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公開番号2024057786
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164683
出願日2022-10-13
発明の名称貴金属担持酸化チタンの製造方法
出願人堺化学工業株式会社,国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C25B 11/067 20210101AFI20240418BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】従来の貴金属担持担体よりも少量の貴金属の使用量で良好な導電性を発揮し、高電位耐久性にも優れる貴金属担持担体を製造する方法を提供する。
【解決手段】TiOx(xは1~2)粒子と貴金属塩とを含む液体、又は、TiOx(xは1~2)粒子を含む液体と貴金属塩を含む液体とを噴霧する工程と、噴霧された液体を火炎中で焼成する工程とを含むことを特徴とする貴金属担持酸化チタンの製造方法。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
TiOx(xは1~2)粒子と貴金属塩とを含む液体、又は、TiOx(xは1~2)粒子を含む液体と貴金属塩を含む液体とを噴霧する工程と
噴霧された液体を火炎中で焼成する工程とを含む
ことを特徴とする貴金属担持酸化チタンの製造方法。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
チタン源と貴金属塩との水溶液、又は、チタン源の水溶液と貴金属塩の水溶液とを噴霧する工程と
噴霧された水溶液を火炎中で焼成する工程を含む
ことを特徴とする貴金属担持酸化チタンの製造方法。
【請求項3】
前記噴霧する工程は、超音波を用いて行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の貴金属担持酸化チタンの製造方法。
【請求項4】
前記噴霧された液体又は水溶液を火炎中で焼成する工程は、噴霧された液体又は水溶液を拡散火炎中で焼成する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の貴金属担持酸化チタンの製造方法。
【請求項5】
前記貴金属は、イリジウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の貴金属担持酸化チタンの製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の貴金属担持酸化チタンの製造方法で得られた貴金属担持酸化チタンに白金を担持させる工程を含むことを特徴とする導電性材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、貴金属担持酸化チタンの製造方法に関する。より詳しくは、燃料電池等の電極材料として好適な貴金属担持酸化チタンの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、様々な分野で電池の使用が広がりをみせており、求められる特性に応じた様々な電池が使用されている。現在利用が進められている電池のうち、燃料電池は発電効率が高く、発電によって水のみが排出されるクリーンな電池として注目されている。
固体高分子形燃料電池の電極には、従来からPt/Cが使用されている。比表面積が高く、導電性の高いカーボンは貴金属触媒の担体として従来から用いられているが、高電位で水と反応し、CO

として分解することが問題となっている。このためカーボンを担体とする電極を使用する場合には数百枚のセル1枚1枚に制御装置を付けることや高い電位がかけられない分余分なセルを搭載することが必要になり、コスト増の原因となっている。
また固体高分子形燃料電池ではアノードの反応(H

→2H

+2e

)がカソードの反応(O

+4H

+4e

→2H

O)よりも速く、反応に必要な触媒量はカソードよりも少ない。カソードにおいて発電時には常時0.6~1Vの電位がかかるが、一方でアノードは燃料欠乏状態になると2Vを超える高電位になることが知られている。両極共に高電位耐久性は必要であるが、このような理由により、アノードにはカソードよりも更に高い高電位耐久性が求められるため、カーボンを担体とする電極触媒をアノードに使用する場合には担体の分解がより大きな問題となる。
このため、カーボン以外の担体を用いた触媒が種々開発されており、無機酸化物と伝導性酸化物を含む無機多成分担体材料と触媒活性種を含む電気触媒を用いる技術(特許文献1参照)や、複数の結晶子が鎖状に融着結合されて構成された鎖状部を備える金属微粒子で構成される担体微粒子の集合体である担体粉末と、該担体粉末に所定の担持量で担持された金属微粒子とを備える担持金属触媒(特許文献2参照)、酸化イリジウムと所定の金属酸化物とを含み、前駆体混合物を火炎噴霧熱分解することで調製される触媒(特許文献3参照)が開示されている。
また、触媒活性種を担持した触媒と同様の不均一物質を製造する方法として、金属酸化物等の支持材料を形成する固体成分と金属塩の溶解された成分とを含有する分散液又は懸濁液をバーナー中で処理した後、更に加熱処理する粉末状の不均一物質の製造法が開示されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2013/092568号
国際公開第2022/045004号
国際公開第2016/038349号
特許第4828674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のとおり、カーボンに代わる担体を用いた触媒が開示されているが、一般的な酸化物担体は導電性が不十分なものが多い。また特許文献1の触媒では貴金属により高比表面積な担体に導電性を付与しているが、導電性付与のための多量の貴金属を必要としている。
特許文献2では酸化物担体の導電性向上のために担体を気相中で合成し、鎖状構造をとることで粒界抵抗を低減する検討はなされているが、貴金属を気相合成にて担持し、その導電パスを活かす検討はなされていない。
特許文献3では担体原料として有機金属混合物と酸化イリジウム前駆体を噴霧火炎方式の気相合成に用いており、可燃性の溶媒と原料を使用する必要があるため、高額な原料が必要となる。また担体原料と酸化イリジウム原料が同時に分解合成されるため、高価なイリジウムが担体内部に取り込まれ、有効に活用されない。更に特許文献1の触媒と同様に多量の貴金属が必要である。
このように従来の触媒はいずれも改良の余地があるものであった。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑み、従来の貴金属担持担体よりも少量の貴金属の使用量で良好な導電性を発揮し、高電位耐久性にも優れる貴金属担持担体を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、従来の貴金属担持担体よりも少量の貴金属の使用量で良好な導電性を発揮し、高電位耐久性にも優れる貴金属担持担体を製造する方法について検討し、チタンの酸化物と貴金属塩とを含む液体又はチタンの酸化物を含む液体と貴金属塩を含む液体とを噴霧し、噴霧された液体を火炎中で焼成する方法、又は、チタン源と貴金属塩との水溶液又はチタン源の水溶液と貴金属塩の水溶液とを噴霧し、噴霧された液体を火炎中で焼成する方法により貴金属担持酸化チタンを製造すると、貴金属の使用量で良好な導電性を発揮し、高電位耐久性にも優れる貴金属担持担体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]TiOx(xは1~2)粒子と貴金属塩とを含む液体、又は、TiOx(xは1~2)粒子を含む液体と貴金属塩を含む液体とを噴霧する工程と、噴霧された液体を火炎中で焼成する工程とを含むことを特徴とする貴金属担持酸化チタンの製造方法。
【0008】
[2]チタン源と貴金属塩との水溶液、又は、チタン源の水溶液と貴金属塩の水溶液とを噴霧する工程と、噴霧された水溶液を火炎中で焼成する工程を含むことを特徴とする貴金属担持酸化チタンの製造方法。
【0009】
[3]前記噴霧する工程は、超音波を用いて行われることを特徴とする[1]又は[2]に記載の貴金属担持酸化チタンの製造方法。
【0010】
[4]前記噴霧された液体又は水溶液を火炎中で焼成する工程は、噴霧された液体又は水溶液を拡散火炎中で焼成する工程であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の貴金属担持酸化チタンの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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