TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024052649
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023170994
出願日2023-09-30
発明の名称高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法
出願人昆明理工大学
代理人個人
主分類B22F 7/00 20060101AFI20240404BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法を提供する。
【解決手段】トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等のアルキルアルミニウムと、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミドとを原料としてアルキルアルミニウム中間体を調製し、固体の中間体を分離してからアルミニウム合金粉末と均一に混合し、最後に一定の温度と真空条件下で加熱して、窒化アルミニウムとアルミニウム合金の混合粉体を得て、粉体を金型に充填し、加圧、焼結することにより、高強度高熱伝導性のアルミニウム合金材料を得ることができる。
【効果】本発明の窒化アルミニウムは低温で生成され、その表面に汚染がなく、アルミニウムマトリックスとの相容性が良好である。窒化アルミニウムの添加により、合金の機械的特性を高めると同時にアルミニウム合金の熱伝導率も著しく高めるため、アルミニウム合金部品に広い応用の将来性がある。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法であって、
アルキルアルミニウムをアミドに溶解させ、アンモニア水を滴下して混合溶液を得て、混合溶液のpHを8~10の間に調節してから、混合溶液を恒温水槽に入れて加熱し、冷却してアルキルアルミニウムアミド中間体含有溶液を得るステップ(1)と、
ステップ(1)で得られた溶液内のアルキルアルミニウムアミド中間体を分離し、真空ボールミーリングを用いてアルミニウム合金粉末と均一に混合してから、混合粉体を真空高温炉に入れ、加熱して窒化アルミニウムとアルミニウム合金の混合粉体を得るステップ(2)であって、アルミニウム合金粉末と分離後のアルキルアルミニウムアミド中間体とのモル比が1:(0.1~0.3)であるステップ(2)と、
AlN/アルミニウム合金混合粉体を部品に対応する形状を有する金型に充填し、プレス、焼結することにより、高強度高熱伝導性のアルミニウム合金材料を得るステップ(3)と、を具体的に含み、
ステップ(2)における真空ボールミーリングの条件は、真空度が0.01~0.5Pa、ボールミーリングの回転速度が100~400r/min、ボールミーリングの時間が4~8hであり、
ステップ(2)における真空高温炉による処理は、真空度が0.1~1Pa、高温炉の温度が350~450℃、恒温保持時間が1~3hである、
ことを特徴とする高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
ステップ(1)に記載のアルキルアルミニウムは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及び二塩化エチルアルミニウムのうちの何れか1つである、
ことを特徴とする請求項1に記載の高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法。
【請求項3】
ステップ(1)に記載のアミドは、ジメチルホルムアミド、及びジメチルアセトアミドのうちの何れか1つである、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法。
【請求項4】
ステップ(1)に記載の混合溶液内のアルキルアルミニウムと、アミドと、アンモニア水とのモル比が、1:(0.4~0.7):(0.05~0.23)である、
ことを特徴とする請求項3に記載の高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法。
【請求項5】
ステップ(1)の恒温水槽における加熱条件は、65~80℃で4~6h加熱することである、
ことを特徴とする請求項1又は4に記載の高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法。
【請求項6】
ステップ(1)の固体アルキルアルミニウムアミド中間体の分離方法は、市販の高速遠心機又は回転蒸発装置を用いて分離することである
ことを特徴とする請求項5に記載の高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法。
【請求項7】
ステップ(2)におけるアルミニウム合金粉末が、Al-Si系、Al-Cu系、Al-Mg系、又はAl-Zn系の合金粉末であり、粒径が50~200nmである、
ことを特徴とする請求項1又は6に記載の高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法。
【請求項8】
ステップ(3)における焼結温度が580~630℃、時間が0.5~1hである、
ことを特徴とする請求項1に記載の高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法に関し、非鉄金属材料の分野に属する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
アルミニウム及びその合金は、良好な熱伝導性、塑性、加工性など、優れた総合的な特性を有する。また、アルミニウム合金材料も良好な高温特性、成形性、切削加工性、リベット接合性及び表面処理性を備えている。そのため、アルミニウム合金は宇宙、航空、自動車、交通運輸、橋梁、建築、電子・電気、エネルギー動力、機械製造、電気家具などの各分野で非常に広く応用されている。産業の発展と人々の生活レベルの向上に伴い、電子製品や通信機器などのチップ集積度の向上により、機器電力が増大し、発熱量が増加し、機器の単位体積あたりの放熱量も増加するため、製品の使用寿命と動作の安定性を保証するために、より高い材料の熱伝導性が求められるようになった。純アルミニウムは、室温での熱伝導率が約237W/(m・K)と、金属材料の中では銅(385W/(m・K))に次ぐ良好な熱伝導性を有している。しかしながら、純アルミニウムの強度はわずか69MPaと低すぎて、工業生産に応用される場合の要求を満たすことができない。このため、通常は、合金化により純アルミニウムの強度を向上させるが、合金元素の増加に伴い、アルミニウム合金の熱伝導率は徐々に低くなる。
【0003】
窒化アルミニウム(AlN)の密度は3.26g/cm
3
、モース硬度は7~8、理論上の熱伝導率は320W/(m・K)と高く、熱膨張係数はシリコンに近い。窒化アルミニウムをアルミニウム合金に組み入れることで、転位に対する窒化アルミニウム強化層の阻害作用を利用して合金の機械的特性を高めることができる一方、窒化アルミニウムの高い熱伝導率を利用して、アルミニウム合金全体の熱伝導性を向上させることもできる。そのため、窒化アルミニウム強化相を含むアルミニウムベースの新材料の研究開発は国内外の科学研究者から重視され、一定の進展が遂げられている。例えば、中国特許201910884968.8には、AlNとAlB
2
の二相粒子のその場生成により強化されたアルミニウムベースの複合材料を調製する方法が開示されている。この方法では、アルミニウム粉末と窒化ホウ素ナノシートとの質量比(96-99):(1-4)の割合で、アルミニウム粉末と窒化ホウ素ナノシートをボールミーリング缶に投入し、不活性ガス雰囲気下で、ボールミーリングによりアルミニウム粉末と窒化ホウ素ナノシートを均一に混合し、ボールミーリング後の粉末を金型に充填し、冷間プレス成形してから焼結する。中国発明特許201811453938.3には、耐高温AlNとAl
2

3
とにより強化されるアルミニウムベース複合材料及びその調製方法が開示されている。この方法では、まず超微細アルミニウム粉末を適当な空隙率まで加圧し、パックに入れて密封し、その周囲に適当な量の空気が入るように穴を開ける。パックを空気炉に入れて低温加熱して酸化皮膜を厚くしてから、高温まで昇温して、空気中の窒素ガスと酸素ガスを用いてAlNとAl
2

3
を生成させ、高温処理後の粉末に対して焼結や熱間加工を行って、最終的にはアルミニウム合金材料を得る。しかし、上述の方法のAlNは全てアルミニウム粉末とBN或いは空気との反応で生成されるので、反応過程と生成物の体積分率の調節や制御が容易ではなく、また、アルミニウム粉末が窒化する時に大量の熱が発生し、粉末の固まり、さらには溶融を発生させるため、製品品質の制御が不可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルミニウム合金の強度と熱伝導性を両立させることができず、従来のAlN含有アルミニウム合金の調製過程に存在する、AlNの生成量が制御不能で、アルミニウム粉末が固まって溶融し、大規模な大量調製が困難であるという課題を解決するために、本発明の目的は、具体的には以下のステップを含む高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)アルキルアルミニウムをアミドに溶解させ、アンモニア水を滴下して混合溶液を得て、混合溶液のpHを8~10の間に調節してから、混合溶液を恒温水槽に入れて加熱し、冷却してアルキルアルミニウムアミド中間体含有溶液を得る。
【0006】
(2)ステップ(1)で得られた溶液内のアルキルアルミニウムアミド中間体を分離し、真空ボールミーリングを用いてアルミニウム合金粉末と均一に混合してから、混合粉体を真空高温炉に入れ、加熱して窒化アルミニウムとアルミニウム合金の混合粉体を得る。
【0007】
(3)AlN/アルミニウム合金混合粉体を部品に対応する形状を有する金型に充填し、プレス、焼結することにより、高強度高熱伝導性のアルミニウム合金材料を得る。
【0008】
好ましくは、本発明のステップ(1)に記載のアルキルアルミニウムは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及び二塩化エチルアルミニウムのうちの何れか1つである。
【0009】
好ましくは、本発明のステップ(1)に記載のアミドは、ジメチルホルムアミド、及びジメチルアセトアミドのうちの何れか1つである。
【0010】
好ましくは、本発明のステップ(1)に記載の混合溶液内のアルキルアルミニウムと、アミドと、アンモニア水とのモル比が、1:(0.4~0.7):(0.05~0.23)である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

昆明理工大学
高強度高熱伝導性アルミニウム合金材料の調製方法
1か月前
芝浦機械株式会社
成形機
17日前
トヨタ自動車株式会社
保持炉
19日前
トヨタ自動車株式会社
鋳造装置
12日前
株式会社プロテリアル
WMo合金粉末
2か月前
トヨタ自動車株式会社
金型装置
10日前
リョービ株式会社
ダイカスト金型
1か月前
大同特殊鋼株式会社
溶鋼被覆パウダー
2か月前
株式会社プロテリアル
インゴットの鋳造方法
1か月前
芝浦機械株式会社
射出装置及び成形機
5日前
ユニチカ株式会社
軟磁性ナノワイヤーの分散液
1か月前
トヨタ自動車株式会社
離型剤の塗布方法
18日前
トヨタ自動車株式会社
複合中子の製造方法
10日前
トヨタ自動車株式会社
ダイカスト鋳造装置
12日前
トヨタ自動車株式会社
金型の温度制御方法
18日前
株式会社イーエム
固形潤滑剤供給装置
1か月前
旭有機材株式会社
低膨張鋳型用鋳物砂
1か月前
トヨタ自動車株式会社
金型の水漏れ検知システム
5日前
三菱重工業株式会社
金属粉末製造装置
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼の連続鋳造方法
1か月前
パンチ工業株式会社
ダイカスト金型部品の製造方法
11日前
石福金属興業株式会社
PtAu合金粉末の製造方法
10日前
パンチ工業株式会社
ダイカスト金型部品の製造方法
11日前
黒崎播磨株式会社
浸漬ノズル
2か月前
伊藤忠セラテック株式会社
鋳物砂用耐火骨材
1か月前
新東工業株式会社
可搬型集塵装置
2か月前
新東工業株式会社
可搬型集塵装置
2か月前
国立大学法人北海道大学
金属ナノ粒子製造装置
2か月前
住友金属鉱山株式会社
離型剤スラリーの散布方法
1か月前
株式会社IHI
造形方法及びサポート部材
10日前
古河機械金属株式会社
銅粒子、導電性ペースト及び基板
26日前
古河機械金属株式会社
銅粒子、導電性ペースト及び基板
26日前
花王株式会社
鋳物製造用構造体
1か月前
株式会社日本製鋼所
射出成形機
1か月前
新東工業株式会社
鋳型造型方法及び鋳型材料
19日前
国立大学法人北海道大学
低融点金属粉末の製造方法
1か月前
続きを見る