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公開番号2024049205
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155529
出願日2022-09-28
発明の名称高分子分散型液晶フィルム
出願人日東電工株式会社
代理人個人,個人
主分類G02F 1/1334 20060101AFI20240402BHJP(光学)
要約【課題】所定の領域のみにおいて透明状態と散乱状態とを切り替え可能な高分子分散型液晶フィルム、および、耐光性が向上された高分子分散型液晶フィルムを提供すること。
【解決手段】第1導電性基材と、高分子マトリクスと高分子マトリクス中に分散した液晶液滴および光重合開始剤とを含む高分子分散型液晶層と、第2導電性基材と、をこの順に含み、高分子分散型液晶層が、平面視において、電圧の印加によるヘイズの変化量が異なる第1領域と第2領域とを有し、第1領域における電圧の印加によるヘイズの変化量が、第2領域における電圧の印加によるヘイズの変化量よりも小さく、第2領域における液晶液滴が、重合性液晶化合物と非重合性液晶化合物とを含み、第1領域における液晶液滴が、重合性液晶化合物の重合体である液晶ポリマーと非重合性液晶化合物とを含み、第1導電性基材が、紫外線カット層を含む、高分子分散型液晶フィルム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1導電性基材と、高分子マトリクスと前記高分子マトリクス中に分散した液晶液滴および光重合開始剤とを含む高分子分散型液晶層と、第2導電性基材と、をこの順に含み、
前記高分子分散型液晶層が、平面視において、電圧の印加によるヘイズの変化量が異なる第1領域と第2領域とを有し、
前記第1領域における電圧の印加によるヘイズの変化量が、前記第2領域における電圧の印加によるヘイズの変化量よりも小さく、
前記第2領域における前記液晶液滴が、重合性液晶化合物と非重合性液晶化合物とを含み、
前記第1領域における前記液晶液滴が、前記重合性液晶化合物の重合体である液晶ポリマーと前記非重合性液晶化合物とを含み、
前記第1導電性基材が、紫外線カット層を含む、
高分子分散型液晶フィルム。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記紫外線カット層の波長350nmにおける吸光度が、2以上である、請求項1に記載の高分子分散型液晶フィルム。
【請求項3】
前記光重合開始剤の最も長波長側の極大吸収波長をAnmとした場合に、前記紫外線カット層のA-30nm~A+50nmの波長範囲における吸光度が、5以上である、請求項1に記載の高分子分散型液晶フィルム。
【請求項4】
前記光重合開始剤の最も長波長側の極大吸収波長をAnmとした場合に、前記紫外線カット層のA+70nmの波長における吸光度が、1.8以上である、請求項1に記載の高分子分散型液晶フィルム。
【請求項5】
前記光重合開始剤が、300nm~340nmの範囲に極大吸収波長を有する、請求項1に記載の高分子分散型液晶フィルム。
【請求項6】
前記第2導電性基材が、紫外線カット層または反射層を含む、請求項1に記載の高分子分散型液晶フィルム。
【請求項7】
前記第2領域における前記非重合性液晶化合物と前記重合性液晶化合物との含有重量比(非重合性液晶化合物:重合性液晶化合物)が、99:1~70:30である、請求項1に記載の高分子分散型液晶フィルム。
【請求項8】
前記第1領域のヘイズと前記第2領域のヘイズとの差が、電圧の印加によって増大する、請求項1に記載の高分子分散型液晶フィルム。
【請求項9】
前記第1領域のヘイズと前記第2領域のヘイズとの差が、電圧の印加によって減少する、請求項1に記載の高分子分散型液晶フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子分散型液晶フィルムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電圧の印加状態に応じて異なる外観を呈する調光フィルムが、広告、案内板等の表示体、スマートウインドウ等の種々の用途に適用されている。
【0003】
一対の透明電極層の間に高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal;以下、「PDLC」と称する場合がある)層を有するPDLCフィルムは、調光フィルムの一種であり、電圧印加状態と無印加状態とを切り替えることにより、光を散乱させる状態(散乱状態)と光を透過させる状態(非散乱状態または透明状態)とを切り替えることができる。具体的には、PDLC層は、高分子マトリクスと該高分子マトリクス中に分散した液晶化合物の液滴(液晶液滴)とを含み、液晶液滴中の液晶化合物と高分子マトリクスとの屈折率差等に起因して液晶液滴が散乱粒子となって光散乱を生じさせ得る。
【0004】
上記PDLCフィルムは、一般に、散乱状態において白濁した外観を呈することから、白濁(散乱状態)と透明(非散乱状態)との2つの外観を呈し得るが、意匠性を考慮すると、他の外観を呈することができる調光フィルムへの要望が存在する。
【0005】
上記要望に関連して、特許文献1には、全体入射光量の調節が可能な調光フィルムとして、液晶化合物ではなく、二色性物質を用いることにより、非散乱状態において透明な外観を呈し、散乱状態において着色した外観を呈する調光フィルムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-189123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の調光フィルムにおいては、透明状態と散乱状態との切り替えは、フィルム全面に関して行われ、所定の領域のみにおいて当該切り替えを行うことはできなかった。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、所定の領域のみにおいて透明状態と散乱状態とを切り替え可能な高分子分散型液晶フィルムを提供することにあり、このような高分子分散型液晶フィルムにおいて耐光性を向上させることをさらなる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]本発明の実施形態による高分子分散型液晶フィルムは、第1導電性基材と、高分子マトリクスと上記高分子マトリクス中に分散した液晶液滴および光重合開始剤とを含む高分子分散型液晶層と、第2導電性基材と、をこの順に含み、上記高分子分散型液晶層が、平面視において、電圧の印加によるヘイズの変化量が異なる第1領域と第2領域とを有し、上記第1領域における電圧の印加によるヘイズの変化量が、上記第2領域における電圧の印加によるヘイズの変化量よりも小さく、上記第2領域における上記液晶液滴が、重合性液晶化合物と非重合性液晶化合物とを含み、上記第1領域における上記液晶液滴が、上記重合性液晶化合物の重合体である液晶ポリマーと上記非重合性液晶化合物とを含み、上記第1導電性基材が、紫外線カット層を含む。
[2]上記[1]に記載の高分子分散型液晶フィルムにおいて、上記紫外線カット層の波長350nmにおける吸光度が、2以上であってよい。
[3]上記[1]または[2]に記載の高分子分散型液晶フィルムにおいて、上記光重合開始剤の最も長波長側の極大吸収波長をAnmとした場合に、上記紫外線カット層のA-30nm~A+50nmの波長範囲における吸光度が、5以上であってよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載の高分子分散型液晶フィルムにおいて、上記光重合開始剤の最も長波長側の極大吸収波長をAnmとした場合に、上記紫外線カット層のA+70nmの波長における吸光度が、1.8以上であってよい。
[5]上記[1]から[4]のいずれかに記載の高分子分散型液晶フィルムにおいて、上記光重合開始剤が、300nm~340nmの範囲に極大吸収波長を有してよい。
[6]上記[1]から[5]のいずれかに記載の高分子分散型液晶フィルムにおいて、上記第2導電性基材が、紫外線カット層または反射層を含んでよい。
[7]上記[1]から[6]のいずれかに記載の高分子分散型液晶フィルムにおいて、上記第2領域における上記非重合性液晶化合物と上記重合性液晶化合物との含有重量比(非重合性液晶化合物:重合性液晶化合物)が、99:1~70:30であってよい。
[8]上記[1]から[7]のいずれかに記載の高分子分散型液晶フィルムにおいて、上記第1領域のヘイズと上記第2領域のヘイズとの差が、電圧の印加によって増大してもよい。
[9]上記[1]から[7]のいずれかに記載の高分子分散型液晶フィルムにおいて、上記第1領域のヘイズと上記第2領域のヘイズとの差が、電圧の印加によって減少してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、第1領域の液晶液滴内では液晶ポリマーによって液晶化合物が配向規制を受ける結果、電圧の印加状態の変化に起因するヘイズの変化が抑制される。一方、第2領域の液晶液滴内では、液晶化合物の配向状態が電圧の印加状態に応じて変化し、ヘイズを大きく変化させることができる。よって、第1領域および第2領域を所望のパターンで形成することにより、電圧印加時と無印加時とのいずれか一方の場合において所定のパターンを有する外観を呈し、他方の場合には均一性の高い外観を呈する調光フィルムが提供され得る。さらに、PDLC層を挟持する一対の導電性基材の少なくとも一方が紫外線カット層を含むことにより、太陽光の曝露等によって第2領域の液晶液滴内に液晶ポリマーが生成して、第2領域のヘイズの変化量が小さくなるという問題を防止し、耐光性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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