’)は、前記アミノ酸配列(X)中の60%以下のアミノ酸がリシン及び/又はアルギニンで置換された前記アミノ酸配列(X’)を含み、かつ、前記ポリペプチド鎖(y)中の5%以下のアミノ酸がリシン及び/又はアルギニンで置換されたポリペプチド鎖であり、1つの前記ポリペプチド鎖(y’)において置換された前記リシン及び前記アルギニンの合計個数は1~100個であり、
前記ポリペプチド鎖(S)は、配列番号2に示されるアミノ酸配列であるGAGAGS配列(2)が2~50個連続して結合したポリペプチド鎖であり、
前記末端アミノ酸配列(T)は、前記アミノ酸配列(X)、アミノ酸配列(X’)及びGAGAGS配列(2)のいずれも含まないポリペプチド鎖であり、
前記ポリペプチド鎖(y)、ポリペプチド鎖(y’)及びポリペプチド鎖(S)の疎水性度はそれぞれ-0.4以上であり、
前記末端アミノ酸配列(T)の疎水性度は-1.7~-0.5であり、
前記タンパク質(A)を構成するアミノ酸から、前記末端アミノ酸配列(T)を構成するアミノ酸を除いたアミノ酸数を基準として、前記ポリペプチド鎖(YS)を構成するアミノ酸の個数の割合は、80~100%である筋収縮能回復促進材料。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記タンパク質(A)に含まれる前記アミノ酸配列(X)及び前記アミノ酸配列(X’)を構成するアミノ酸の合計個数の割合は前記タンパク質(A)の全アミノ酸数を基準として50~70%である請求項1に記載の筋収縮能回復促進材料。
【請求項3】
前記タンパク質(A)は、配列番号5に示される(GAGAGS)

配列(5)であるポリペプチド鎖(S1-1)、及び、配列番号6に示される(GVGVP)

GKGVP(GVGVP)

配列(6)であるポリペプチド鎖(y’11)を有するタンパク質である請求項1又は2に記載の筋収縮能回復促進材料。
【請求項4】
前記タンパク質(A)のSDS-PAGE(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)法による分子質量は15~200kDaである請求項1又は2に記載の筋収縮能回復促進材料。
【請求項5】
前記タンパク質(A)は、配列番号16に示されるアミノ酸配列、配列番号30に示されるアミノ酸配列、配列番号31に示されるアミノ酸配列、配列番号32に示されるアミノ酸配列、配列番号33に示されるアミノ酸配列、配列番号34に示されるアミノ酸配列、配列番号35に示されるアミノ酸配列、又は、これらのアミノ酸配列との相同性が70%以上であるアミノ酸配列を有する請求項1に記載の筋収縮能回復促進材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、筋収縮能回復促進材料に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ヒトを含む健全な哺乳動物の筋(筋肉、筋組織) は、酷使、外傷、感染、および血液循環の喪失を含む多様な理由から損傷を受ける。一般的な筋組織は再生能力を有しており、損傷した筋組織は、速やかに再生され、肥大化する。しかし、酷使の繰り返しや重度の外傷等では正常な組織再生がされず、瘢痕組織(結合組織)によって置き換わるが、この瘢痕組織は収縮性を欠くため、再生組織は機収縮機能を失い、筋機能の喪失が引き起こされる(特許文献1,2、非特許文献1)。
従来の治療法として安静、冷却、圧迫、挙上などの保存療法やマッサージ、超音波、高圧酸素送達などが挙げられるが、これらの治療は、有効性が限られており筋組織損傷に対する有効な治療法は確立されていない。
また、筋組織を修復するだけでは、損傷前に有していた筋収縮能の回復までは担保できず、筋組織の再生を促進するだけでなく、筋収縮能の回復促進が出来る、筋組織損傷部位における筋収縮能回復促進用の基材が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2013/039244号
WO2018/230535号
【非特許文献】
【0004】
愛知県理学療法学会誌第28巻第2号2016年12月P43~47
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、筋収縮能回復能が高い筋収縮能回復促進材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の筋収縮能回復促進材料は、タンパク質(A)を含む、筋組織損傷部位における筋収縮能回復促進材料であって、前記タンパク質(A)は、ポリペプチド鎖(Y)及び前記ポリペプチド鎖(S)が、交互にそれぞれ4本以上直接化学結合したポリペプチド鎖(YS)と、前記タンパク質(A)の両末端に形成された末端アミノ酸配列(T)とを有し、前記ポリペプチド鎖(Y)は、ポリペプチド鎖(y)及び/又はポリペプチド鎖(y’)を含み、前記タンパク質(A)中の前記ポリペプチド鎖(y)と前記ポリペプチド鎖(y’)との合計個数が4~100個であり、前記ポリペプチド鎖(y)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列であるVPGVG配列(1)、配列番号4に示されるアミノ酸配列であるGVGVP配列(4)、GPP配列、GAP配列及び配列番号3に示されるアミノ酸配列であるGAHGPAGPK配列(3)のうち少なくとも1つのアミノ酸配列(X)が2~200個連続したポリペプチド鎖であり、前記ポリペプチド鎖(y’)は、前記アミノ酸配列(X)中の60%以下のアミノ酸がリシン及び/又はアルギニンで置換された前記アミノ酸配列(X’)を含み、かつ、前記ポリペプチド鎖(y)中の5%以下のアミノ酸がリシン及び/又はアルギニンで置換されたポリペプチド鎖であり、1つの前記ポリペプチド鎖(y’)において置換された前記リシン及び前記アルギニンの合計個数が1~100個であり、前記ポリペプチド鎖(S)は、配列番号2に示されるアミノ酸配列であるGAGAGS配列(2)が2~50個連続して結合したポリペプチド鎖であり、前記末端アミノ酸配列(T)は、前記アミノ酸配列(X)、アミノ酸配列(X’)及びGAGAGS配列(2)のいずれも含まないポリペプチド鎖であり、前記ポリペプチド鎖(y)、ポリペプチド鎖(y’)及びポリペプチド鎖(S)の疎水性度がそれぞれ-0.4以上であり、前記末端アミノ酸配列(T)の疎水性度が-1.7~-0.5であり、前記タンパク質(A)を構成するアミノ酸から、前記末端アミノ酸配列(T)を構成するアミノ酸を除いたアミノ酸数を基準として、前記ポリペプチド鎖(YS)を構成するアミノ酸の個数の割合が、80~100%である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の筋収縮能回復促進材料は、筋収縮能回復能に優れ、正常な筋組織修復を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の筋収縮能回復促進材料は、タンパク質(A)を含む、筋組織損傷部位における筋収縮能回復促進材料であって、前記タンパク質(A)は、ポリペプチド鎖(Y)及び前記ポリペプチド鎖(S)が、交互にそれぞれ4本以上直接化学結合したポリペプチド鎖(YS)と、前記タンパク質(A)の両末端に形成された末端アミノ酸配列(T)とを有し、前記ポリペプチド鎖(Y)は、ポリペプチド鎖(y)及び/又はポリペプチド鎖(y’)を含み、前記タンパク質(A)中の前記ポリペプチド鎖(y)と前記ポリペプチド鎖(y’)との合計個数が4~100個であり、前記ポリペプチド鎖(y)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列であるVPGVG配列(1)、配列番号4に示されるアミノ酸配列であるGVGVP配列(4)、GPP配列、GAP配列及び配列番号3に示されるアミノ酸配列であるGAHGPAGPK配列(3)のうち少なくとも1つのアミノ酸配列(X)が2~200個連続したポリペプチド鎖であり、前記ポリペプチド鎖(y’)は、前記アミノ酸配列(X)中の60%以下のアミノ酸がリシン及び/又はアルギニンで置換された前記アミノ酸配列(X’)を含み、かつ、前記ポリペプチド鎖(y)中の5%以下のアミノ酸がリシン及び/又はアルギニンで置換されたポリペプチド鎖であり、1つの前記ポリペプチド鎖(y’)において置換された前記リシン及び前記アルギニンの合計個数が1~100個であり、前記ポリペプチド鎖(S)は、配列番号2に示されるアミノ酸配列であるGAGAGS配列(2)が2~50個連続して結合したポリペプチド鎖であり、前記末端アミノ酸配列(T)は、前記アミノ酸配列(X)、アミノ酸配列(X’)及びGAGAGS配列(2)のいずれも含まないポリペプチド鎖であり、前記ポリペプチド鎖(y)、ポリペプチド鎖(y’)及びポリペプチド鎖(S)の疎水性度がそれぞれ-0.4以上であり、前記末端アミノ酸配列(T)の疎水性度が-1.7~-0.5であり、前記タンパク質(A)を構成するアミノ酸から、前記末端アミノ酸配列(T)を構成するアミノ酸を除いたアミノ酸数を基準として、前記ポリペプチド鎖(YS)を構成するアミノ酸の個数の割合が、80~100%である。
【0009】
以下、本発明の筋収縮能回復促進材料は、タンパク質(A)について詳述する。
【0010】
タンパク質(A)は、ポリペプチド鎖(Y)及びポリペプチド鎖(S)が、交互にそれぞれ4本以上直接化学結合したポリペプチド鎖(YS)と、タンパク質(A)の両末端に形成された末端アミノ酸配列(T)とを有する。
ポリペプチド鎖(YS)には、後述のGAGAGS配列(2)、アミノ酸配列(X)、アミノ酸配列(X’)、介在アミノ酸配列(Z)、又は末端アミノ酸配列(T)が結合してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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