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公開番号2024057834
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164778
出願日2022-10-13
発明の名称光学積層体の製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240418BHJP(光学)
要約【課題】偏光子の吸収軸と位相差層の遅相軸とがなす角度を精密に制御した光学積層体を効率的に製造し得る方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による光学積層体の製造方法は、偏光板を含む第1積層フィルムと第1位相差層を含む第2積層フィルムとを準備する工程と、該第2積層フィルムの複数箇所において第1位相差層の理想状態の遅相軸と実際の遅相軸とのなす軸交差角度を検査して、第2積層フィルムを良品または不良品と判定する工程と、良品と判定された第2積層フィルムと第1積層フィルムとを貼り合わせて、積層フィルム中間体を得る工程と、積層フィルム中間体における異物の有無を検査し、積層フィルム中間体を良品または不良品と判定する工程と、良品と判定された積層フィルム中間体を所定サイズに打ち抜いて、複数の光学積層体片を得る工程とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
偏光板を含む第1積層フィルムと、λ/4板として機能する第1位相差層を含む第2積層フィルムとを準備する準備工程と、
前記第2積層フィルムの複数箇所において、前記第1位相差層の理想状態の遅相軸と前記第1位相差層の実際の遅相軸とがなす軸交差角度を検査して、複数の検査箇所のうち前記軸交差角度が所定範囲内である検査箇所の割合が、所定範囲内である場合に良品と判定し、所定範囲外である場合に不良品と判定する軸アライメント検査工程と、
前記軸アライメント検査工程において良品と判定された第2積層フィルムと、前記第1積層フィルムとを貼り合わせて、積層フィルム中間体を得る貼合工程と、
前記積層フィルム中間体における異物の有無を検査し、前記積層フィルム中間体を良品または不良品と判定する異物検査工程と、
前記異物検査工程において良品と判定された積層フィルム中間体を所定サイズに打ち抜き、複数の光学積層体片を得る打抜工程と、
を含む、光学積層体の製造方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記貼合工程において、前記偏光板の偏光子の吸収軸と前記第1位相差層の実際の遅相軸とのなす角度が所定範囲内となるように、前記第1積層フィルムと前記第2積層フィルムとを貼り合わせる、請求項1に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項3】
前記異物検査工程において、前記積層フィルム中間体を複数の仮想エリアに区画して、前記複数の仮想エリアにおける異物の有無を検査し、前記複数の仮想エリアのうち異物が含まれる仮想エリアの割合が、所定範囲内である場合に良品と判定し、所定範囲外である場合に不良品と判定する、請求項1に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項4】
前記第2積層フィルムは、
前記第1位相差層に積層される第2位相差層であって、nz>nx=nyの屈折率特性を示す第2位相差層と、
前記第2位相差層に対して前記第1位相差層の反対側に位置する第1表面保護フィルムと、を備え、
前記第1表面保護フィルムは、前記積層フィルム中間体の最表面に位置する、請求項1に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項5】
前記異物検査工程後かつ前記打抜工程前に、前記積層フィルム中間体の第1表面保護フィルムに、第2表面保護フィルムを貼り合わせる表面保護工程を含む、請求項4に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項6】
前記軸アライメント検査工程、前記貼合工程、前記異物検査工程および前記表面保護工程は、クリーンブース内で実施される、請求項5に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項7】
前記軸アライメント検査工程の前に、前記第1積層フィルムおよび前記第2積層フィルムのそれぞれを洗浄する洗浄工程を含む、請求項1に記載の光学積層体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置においては、画像表示を実現し、および/または当該画像表示の性能を高めるために、偏光板と位相差フィルム(位相差層)とを含む光学積層体が広く使用されている。ところで、近年、画像表示装置の新たな用途が開発されている。そのような用途の一例としては、ヴァーチャルリアリティ(VR)ゴーグルが挙げられる。VRゴーグルに光学積層体を適用する場合、そのサイズが従来の用途に比べて顕著に小さくなる。その結果、従来の用途よりも、偏光子の吸収軸と位相差層の遅相軸とがなす角度を精密に制御することが要求され得る。
また、そのような光学積層体は、画像表示欠陥などを抑制するために当該光学積層体内部の異物を排除する必要があり、代表的には異物検査に供される。例えば、異物検査は、最終製品としての光学積層体に対して実施され、所定の基準に基づいて良品と不良品とに選別される。しかし、最終製品に対して異物検査を実施すると、光学積層体の製造効率の向上を図るには限度がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-182162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、偏光子の吸収軸と位相差層の遅相軸とがなす角度を精密に制御した光学積層体を、効率的に製造し得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態による光学積層体の製造方法は、偏光板を含む第1積層フィルムと、λ/4板として機能する第1位相差層を含む第2積層フィルムとを準備する準備工程と、前記第2積層フィルムの複数箇所において、前記第1位相差層の理想状態の遅相軸と前記第1位相差層の実際の遅相軸とがなす軸交差角度を検査して、複数の検査箇所のうち前記軸交差角度が所定範囲内である検査箇所の割合が、所定範囲内である場合に良品と判定し、所定範囲外である場合に不良品と判定する軸アライメント検査工程と、前記軸アライメント検査工程において良品と判定された第2積層フィルムと、前記第1積層フィルムとを貼り合わせて、積層フィルム中間体を得る貼合工程と、前記積層フィルム中間体における異物の有無を検査し、前記積層フィルム中間体を良品または不良品と判定する異物検査工程と、前記異物検査工程において良品と判定された積層フィルム中間体を所定サイズに打ち抜き、複数の光学積層体片を得る打抜工程と、を含む。
[2]上記[1]に記載の光学積層体の製造方法における上記貼合工程において、上記偏光板の偏光子の吸収軸と上記第1位相差層の実際の遅相軸とのなす角度が所定範囲内となるように、上記第1積層フィルムと上記第2積層フィルムとを貼り合わせてもよい。
[3]上記[1]または[2]に記載の光学積層体の製造方法における上記異物検査工程において、上記積層フィルム中間体を複数の仮想エリアに区画して、上記複数の仮想エリアにおける異物の有無を検査し、上記複数の仮想エリアのうち異物が含まれる仮想エリアの割合が、所定範囲内である場合に良品と判定し、所定範囲外である場合に不良品と判定してもよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載の光学積層体の製造方法において、上記第2積層フィルムは、上記第1位相差層に積層される第2位相差層であって、nz>nx=nyの屈折率特性を示す第2位相差層と、該第2位相差層に対して上記第1位相差層の反対側に位置する第1表面保護フィルムと、を含んでいてもよい。上記第1表面保護フィルムは、上記積層フィルム中間体の最表面に位置してもよい。
[5]上記[4]に記載の光学積層体の製造方法は、上記異物検査工程後かつ上記打抜工程前に、上記積層フィルム中間体の第1表面保護フィルムに、第2表面保護フィルムを貼り合わせる表面保護工程を含んでいてもよい。
[6]上記[5]に記載の光学積層体の製造方法において、上記軸アライメント検査工程、上記貼合工程、上記異物検査工程および上記表面保護工程は、クリーンブース内で実施されてもよい。
[7]上記[1]から[6]のいずれかに記載の光学積層体の製造方法は、上記軸アライメント検査工程の前に、上記第1積層フィルムおよび上記第2積層フィルムのそれぞれを洗浄する洗浄工程を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、偏光子の吸収軸と位相差層の遅相軸とがなす角度を精密に制御した光学積層体を、効率的に製造し得る方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明の実施形態による光学積層体の製造方法を説明する工程フロー図である。
図2(a)は、図1に示す準備工程で準備される第2積層フィルムの概略断面図である。図2(b)は、図1に示す準備工程で準備される第1積層フィルムの概略断面図である。
図3(a)は、図1に示す貼合工程における第2積層フィルムの概略断面図である。図3(b)は、図1に示す貼合工程における第1積層フィルムの概略断面図である。
図4は、図1に示す貼合工程によって得られる積層フィルム中間体の概略断面図である。
図5(a)は、図1に示す貼合工程における第1積層フィルムおよび第2積層フィルムの概略平面図である。図5(b)は、図5(a)に示す第1積層フィルムおよび第2積層フィルムが貼り合わされた積層フィルム中間体の概略平面図である。
図6は、図1に示す異物検査工程における積層フィルム中間体の概略平面図である。
図7は、図1に示す打抜工程によって得られる光学積層体片(最終製品としての光学積層体)の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面はすべて模式的に表されており、実際の状態を正確に描いたものではない。
【0009】
A.光学積層体の製造方法の概略
図1は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の製造方法を説明する工程フロー図である。本発明の実施形態による光学積層体の製造方法は、偏光板を含む第1積層フィルムと、λ/4板として機能する第1位相差層を含む第2積層フィルムとを準備する準備工程と;第2積層フィルムの複数箇所において、第1位相差層の理想状態の遅相軸と第1位相差層の実際の遅相軸とがなす軸交差角度を検査して、複数の検査箇所のうち軸交差角度が所定範囲内である検査箇所の割合が、所定範囲内である場合に良品と判定し、所定範囲外である場合に不良品と判定する軸アライメント検査工程と;軸アライメント検査工程において良品と判定された第2積層フィルムと第1積層フィルムとを貼り合わせて、積層フィルム中間体を得る貼合工程と;積層フィルム中間体における異物の有無を検査し、積層フィルム中間体を良品または不良品と判定する異物検査工程と;異物検査工程において良品とされた積層フィルム中間体を所定サイズに打ち抜き、複数の光学積層体片を得る打抜工程と;を含む。
【0010】
本発明者らは、非常に小型(例えば、VRゴーグル用:20mm×30mm程度のサイズ)の光学積層体を作製する場合、最終製品としての光学積層体ごとに偏光子の吸収軸と第1位相差層の遅相軸とがなす角度がばらつき、それに起因して、光学積層体の特性のばらつきが許容不可能に大きくなることを新たに発見した。さらに、本発明者らは、当該課題を解決するために試行錯誤した結果、位相差フィルムにおける遅相軸の軸ずれが偏光子の吸収軸の軸ずれよりも当該課題に支配的であり、遅相軸の軸ずれが比較的小さい位相差フィルムを選択的に用いる製造プロセスを採用することにより当該課題が解決され得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の実施形態は、今まで認識されていなかった新たな課題を解決するものであり、その効果は予期せぬ優れた効果である。
上記の方法によれば、第2積層フィルムの複数箇所において、第1位相差層の理想状態の遅相軸と実際の遅相軸とがなす軸交差角度を検査して、第2積層フィルムを良品または不良品と判定した後、良品と判定した第2積層フィルムを第1積層フィルムに貼り合わせて積層フィルム中間体を得る。そのため、第2積層フィルムを良品または不良品と判定せずに、すべての第2積層フィルムを第1積層フィルムに貼り合わせる場合と比較して、偏光子の吸収軸と第1位相差層の遅相軸とがなす角度が積層フィルム中間体ごとにばらつくことを抑制できる。その結果、積層フィルム中間体から打ち抜かれる複数の光学積層体片(最終製品としての光学積層体)において、偏光子の吸収軸と第1位相差層の遅相軸とがなす角度を精密に制御でき、光学積層体片が許容不可能な不良品となる割合を低減できる。これによって、光学積層体の材料(特に第1積層フィルム)が無駄になることを抑制できる。
また、上記の方法では、打抜工程の前に異物検査工程が実施され、積層フィルム中間体が良品または不良品と判定された後、良品と判定された積層フィルム中間体から、複数の光学積層体片が打ち抜かれる。そのため、異物が混入した光学積層体片が製造される割合を十分に低減できる。また、複数の光学積層体片のそれぞれに対して異物検査工程を実施する場合と比較して、異物検査工程の実施頻度を抑制でき、光学積層体片の製造効率の向上を図ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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