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公開番号2024039204
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-22
出願番号2022143576
出願日2022-09-09
発明の名称鋳物砂用耐火骨材
出願人伊藤忠セラテック株式会社
代理人個人,個人
主分類B22C 1/00 20060101AFI20240314BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】焼結法により人工的に製造される球状の耐火性焼結粒子からなる鋳物砂用耐火骨材において、その鋳物砂における流動性を向上せしめると共に、優れた鋳型強度を実現することの出来る鋳物砂用耐火骨材を提供する。
【解決手段】焼結法により人工的に製造される球状の耐火性焼結粒子からなる鋳物砂用耐火骨材において、真円度が0.70以上であり、且つ0.01~1.00mmの平均粒子径を有すると共に、水銀圧入式ポロシメータにより求められる、細孔直径が2~10μmの細孔容積が、0.20~0.50mL/gの範囲内にあり、更に混在する微粉量が、比濁法にて測定される濁度において、3000NTU以下となるように構成した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
焼結法により人工的に製造される球状の耐火性焼結粒子からなる鋳物砂用耐火骨材であって、
真円度が0.70以上であり、且つ0.01~1.00mmの平均粒子径を有すると共に、水銀圧入式ポロシメータにより求められる、細孔直径が2~10μmの細孔容積が、0.20~0.50mL/gの範囲内にあり、更に混在する微粉量が、比濁法にて測定される濁度において、3000NTU以下となるように構成されていることを特徴とする鋳物砂用耐火骨材。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記耐火性焼結粒子が、40~90質量%のAl
2

3
と60~10質量%のSiO
2
を含む化学組成を有していることを特徴とする請求項1に記載の鋳物砂用耐火骨材。
【請求項3】
前記耐火性焼結粒子が、60質量%以上のAl
2

3
と40質量%以下のSiO
2
とを含み、更にFe
2

3
及びTiO
2
の合計含有量が3質量%以下となる割合の化学組成を有していることを特徴とする請求項1に記載の鋳物砂用耐火骨材。
【請求項4】
前記耐火性焼結粒子が、ムライト質又はムライト・コランダム質の焼結粒子であることを特徴とする請求項1に記載の鋳物砂用耐火骨材。
【請求項5】
前記真円度が、0.75以上であることを特徴とする請求項1に記載の鋳物砂用耐火骨材。
【請求項6】
前記細孔直径が2~10μmの細孔容積が、0.25~0.45mL/gの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の鋳物砂用耐火骨材。
【請求項7】
前記混在する微粉量が、2000NTU以下の濁度となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳物砂用耐火骨材。
【請求項8】
自硬性鋳型を造型するための鋳物砂用の骨材として用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の鋳物砂用耐火骨材。
【請求項9】
三次元積層造型法における鋳物砂用の骨材として用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の鋳物砂用耐火骨材。
【請求項10】
請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の鋳物砂用耐火骨材を用いて造型して得られた鋳造用鋳型。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳物砂用耐火骨材に係り、特に、焼結法により人工的に製造される球状の耐火性焼結粒子からなる耐火骨材であって、それを用いて得られる鋳物砂の流動性を改善すると共に、そのような鋳物砂から造型される鋳型の強度を、有利に向上せしめ得る技術に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、鋳鉄、鋳鋼、アルミニウムや銅またはそれらの合金等の金属溶湯の鋳造に用いられる鋳型の一つとして、耐火性の粒子(骨材)に所定のバインダや硬化剤(触媒)等を混合乃至は混練して得られる鋳物砂を用いて、目的とする形状に造型されてなるものが知られており、そこでは、耐火性骨材を結合するための粘結剤(バインダ)として、フェノール樹脂、フラン樹脂等の樹脂を主体とする有機バインダや、水ガラス、粘土等を主体とする無機バインダが、用いられている。また、そのような鋳物砂を用いた造型法としては、生型法、ガス型法、シェルモールド法、三次元積層造型法等の各種の方法が知られており、その何れかの造型法によって、目的とする鋳物形状の空隙部(鋳造キャビティ)を有する鋳造用鋳型、特に自硬性鋳型が、造型されている。
【0003】
ところで、かかる鋳型の造型に用いられる鋳物砂の主体となる耐火性の粒子(骨材)としては、珪砂、ジルコンサンド、オリビンサンド、クロマイトサンド等の天然砂が広く用いられて来ているが、天然に産するものは、物理化学的特性等の品質にバラツキが生じることに加えて、近年においては資源の減少に基づくところの枯渇化の問題をも内包しているところから、人工的に製造した耐火性粒子が提案され、実用化されている。例えば、特公平3-47943号公報や特公平4-40095号公報等においては、焼結法として、アルミナとシリカが所定の化学組成となるように配合されてなる原料組成物から、スプレードライヤーによる方法等によって、球状に造粒した後、その得られた造粒物をロータリーキルン等にて焼結することによって、球状の骨材を製造する方法が、明らかにされている。
【0004】
しかしながら、そのような焼結法によって製造される耐火性の焼結粒子からなる人工砂にあっては、その真球度は良好であるものの、焼成する際に、粒子表面に凹凸が発生したり、粒子表面がポーラスとなるために、そのような人工砂に、所定量のバインダ(樹脂)を添加してなる鋳物砂から造型された鋳型においては、その強度が充分でない等の問題があり、また、そのような表面状態の問題の回避のために、バインダの添加量を多くしたりすると、流動砂、換言すれば流動性の良好な鋳物砂とならない問題がある。特に、鋳型の造型に際しては、砂(骨材)のみの流動特性をもって、目的とする鋳型が実現され得るとは限らず、実際の鋳型への適用を考慮した場合において、砂(骨材)自体の流動特性だけでなく、樹脂や硬化剤等と混練した場合における流動特性が、重要となるのである。
【0005】
このように、人工砂である焼結砂には、鋳物砂とした場合における流動性の向上や造型される鋳型の強度の向上において解消されるべき問題が、内在しているのである。特に、手込めによる方法や射出成形、三次元砂型積層造型法等により、複雑形状の鋳型を作製する際には、バインダ等との混練により得られる鋳物砂が良好な流動性を維持しつつ、それから作製される鋳型が高強度となることが要請されている。
【0006】
なお、特開2006-7319号公報においては、火炎溶融法にて製造される砂粒子について、その非晶化度や球形度を規定して、流動性に優れ、また高強度で、低熱膨張性の鋳造用鋳型を製造することが出来ることが明らかにされているが、砂表面の凹凸が少ない程、砂の流動性が良くなるとは考えにくく、逆に、砂表面の凹凸が少ないと、流動性に影響するバインダ(樹脂)層が厚く形成されるようになるために、鋳物砂の流動性は悪くなるのである。
【0007】
また、特開2003-311370号公報においては、砂等の骨材に、フラン樹脂、硬化剤を配合し、混練した後、造型して、鋳型を製造するに際して使用する骨材であって、予め微粉除去処理したり、或いは予め塩基性イオン除去処理してなるフランプロセス用骨材が提案され、そして、この骨材を用いることによって、高強度の鋳型が造型され得ることが明らかにされているのであるが、そこには、骨材表面に付着している微粉が、バインダ等を混合してなる鋳物砂の流動性に、どのような影響をもたらすかについて、何等明らかにされておらず、更には、骨材の表面をどのように調整すべきかについても、何等明らかにしてはいない。
【0008】
さらに、溶融法若しくは火炎溶融法で作製された、真球度が0.8以上の人工砂を用いた自硬性流動鋳型について、開示する特開2009-119469号公報において、その段落[0006]には、焼結法にて得られる人工砂は、良好な真球度を有しているものの、焼成する際に、砂表面に凹凸が発生したり、砂表面がポーラスになったりするため、樹脂(バインダ)添加量を増やさなければ、強度が出ない等の問題があり、また、この表面の問題のために、樹脂添加量を多くすれば、流動砂とならない問題が生じるとの指摘が、為されている。しかしながら、砂表面の凹凸量の増加のために、樹脂(バインダ)の添加量が増大して、流動性が悪くなるとは考え難く、同程度の鋳型強度になるような樹脂(バインダ)添加量であった場合は、砂表面の凹凸量に関係なく、流動性は同じになると考えられるのである。けだし、砂表面に存在するバインダ等の厚さが、流動性や鋳型強度に寄与していると推測され、この厚さが同程度であれば、流動性も、鋳型強度も同じになると推測されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特公平3-47943号公報
特公平4-40095号公報
特開2006-7319号公報
特開2003-311370号公報
特開2009-119469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、優れた特性を発揮し得る球状の焼結粒子からなる鋳物砂用耐火骨材を提供することにあり、また、他の課題とするところは、焼結法により人工的に製造される球状の耐火性焼結粒子からなる鋳物砂用耐火骨材において、その鋳物砂における流動性を向上せしめると共に、優れた鋳型強度を実現することの出来る鋳物砂用耐火骨材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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