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公開番号2024051244
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157301
出願日2022-09-30
発明の名称積層位相差フィルム、位相差層付偏光板および画像表示装置
出願人日東電工株式会社
代理人個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240404BHJP(光学)
要約【課題】過酷な高温高湿環境下においても優れた耐久性を有する積層位相差フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による積層位相差フィルムは、第1位相差層と、第1接着層を介して第1位相差層に貼り合わせられた第2位相差層と、を有し、第1位相差層と第2位相差層とは、互いの軸ずれが相殺されるように貼り合わせられている。第1位相差層および第2位相差層はそれぞれ、Re(450)<Re(550)の関係を満足し、第1位相差層の面内位相差Re1(550)および第2位相差層の面内位相差Re2(550)の合計が100nm~180nmである。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
第1位相差層と、第1接着層を介して該第1位相差層に貼り合わせられた第2位相差層と、を有し、
該第1位相差層と該第2位相差層とは、互いの軸ずれが相殺されるように貼り合わせられており、
該第1位相差層および該第2位相差層がそれぞれ、Re(450)<Re(550)の関係を満足し、
該第1位相差層の面内位相差Re

(550)および該第2位相差層の面内位相差Re

(550)の合計が100nm~180nmである、
積層位相差フィルム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第1位相差層と前記第2位相差層との間にポジティブCプレートをさらに有し、
該ポジティブCプレートは、前記第1接着層を介して該第1位相差層に貼り合わせられ、かつ、第2接着層を介して該第2位相差層に貼り合わせられている、
請求項1に記載の積層位相差フィルム。
【請求項3】
前記第1位相差層または前記第2位相差層の外側に、第2接着層を介して該第1位相差層または該第2位相差層に貼り合わせられたポジティブCプレートをさらに有する、請求項1に記載の積層位相差フィルム。
【請求項4】
前記第1位相差層または前記第2位相差層のうち前記ポジティブCプレートが設けられていない位相差層の外側に、第3接着層を介して貼り合わせられた別のポジティブCプレートをさらに有する、請求項3に記載の積層位相差フィルム。
【請求項5】
前記第1接着層および前記第2接着層が活性エネルギー線硬化型接着剤で構成されており、その貯蔵弾性率がそれぞれ1.0MPa以上である、請求項3に記載の積層位相差フィルム。
【請求項6】
前記第1位相差層の遅相軸方向と前記第2位相差層の遅相軸方向とが実質的に平行である、請求項1に記載の積層位相差フィルム。
【請求項7】
前記第1位相差層および前記第2位相差層がそれぞれ、カーボネート結合およびエステル結合からなる群から選択される少なくとも1つの結合基と、下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位からなる群から選択される少なくとも1つの構造単位とを含み、正の屈折率異方性を有する樹脂を含有する、請求項1に記載の積層位相差フィルム:
TIFF
2024051244000009.tif
53
117
TIFF
2024051244000010.tif
52
115
一般式(1)および(2)中、R

~R

は、それぞれ独立に、直接結合、置換または非置換の炭素数1~4のアルキレン基であり、R

~R

は、それぞれ独立に、水素原子、置換または非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換または非置換の炭素数4~10のアリール基、置換または非置換の炭素数1~10のアシル基、置換または非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1~10のアリールオキシ基、置換または非置換のアミノ基、置換または非置換の炭素数1~10のビニル基、置換または非置換の炭素数1~10のエチニル基、置換基を有する硫黄原子、置換基を有するケイ素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、またはシアノ基であり;ただし、R

~R

は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、 R

~R

のうち隣接する少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成していてもよい。
【請求項8】
前記第1位相差層および前記第2位相差層の吸水率がそれぞれ、1.1%~2.8%である、請求項1に記載の積層位相差フィルム。
【請求項9】
偏光子を含む偏光板と、請求項1から8のいずれかに記載の積層位相差フィルムと、を有し、
該偏光子の吸収軸方向と前記第1位相差層および前記第2位相差層の遅相軸方向とのなす角度が40°~50°である、
位相差層付偏光板。
【請求項10】
請求項9に記載の位相差層付偏光板を備える、画像表示装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層位相差フィルム、位相差層付偏光板および画像表示装置に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置には、代表的には偏光板および位相差板が用いられている。実用的には、偏光板と位相差板とを一体化した位相差層付偏光板が広く用いられている(例えば、特許文献1)。近年、画像表示装置の用途の広がりに伴い、位相差層付偏光板(したがって、それに用いられる位相差板)に対しても各種性能の向上が要望されている。例えば、位相差板に対して、従来は要求されなかった過酷な高温高湿環境下における耐久性が求められる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3325560号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、過酷な高温高湿環境下においても優れた耐久性を有する積層位相差フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]:本発明の実施形態による積層位相差フィルムは、第1位相差層と、第1接着層を介して該第1位相差層に貼り合わせられた第2位相差層と、を有し、該第1位相差層と該第2位相差層とは、互いの軸ずれが相殺されるように貼り合わせられている。該第1位相差層および該第2位相差層はそれぞれ、Re(450)<Re(550)の関係を満足し、該第1位相差層の面内位相差Re

(550)および該第2位相差層の面内位相差Re

(550)の合計は100nm~180nmである。
[2]:上記[1]において、上記積層位相差フィルムは、上記第1位相差層と上記第2位相差層との間にポジティブCプレートをさらに有し、該ポジティブCプレートは、上記第1接着層を介して該第1位相差層に貼り合わせられ、かつ、第2接着層を介して該第2位相差層に貼り合わせられている。
[3]:上記[1]または[2]において、上記積層位相差フィルムは、上記第1位相差層または上記第2位相差層の外側に、第2接着層を介して該第1位相差層または該第2位相差層に貼り合わせられたポジティブCプレートをさらに有する。
[4]:上記[3]において、上記積層位相差フィルムは、上記第1位相差層または上記第2位相差層のうち上記ポジティブCプレートが設けられていない位相差層の外側に、第3接着層を介して貼り合わせられた別のポジティブCプレートをさらに有する。
[5]:上記[1]から[4]のいずれかにおいて、上記第1接着層および上記第2接着層は活性エネルギー線硬化型接着剤で構成されており、その貯蔵弾性率はそれぞれ1.0MPa以上である。
[6]:上記[1]から[5]のいずれかにおいて、上記第1位相差層の遅相軸方向と上記第2位相差層の遅相軸方向とは実質的に平行である。
[7]:上記[1]から[6]のいずれかにおいて、上記第1位相差層および上記第2位相差層はそれぞれ、カーボネート結合およびエステル結合からなる群から選択される少なくとも1つの結合基と、下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位からなる群から選択される少なくとも1つの構造単位とを含み、正の屈折率異方性を有する樹脂を含有する:
TIFF
2024051244000002.tif
53
117
TIFF
2024051244000003.tif
52
115
一般式(1)および(2)中、R

~R

は、それぞれ独立に、直接結合、置換または非置換の炭素数1~4のアルキレン基であり、R

~R

は、それぞれ独立に、水素原子、置換または非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換または非置換の炭素数4~10のアリール基、置換または非置換の炭素数1~10のアシル基、置換または非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1~10のアリールオキシ基、置換または非置換のアミノ基、置換または非置換の炭素数1~10のビニル基、置換または非置換の炭素数1~10のエチニル基、置換基を有する硫黄原子、置換基を有するケイ素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、またはシアノ基であり;ただし、R

~R

は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、 R

~R

のうち隣接する少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成していてもよい。
[8]:上記[1]から[7]のいずれかにおいて、上記第1位相差層および上記第2位相差層の吸水率はそれぞれ、1.1%~2.8%である。
[9]:本発明の別の局面によれば、位相差層付偏光板が提供される。当該位相差層付偏光板は、偏光子を含む偏光板と、上記[1]から[8]のいずれかに記載の積層位相差フィルムと、を有し、該偏光子の吸収軸方向と上記第1位相差層および上記第2位相差層の遅相軸方向とのなす角度は40°~50°である。
[10]:本発明のさらに別の局面によれば、画像表示装置が提供される。当該画像表示装置は、上記[1]から[8]のいずれかに記載の積層位相差フィルム、あるいは、上記[9]に記載の位相差層付偏光板を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、過酷な高温高湿環境下においても優れた耐久性を有する積層位相差フィルムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による積層位相差フィルムの概略断面図である。
本発明の別の実施形態による積層位相差フィルムの概略断面図である。
本発明のさらに別の実施形態による積層位相差フィルムの概略断面図である。
本発明のさらに別の実施形態による積層位相差フィルムの概略断面図である。
本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの面内位相差である。例えば、「Re(450)」は、23℃における波長450nmの光で測定したフィルムの面内位相差である。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(450)」は、23℃における波長450nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、特に明記しない限り、当該角度は時計回りおよび反時計回りの両方の方向の角度を包含する。
(6)「実質的に直交」または「実質的に平行」
本明細書において「実質的に直交」とは、2つの方向のなす角度が90°±7°である場合を包含し、好ましくは90°±5°であり、より好ましくは90°±3°であり、さらに好ましくは90°±1°である。「実質的に平行」とは、2つの方向のなす角度が0°±7°である場合を包含し、好ましくは0°±5°であり、より好ましくは0°±3°であり、さらに好ましくは0°±1°である。また、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、「実質的に直交」または「実質的に平行」である場合を包含する。
【0010】
A.積層位相差フィルム
A-1.積層位相差フィルムの全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による積層位相差フィルムの概略断面図である。図示例の積層位相差フィルム100は、第1位相差層11と、第1接着層31を介して第1位相差層11に貼り合わせられた第2位相差層12と、を有する。第1位相差層11と第2位相差層12との間に中間層としての第1接着層31を介在させることにより、単一の位相差フィルムで所定の面内位相差を付与する場合(例えば、λ/2板またはλ/4板とする場合)に比べて、第1位相差層11および第2位相差層12のそれぞれの厚みを小さくすることができる。その結果、第1位相差層11および第2位相差層12のそれぞれの収縮応力を小さくすることができ、過酷な高温環境下においても優れた耐久性を有する積層位相差フィルムを実現することができる。さらに、第1位相差層11と第2位相差層12との間に中間層としての第1接着層31を介在させることにより、単一の位相差フィルムで所定の面内位相差を付与する場合(例えば、λ/2板またはλ/4板とする場合)に比べて、第1位相差層11および第2位相差層12のそれぞれの厚み方向の断面積を小さくすることができる。したがって、第1位相差層11および第2位相差層12のそれぞれの水分との接触面積を小さくすることができ、加湿による配向の緩和を低減することができる。その結果、過酷な高湿環境下においても優れた耐久性を有する積層位相差フィルムを実現することができる。本発明の実施形態によれば、上記の効果の相乗的な効果により、過酷な高温高湿環境下においても優れた耐久性を有する積層位相差フィルムを実現することができる。より詳細には、過酷な高温高湿環境下においても面内位相差の変化が小さい積層位相差フィルムを実現することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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