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公開番号2024051274
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157337
出願日2022-09-30
発明の名称内燃機関の失火判定装置
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20240404BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】複数の気筒が失火した場合であっても内燃機関の失火の有無を良好に判定することが可能な内燃機関の失火判定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の失火判定装置10は、クランク角センサ21により検出された回転速度に基づいて、複数の気筒のそれぞれの燃焼行程における回転速度の変化量と相関関係を有する失火パラメータを算出するパラメータ算出部40と、比較回路51により失火パラメータが閾値A1未満であると判定されると、単気筒失火が発生していると判定し、比較回路55により失火パラメータが閾値A2未満であると判定されると、単気筒失火または多気筒失火が発生していると判定する判定部50と、を有する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
複数の気筒を有する内燃機関の出力軸の回転速度を検出する速度検出部と、
前記速度検出部により検出された回転速度に基づいて、前記複数の気筒のそれぞれの燃焼行程における回転速度の変化量と相関関係を有する失火パラメータであり、回転速度の増加量が大きいほど増加するような失火パラメータを算出するパラメータ算出部と、
前記パラメータ算出部により算出された前記失火パラメータが第1閾値未満であるか否かを判定する第1判定部と、前記失火パラメータが前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満であるか否かを判定する第2判定部と、を有し、前記第1判定部および前記第2判定部の判定結果に応じて前記内燃機関の失火の有無を判定する失火判定部と、を備え、
前記失火判定部は、前記第1判定部により前記失火パラメータが前記第1閾値未満であると判定されると、前記複数の気筒のうちの単一の気筒での失火である単気筒失火が発生していると判定し、前記第2判定部により前記失火パラメータが前記第2閾値未満であると判定されると、前記単気筒失火または前記複数の気筒のうちの二以上の気筒での失火である多気筒失火が発生していると判定することを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記失火判定部は、前記複数の気筒のうちの燃焼行程中の気筒である対象気筒を特定するとともに、前記第1判定部により前記失火パラメータが前記第1閾値未満であると判定されると、前記対象気筒で前記単気筒失火が発生していると判定し、前記失火パラメータが前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満であると判定されると、前記対象気筒を含む二以上の気筒で前記多気筒失火が発生していると判定することを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記複数の気筒は、前記対象気筒と、前記対象気筒と異なる参照気筒とを含み、
前記パラメータ算出部は、前記速度検出部により検出された回転速度に基づいて、前記対象気筒の燃焼行程における回転速度の変化量と相関関係を有する第1失火パラメータと、前記対象気筒の燃焼行程を起点として前記内燃機関の1サイクル分だけ遡った範囲内での前記参照気筒の燃焼行程における回転速度の変化量と相関関係を有する第2失火パラメータと、を算出するとともに、前記第1失火パラメータと前記第2失火パラメータとの和である合算失火パラメータを算出し、
前記失火判定部は、
前記パラメータ算出部により算出された前記合算失火パラメータが第3閾値未満であるか否かを判定する第3判定部をさらに有し、前記第1判定部により前記第1失火パラメータが前記第1閾値未満であると判定され、およびまたは、前記第3判定部により前記合算失火パラメータが前記第3閾値未満であると判定され、かつ、前記第2判定部により前記第1失火パラメータが前記第2閾値未満であると判定されると、前記対象気筒で失火が発生していると判定し、
前記第1判定部により前記第1失火パラメータが前記第1閾値以上であると判定され、かつ、前記第3判定部により前記合算失火パラメータが前記第3閾値以上であると判定されると、前記第2判定部により前記第1失火パラメータが前記第2閾値未満であると判定されても、前記対象気筒で失火が発生していないと判定することを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記失火判定部は、前記第1判定部により前記第1失火パラメータが前記第1閾値未満であると判定され、かつ、前記第3判定部により前記合算失火パラメータが前記第3閾値以上であると判定されると、前記対象気筒で前記単気筒失火が発生していると判定することを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記失火判定部は、前記第1判定部により前記第1失火パラメータが前記第1閾値以上であると判定され、かつ、前記第2判定部により前記第1失火パラメータが前記第2閾値未満であると判定され、かつ、前記第3判定部により前記合算失火パラメータが前記第3閾値未満であると判定されると、前記対象気筒と前記参照気筒とを含む二以上の気筒で前記多気筒失火が発生していると判定することを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記第1閾値は、予め、前記複数の気筒のそれぞれが前記単気筒失火するときの前記失火パラメータの変化に対応付けて設定されることを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【請求項7】
請求項3または4に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記第2閾値は、予め、前記複数の気筒の全ての組合せからなる二以上の気筒が前記多気筒失火するときの前記第1失火パラメータの変化に対応付けて設定されることを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【請求項8】
請求項3または4に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記第3閾値は、予め、前記複数の気筒の全ての組合せからなる二以上の気筒が前記多気筒失火するときの前記合算失火パラメータの変化に対応付けて設定されることを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【請求項9】
請求項2~4のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記内燃機関は5以上の気筒を有し、
前記パラメータ算出部は、前記対象気筒で燃焼行程が開始してから他の気筒で燃焼行程が開始するまでに、前記速度検出部により検出された回転速度に基づいて、前記対象気筒についての前記失火パラメータを算出することを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【請求項10】
請求項2~4のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置において、
前記速度検出部は第1速度検出部であり、
前記内燃機関から出力された動力によって回転駆動される電動機器の回転速度を検出する第2速度検出部をさらに備え、
前記パラメータ算出部は、前記第1速度検出部により検出された前記内燃機関の回転速度と、前記第2速度検出部により検出された前記電動機器の回転速度とに基づいて、前記失火パラメータを算出することを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の失火の有無を判定する内燃機関の失火判定装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、気候変動の緩和または影響軽減を目的とした取り組みが継続され、この実現に向けてエミッション改善に関する研究開発が行われている。この点に関し、従来、排気管に触媒コンバータを備えたエンジンにおいて、所定クランク角毎に検出された内燃機関の回転速度と基準回転速度との差を、燃焼行程の全体にわたって積分して、失火判定パラメータを算出するとともに、失火判定パラメータが所定の閾値より小さいか否かを判定することにより、失火の有無を判定するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-198368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に、複数の気筒を有する内燃機関において、複数の気筒が失火したときの回転速度の低下の割合は、単一の気筒が失火したときの低下の割合よりも小さい。このため、上記特許文献1記載の装置のように失火判定パラメータが所定の閾値より小さいか否かを判定するだけでは、複数の気筒が失火した場合に内燃機関の失火の有無を良好に判定できないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様である内燃機関の失火判定装置は、複数の気筒を有する内燃機関の出力軸の回転速度を検出する速度検出部と、速度検出部により検出された回転速度に基づいて、複数の気筒のそれぞれの燃焼行程における回転速度の変化量と相関関係を有する失火パラメータであり、回転速度の増加量が大きいほど増加するような失火パラメータを算出するパラメータ算出部と、パラメータ算出部により算出された失火パラメータが第1閾値未満であるか否かを判定する第1判定部と、失火パラメータが第1閾値よりも大きい第2閾値未満であるか否かを判定する第2判定部と、を有し、第1判定部および第2判定部の判定結果に応じて内燃機関の失火の有無を判定する失火判定部と、を備える。失火判定部は、第1判定部により失火パラメータが第1閾値未満であると判定されると、複数の気筒のうちの単一の気筒での失火である単気筒失火が発生していると判定し、第2判定部により失火パラメータが第2閾値未満であると判定されると、単気筒失火または複数の気筒のうちの二以上の気筒での失火である多気筒失火が発生していると判定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の気筒が失火した場合であっても内燃機関の失火の有無を良好に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施形態に係る失火判定装置が適用されるエンジンの要部構成を概略的に示す図。
図1のエンジンの制御構成を示すブロック図。
エンジンの各気筒の圧縮上死点近傍で検出される回転速度を基準とした相対回転速度の変化を示す図。
図3Aの相対回転速度に対応する失火パラメータを示す図。
エンジンの複数の失火パターンごとに、失火パラメータの変化を示す図。
本発明の実施形態に係る内燃機関の失火判定装置の要部構成を示すブロック図。
正常サイクル失火パラメータと失火サイクルの失火パラメータの一例を並べて示す図。
図5のブロック図から出力されるフラグ信号と失火パターンとの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1~図7を参照して本発明の一実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る内燃機関の失火判定装置は、複数の気筒を有する内燃機関の失火の有無を判定するように構成される。まず、本実施形態が適用される内燃機関としてのガソリンエンジンの構成について説明する。エンジンは車両に搭載され、走行駆動源として用いられる。車両は、エンジンのみを駆動源として走行するエンジン車およびエンジンとモータとを駆動源として走行するハイブリッド車両のいずれであってもよい。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る失火判定装置が適用されるエンジン1の要部構成を概略的に示す図である。エンジン1は、動作周期の間に吸気、膨張、圧縮および排気の4つの行程を経る4ストロークエンジンである。吸気行程の開始から排気行程の終了までを、エンジン1の燃焼の1サイクルまたは単に1サイクルと称する。膨張行程は、混合気が燃焼される行程であり、燃焼行程ともいう。エンジン1は、4つの気筒を有する4気筒エンジンである。なお、複数の気筒を有するのであれば、エンジン1の気筒数はこれに限らず、6気筒エンジンや8気筒エンジンであってもよい。図1には、単一の気筒の構成を示す。各気筒の構成は互いに同一である。
【0010】
図1に示すように、エンジン1は、シリンダブロック101に形成されたシリンダ102と、シリンダ102の内部に摺動可能に配置されたピストン103と、ピストン103の冠面(ピストン冠面)103aとシリンダヘッド104との間に形成された燃焼室105と、を有する。ピストン冠面103aには、例えばシリンダ内のタンブル流に沿うように凹部103bが形成される。ピストン103は、コンロッド106を介してクランクシャフト107に連結され、シリンダ102の内壁に沿ってピストン103が往復動することにより、クランクシャフト107が回転する。クランクシャフト107は、エンジン1の出力軸に相当する。
(【0011】以降は省略されています)

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