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公開番号2024052279
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158880
出願日2022-09-30
発明の名称車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 41/10 20060101AFI20240404BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ガタ打ちショックを抑制すると共にレスポンスの悪化を抑制することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】現在の動力伝達装置の入力側トルクと、現在の回転センサによる検出値と、ガタ打ち時点での動力伝達装置の出力側トルクを現在の動力伝達装置の出力側トルクと同値にすることと、に基づいて、ガタ打ちトルクが算出される。走行抵抗や勾配などから決まる動力伝達装置の出力側トルクを用いることなく、走行抵抗や勾配などの使用環境が反映された出力側トルク以外の現在値を用いた上記の算出方法により実際の使用環境を考慮して精度良くガタ打ちトルクを算出することができる。よって、ガタ打ちショックを抑制すると共にレスポンスの悪化を抑制することができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
動力源と、前記動力源からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置と、前記動力伝達装置を構成する回転部材の回転速度に対応する値を検出する回転センサと、を備えた車両の、制御装置であって、
現在の前記動力伝達装置の入力側トルクと、
現在の前記回転センサによる検出値と、
前記動力伝達装置における動力伝達状態が駆動状態と被駆動状態とで切り替えられるガタ打ち時点での前記動力伝達装置の出力側トルクを、現在の前記動力伝達装置の出力側トルクと同値にすることと、
に基づいて、前記ガタ打ち時点での前記動力伝達装置の入力側トルクであるガタ打ちトルクを算出するトルク算出部を含んでいることを特徴とする車両の制御装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記トルク算出部は、前記動力伝達状態が前記駆動状態及び前記被駆動状態の一方から他方へ切り替えられる過渡期間の開始時点から前記ガタ打ち時点前までの所定時点において、前記ガタ打ちトルクを算出することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記動力伝達装置は、前記駆動輪における左右の車輪に前記動力を分配するディファレンシャル装置を備えており、
前記トルク算出部は、
前記現在の前記動力伝達装置の入力側トルクとしての、現在の前記ディファレンシャル装置の入力側トルクと、
前記現在の前記回転センサによる検出値としての、現在の前記ディファレンシャル装置の入力側回転速度又は出力側回転速度の、変化量と、
予め定められた、前記動力源から前記ディファレンシャル装置までの入力側総等価慣性重量と、
予め定められた、前記ディファレンシャル装置から前記駆動輪までの出力側総等価慣性重量と、
前記ディファレンシャル装置のギヤ比と、
前記ガタ打ち時点での前記動力伝達装置の出力側トルクとしての、前記ガタ打ち時点での前記ディファレンシャル装置の出力側トルクを、前記現在の前記動力伝達装置の出力側トルクとしての、現在の前記ディファレンシャル装置の出力側トルクと同値にすることと、
に基づいて、前記ガタ打ちトルクとしての、前記ガタ打ち時点での前記ディファレンシャル装置の入力側トルクを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記動力伝達装置は、前記動力源と前記ディファレンシャル装置との間の動力伝達経路に変速機を備えており、
前記トルク算出部は、前記入力側総等価慣性重量として、予め定められた、前記変速機のギヤ比に応じた入力側総等価慣性重量を設定することを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記動力伝達装置は、前記動力源としてのエンジン及び電動機と、前記エンジン又は前記電動機から前記ディファレンシャル装置への動力伝達を遮断することが可能なクラッチと、を備えており、
前記トルク算出部は、前記入力側総等価慣性重量として、予め定められた、前記クラッチの制御状態に応じた入力側総等価慣性重量を設定すると共に、前記クラッチの制御状態に応じた前記現在の前記ディファレンシャル装置の入力側トルクを算出することを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置を備えた車両の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
動力源と、前記動力源からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置と、前記動力伝達装置を構成する回転部材の回転速度に対応する値を検出する回転センサと、を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された内燃機関の制御装置がそれである。この特許文献1には、アクセルオフに伴うエンジントルクの減衰過程において、第1減衰期間と第2減衰期間と第3減衰期間とを設定し、第2減衰期間の減衰率を第1減衰期間や第3減衰期間に比べて小さくすることが開示されている。前記第2減衰期間は、動力伝達装置における動力伝達状態が駆動状態から被駆動状態へ切り替えられるガタ打ち時点を含む駆動被駆動切替領域に相当する。動力伝達装置における動力伝達状態が駆動状態から被駆動状態へ切り替えられる所謂チップアウトに伴って動力伝達装置におけるガタ詰めの方向が反転する為、歯打ちによるショックであるガタ打ちショックが発生するおそれがある。特許文献1の技術では、第2減衰期間の減衰率を比較的小さくすることで、ガタ打ちショックを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-47667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駆動被駆動切替領域は、例えば平坦路等の標準状態且つ車両の諸元などから算出されたガタ打ち時点のトルクであるガタ打ちトルクを基に予め定められる。しかしながら、車両の実際の使用環境下では登坂路や圧雪路などによって標準状態とは異なったり、タイヤ変更等によって車両の諸元が変化する場合があり、実際のガタ打ち時点が、予め定められた駆動被駆動切替領域内に収まらないおそれがある。そうすると、ガタ打ちショックを適切に抑制することができないおそれがある。これに対して、例えば特許文献1に記載されているように、エンジンの出力により駆動されるエアコンの作動状態やエンジンの暖機状態に応じて、駆動被駆動切替領域の前後の領域における減衰率を小さくすることが考えられる。又は、駆動被駆動切替領域のトルク幅をより大きくすることが考えられる。しかしながら、上述したような対策では、トルクを変化させる全体の期間が長くなり、応答遅れつまりレスポンスの悪化を招くおそれがある。多様な環境下において車両のドライバビリティーを向上することについて改善の余地がある。尚、例えばアクセルオンに伴って、動力伝達装置における動力伝達状態が被駆動状態から駆動状態へ切り替えられる所謂チップインが行われる場合にも同様の課題が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ガタ打ちショックを抑制すると共にレスポンスの悪化を抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の要旨とするところは、(a)動力源と、前記動力源からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置と、前記動力伝達装置を構成する回転部材の回転速度に対応する値を検出する回転センサと、を備えた車両の、制御装置であって、(b)現在の前記動力伝達装置の入力側トルクと、現在の前記回転センサによる検出値と、前記動力伝達装置における動力伝達状態が駆動状態と被駆動状態とで切り替えられるガタ打ち時点での前記動力伝達装置の出力側トルクを、現在の前記動力伝達装置の出力側トルクと同値にすることと、に基づいて、前記ガタ打ち時点での前記動力伝達装置の入力側トルクであるガタ打ちトルクを算出するトルク算出部を含んでいることにある。
【発明の効果】
【0007】
前記第1の発明によれば、現在の動力伝達装置の入力側トルクと、現在の回転センサによる検出値と、ガタ打ち時点での動力伝達装置の出力側トルクを現在の動力伝達装置の出力側トルクと同値にすることと、に基づいて、ガタ打ちトルクが算出される。つまり、動力伝達装置の出力側トルクについて、現在値とガタ打ち時点での値とは短時間では変化し難いことを利用して、両者を同値として処理することで、動力伝達装置の入力側トルク及び回転センサによる検出値の各現在値を用いてガタ打ちトルクが算出される。走行抵抗や勾配などから決まる動力伝達装置の出力側トルクを用いることなく、走行抵抗や勾配などの使用環境が反映された出力側トルク以外の現在値を用いた上記の算出方法により実際の使用環境を考慮して精度良くガタ打ちトルクを算出することができる。これにより、ガタ打ちが発生する領域を精度良く予測することができ、ガタ打ちが発生するトルク領域を小さくしても、ガタ打ちショックを適切に抑制することができる。又、ガタ打ちが発生しないトルク領域では、速やかに動力伝達装置の入力側トルクを変化させることができる。よって、ガタ打ちショックを抑制すると共にレスポンスの悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。
電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、ガタ打ちショックを抑制すると共にレスポンスの悪化を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。
図2のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であって、図1の車両とは別の実施例である。
電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、ガタ打ちショックを抑制すると共にレスポンスの悪化を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであって、図2のフローチャートとは別の実施例である。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であって、図1や図4の車両とは別の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態において、前記動力伝達装置を構成する回転部材の回転速度は、前記回転部材の角速度に対応するものである。前記回転部材の回転速度の変化量は、繰り返し実行される制御サイクルにおける変化量であって、例えば前記回転部材の回転速度の変化速度である。前記回転部材の回転速度の変化速度は、前記回転部材の回転速度の時間変化率すなわち時間微分であって、前記回転部材の角加速度に対応するものである。回転速度を回転速度ωと表し、回転速度の変化速度を回転変化量dω/dtと表す。数式中においては回転変化量dω/dtをωのドットで表すこともある。
【0010】
又、前記ディファレンシャル装置、前記変速機等の前記動力伝達装置を構成する装置におけるギヤ比(変速比も同意)は、「入力側回転速度/出力側回転速度」である。
(【0011】以降は省略されています)

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